【ご報告】
令和5年第4回定例会一般質問ダイジェスト版
11月27日に本会議で行った一般質問の答弁を整理しました。正式な答弁については、区議会HP等で公開されるものをご確認ください。
1.行政評価について
Q 事務事業点検方式は事業ひとつひとつが区の施策や政策の方向性にどう効果を発揮しているのか点検をしやすい特徴があるが、現在の行政評価制度が、こうした目的を果たしているかについては、疑問だ。区として行政評価の位置づけをどうとらえているのか。
A 目標と成果による区政運営のPDCAサイクルにおいてCの役割を担うものであり、基本構想で描くまちの姿の実現に向けて区が実施する事業の効果について、事業実績、コスト等により、測定、評価し、必要な改善を行い次年度予算につなげていくものである。
Q これまで事務事業の終期を決めるべきという事を再三申し上げてきた。内部で新規・拡充事業の終了時期を定めているのであれば、予算審査で議会にも示していくべき。また、その終了時期にあわせて、行政評価制度を活用し、次年度予算へ反映すべきでは。
A 新規・拡充事業については、事業期間と目標達成の時期を見定めて事業計画を立てており、国や都の補助事業期間や制度内容を参考に、終了時期を設定する事がある。予算審査における示し方については、工夫したい。評価・検証を行うことについても検討していく。
Q 今後の行政評価制度のあり方については根本的に見直しを検討すべきではないかと考えるがどうか。
A より実効性のある行政評価の実施に向けて、見直しを図っていきたい。
2.次に児童館運営・整備推進計画について
Q 児童館は、区の児童館職員だからこそ蓄積できたノウハウ継承や、現在の利用者ニーズに応えるための改善策も重要。子どもの権利の考え方に基づき計画を進めるべき。どういう理念をもって、今後の児童館の運営・整備を進めていくのか。
A 児童館の機能強化の推進や子ども・保護者のニーズを捉えた運営の改善、福祉的課題への対応強化、専門性を持った職員の育成・配置などを進めていく。その際は、中野区子どもの権利に関する条例に基づき、子どもを中心に捉え、子どもの意見表明や参加の機会を十分に確保することを理念としていく考えである。
Q 来年度からモデル事業をすすめていく。より良い運営にしていくためには、新たな児童館の運営モデルを確立させていくプロセスが重要と考えるが、現在想定しているモデル事業の実施内容、進め方について伺う。
A モデル事業の実施内容は、基幹型、乳幼児機能強化型児童館に移行する各1館において、福祉的な課題への対応や利用者ニーズを捉えた運営改善、幅広い世代が利用しやすいタイムシェア・ゾーニングの見直しなど諸課題への対応策を検討していく。
Q 基幹型については、民間運営への質を担保していく上での存在意義も重要。また、民間のノウハウを基幹型へ波及させるべく、連携をしていく必要もある。こうした相乗効果も期待できるが、民間運営に移行する際は、地域の理解を得ながら、丁寧に進めるべき。
A 基幹型の役割として中学校区内の地域連携や子ども施設の巡回・支援を位置づけており、委託館も含め地域連携の促進を図っていく。民間委託にあたっては、地域に対して丁寧に説明していくとともに移行が円滑に進むよう様々な工夫を検討していく。
Q 今後、建物の改修だけでなく、古くなったおもちゃ、備品類などの更新も重要。子どもにとって、より魅力的なものとなるよう、子どもの意見を聞きながら進めていくべきと考えるがどうか。
A 経年劣化の進んだおもちゃ、備品類も見られるため、これらの更新を進めていく必要があると認識している。更新に当たっては、子どもと子育て家庭の意見を聞きながら進めることにより魅力的な児童館運営を実現していく。
3.新庁舎整備について
Q 区では、新庁舎移転に向けて、最先端の窓口サービスの実現を目指すとしている。ライフイベントで多くの方がお見えになる想定の新庁舎2階、3階の各窓口では、新庁舎の開設当初には多くの手続きの申請書出力ができるようになるものと認識しているが、現在の検討状況は。
A 新庁舎では、現庁舎に先行導入した申請書自動交付機に加え、窓口で職員が来庁者に聞き取りを行いながらシステムに入力し申請書作成ができる仕組みの検討を行っている。高齢者や身体の不自由な来庁者が多い窓口や複数書類の作成が必要な窓口において活用するなど、利便性が大きく向上するよう取り組んでいく。
Q 今後は区民が自宅等で事前入力してきた内容を、窓口で受け付けて、効率的に手続きができる仕組みを整備していくことが主流になってくるこのような仕組みは、全庁的に導入が進み、はじめて「書かないサービス」を実現している新庁舎と言えるが、現在の検討状況、今後の見通しについて。
A 来庁者が自宅等で必要な手続きの事前入力や申請ができ、来庁した際には書く負担の軽減や所要時間の短縮につながるといったサービスの展開を検討してきた。今後はロゴフォームなどを活用することで、事前入力した内容を窓口で受け付ける仕組みを全庁的に展開していく。
Q 仕組みの構築後も、定着するまでは書かない仕組みを誘導する方策も必要。優先窓口や特別に配慮が必要な方を丁寧に案内できる仕組み等の検討が必要だがどうか。
A フロア案内人の配置とあわせて、高齢者や身体の不自由な来庁者が多い窓口においては、丁寧に聞き取り申請書の作成補助等を行うことで来庁者が安心して手続きができる仕組みも検討していく。書かない仕組みが定着していくよう、区報・HPの他、パンフレットやリーフレットなど様々な媒体を通じて周知していく。
Q おくやみ窓口は、事前予約する事で必要な手続きをあらかじめ手配できるワンストップサービスを検討していたが、どのような手法で実施する考えか。
A 事前予約された段階でお亡くなりになった方の情報を確認し、庁内各所管とも連携を取りながらご遺族が行う必要のある手続きを特定することで適切な手続きを一括で行うことができる仕組みを検討している。来庁された当日には印字済みの申請書等を用意しておきワンストップ対応を行う事を考えている。
Q 外国人相談窓口は、新庁舎4階に設けるが、具体的に窓口ではどのような対応を行っていくのか。関係機関との連携の検討状況についても併せて伺う。
A 庁内はもとより、他の行政機関を含む相談場所の案内や相談者のニーズに応じた日常生活に係る適切な情報提供などを考えている。英語、中国語の対応が可能な体制による面談および電話相談を行う事を想定しているが、AI翻訳機を活用し最大30言語に対応する予定。
Q 新庁舎1階の多機能トイレについて、設置される予定のユニバーサルベッドの配置については、より使いやすいものにしていくべきと考える。また、開設後も利用する方々から継続的にヒアリングし改善につなげていくべきと考えるがどうか。
A 土日祝日も利用可能な1階多機能トイレの多目的シートは、トイレ内の利用導線等を考慮し、縦型から横型に変更するなど、利用者や介護者が利用しやすい設備となるよう検討していく。現在改定中のUD推進計画には有識者等による評価・点検の仕組みを盛り込む予定であり、移転後も継続的に改善・向上を図っていきたい。
Q 新庁舎3階に設置予定のキッズスペースについて、手続きに来た方だけでなく気軽に立ち寄れる空間づくりが必要だと考える。どのようなコンセプト、内容で設置され、運営していく考えか伺う。
A キッズスペースは、子ども総合窓口に手続きに来た方だけでなく来庁中の子育て世代が気軽に立ち寄れる待合スペースとして準備を進めている。設置するベンチの素材に木材を利用するほか、親子が立ち寄りやすい温かい雰囲気となるような整備に取り組んでおり、設置・運営にあたっても親子にとって居心地のよい場所となるよう工夫したい。
Q 自治体でもおむつ自販機の導入が進んできており、23区では墨田区、世田谷区、北区の公共施設に設置されている。世田谷区と北区はおむつ自販機を誘導する政策判断を行い、自販機設置の際の条件とした。世田谷区では、同時に液体ミルクも自販機設置の条件としている。子育て先進区を目指す中野区としても、子育て支援施策の一環として、区有施設におむつ自販機の設置を政策的に進めていくべきと考えるがどうか。
A 飲料とともにおむつを販売できる自動販売機は、乳幼児親子が多く訪れる施設、スペースに設置できれば子育て支援策として効果が見込める。今後、多くの乳幼児親子が訪れる施設等については、実施手法も含めて検討していきたい。
Q 中野駅周辺はおむつを扱っている店舗が極端に少なく、緊急事態に購入する事が難しい。新庁舎1階は、土日祝日も区民が利用できることから、おむつ自販機の設置を検討すべきと考えるがどうか。
A 新庁舎1階には自販機コーナーの整備予定がないが、いただいたご意見を踏まえ多くの乳幼児親子が外出しやすくなるよう、おむつ自販機の設置場所や設置方法について検討していきたい。
4.健康施策について
(1)がん対策について
Q HPVワクチンのキャッチアップ接種は、来年度が3か年の最終年度であり、3回接種を終えるためには、2024年9月末までに1回目接種の必要がある。中野区でもキャッチアップ世代に対して、効果的な接種率向上に向けた取組を実施すべきと考えるがどうか。
A 医師会との連携を図るなど、キャッチアップ世代の接種率向上に向け、接種勧奨を進めていく。
Q 20歳を過ぎたら子宮頚がん検診を受けていただく事も2次予防、早期発見には必要だが、区の検診受診率は20%を切っており深刻な状況。医療機関の女性医師の有無の公表など、これまで受診していただけていない対象者のハードルを下げる取り組みの実施が必要と考えるがどうか。
A 検診受診率の向上は重要な課題であると認識しており、行動変容を促す受診勧奨など工夫しながら取り組んでいく。医療機関の女性医師の有無の公表については今後関係者と調整しながら検討する。
Q AYA世代は保険未加入者も多く、経済的に困窮するリスクも高い。40歳未満では介護保険制度が利用できず、制度の狭間となっている。ターミナル期に対応した訪問診療・看護・介護ステーション等との連携や支援について必要だと考えるが区の見解は。
A AYA世代のがん患者については、学齢期から成人期にかけてライフステージが変化する年代で、一人ひとりのニーズにあわせた支援が必要であると認識している。訪問診療などの医療従事者や介護事業者などで構成された地域包括ケア推進会議の在宅療養推進部会において、課題の共有と支援のあり方について検討していく。
Q がん治療による外見の変化が、治療や就労への意欲の低下につながることもある。抗がん剤治療などにより髪の毛が抜けてしまう方や、乳がん治療で乳房切除を行う方に対し、中野区でもウィッグや補正下着の購入費の助成を行う必要があると考えるがどうか。
A 区でもがん治療に伴う外見の変化についての相談が寄せられており、支援が必要であると認識している。がん患者に対するウィッグ、胸部補正用具等アピアランスケア事業を令和6年度から開始できるよう検討を進めている。
(2)性教育について
Q 中野区では昨年度から保護者向けの性教育をテーマにした講演会も行っている。オンライン開催で、アーカイブ配信をしたこともあり、130名もの方が登録し視聴された。来年度以降も性教育をテーマとした講演会を継続して実施していくべきと考えるがどうか。
A 現在改定中の男女共同参画基本計画には「性に関する知識の普及啓発のための取組」を盛り込むことを考えている。この中で、広く区民を対象とし、性教育をテーマとした講演会の実施についても検討してまいりたい。
(3)不妊治療に対する支援について
Q 不妊治療が保険適用となり、窓口での支払いが少額になった。これにより、新規参入者が大幅に増え、少子化対策にもつながると考える。一方、保険適用外治療の中には、これまでの助成制度の仕組みでは対象とされていたものもあり、カップルの負担になっている。中野区でも、不妊治療保険適用外の先進医療に対する支援を新たに始めるべきと考えるがどうか。
A 区では、少子化対策および子育て支援策として、不妊専門相談や不妊検査に係る費用の助成等を行っているところであり、妊娠を望む方、不妊に悩む方を応援する取組を行っている。保険適用外の先進医療への費用助成は重要なことだと考えており、現在事業実施について検討している。
令和5年第4回定例会で一般質問を行いました!
11月27日(月)から第4回定例会が始まりました。会期は12月12日までとなります。11月27日の本会議で、会派の2番手として一般質問を行いました。質問原稿を掲載します。区からの回答については、改めて後日アップさせていただきます。
1.行政評価制度について
2.児童館運営・整備推進計画について
3.新庁舎整備について
4.健康施策について
(1)がん対策について
(2)性教育について
(3)不妊治療への支援について
(4)その他
5.その他
令和5年第4回定例会にあたり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りで、その他はありません。
1.まず行政評価について伺います。
中野区の行政評価制度は毎年見直しを行っておりますが、令和2年度からは、事務事業点検方式に変更をされました。前年までは、すべての分野を対象に内部評価を実施するなど、内部事務が非常に煩雑だったと聞きます。令和5年度は、各部が選定する46事業と企画部が選定する8事業を対象に内部評価を実施。同企画部選定事業に対し外部評価も実施し、その他の事業については自己点検のみにとどまっています。
事務事業点検方式に見直された事は評価していますが、それは事業ひとつひとつが区の施策や政策の方向性、さらには基本構想で掲げる10年後のまちの未来に、どう効果を発揮しているのか点検をしやすい特徴があるからです。一方で、現在の行政評価制度そのものが、こうした目的を果たしているかについては、疑問を持たざるを得ません。まず、区として行政評価の位置づけをどうとらえているのか伺います。
2021年12月に総務委員会で愛知県知立市の行政評価制度を視察しました。知立市では、委託料や特定の補助金など、実際に予算が伴う政策的な事業を対象として「各係1事業」と絞る事で事業見直しの確実性を増した事務事業点検を実施しています。これにより、予算への反映ができるようになったとの事でした。知立市の場合は、予算への反映という目的で行政評価を行っている為、中野区が何を目的として行政評価を行うのかによっては、参考にできる部分も大きいのではと考えます。これまで、事務事業の終期を決めるべきという事を再三申し上げてきました。令和5年度予算編成方針から、新規・拡充事業の事業計画を立てる際は、事業期間と目標達成の時期を見定め、更に、当初設定した終了時期を迎える事業については、エビデンスを基にそれまでの効果検証を行い、事業の有効性や実効性を踏まえて改めて事業計画を立てる事としています。一方で、これらの終了時期は公にされていません。内部で新規・拡充事業の終了時期を定めているのであれば、予算審査で議会にも示していくべきと考えます。更に、その終了時期にあわせて、行政評価制度を活用し、次年度予算への反映を目指していくべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに新規・拡充事業だけでなく、継続実施している事業についても終期を定めていくべきです。見解をお示しください。
11月の総務委員会に外部評価の実施結果について報告がありました。私も外部評価の一部を傍聴致しました。現在の外部評価は「委員会」という形にはなっていません。評価結果を見ても、4人の委員それぞれの視点で今後の事業の方向性や意見などが記載されており、まとまった意見にはなっていません。本来、違う立場の方々に一定のまとまった意見を区に出していただく事で、影響力が出るのではないかと考えます。区民からは外部評価モニターという形で意見募集もされていますが、やりとりもオンライン等で見られず、他の意見募集となんら変わりがないように思えます。こうした課題を整理したうえで、今後の行政評価制度のあり方については根本的に見直しを検討すべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。
2.次に児童館運営・整備推進計画について伺います。
第3回定例会では児童館運営・整備推進計画の素案が示されました。社会情勢の変化に合わせた役割の見直しと機能強化が求められる一方で児童館職員数が圧倒的に足りないなどの状況から、素案の中で区は乳幼児機能強化型児童館として8館および中高生機能強化型児童館1館を委託化する案を示していますが、同時に区の児童館職員だからこそ蓄積できたノウハウ継承や、現在の利用者ニーズに応えるための改善策も重要です。そのためには、人材育成や新たな役割の認識も重要です。計画を進めていく際には子どもの権利の考え方に基づき進めていただきたいと考えます。区として、どういう理念をもって、今後の児童館の運営・整備を進めていくのか。区の見解を伺います。
運営整備推進計画の中では、来年度からモデル事業をすすめていく予定です。具体的には、朝日が丘児童館で乳幼児強化型施設、また城山ふれあいの家で基幹型児童館のモデル事業を行う予定です。より良い運営にしていくためには、新たな児童館の運営モデルを確立させていくプロセスが重要になります。現在想定しているモデル事業の実施内容、進め方について、伺います。職員体制、子どもの意見反映や、保護者のニーズ、福祉的な役割、世代間でのタイムシェアなど、どのように進めていくのか。区の見解をお示しください。
乳幼児強化型および中高生機能強化型の民間運営になる児童館については、民間のノウハウにより、より魅力的な施設を目指すべきと考えています。基幹型児童館については、民間運営への質を担保していく上での存在意義も重要です。また、民間のノウハウを基幹型へ波及させるべく、連携をしていく必要もあります。こうした相乗効果も期待できます。一方で、民間運営に移行するに当たっては、地域の理解を得ながら、丁寧に進めていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
また、今後は計画に基づき、建物の改修を進めていくことになりますが、建物の改修だけでなく、古くなったおもちゃ、備品類などの更新も重要になります。令和2年度予算では、森林環境譲与税を活用した木製おもちゃの配置予定もありましたが、執行停止されたままです。子どもにとって、より魅力的なものとなるよう、子どもの意見を聞きながら進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。
3.新庁舎整備について
新庁舎移転を契機にして区民サービスを飛躍的に向上させる事はわが会派として繰り返し要望をしてきました。区では、新庁舎移転に向けて、書かないサービスの提供を目標に掲げ、最先端の窓口サービスの実現を目指すとしています。他の自治体では様々な取組の検討が進んでいます。新庁舎への移転機会にサービスを見直す最大のチャンスであり、他自治体に後れをとるようなことがあってはなりません。第2回定例会本会議では、申請書を出力できる仕組みを検討しているとの事でした。来庁された方の負担を軽減できるよう、ライフイベントで多くの方がお見えになる想定の新庁舎2階、3階の各窓口では、新庁舎の開設当初には多くの手続きの申請書出力ができるようになるものと認識していますが、現在の検討状況を伺います。
また、今後は区民が自宅等で事前入力してきた内容を、窓口で受け付けて、効率的に手続きができる仕組みを整備していくことが主流になってくるものと思われます。このような仕組みは、2・3階窓口はもとより、全庁的に導入が進み、はじめて「書かないサービス」を実現している新庁舎と言えると考えていますが、現在の検討状況、今後の見通しについて見解をお示しください。
また、仕組みが構築された後も、一定期間はそれが定着するまで、書かない仕組みを誘導する方策も必要です。申請書出力の仕組みや事前申請の利用者が案内する優先窓口を設けたり、特別に配慮が必要な方を丁寧に案内できる仕組み、仕掛け・案内窓口の設置を検討すべきと考えますが、伺います。
書かないサービスに関連して、おくやみ窓口、外国人相談窓口の検討状況について伺います。以前の本会議答弁では、事前予約する事で必要な手続きをあらかじめ手配できるワンストップサービスを検討しているとのことでしたが、どのような手法で実施する考えか伺います。また外国人相談窓口については、新庁舎4階に設けて対応するとのことでしたが、具体的に窓口ではどのような対応を行っていくのでしょうか。区の手続き以外の関係機関との連携の検討状況についても併せて伺います。
関係団体から、区内施設にユニバーサルベッドの設置についてのご要望をいただいており、これまでもわが会派の河合議員が取り上げてきました。新庁舎1階は、土日祝日も使用でき、これからの区有施設のシンボル的な建物となることから、必要な方が使用しやすいよう、同フロアの多機能トイレに設置される予定のユニバーサルベッドの配置については、より使いやすいものにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、開設後もユニバーサルデザインの観点から、関係団体等利用する方々から使用状況など継続的にヒアリングし改善につなげていくべきと考えますが、見解をお示しください。
新庁舎整備における子育て先進区を目指す中野区としての姿勢を伺います。
まず、新庁舎3階に設置予定のキッズスペースについて。このキッズスペースは子育て先進区を目指す中野区にとって、象徴的なものとなる可能性を秘めていると考えます。中野駅周辺には、屋内でハイハイできるようなスペースは現在なく、サンプラザ跡施設で設置予定の屋内遊び場ができるまでも当分の間この状況は続きます。手続きに来た方だけでなく気軽に立ち寄れる空間づくりが必要だと考えます。どのようなコンセプト、内容で設置され、運営していく考えか、区長の見解を伺います。
また、中野駅周辺はおむつ購入の過疎地であるという認識について。乳幼児を育てる家庭はお出かけの際に予備のおむつを持ち歩いていますが緊急的におむつを購入する事が必要な事態が起きてしまう事があります。中野駅周辺はドラッグストアでもおむつを扱っている店舗が極端に少なく、緊急事態に購入する事が難しいことはたびたび話題になっています。
多くの大規模商業施設には、おむつを購入できる自動販売機の設置が進んでいますが、近年自治体でもこのおむつ自販機の導入が進んできており、23区では墨田区、世田谷区、北区の公共施設に設置されています。墨田区は指定管理者の自主事業としてですが、世田谷区と北区はおむつ自販機を誘導する政策判断を行い、自販機設置の際の条件としたと伺いました。世田谷区では、同時に液体ミルクも自販機設置の条件としています。子育て先進区を目指す中野区としても、子育て支援施策の一環として、区有施設におむつ自販機の設置を政策的に進めていくべきと考えます、見解をお示しください。
先に述べたように、中野駅周辺はおむつ購入の過疎地です。新庁舎1階は、土日祝日も区民が利用できることから、新庁舎1階におむつ自販機の設置を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。また、乳幼児親子が利用する区有施設、例えばすこやか福祉センターや公園などについても順次導入を検討すべきと考えます。見解を伺います。
4.健康施策について
(1)がん対策について
まずは子宮頸がん対策について伺います。11月は子宮頸がん予防月間で、11月17日と18日には世界保健機関(WHO)が主催する「子宮頸がん撲滅 世界一斉イルミネーション」と連動したティールブルーキャンペーンも行われました。子宮頸がん対策にはHPVワクチンの接種と子宮頸がん検診の両輪で行っていく必要があります。年間3000人近くが子宮頸がんでお亡くなりになっていますが、ワクチン接種率が低い日本では、このままだと将来的に年間5000人以上が命を失う可能性があるとも言われています。中野区では、今年度から男子へのHPVワクチン接種費用助成を始めました。東京都でも中野区を先進事例として、追随していく動きがみられ、更には自民党の「HPVワクチン推進議員連盟」は男性へのHPVワクチンの定期接種化を政府に要望する方針を先の総会でまとめました。中野区が先陣を切って進めて来たことで、こうした動きが出て来たといっても過言ではなく、高く評価しています。一方で、定期接種の時期を過ぎてしまった方々を対象としたキャッチアップ接種は、いまだ接種率が伸びないものの、来年度が3か年の最終年度となり、この世代への情報や機会提供は早急な対応が必要です。3回接種を終えるためには、2024年9月末までに1回目の接種をする必要があります。宮崎市では、キャッチアップ世代の接種を促進する目的で、この11月に大学で集団接種を行う取組を実施しています。熊本大学などでもキャッチアップ世代を対象とした集団接種が行われています。こうした事例を参考にしながら、中野区でもキャッチアップ世代に対して、効果的な接種率向上に向けた取組を実施すべきと考えますが見解をお示しください。
HPVワクチンはセクシャルデビュー前に接種することで8~9割近い効果があると言われていますが、20歳を過ぎたら子宮頚がん検診を受けていただく事も2次予防、早期発見には必要です。一方で、区の検診受診率は20%を切っており、深刻です。未受診者に対する受診勧奨を実施していますが、受診率の向上にはつながっておらず、新たな対策が必要です。医療機関の女性医師の有無の公表など、これまで受診していただけていない対象者のハードルを下げる取り組みの実施が必要と考えます。国では検診のあり方に関する検討会でハイリスクHPV検査の導入の検討が行われており、自治体がこれまでの細胞診かHPV検査のいずれかを選択する事になる旨、一部報道が出ています。こうした状況を注視しながら検診受診率の向上に取り組むべきと考えます。見解をお示しください。
次に、AYA世代のがん対策について伺います。AYA世代とは、15歳から39歳と暫定的に定義されています。一般的に貯蓄は少なく、また医療保険やがん保険の未加入者も少なくありません。思いがけずがんに罹患すると経済的に困窮するリスクが高くなっています。東京都では、平成30年に「AYA世代のがん患者に関する実態調査」を行っており、患者調査ではがん治療が難しくなった場合に過ごしたい場所は、「自宅」が54.7%と最も多くなっています。療養上の課題としては、40歳未満であるAYA世代は介護保険制度を利用ができません。特に20~39歳は制度のはざま世代と呼ばれています。健康保険、医療費の高額療養費制度等、限られた精度しか利用できないため、ターミナル期に介護サービスを利用したい場合、すべての費用を負担することになります。こうした背景から、AYA世代のがんターミナル期の方へ在宅療養に必要な福祉用具や訪問介護の利用料を助成する自治体もあります。また、ターミナル期に対応できる訪問診療・看護・介護ステーション等との連携や支援も必要です。区の見解をお示しください。
また、東京都の調査では、医療費以外の経済的負担に関してはアピアランス(外見)ケアにかかる費用に対する負担が大きいとの結果が出ています。がん治療による外見の変化が、治療や就労への意欲の低下につながることもあります。抗がん剤治療などにより髪の毛が抜けてしまう方や、乳がん治療で乳房切除を行う方に対し、中野区でもウィッグや補正下着の購入費の助成を行う必要があると考えます。見解を伺います。
(2)性教育について
これまでも包括的性教育の必要性を求めてきましたが、学校教育の中では、学習指導要領のはどめ規定がある事の影響から、なかなか性教育の充実ははかられていません。一方で、中野区では昨年度から子ども政策担当課で、子ども子育てに関する講演会を実施しており、そのひとつに保護者向けの性教育をテーマにした講演会も行われました。オンラインでの開催で、さらにアーカイブ配信をしたこともあり、130名もの方が登録をしていただき、ニーズが高い事は明白です。今年度も同様に実施予定と伺っています。一方で、包括的性教育は子育て家庭だけにとどまらず、広く区民が対象となるべき事業です。決算子ども文教分科会の中では、今後については関係所管とも調整した上で検討する旨のご答弁がありました。引き続き、来年度以降も性教育をテーマとした講演会は実施していくべきと考えます。しかるべき所管で継続して実施すべきと考えますが、見解をお示しください。
(3)不妊治療に対する支援について
令和4年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。これまで大きな経済的負担となっていたこれらの先進医療についても3割負担となり、窓口での支払いが少額で済むようになり、アクセスしやすくなりました。これにより、若い世代で体外受精などにステップアップをためらっていた新規参入者が大幅に増えたと聞いています。早い段階で先進医療に進むことは成功率への寄与も期待され、少子化対策にもつながると考えています。一方で、一部の先進医療については、保険適用外となっているものもあります。中には、これまでの助成制度の仕組みでは対象とされていたものもあり、保険適用によりカップルの負担になっています。これらを活用される方の多くは、保険適用前から不妊治療を続けている方で、回数や年齢のリミットも近い状況です。現在、東京都では保険適用外の先進医療に対し、助成制度を設けています。23区の中でも東京都の助成に上乗せ補助を出すなど、保険適用になった後も不妊治療を応援していく姿勢を示している区が9区あります。中野区でも、こうした不妊治療保険適用外の先進医療に対する支援を新たに始めるべきと考えます。区の見解を伺い、私のすべての質問を終わります。
区長および教育長に令和6年度予算要望を提出しました
昨日10月23日、立憲・国民・ネット・無所属議員団として、区長および教育長に来年度に向けた予算要望を提出しました。区民の皆様や区内団体の方々からいただいた声をもとにまとめさせていただきました。引き続き、声を届けていきます。
会派として200を超える事業・施策を要望しておりますが、12件を重点要望として提出させていただきました。
<重点要望>
● 区民生活・地域経済の実態を踏まえた物価高対策の実施
● 学齢期の学校給食食材費の公費負担と区立学校給食費の公会計化
● まちづくりに伴い発生する権利床等の活用方針の十分な検討
● 地域包括支援センター体制の拡充
● デジタル地域通貨の導入
● 公共施設の活用を含む一時預かり事業の検討と拡充
● 環境配慮型まちづくりへの具体策の検討
● 西武新宿線(中井~野方駅間)連続立体交差事業の 事業施行期間内での確実な実現
● 行政評価制度の在り方再検討
● 中野駅北口喫煙所の速やかな環境の改善及び区内各駅周辺の 分煙推進
● DX推進を担うデジタル人材の確保と育成
● レスパイト支援等ケアラー支援の拡充
令和5年第3回定例会本会議一般質問を行いました!
9月14日からスタートした第3回定例会で、一般質問を行いました。
私が行った質疑のハイライトと区の答弁をアップ致します。
1.中野区実施計画について
Q実施計画での3つの重点プロジェクトについて差異がなく、今後3年間の取組が具体的に示されるべきと考えるが。
A どのプロジェクトにおいても差異なく年次ごとの具体的な事業展開を示す考え。
Q 現段階での実施計画における財政見通しについて区の見解は。
A 安定的な区政運営を進めていく事ができる財政見通しになっている。新たな財政運営の考え方に基づき、予算編成手法の見直しや将来の財政需要を想定した基金残高の確保を中心とした財政運営を徹底し、区の取組を着実に推進していく。
Q 構造改革実行プログラムの中で行ってきた予算編成の中で新規事業と既存事業の見直しは今後も必要であり、行政評価の取組に移行していく事も考えるべき。併せて実効性のある行政評価制度の再構築も必要。
A 効率的な区政運営実現のため、ビルドアンドスクラップの取組は今後も必要なものと認識している。これを継続していくためのひとつの方策として行政評価をより実効性のあるものにするための検討を行っていきたい
2.子育て先進区に向けた取組について
(1) 地域の子ども施設について
Q 条例を改正せず「児童館」のままとすることとなったが機能転換する児童館もある。今のままの児童館が残るわけではないということは区民にじゅうぶんに説明していく必要があるが。
A 意見交換会等を開催し、児童館の機能等について周知を図るとともに、子どもを含む区民から意見を聴取し、子どもの子育て家庭のニーズを捉えたより魅力的な施設となるよう運営に反映していく
Q 児童館の在り方については子育て当事者や子どもの声を吸い上げる必要がある。特に乳幼児機能と中高生機能強化型児童館については民間のノウハウをじゅうぶんに生かした満足度の高い施設転換が求められるが。
A 機能強化後の運営を想定したモデル事業を実施し利用者である子どもや保護者等の意見を運営に反映していく。乳幼児および中高生機能強化型児童館においてはノウハウを持つ事業者に委託することにより、より魅力的な運営をしていきたい。
Q 今後の施設更新について、区はこれまで児童館の施設更新を前提とした財政運営をしてきていない。実施計画や今後の財政運営については児童館の新たな展開を踏まえた整備費やスケジュールを反映したものにしていくべきだが。
A 実施計画において児童館の今後の展開を踏まえた経費やスケジュールを盛り込み、区全体の財政フレームの中で持続可能な財戦運営が実現できるよう検討を進める。
(2) 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について
Q 産後ケア事業において多胎児は単体児の1.5倍の利用回数・時間が設けられているが、子どもが2人になることで親の負担は2倍以上となる。産後ケア事業には虐待防止対策としても重要であり、現在の回数を子どもの人数分の利用回数・時間に増やす必要があると考えるが。
A 多胎児家庭については利用期間の延長やサービス利用の緩和など現行の利用回数の枠内で運用上の改善を図るとともに、ニーズの把握に努めしっかりと手の届く多胎児支援を検討していく。
Q 産後ケア施設では気になる利用者の状況把握等もしている。こうした情報共有や産後ケアの意義と実態への理解についても更に進めていく必要がある。かんがるー面接を行っている事業者、すこやか担当職員、産後ケア実施施設等で情報共有する定期的な連絡会を行ってはどうか。
A 産後ケアサービスにおける質の確保や課題を共有する場が必要と認識しており、関係者の連絡・協議の場を設置する予定である。
Q 今年度からLINE運用支援ツールを活用した区立保育園の一時保育の申し込みが導入された。産前産後事業など子育て関連事業の予約についても来年度の導入を見据え関係所管で調整すべきと考えるが。
A 子育て世帯のユーザーが多いLINEの特性をふまえ、すこやか福祉センターで行っている子育て支援事業の一部予約について年度内に施行を開始する予定。この結果をふまえ、来年度の導入に向けて引き続き検討していきたい。
Q 妊産婦歯科健康診査の案内について、妊娠届出時の母子バッグのみであり、かんがるーブックやトータルケア事業の一覧にも記載がない。産前産後の口腔ケアの重要性をこれまで以上に広報していく必要性があると考えるがどうか。
A 今年度改訂するかんがるーブックに案内を記載するとともにLINEによる子育て支援情報の配信時期・回数を工夫するなどこれまで以上の広報をしていきたい。また、こんにちは赤ちゃん訪問や健診の機会を捉え、妊産期における口腔ケアの必要性を伝えていく。
3.中野駅周辺まちづくりについて
Q 再開発事業収支の検討における都市計画駐車場や歩行者デッキの所有変更により固定資産税のコストダウンはどの程度なのか。また別の補助金導入による収支改善はどれくらいなのか、具体的な数字をもって事業者と交渉にあたる必要があると考えるが。
A 区としては、これらの協議・調整を通じて施行予定者の更なる収支改善の取り組みを強く求めて生きたいと考えている。
Q 将来に不確定要素を持つ展望施設やバンケットなどの施設は民間のノウハウで進めるべきであり、事業収支改善検討の中でも事業者提案内容の継承は引き続き求めていくべき。また、事業収支改善の協議により権利床の持ち方にも影響が出ると考えるがどうか。
A 施行予定者側からのこれまでの提案内容については、区として実現を求めることを基本としており、事業収支検討等の影響により施設計画の内容が変わる場合であっても、当初提案の機能や考え方の継承は必要であると考えている。権利床については、区として必要な機能を整理し、この機能の実現に向けて施行予定者と協議するとともに権利床の活用も視野に入れ検討を進める方針。
4.多文化共生について
Q 令和5年度の外国人人口の推移についてどうなっているのか。
A 外国人の住民登録者は令和元年11月に過去最高となる20,224人となったがコロナ感染拡大等の影響により令和4年3月末には15,484人まで落ち込んだ。令和5年9月1日時点で、19,775人となり令和5年から6年の期間において過去最高を記録すると見込んでいる。
Q 中野区多文化共生基本方針では、外国人に対する日本語学習支援として中野区国際交流協会が行っている事業が挙げられているが、区の財政的な補助は一部にとどまっているものもある。また、日本語学習支援を進めていく上では日本語指導のボランティアについても人材の確保や育成に向けた取組が必要。これらの課題解決のため、補助対象事業の見直しを含め改めて中野区国際交流協会と協議を行うべきと考える。
A 日本語学習支援は、日本語の習熟という点はもちろん、区民との交流や相互理解を深めていくためにも重要であり、国際交流協会等関係団体と協力しながら支援を進めていきたい。ボランティア人材の確保や育成、効率的な事業運営方法など課題があると認識しており、区からの財政的支援の在り方含め、中野区国際交流協会と協議していきたい。
Q 教育センターの「なかのフレンドルーム」が行っている「外国籍児童・生徒に対する編入学前のオリエンテーション」をより分かりやすく広報し活用してもらうべきと考えるが。
A 今後は多言語化したリーフレットを「入学のしおり」に加えるとともに区のHPで案内するなど「なかのフレンドルーム」の情報が必要な人に届くよう周知方法を工夫していく。
Q 日本語指導が必要な幼児児童生徒に対しての日本語指導派遣は現在80時間までとなっているが、受験が近づいている中学校2・3年生に対しては、より日本語指導を強化する必要があると考えるがどうか。
A 受験を迎える中学校2・3年生については、支援を強化する必要があることは認識しており、現在、外国人留学生等の地域人材の活用や大学との連携、ICT活用等を進めているところである。
Q 令和2年度に行う予定だった外国人生徒の実態調査は、新型コロナ感染拡大の影響で業務委託の執行を停止し、その他は外国人就学状況調査を毎年行っていたが、外国人生徒が増えることを見据え、よりきめ細やかな対応につなげるために精度をあげた調査が必要になると考えるが。
A 令和2年度より外国人就学状況調査を実施しており、令和4年度より回答がなかった保護者に対し職員が訪問し就学状況調査票に必要事項を記載等の対応を行っている。不在の場合は、不在箋を投函しているが、その後も数名の保護者は回答の連絡がないため、そのような場合にどう対応するか今後検討していきたい。
Q 外国人住民の増加により複合的に支援が必要になる方が増える中、出産時や産前産後ケアのける外国人支援という観点が抜け落ちている。出産時に指をさして状況を絵で伝える事ができる「指差しボード」の配置やNPOとの連携を検討すべきと考えるが。
A 現在、すこやか福祉センターでは外国人妊産婦の支援として、多言語化に対応するための翻訳タブレットのほか、医療通訳等の母子保健通訳相談をNPOと連携し実施している。出産時のコミュニケーションについては課題と認識しており、医療機関や産後ケア施設等における実態を把握し、安心して出産・育児ができるよう支援策を検討していく。
Q 令和4年3月に制定された人権多様性条例は、外国人住民が増えれば活かされる場面も増える為、より充実した体制を考えていく必要がある。新庁舎で配置予定の外国人相談窓口等との相互連携も含め江体制の整備をしていく必要があると考えるが。
A 区では本条例に基づき、区民および事業者から人権および多様性に関する相談等を受けたいときは、必要な調査を行い、助言又は指導を行うなど、解決のための支援を行うこととしている。支援にあたっては、配置予定の外国人祖団窓口や国・都と連携し適切な役割分担のもと、祖団対応にあたっていきたい。
5.感染症対策について
Q 現在新型コロナウイルス感染症の流行状況は第9波といえる状況にある。検査を行っていない人も多く存在する事も踏まえると、流行拡大期の真っただ中にいると言っていい。現在の感染状況について伺う。
A 5月8日以降、19週は東京都が定点医療機関あたり2.40人、中野区が2.60人であったが、直近の35週では東京都では17.01人、中野区は21.30人と感染の拡大傾向がみられる。
Q マスク着用は国の方針で個人の判断としているが、感染拡大が顕著な地域では自治体の判断でマスク着用を推奨している。経済や社会活動を止めない為にも、今後感染拡大時におけるマスク着用を中野区でも行っていくべきと考えるが。
A 感染拡大が続いている状況では、区民に対し注意喚起を行うことは必要と考える。一方、季節性インフルエンザのように注意報および警報発令基準が示されている疾患に比べて、新型コロナは定点把握に指定されてから間がなく基準が示されていない。区としては、国や都などの専門家の意見等を参考に、適切な時期にマスクの着用が効果的な場面の周知も含め、注意喚起を行っていく。
第3回定例会で行った一般質問の原稿を公開します
9月14日に、立憲・国民・ネット・無所属議員団を代表して一般質問を行いました。
私が行った質問の原稿をアップ致します。
のちほど、質疑のハイライトと区の答弁をあわせて掲載を致します。
1.中野区実施計画について
2.子育て先進区に向けた取組について
(1) 地域の子ども施設について
(2) 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について
(3) その他
3.中野駅周辺まちづくりについて
4.多文化共生について
5.感染症対策について
6.その他
令和5年第3回定例会にあたり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りでその他はございません。
1.実施計画について
令和4年12月の総務委員会に「中野区基本計画の進め方及び中野区構造改革実行プログラムについて」の報告がされ、その中で実施計画を策定する旨が初めて議会に報告されました。
その目的は、①後期の取組の具体化、②区政運営に係る取り組みの具体化、③3か年の財政フレームを示す事とされています。閉会中の各常任委員会に、中野区実施計画(骨子)について報告がされましたが、実施計画の骨格を示すにとどまり具体的な中身については示されませんでした。10月予定の実施計画(素案)では、それぞれの年度において実施する事業が具体化されたものが示されるとの答弁でした。
一方で、区では重点プロジェクト推進会議を行って来ており、今年度はすでに14回の会議を重ねて来たと総務委員会で答弁されました。14回もの会議を重ねる中で、どのように組織横断的かつ重点的に対応してきたのか、伺います。
この間、重点プロジェクトの推進のため、細やかな庁内連携を行ってきたことは評価します。実施計画では、重点プロジェクトについても新たな展開を検討中の主な事項を掲載するとしていますが、これまでの議会での議論では進捗に差があるのではと懸念しています。3つの重点プロジェクトの進捗に差異がなく、今後3年間の取り組みがより具体的に示されていくべきと考えます。見解を伺います。
実施計画では、今後3か年の取組や新たな財政運営の考え方を踏まえた財政フレームを見積もるとしています。令和3年9月策定の基本計画では、直前からコロナがまん延し、財政非常事態を宣言するなど区として財政の見通しが出来なかったことで後期の取組の具体化が出来なかったとの認識です。しかしながら、令和4年度予算、令和3年度決算、令和5年度予算の数字を見ていくと、歳入は増加しており、財政見通しは決して危ぶむ状況ではないとの認識です。
一方で、令和5年度予算では経常経費化している事業が新規事業として増えている事や、当初予定よりも様々な要因で予算が増加している事業も増えています。更には、物価高騰も進んでおり、特に施設更新については区財政への影響は大きいとも考えます。こうした状況も鑑みたうえで、事業の具体化を進めていく必要があると考えます。しかしながら令和4年度決算の経常収支比率は70.4となり、事業を絞りすぎた令和3年度よりも低い水準となりました。現段階での実施計画における財政見通しについて、区の見解を伺います。
構造改革実行プログラムの取り扱いについて伺います。
令和3年8月に策定した構造改革実行プログラムの当初の目的は1.財政非常事態に対応するため 2.新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るための2点がありました。財政の非常事態という状況ではないと令和4年第二回定例会に区として方針を転換しましたが、2つめの目的である新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るためという視点は残り、令和5年度までの3か年の取組を継続するとしていました。今後も引き続き取り組むべき課題は実施計画の中に盛り込んでいく方針が示されています。
構造改革実行プログラムの中で行うとしてきた各年度の予算編成の中で新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルドアンドスクラップを行いながら対応していく事は今後も必要だと考えます。行政評価の取組として移行していく事も考えていくべきです。あわせて、実効性のある行政評価制度の再構築も必要と考えます。区の見解をお示しください。
2.子育て先進区に向けた取組について
まず(1)地域の子ども施設について伺います。
令和5年第2回定例会に「児童館の運営及び整備に係る展開について」が報告され、児童館条例に基づく施設の位置づけを継続することが示されました。法律上の児童館として位置づける事により、0歳から18歳までを対象とした児童厚生施設として、これまで児童館が果たしてきた機能と役割を基礎とした上で、令和4年第4回定例会に示されていたソーシャルワーク機能や乳幼児機能、中高生機能等を強化していく事が報告されました。条例を改正せず「児童館」のままとするとなりましたが、機能転換する施設はこれまでの中野の児童館とは異なる機能の施設となります。今のままの児童館が残るわけではないという事は、誤解が生じないように引き続き区民にわかりやすく説明していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 更に、現在の児童館が必ずしも今の子どもと子育て世代の要望に十分に応えきれていないという課題もこれまで指摘してきました。子育て広場、キッズプラザ、学童など児童館以外の地域子ども施設の整備が進み、児童館の利用実態に変化が見られる中、児童館も変わっていかなければいけません。区は5月から6月にかけて、子どもの居場所・遊び場に関するアンケートを実施しました。こうした結果も参考にしながら、今後の児童館の在り方について子育て当事者の声、また子どもの声を吸い上げていただく必要があると考えます。特に乳幼児機能および中高生機能強化型の児童館については民間のノウハウをじゅうぶんに活かしながら満足度の高い施設への転換が求められます。区の見解を伺います。
今後の児童館の機能強化を円滑に進めるとともに、計画的な施設更新を実現するため、区は児童館運営・整備推進計画を今年度末に策定するとしています。8月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会に「子どもの居場所づくりについて」の報告がされ、「児童館のコストについて」が参考資料として示されていますが、この資料については大規模改修や建て替えを前提としていなかったコストです。今後、計画的な施設更新を行っていくにあたって、順次、大規模改修もしくは改築での対応が必要になります。こうしたコスト面に関しても明らかにしていく必要があると考えますが、区の見解をお示しください。区はこれまで児童館の施設更新を前提とした財政運営をしてきていませんでした。現在策定を進めている実施計画や今後の財政運営については、児童館の新たな展開を踏まえた整備費やスケジュールを反映したものとしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
児童館での人材育成について伺います。基幹型の児童館9館では、福祉職の配置をしていく事が示されています。ソーシャルワーク機能を強化した運営を行うために、区の直営で運営する事としています。児童相談所設置向けた議論の中で、児童館やすこやか福祉センターでのジョブローテーションを見据えた人材確保・育成をすすめていくべきとこれまでもうったえてきました。ソーシャル機能の強化をしていく方針が改めて示された中で、区としてどのように児童館での福祉職の人材育成をすすめていくのか、伺います。こうした取組は児童相談所との連携強化も期待ができます。さらには、これまでの児童館職員のスキル継承も重要です。令和3年第4回定例会で児童館条例が否決されてから2年弱が経過しましたが、この間、会計年度任用職員等で足りない職員体制を補って来ています。児童館職員のノウハウ継承とソーシャルワーク機能の強化のための人材配置はこれ以上先延ばしにできないものと考えます。これらの課題をじゅうぶんに踏まえたスケジュールとなるよう早急に計画を進めていかなければいけないと考えますが、あわせて区の見解を伺います。
次に(2)妊娠出産子育てトータルケア事業について伺います。
中野区では平成27年10月から産前・産後・子育てを切れ目なく応援するために妊娠出産子育てトータルケア事業を行っています。区は令和4年4月から、すべての妊婦が支援を必要とする対象とし、妊婦面接時にすべての妊婦に産後ケアカードを発行することに変更。また、長年私たち会派からうったえてきた産後ケア事業の利用種別と回数について柔軟な運用とするなど、利用者のニーズにあわせた活用ができるよう変更しました。さらには、講座の拡充などにも取り組んできており、中野区の産前産後の支援は先進的なものになってきています。子育て先進区実現のために、さらに利用者のニーズをとらえた取組の強化が必要だと考えます。まず産後ケア事業の中で伺います。現在、多胎児については、単胎児の1.5倍の利用回数・時間が設けられています。しかし、子どもが2人になることで、親の負担は倍以上となります。多胎児の母親が育児疲れで子供を虐待死させてしまった痛ましい事件も記憶に新しく、こうした事象を事前に防ぐのも産後ケア事業に求められているところです。こうした観点を踏まえ、現在の回数を子どもの人数分の利用回数・時間へと増やす必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、多胎児家族は養育困難家庭として長期の支援が必要です。産後ケア事業だけではなく、すこやか福祉センターや児童相談所との連携も必要に応じて強化していく必要性もあると考えます。産後ケア施設では、事業利用時に多胎児家庭だけにとどまらず、気になる状況の把握等もしているそうです。こうした情報の共有や、またこれまでも課題とされてきた産後ケアの意義と実態への理解についても、更に進めていく必要がありますが、現在は支援の担い手側の共有の場がありません。かんがるー面接を行っている委託事業者、すこやか福祉センター担当職員、産後ケア実施施設等でこれら情報を共有する定期的な連絡会を設ける必要があると考えますが、区の見解をお示しください。
区では、様々な講座や事業の申し込み等について、順次オンライン手続きの導入をしていますが、産後受けられる事業については、いまだ導入していません。産後は赤ちゃんのお世話に手がかかりきり、すこやか福祉センターがあいている時間に電話できるとも限らず、オンラインの活用が特に求められています。早急に改善をしていく必要があると考えます。今年度から、区立保育園の一時保育については、LINE運用支援ツールを活用した電子での申し込みが導入されました。予算審査の際には、その他の子育て関連事業の申し込み等についても今後検討していく旨の答弁でしたが、来年度の対象拡大を見据え関係所管で調整をしていくべきと考えますが見解を伺います。
次に、妊産婦歯科健康診査について伺います。
妊娠中から産後は、ホルモンの関係で唾液の分泌が減るなどの変化から歯肉炎などがおこりやすく、また虫歯の治療もしにくくなる為、区では妊産婦歯科健康診査を行っており、妊娠中から産後1年間利用できます。現在、実績は3割程度にとどまり、そのほとんどが産前に使われています。一方で、妊娠中は、つわり症状が出る妊娠初期や、妊娠中期に入ると切迫早産等のトラブル、後期になると仰向け姿勢が厳しい等、受けたくても使えていない方が多いのではないかと予想できます。妊産婦歯科健康診査のごあんないは、妊娠届出時の母子バッグの中に含まれるのみで、その他の大量の案内に入っています。産後も1年間使えることを知らない方または忘れてしまう方も多いのではないかと考えます。現在、がんがるーブックの中にも記載はなく、更にはトータルケア事業の一覧にも記載がありません。産前産後の口腔ケアの重要性をこれまで以上に広報していく必要性があると考えますが、区の見解を伺います。本来は産前および産後の2回、健診を受けていただく必要があると考えますが、まずは現在の制度の受診率アップを目指すべきです。伺いまして次の質問にうつります。
3.中野駅周辺まちづくりについて
中野駅新北口駅前エリア再整備事業について伺います。7月2日に中野サンプラザが閉館し、いよいよこのエリアが変化をしていく時期に入りました。一方で、第2回定例会では、本事業の都市計画手続きと、事業スケジュールを最大6か月見直すとの報告がありました。物価高騰による工事費増加の見込み、事業収支成立のための対応策を検討。また再整備事業計画で誘導する機能の他に拠点施設のにぎわいの創出と魅力向上につながる施設のあり方について区の権利床活用も含め再整理を行っているとの事でした。9月1日の特別委員会には、「中野駅新北口駅前エリアの再整備について」の報告がされ、再開発事業収支の対応についても現在の検討状況が示されました。公共性の高い都市計画駐車場や歩行者デッキについて、これまで通り事業者で整備と管理は行う事。一方で、中野区が所有する事で固定資産税がかからないようにする。それにより将来負担の軽減を行う事が検討されているとの事でした。また、デッキや駐車場については、再開発事業補助金とは別の補助金を導入する事を検討する、というものでした。都市計画駐車場や歩行者デッキの所有変更により、年間どれほどの固定資産税がコストダウンとなるのか。また別の補助金を入れることによる収支改善はどれくらいなのか、具体的な数字をもって事業者と交渉にあたっていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお示しください。
本事業の募集要項には展望施設はありませんでしたが、事業者の当初提案に展望広場、バンケット整備が盛り込まれていました。更には、容積率を900%から1000%に計画変更を申し出た際には、公共貢献の中で展望施設とバンケットの充実を事業者側から提案してきています。こうした経緯がある中で、展望施設やバンケットの実現を事業者側で行わないという事は、900%から1000%に容積率をあげる根拠が崩れてしまうのではないでしょうか。第2回定例会で、わが会派の森幹事長の質問に対し区長は、「区として当初提案内容の実現を求めることが基本だが、昨今の物価高騰等の影響で、提案時に比べ事業費の増加が見込まれていることから、対応策の検討が必要となっている。」と答弁しています。将来に不確定要素を持つこのような施設に関しては、民間のノウハウで進めていくべきものと考えます。課題となっている事業収支の改善についても、協議の中で検討していることと思いますが、事業者からの提案内容の継承については、引き続き求めていくべきと考えます。また、事業収支の改善に向けた協議により、権利床の持ち方にも影響が出てくるものと考えます。あわせて区の見解を伺います。
次に財産処分に関する議決について伺います。
当初の予定では、都市計画決定については令和5年6~7月頃、財産処分に関する議決は10月頃というスケジュールでしたが、第2回定例会に最大6か月後ろ倒しに変更する旨、報告されました。9月の特別委員会ではこれを3か月程度に見直し、都市計画決定を11月上旬に、財産処分に関する議決を12月に行う旨の答弁がありました。本来であれば、都市計画決定の後に事業認可の手続きがあると認識していますが、その前に議会の意思を示す機会の担保が必要です。議決が事業認可の手続き後では、事業計画を変更する余地がなくなり、議会の意見表明権がないがしろにされてしまうのではと懸念しています。今予定している財産処分に関する議決は事業認可の手続き前に行うべきと考えますが、区の見解をお示しください。
4.多文化共生について
昨今の円安の影響、またコロナの5類移行の影響もあり、今年に入り外国人観光客はもとより、外国人住民も増えています。多くの諸外国の新学期である9月からは本格的に留学生も増えており、戸籍住民課でシステムを新たに作りスムーズな対応をされた事は高く評価しています。令和2年度からは新型コロナウイルスの影響で外国人住民は減少していましたが、今後令和元年度よりも増える可能性も考えられます。まずは、今年度の外国人人口の推移について伺います。
こうした現状を踏まえ、改めて多文化共生の重要性と、区と国際交流協会、関係団体や教育機関の役割の再確認と整理、また都や国との連携も重要になると考えます。
中野区は、令和5年3月に多文化共生推進基本方針を策定しました。その中で主な課題の1つとして、「言語に関する課題」をあげています。
外国人が日本語でコミュニケーションを取れるようになることで、日本で生活しやすい環境をつくるために日本語学習支援を進めるとあり、例としてあげられている事業は1.中野区国際交流協会が実施している日本語講座の推進 2.地域における日本語教室の推進 3.小中学校における児童・生徒の習熟度に合わせた日本語学習支援の推進
の3点で、いずれも中野区国際交流協会で行われている事業です。一方で、日本語講座の推進と地域における日本語教室の推進は、区の財政的な補助は一部にとどまっています。国の方針でも、自治体の日本語教育における役割が明確化される中、これらの事業に関しては区が財政的な責任を持った形で安定的に進めていく必要があります。また、日本語学習支援を進めていくうえでは、日本語指導のボランティア人材の確保も急務です。本来は日本語の指導員一人あたり1~2人の生徒で成り立っているところ、現在は4人から5人を見ている状況と伺います。令和2年度からボランティアに対する交通費補助が開始されましたが、今後も人材の確保や育成に向けた取組が必要と考えます。これらの課題解決のために、補助対象事業の見直しを含め、改めて区と中野区国際交流協会で協議を持つべきと考えますが、見解をお示しください。
学校教育の中での対応について伺います。
令和2年度から編入してくる外国人児童・生徒に対して、オリエンテーションを行う「フレンドルーム」が教育センターで行われていますが、中々活用しきれていない現状があります。日本の学校文化は独特であり、学校に入ってからのトラブル等を防ぐためにも児童・生徒に活用していただく事は重要です。現在は、教育委員会から、また編入前には学校長からもご案内をしていますが、よりわかりやすい広報が必要です。見解をお聞かせください。
中野区では、幼小中学校における幼児・児童・生徒の習熟度に合わせた日本語指導は、国際交流協会に登録している指導員が担っています。令和元年度までは60時間だったところ、現在は幼小中学生ともに80時間の活用が可能です。年齢が低ければ低いほど日本語の習得が比較的容易なことや、高校受験までに時間がありますが、中学校2年生や3年生の年齢で編入して来る子どもたちは受験が目前に迫っている事もあり、80時間では到底足りていない現状があります。こうした高校受験に向けた支援も必要です。更には、近年日本国籍を持つ帰国子女でかつ日本語の読み書きができない中学生も増えており、都立高校の帰国子女枠に様々な条件がある事で直面をする課題があります。こうした生徒への支援強化についても考えていく必要があると考えますが、見解を伺います。
令和2年度に行う予定だった外国人生徒の実態調査について伺います。外国人の就学状況把握および就学促進を目的として予算化されましたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で業務委託の執行を停止しました。その後は、外国人就学状況調査は毎年行っていましたが、外国人生徒が増える事も見据え、今後のきめ細やかな対応につなげるためにより精度をあげた調査が必要になると考えますがいかがでしょうか。伺います。
外国人住民が増える事により、複合的に支援が必要になる方が増えていきます。ひとつの事例として、産前から産後にかけた支援の中での対応について伺います。8月21日に行われた行政評価の外部評価委員会の中でも指摘されていましたが、出産時や産前産後ケアの中での外国人支援という観点はこれまで抜け落ちていると感じます。豊島区では、NPO法人Mother’s Tree Japan との連携で、出産時に指をさして自らの状況を絵で伝える事ができる「指差しボード」やパンフレットの配置をし、外国人妊産婦が必要な時に繋がれる仕組みを作っています。中野区でも、「指さしボード」の配置や、こうしたNPOとの連携も検討をしていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。
中野区では、令和4年3月に人権多様性尊重条例を制定しており、その基本理念はすべての人が性別、性自認、性的指向、国籍、人権、民族、文化、年齢、世代、障害その他これらの複合的な要因による差別を受けることなく、それぞれの能力を発揮し社会の一員として暮らすことができることです。外国人住民が増えれば、この条例が活かされる場面も増えてきます。この条例には、相談体制の整備も明記されていますが、より充実した相談体制を考えていく必要もあります。対象が多岐に渡る事から、現在の4階窓口だけでは対応しきれない課題も多いと認識しています。新庁舎で設置予定の外国人相談窓口等との相互連携も含めて区としての体制の整備をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。
5.感染症対策について
5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類相当から5類と変更となりました。それより先駆けて政府は、マスクの着用についても個人の判断とされました。本来、感染法上の位置づけとマスク着用になんら関係はないのにも関わらず、同時期にこれを行った事により、「マスクをつけなくてもよくなった」という誤認が広がってしまったのではないかと危惧しています。基本的な感染症対策にはマスク着用が含まれるという認識ですが、政府もメディアもことさらにマスク着用の呼びかけを避けているという印象がぬぐえません。
一方で、現在の新型コロナウイルス感染症の流行状況は第9波といえる状況にあります。定点把握に切り替わってから、報道もほとんどされていませんが、モデルナの推計で9月4日時点で東京都での感染者数は15117人、前週比1.02 実行再生産数は1.023と、5類移行後最大数であり、感染拡大を続けています。検査を行っていない人も多く存在する事も踏まえると、流行拡大期の真っただ中にいると言っていいと考えます。まず、現在の感染状況について、区の見解を求めます。
こうした状況の中、全国で8月末から学級閉鎖が相次いでいます。コロナウイルスだけでなく、インフルエンザも流行っている状況です。感染によるコロナ後遺症の影響も大きく、後遺症を患わないためにも感染対策は重要です。一方で、屋内である公共交通機関でのマスク着用も2~3割程度にとどまるように見受けます。5類移行は、検査や治療の公費負担が減り、感染対策は自己責任となっただけであり、ウイルスが弱毒化したわけではありません。さらに最新の変異株の「EG.5」通称「エリス」が増えてきており、感染力が強く、また従来ワクチンが効きにくいという特徴もあります。9月5日、6日小田急バスが192便運休しました。福岡県行橋市(ゆくはしし)では、給食を提供している市防災食育センターの調理員52人中10人が感染し給食の献立の一部を減らす対応をよぎなくされました。既に社会インフラに大きな影響が出ている状況であると言えます。こうした状況を鑑み、改めて感染拡大時におけるマスク着用が重要だと考えます。国の方針は、マスク着用は個人の判断としていますが、感染拡大が顕著な地域、例えば島根県や埼玉県、また那覇市でも市独自でマスク着用による感染対策の呼びかけを行っています。こうした自治体独自の判断もできると考えます。経済や活動を止めないためにも重要性を再認識する必要があります。今後、感染拡大時におけるマスクの推奨を、課題を整理したうえで中野区でも行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
中村延子がこれからも取り組みたいこと
中村延子がこれからも取り組みたいことをご紹介いたします。
<女性>
・HPVワクチンの接種率向上を含む女性特有のがん対策
・ペリネイタルロス(流産・死産)への支援強化
・産前産後ケアの更なる充実
・不妊治療の保険適用外に対する補助
・女性支援事業を進めるための体制整備
・母子避難所の設置
<子ども>
・中野駅周辺に屋内遊び場の設置
・包括的性教育の推進
・平和教育の推進
・グローバル人材を育てるための教育
・保育の質確保のための取組
・子どもの権利に関する条例に基づくまちづくり
・児童虐待防止施策の推進と社会的養護の充実
・常設プレーパークの設置
<行政改革>
・行政評価制度の根本的な見直し
・新庁舎開設に向けた高水準の窓口サービス
・DX推進による更なる業務の効率化
・各種手続きのオンライン化
<健康>
・ワクチンで防げる感染症対策の充実
・正しい公衆衛生情報の発信
・小児/乳幼児新型コロナワクチンの接種体制の拡充
・受動喫煙防止施策の推進
・更年期への支援
・がん対策の充実
<その他>
・殺処分ゼロに向けた取組
・防災対策の充実
・多文化共生の推進
中村延子のこれまでの実績
中村延子のこれまでの実績をご紹介いたします。
※議員に予算をつける権利はありません。実現したことは、中村延子が提案・行動したことがきっかけで実現したと考えられるものです
<新型コロナウイルス感染症対策>
・保健所体制の充実
・検査体制の充実
・妊婦への優先接種枠の設置
・乳幼児ワクチンの接種体制確保
・小児ワクチンの接種勧奨ハガキ送付
<女性>
・産前産後ケアの充実
・不妊治療および検査に対する助成制度創設
・妊婦健診の充実
・ペリネイタルロス(流産・死産)へのケア支援
・HPVワクチン積極的勧奨の再開
・生理の貧困対策
・災害時の妊産婦支援
<子ども>
・子どもの権利条例の制定
・待機児ゼロの実現と保育の質確保に向けた取組
・子どもの貧困実態把握と計画の策定
・児童相談所の体制確保と社会的養護の充実
・養育費確保への支援
・ひとり親相談会の開催
・プレひとり親支援
・グローバル人材を育てるための教育
・乳幼児親向け性教育講座の実施
・ボール遊びが出来る公園の実現
・南中野中学校の校庭再整備
<行政改革>
・公契約条例の制定
・職員定数の見直し
・業務の効率化やテレワークの推進等、自治体DXの推進
・人材育成施策の推進
・ゼロハラスメント宣言
<健康>
・骨髄ドナー支援
・公園の禁煙化を含む受動喫煙防止施策の推進
・男子へのHPVワクチン予防接種助成制度創設
・区役所男性トイレへのサニタリーボックスの設置
・乳幼児インフルエンザワクチン助成制度の学齢期までの拡大
・ワクチンで防げる感染症対策
令和5年度予算に対する会派討論
3月2日に行われた本会議において、令和5年度予算が可決されました。 立憲民主党・無所属議員団を代表し、杉山司議員が一般会計に対する賛成討論を行いました。 討論原稿は以下になります。
第5号議案「令和5年度中野区一般会計予算」につきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成の討論を行います。 コロナの感染状況がいまだ予断を許さない中、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響による物価高騰があり、今もなお区民生活は大きな影響を受けています。区はそうした状況下において、来年度の予算組みを行い、令和5年度中野区一般会計予算は、1,956億3,000万円、前年度に比べて約377億円、23.9%の増、過去最大となりました。 歳入については、納税義務者数や所得の増加による特別区税の増や、税収増の影響による特別区交付金の増、地方消費税交付金の増を見込みました。経済が回復しつつある、景気が上向き傾向にあるという国や東京都の言葉と裏腹に、区民から「給料が上がった」「景気が良いと感じた」などという声は全く聞かれません。コロナ禍での給付金や補助金が課税対象になっている関係で税関連が増収見込みとなったという見方もできるので、今後の財政運営のためにも税収増はきちんと分析していく必要があります。都へは都区財政調整比率の見直しを、国には年々多額になるふるさと納税制度や法人住民税の一部国税化、消費税精算基準見直しなど、引き続きの改善を働き掛けていく事も忘れてはなりません。 歳出に関しては、区役所新庁舎整備費、平和の森小学校の用地購入ですでに230億円程度となり大きな影響があります。さらに学校施設整備費などの投資的経費に加えて、コロナワクチン接種体制確保経費等のコロナ対策経費、物価高騰による光熱費の増が見込まれています。職員定数条例の上限を100人増やし、2100人と定めたことによる人件費への影響は見られず、また事業のシステム化検討やDX推進による作業のさらなる効率化や業務の見直しによる歳出削減の効果にも期待するところです。 本予算は、新たな財政運営の考え方に基づいて編成されたはじめての予算です。基準となる一般財源規模の考え方をやめ、歳入一般財源の見込み額を一般財源充当事業費の目標額としたことで、事業や基金への積み立ての検討がしやすくなりました。施設整備に充当する基金については、減価償却費25%相当分を積んでいくという考え方を定めました。さらに余剰分は優先的に義務教育施設整備基金に積んでいく方針が示され、本来4億円のところを23億円とし、学校施設整備の財政基盤が強化されたことは評価します。起債においても、多額の起債予定となる新庁舎整備事業においては、現区役所とサンプラザの再開発事業の転出補償金で賄うこととしており、財源は確保されています。 以上の通り、歳入は確保され、また公債費負担比率の推計も健全な指標を示しており、基金も考え方を持って積むことができていることから、令和5年度については当初予算で示された事業の拡充・推進を実現していくことが可能な財政状況にあるといえます。 予算編成方針では、5項目を重点事項とされましたが、特にわが会派として強く要望をしてきた子育て先進区の取り組みとして「子どもの貧困対策の推進」「ひとり親家庭支援」「子育て支援ハンドブックおひるねの発行」「認可保育施設における障害児の受け入れに対する扶助費の加算」「若者育成支援事業」「妊娠から子育てにかかる切れ目ない相談支援体制の充実」を、教育分野では「小中学校の指導体制・組織体制の充実」「教育相談体制の充実」「ICT支援体制等の充実」を、地域包括ケア体制の取り組みでは「地域支援業務の体制強化」「区民公益活動の充実に向けた基盤整備とネットワークづくり」「ひきこもり支援事業」「ヤングケアラー支援」を、そして活力ある持続可能なまちの実現の取り組みとしては「中野サンプラザ閉館を契機としたシティプロモーション」「商店街キャッシュレス普及キャンペーン事業」「多文化共生事業の推進」「脱炭素社会の実現に向けた分析調査」等に取り組まれることを評価いたします。 しかしながら、学校施設整備の遅延や教室不足、旧本町図書館暫定貸付決定の経緯、西武新宿線連続立体交差事業の進捗状況に影響される沿線まちづくり、新庁舎完成時の最先端の窓口サービス実現の不透明さなど、課題は山積しております。今後の社会情勢の不安もあり、財政においても楽観はできません。議会にも区民にも都度情報提供すること、原理原則に基づき公正に業務が推進されることを強く要望します。 今、中野駅周辺は100年に一度の再開発が進んでいます。一連の中野駅周辺再開発事業の中で、わが会派として非常に心配をしているのが、区役所・中野サンプラザ跡地施設の一体的な再開発関連事業の中野区が保有する権利床についてです。特に都庁よりも高いシンボルタワーについては、展望フロアを作ることについては否定はしませんが、そもそも提案をしてきたのは事業者側であり、当初の提案通り民間所有により実現すべきと考えます。 区長は2月13日の施政方針説明で、「中野区基本計画」の3つの重点プロジェクト「子育て先進区の実現」「地域包括ケア体制の実現」「活力ある持続可能なまちの実現」をしっかりと前へ進めると話されております。ヒト・モノ・カネなどのリソースを適材適所に投入し、3つの実現をゆるぎないものとしていかなければなりません。そしてまだまだ行政側として、いかに区民に寄り添った施策ができるか、いかに中小企業や商店を支援していけるかを考え、継続していかなければなりません。 人そのものが成す力、人と人とが織りなす新たな共生、そしてテクノロジーの生み出す効果や時間などを、これからどのように活用していくのかを見極めつつ、その時々で使うべきところに予算をしっかり当てていっていただきたい、そのことを付け加えまして、賛成討論とさせていただきます。
第1回定例会で一般質問を行いました!
本日、本会議にて一般質問を行いました。
質問原稿を以下に記載します。正式な答弁については、議事録の公開をお待ちください。
1.施政方針説明について
(1)新型コロナウイルス感染症対策について
(2)子育て先進区について
(3)中野駅周辺まちづくりについて
(4)令和5年度予算(案)について
(5)男子HPVワクチン任意予防接種費用助成について
質問に先立ち、2月6日に発生したトルコ・シリア地震やその後の余震で犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた皆さんの早期の回復と復興を心からお祈り申し上げます。
令和5年第1回定例会にあたり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りでその他はございません。
1.施政方針説明について
(1) 新型コロナウイルス感染症対策について
1月27日、政府の新型コロナ対策本部は、5月8日に今の2類相当から5類に移行する方針を決定しました。移行前に改めて専門家の意見を聞き、最終的な確認を行うとしています。第8波は徐々に落ち着きを見せていますが、1月だけで国内の死者は1万人を超えました。相変わらず変異株も出現しており、その中でも感染力が強いオミクロン株の亜系統であるXBB系統がアメリカやイギリスでは急増しています。米国カイザーファミリー財団報告の新型コロナ後遺症の最新調査では、成人人口の5%が後遺症からの活動制限があったと報告されており、社会的影響も大きいと考えます。5類に変更となってもウイルスが消えるわけでもなく、こうした状況も踏まえ、状況に応じて感染対策は継続していく必要があると考えますが、区長の見解を求めます。
本来、感染症法上に5類とされる感染症対策では、緊急事態宣言、入院勧告・指示、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請などの行動制限ができなくなります。隔離のためのホテル療養ももちろんなくなります。更には、入国時の水際対策もできなくなります。また、現在医療費は全額公費負担ですが、5類疾病の場合は一部が自己負担です。当面の間は、公費の継続が示されていますが、段階的に見直される方針です。ワクチン接種については、秋から冬にかけて全世代に接種をする方向で調整され、また子どもに向けては継続される見込みです。一方で、医療機関の対応について政府は、5類移行後は幅広い医療機関で対応できるよう段階的に移行する方針と報道されていますが、果たしてそうなるのか甚だ疑問です。新型インフルエンザ等特別対策措置法第24条第9項によるコロナ病床確保要請や発熱外来開設要請もなくなります。つまり、すぐに発熱外来にかかることも、入院をすることも難しくなる可能性があります。専門家会議では、5類の移行目的は「コロナに偏った医療を正常化する」としているのは、これまで治療延期を余儀なくされていた新型コロナウイルス感染症以外の疾患へと医療体制を戻すためという事であり、コロナ対応の病床は減る事を意味しています。政府がこのように国民に対して、来るはずのない未来を示してしまうのは大きな問題です。正しい情報を区としてもしっかりと広報していく必要があると考えます。見解を求めます。
入院調整について伺います。1月の危機管理・感染症対策調査特別委員会にて、本来5類になれば原則保健所は入院調整を行う根拠がなくなり、医療機関がそれを担う事になるとの答弁でしたが、一方で、現実的には医療機関が入院調整を担う事は難しいだろうとの見解も示されました。病床確保の法的根拠もなくなることから、病床は増えない上に保健所での入院調整がなくなれば、これまでのように必要なかたの入院も難しくなる可能性があるという事です。今後、議論をされ最終決定されると思いますが、現段階での国から示されている入院調整について、区の見解をお示しください。
5類移行されることにより、保健所や区への影響はどのようになっていくのでしょうか。先に述べた通り、入院調整がなくなれば保健所の業務負担はなくなるものと考えます。更には、臨時交付金等も交付がなくなる可能性もあり、財政措置がない中ではコロナによる経済的影響に機動的に対策をすることが困難になるとも考えられます。今考えうる中野区への影響について見解をお示しください。
本来、感染症法上の分類とマスクは関係ありませんが、政府は一緒に取り扱おうとしております。一部報道では、5月19日から始まるG7サミットで自民党内に「記念撮影のときマスク姿では世界に笑われる」との声があるから厚労省はそれまでの移行を目指した、とも言われております。欧米諸国では、ほとんどがマスクを外していると論じる方もいらっしゃいますが、感染拡大が起きていたドイツでは10月から2月2日まで屋内でのマスクの着用が義務化されていました。アメリカ政府でコロナ対策を主導してきたファウチ博士はNHKの単独取材に対し、状況に応じてマスク着用の推奨は継続すべきとも語っています。多くの国が、感染状況に応じてマスク着用を推奨しており、感染状況を鑑みた判断ならともかく感染症法上の分類が変わったからといって変えるべきではありません。政府は3月13日からマスク着用を自己判断とする予定です。5類移行により、発熱外来や医療体制がこれまでの規模を維持できない事が見こせる事を鑑みても、屋内でのマスク着用の推奨に関しては見直すべきではありません。マスク着用について区の見解を伺います。
こうした医療体制等の変化により、大きく影響を受けると思われるのは、高齢者や困窮者、子どもといった弱い立場にある人たちです。今後の政府の動きを見ながらも、区独自で出来ることも考えていくべきです。見解をお示しください。
子どもについては、オミクロン株の出現以降、重症化率は低いものの、感染拡大が起きると重症化例や死亡例も増えており、その2/3は基礎疾患のない子どもです。また死亡例は、ほとんどの事例で発症から7日以内で急激な経過をたどっています。英国では、XBB1.5が急増している状況下、1月最終週での新型コロナウイルス感染者の人口10万人対重症者数では、65歳~74歳と0歳~4歳が同等レベルになっています。現状、子どもに使える薬はなく、ワクチン接種が推奨されています。
中野区においては生後6か月~4歳については11月9日からワクチン接種が開始しています。3回接種が必要であり、1月25日に3回目を打ち終わる方が最速です。一方で、11月中の接種可能回数は400回前後との答弁があり、対象乳幼児数約11000人に対して非常に少ない数にとどまっていました。徐々に接種可能な医療機関も増えていますが、乳幼児はただでさえ体調変化のため、スケジュールを変更せざるを得ない事も多く、接種しやすい環境にはほど遠い体制となっています。乳幼児接種にあたっては、手間や人員がかかる事、既に大人や小児のワクチン接種を請け負っている事から、乳幼児まで引き受けられない医療機関も多くあると認識しています。当初、最大週1000回分の接種枠を確保できるとしていたことが実現したのか、現状の接種体制についてお示しください。
子どものワクチン接種については、公費で継続される方向が示されています。今こそ、接種体制を整理し、大人の接種体制を縮小してでも、これまで機会の少なかった子どもたちが接種しやすい環境を確保するため、医師会とじゅうぶんに調整していくべきと考えます。区の見解をお示しください。
(2)子育て先進区について
区長は5年前の初当選以降、最重要課題として「子育て先進区」の実現を目指して取り組んできました。国もそれを追うように、今年4月には内閣府に「子ども家庭庁」が設置される予定です。その背景には、昨年1年間の出生数が初めて80万人を割り込むことが確実視されるなど、少子化に歯止めがかからない状況があり、岸田首相は2023年の年頭会見で「異次元の少子化対策」に挑戦すると述べました。さらに2月2日には政府が児童手当の所得制限を撤廃する方向で調整に入ったとの報道がありました。所得制限撤廃は、これまで長年わが党も訴え続けて来たことであり、また第3回定例会では中野区議会から意見書も送付されました。大変歓迎するものですが、振り返れば昨年10月に年収1200万円以上の世帯に対して特例給付を廃止したばかりです。これにはシステムの改修も伴っており、口座情報等は廃棄しています。更には、民主党政権時代に当時の野党である自民党が子ども手当に対し真っ向から反対していた事は私の記憶にも鮮明に残っており、中野区議会でも同様に、子ども手当に対し執拗な質問を繰り返される事もありました。数10年前から叫ばれていた少子化対策ですが、今後どれだけ本気で取り組まれるのか、期待をしていきたいと思っています。東京都では、1月30日に「子ども未来アクション」を策定。また、国に先んじて月5000円の給付をする「018サポート」や、第2子の保育料無料など、来年度予算で数々の少子化対策を打ち出しています。まずは、酒井区長就任からこの5年の子育て先進区実現に向けた取組と成果について伺います。さらに、来年度の取組と期待される効果について伺います。
国や広域自治体である東京都が現金給付や制度により子育て支援を進めていく事は重要です。一方で、区はより地域の実情にあった施策を進めていく必要性があると考えます。今後は、基本計画の後期の取組を具体化し、実施計画として定める予定です。中野区は家が狭小であり、子どもの居場所が少ないという特徴があります。基礎自治体であるからこそ、こうしたニーズをとらえて進めていく事が重要だと考えます。区の見解を伺います。
次に学校給食について。昨年9月に来年度の学校給食費の無償化を発表した葛飾区を皮切りに、北区、台東区、足立区、品川区、荒川区、世田谷区、中央区と23区中8区に広がっています。これまでの議会答弁では、研究するにとどまっていますが、今後も広がりを見せる可能性がある中、中野区も改めて学校給食費の無償化について検討をするべきと考えますがいかがでしょうか。区長のお考えをお示しください。
国の異次元の少子化対策の2つめの柱である産前産後の伴走型支援について伺います。妊娠届時、妊娠8か月時点、産後の3回の面談を受けた方に10万円分をお渡しするもので、区の負担が1/6発生します。これまで、東京都の「東京ママパパ応援事業」や「出産・子育て応援事業」を活用し、区の負担なしでかんがるー面接時に1万円分、出産後に10万円分を、ファーストバースデー事業で1万円分をお渡ししていました。都のプレス発表では、東京都が付する条件を実施することにより、区の財政負担なく、妊娠届出時に6万円分、出産後に10万円分、1・2歳前後に6万円分をお渡しすることとしています。こうした面談は、ハイリスク妊婦への継続的支援や虐待防止に大きく寄与すると認識しており重要な取組です。一方で、何度も面談が必要になると、ただでさえ動くのが大変な産前産後に大きな負担となります。これらの面談をかんがるー面接や、こんにちは赤ちゃん事業など、既に実施している機会をとらえて、更なる妊産婦への負担がないよう実施すべきと考えますが、区の見解をお示しください。
自民党の大家さとし議員の賃金上昇やキャリアアップに向けた産休・育休中のリスキリングに関する国会質問に対し、岸田総理が後押しをする旨答弁した事で大きな批判を受けました。特に産休は、母体保護の観点から制度化されており、その時期のリスキリングを総理大臣が後押しするという答弁は到底受け入れられません。育休中に関しても、リスキリングが出来る方は、預けられる環境や経済状況、さらには体力を兼ね備えた方のみです。まずは産後ケアや預かり等の環境整備を整える事が第一です。それがないのにも関わらず、出来る人たちだけに支援をしていく事は、出来ない人たちを更に追い詰める可能性すらあります。区としては、子どもを預けやすい環境を整えていく事が重要です。現在行っている一時保育や一時預かりの登録や申し込みの改善、さらには預け先の拡充など預けやすい環境整備を進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
令和4年度から区のHPの改定作業が進んでおり、令和5年度も引き続き取り組むこととなっています。現在は、特に子育ての情報が関連情報でもまとまっておらず、欲しい情報にたどり着けず複雑です。若い職員が増え、子育て世代も必然と増えていると聞いています。HP改定にあたっては、職員も含めた子育て世代の意見をじゅうぶんに踏まえた作りにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。さらには、来年度子育てハンドブック「おひるね」の改訂が主な取り組みで報告されています。単なる更新ではなく、実際に手に取っていただけるような子育てハンドブックとなるよう、産前産後の担当も含めたプロジェクトチームを作り改訂作業にあたるべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、改訂中のHPとの相互性や将来的なアプリ導入も検討していくべきです。区の見解をお聞かせください。
(3)中野駅周辺まちづくりについて
新北口駅前エリア再整備事業について、権利床について絞って伺います。第4回定例会に「中野駅新北口駅前エリアの再整備について」が報告されました。その中で、従前資産が当初の550億円から640億円に変更になり、増額分に関してはすべて権利床で所有という判断をされたとの事でした。区有施設整備計画では、権利床について「行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図ります。」としていましたが、増えた床については、これまで所有するとしていた事務所床の他に「公益性の観点」として展望フロア、バンケット等、子どもの遊び場を所有し、具体的な面積等が示されました。また、転出補償金については、MN21の清算や新庁舎整備および移転費用としてかかる約400億円を確保するとのことでした。
委員会質疑の中では、事業者が展望フロアを持つ場合、事業性、採算性の観点から、それほど大きくない規模になってしまう可能がある事から区が権利床として3900㎡を所有するとの事でした。エレベーターホールを除いた最上階の面積は約3600㎡で、これは現在の中野サンプラザ13階コスモルームの約10倍にもなります。区はマスターリースでの運営を考えているとの事でしたが、果たしてうまくいくのでしょうか。
「事業の採算性」を盾に、将来的なリスクを区が負う必要性はどこにあるのか。行政が所有することによって一番価値が高い最上階が魅力的ではなくなるリスクすらあるとも考えます。改めて展望フロアについては、民間事業者での所有・運営を求めていくべきと考えますが、見解をお示しください。
バンケットについては、事業提案時は事業者側で持つ事になっていました。こうした背景から、バンケットも事業者側に所有していただくべきだと考えます。第4回定例会の一般質問で森議員から権利床の持ち方については、100パターンをも想定し最適な持ち方を検討するべきと指摘をしましたが、どれだけの検討を進めて来たのでしょうか。プロポーザルの条件である、民設民営のホールについて変更は難しいと考えますが、例えばホールの規模の変更は余地がないのか。すでに容積率は900%から1000%と大きく提案内容から変わっている中で、事業の採算性を確立するために、あらゆるシミュレーションを行いながら、区の将来的リスクを回避するべきと考えます。
従前資産の増額分については、こうしたリスクを長期にわたって抱えるのではなく、転出補償金として確保する選択肢も検討すべきです。最後の最後まで、事業者側と協議を進め、区が、すなわち区民が将来的なリスクを負わないあり方を模索すべきと考えます。見解をお示しください。
(4)令和5年度予算(案)について
昨年8月に区は「新たな財政運営の考え方」を定め、変更後初めてこの考え方に基づいて令和5年度予算編成を行い、一般会計は1956億円余、過去最大となりました。新庁舎整備にかかる経費や平和の森小学校用地の購入費用を含めた学校施設整備費が増大している事も要因のひとつです。一方で、それを除いても規模は膨らんでいるように見えます。この間、物価高騰が進んでいます。光熱費や施設整備費に大きな影響を与えていることが予想できます。また、令和5年度からは公契約条例が適用され人件費の増額も予想されます。これらによる影響はどの程度見込んでいるのか伺います。また、今後の財政フレームへの影響について伺います。
1月20日号の都政新報には、東京都が財政調整制度の配分割合を現在の55.1から元の55.0に戻すと主張されているという記事があり、大変驚きました。財調制度の配分見直しは、令和2年度当初で児童相談所の運営に関する都区の連携・協力を一層円滑に進めていく観点から変更となりました。令和2年度からは先行3区が児童相談所を設置、現在は7区に広がっています。一方で、今回東京都は区立児童相談所の設置は都区の役割分担の大幅な変更に該当しないと考えているとの立場で、その根拠として、設置区数が7区のみであり、他の16区では都児相が役割を担っていること。また、特別区の求めに応じてサテライトオフィスの設置を進めている事や、本来設置区が担う業務の児童自立支援施設を区は設置していない、の4点をあげたとあります。児童相談所設置7区には相当な事務負担が生じている事には目もくれず、さらに4番目としてあげた児童自立支援施設については、区は負担金を支払っており、まったく根拠とならず、こうした東京都の姿勢は非常に残念です。現在の協議状況と今後の見込みについて伺います。今後も区長を筆頭に妥協をすることのない厳しい姿勢で取り組んでいくべきと考えますが、区の見解を求めます。
(5)男子HPVワクチン任意予防接種費用助成について
本事業は、青森県平川市、北海道余市町に続き全国で3番目の取組であり、人口5万人以上の自治体では全国初の取組です。1月の厚生委員会で初めて議会報告された後、非常に大きな反響があり、来年度予算の目玉の一つとも思っています。HPVに感染する事を防ぐためには女性だけでなく男性もワクチンを接種する事でピンポン感染を防ぐ効果もあり、公衆衛生上大変有用です。所信表明では、「男性の性感染症等を防止するため」と述べられましたが、性感染症である尖圭コンジローマだけではなく、中咽頭がん、肛門がん、直腸がんなどを防ぎ男性自身の命をも守ることに繋がるというメッセージを伝える必要があると考えます。対象者にお知らせをお送りする際は、こうした情報を載せるべきです。区の見解をお示しください。
国では4価HPVワクチンのみが男子接種への承認を受けており、医薬品副作用被害救済制度にも適用されると考えますが、万が一重篤な副反応が起きた場合の対応について、区の見解をお示しください。
現在、女子のHPVワクチンは9年ぶりに積極的勧奨が再開されたものの、接種率はまだ低迷しています。今回、男子HPVワクチン接種費用助成を実施される事により、女子の接種率向上の起爆剤となりうるとも考えます。接種率の高い国では、子宮頸がんやHPV関連ガンの撲滅も見えてきています。接種率を上げることは急務です。今回の事業の接種率への効果について、区の見解をお聞きし、質問を終わります。
第4回定例会が閉会しました
12月12日で中野区議会は第4回定例会が閉会しました。
最終本会議には、令和4年度中野区補正予算(第7次)も上程され、会派を代表して賛成討論を行いました。以下、討論の原稿となります。
上程中の第81号議案令和4年度中野区一般会計補正予算について立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成討論を行います。
はじめに、中野区子育て世帯生活応援給付金は、急激な物価高騰の状況下における支援として、18歳以下の子どもを育てている家庭に1人あたり2万円を給付するものです。第3回定例会決算特別委員会で私たち会派から区の子育て支援における所得制限に対する考え方を問うたのち、所得制限撤廃に関する意見書を提出し賛成多数で国に送付されました。さらに今回、区が所得制限なしでこの給付金事業を実施されることは大変評価をしています。対象の方になるべく早期に給付できるよう、事務手続きの工夫をお願いします。
この補正予算には、第6号補正に続き、光熱費高騰に伴う事業者支援も盛り込まれています。急激な物価高騰に見舞われている中、こうした支援は評価します。状況は流動的なため、引き続き注視し、必要な支援の検討を求めます。
帯状疱疹ワクチンの任意予防接種費用助成については、50歳以上の区民に対し、帯状疱疹ワクチンを接種する費用の約半額を補助するものです。コロナ禍で帯状疱疹に罹患する方が増えていると言われている中で、この助成制度を始める事は評価します。帯状疱疹ワクチンへの接種助成事業開始は23区で2番目となります。これだけにとどまらず、今後も中野区が公衆衛生施策全体として先進的な取り組みを先んじて実施していただく事を求めます。
中野第一小学校跡施設給食室等改修工事実施設計業務委託は、中野本郷小学校建て替えの仮校舎として令和6年4月供用開始に間に合わせるため、設計の方法や内容の変更をせざるを得なくなり必要になったものです。しかし、その後の工事期間を考えると決して余裕のあるスケジュールではありません。学校整備は子どもや地域への影響が非常に大きな事業です。遅れることが絶対にないよう、現状の想定スケジュールを遵守し、子どもたちや保護者にこれ以上の負担が及ばないよう求めます。中野第一小学校は令和3年4月に新校舎へと移転しており、令和3年度中に先んじて給食室の対応が出来たはずです。空白期間が生じてしまった事を検証し、今後の学校整備事業に生かすことを求めます。
最後に中野駅新北口駅前広場整備事業についてです。こちらは新北口駅前広場のペデストリアンデッキの設計・施工のうち、JR東日本に委託する部分について令和5年1月に実施設計に着手する必要があることから、総額4億4330万円の債務負担行為の設定を行っております。鉄道近接の特性がある事業であることからJR東日本に委託をすることは一定理解しますが、それにより4億余の実施設計費が入札を必要とせず、競争の原理が働きません。だからこそ、J R東日本から提示された実施設計費を十分に精査しなければなりません。
建設委員会での議論では、JRに提示された金額の精査はむずかしいので、成果物としての設計書が出てからチェックをすればいいという主旨の答弁はおよそ適正な予算編成を行っていないのではないかと懸念を持たれ、また4億円もの予算にも関わらず他事例の調査もしていないことが明らかになるなど、全体を通じて区から十分な説明がなされたとは言いがたく、補正予算に対する態度を左右するような答弁も見受けられました。今回の建設委員会における補正予算の審議内容は重く受け止め、今後の予算の編成に当たっては明確な積算基準を示すと共に、本事業の進捗状況については議会に丁寧な説明をすることを強く求めます。
以上を申し上げて賛成討論と致します。
第2回定例会で一般質問を行いました!②
2.次に児童館について伺います。
令和3年第4回定例会に区は、弥生児童館を閉館、大和西、新井薬師、朝日が丘児童館を学童クラブ施設として転用するため、4児童館を廃止する条例改正案が提案されましたが、賛成少数で否決されました。私たち会派は、一貫して児童館の全廃方針には反対し、一定数の存続を求めてきました。区立で一定数児童館を持つ事は、児童館の質の担保にもつながると考えます。児童館は、子ども遊び場というだけではなく、地域コミュニティの核として非常に重要な施設です。そのための地域のネットワークづくりのための公平性、安定的な事業経営、公共性、継続性から、当面の間、区職員による直営での運営が必要です。一方で、財源に限りのある中では、利用者数等も踏まえた適切な施設配置とするべきとの考えは変わりません。条例が否決されてから、区は今後の児童館運営について検討を行ってきているものと考えます。区長は6月10日号の都政新報のインタビューでも、「今年度中に議案を提案したい」と答えています。令和3年第4回定例会における議案の否決により、区は何をどのようにどの程度見直すつもりなのか。そして、それはいつ示すのか。現在の検討状況と、今後のスケジュールについて、区の見解をお示しください。
区は、キッズプラザの設置とともに、近隣児童館の学童クラブを廃止、キッズプラザ内に学童クラブを併設してきました。学童クラブがキッズプラザへと入った後の児童館の利用実態に変化はあるのでしょうか、伺います。
区は、条例提案当時は、常勤職員の集約化によって、児童館のノウハウの継承をしていくとしていました。今年度は、すべての館に常勤職員を配置することが出来ず、会計年度任用職員や、人材派遣会社からの職員の派遣を受け運営しています。こうした状況に課題はないのでしょうか、伺います。廃止するとしていた4館を令和5年度も存続するとなると、より人員確保が困難になるのではないでしょうか、区の見解を伺います。さらに、今後の児童館職員の退職状況はどう推移していくのか、お示しください。賛成討論の中でも申し上げましたが、長期にわたって児童館職員を採用してこなかった歴史から、今後の児童館職員は退職ラッシュになり、早期に集約化を行わなければ、児童館のノウハウの継承が出来なくなってしまう事を懸念しています。こうした背景を区としてどうとらえているのか、見解をお聞かせください。
これまでも、児童館閉館後の跡地の活用については、閉館と同時に示すべきと申し上げてきました。地域の核として存在する児童館の閉館後の展開は、地域の大きな課題です。前回の条例提案で閉館が示された4館のうち、弥生児童館は、令和5年度にやよい荘の改修用地としての活用が示されていました。区の検討結果によっては、やよい荘の改修にも影響してきます。やよい荘の改修の為の代替施設の検討も進めていく必要も同時に出てきます。早急に結論を出すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
区有施設整備計画のスケジュールでは、令和5年度末に鷺宮児童館と西中野児童館の閉館が示されていました。条例が否決された事により、このスケジュールも見直されるのか伺います。この地域では、同時期に鷺宮小学校と西中野小学校が統合新校となる計画です。両館閉館の場合、乳幼児親子の居場所確保は喫緊の課題です。いずれの跡地活用についても、いまだ示されていない状況です。地域の核となる児童館や学校跡施設について活用方法を示さなければ、地域の理解を得るのは難しいものと考えます。跡施設の活用方法を早急に検討する必要があると考えますが、区の見解を伺います。具体的な活用方法が決まらない間は、閉館後も施設の暫定活用を認めるべきです。区の見解をお示しください。
3.次に区有施設の貸付について伺います。
この項の初めに、本町図書館の暫定貸付について伺います。本町図書館は、昨年10月に閉館されてからは閉鎖管理となっていました。昨年10月に策定した区有施設整備計画の中では、「民間施設の誘致をするとされており、児童福祉施設(保育園、児童養護施設など)、介護・障害福祉施設(グループホーム、老人ホームなど)のニーズを踏まえ、誘致を検討します。活用にあたっては、子育て支援や地域交流機能の確保を検討します。」とされていました。今年3月の総務委員会に「旧本町図書館の利活用について」との報告があり、これは、「施設の構造上や隣接地との関係において、建て替えるには課題の整理に一定の期間を要するため、当面の間、既存施設の暫定貸付による利活用行うものである。」との説明でした。区有施設整備計画を定めた直後に暫定活用を図る事が決定され、施設整備計画自体の信頼性も揺らぎます。
閉鎖管理をしていても、管理費にコストがかかる事も含めて、暫定活用をする事は前向きに捉えていますが、もし暫定活用を促進していくのであれば、まずはその方針を議会に示すべきと考えますがいかがでしょうか。
現在、区が閉鎖管理をしている施設は本町図書館以外に複数か所ありますが、それらも暫定活用を進めていくのか伺います。
今回の事業者選定方法は入札ではなくプロポーザルとしましたが、今回の事業者募集には行政目的が定められてない中で、なぜプロポーザルとしたのか伺います。さらに、企画提案公募型事業者選定要綱の第4条「公募型事業者選定の対象となる案件」のいずれもに当てはまるようには読み取れませんが、今回のケースがどれに当てはまるのか、お伺い致します。
現在、中野区では区有施設を貸付する際には、中野区行政財産使用料条例および中野区公有財産規則を根拠規定として、貸付料を算定しています。3月の総務委員会で、これによる賃料を伺ったところ、本町図書館は年間1300万円と算定されるとのご答弁でしたが、今回の公募に当たり、区は「参考貸付料」として年間400万7千円と定め、参考貸付料以上の金額で事業者の提案を求めることとしています。この金額をどのように算定したのか、伺います。
区有施設の暫定活用を図っていく方針を持ち、行政財産使用料条例に定められている貸付料を逸脱するのであれば、まずは暫定活用をする際の貸付料の算定方法を定め、議会に提示してから公募を開始すべきでした。見解を伺います。改めて指摘した個所を早期に整理し、議会へお示しすべきと考えますが、いかがでしょうか。
今後、中野セントラルパークでの賃借床や、旧商工会館跡施設、中野二丁目や中野サンプラザ跡に再開発によって生まれる権利床に関しても、行政財産使用料条例で定められている貸付料を当てはめることは困難だと総務委員会で答弁されています。事業者の提案をもとに貸付料を決定するような方針の権利床もあり、公平性が保たれるのか懸念しています。こうした賃借床や権利床に関しても、近隣相場等を水準とした貸付料の設定が必要であり、考え方を早急に議会に示すべきと考えます。区の見解をお示しください。
その他の項で1点、がん患者支援について伺います。
ガンは日本人の死亡要因で一番高く、人口の半分がガンに罹患し、1/3がガンで死亡します。その死亡率を下げるために、国は5大がんの検診等を推進、自治体が検診事業を行っています。また、ワクチンで防げるガンも存在し、今年度4月からはHPVワクチンの積極的勧奨が約9年ぶりに再開されました。こうした1次予防策や2次予防策は非常に重要であり、これからも検診率の向上や、ワクチン接種率の向上には取り組まなければいけません。一方で、罹患してしまった方々が生活する上で、困っている状況を解決することも大切です。前立腺がんや膀胱がんが原因で、尿漏れパッド等を使っている方々が、外出先で捨てる場所に困っている状況があります。女性の個室トイレにはサニタリーボックスが設置されていますが、男性トイレにはありません。埼玉県さいたま市や福岡県古賀市では、こうした状況を鑑み、区有施設の男性個室トイレにサニタリーボックスを設置しました。中野区でも同様に、区有施設の男性個室トイレにサニタリーボックスを設置すべきと考えます。区の見解を伺い、私のすべての質問を終了します。
第2回定例会で一般質問を行いました!①
昨日行われた本会議にて、一般質問を行いました。
質問項目は、
1.施政方針説明について
(1)今後の区政運営について
(2)新たな財政運営について
(3)新型コロナウイルス感染症対策について
(4)職員定数および人材育成について
(5)その他
2.児童館について
3.区有施設の貸付について
4.その他
(1)がん患者支援について
(2)その他
質問原稿は以下になります。
令和4年第2回定例会にあたり立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りです。
はじめに、1.施政方針説明についてのうち、(1)今後の区政運営について伺います。酒井直人区長におかれましては、5月22日に行われた区長選挙で55,318票を獲得し、2期目の当選を果たされたこと、心からお祝い申し上げます。過去20年間で最高の投票率となった4年前の選挙よりは下がったものの、投票率は33.72%と、さほどさげなかった印象です。一方で、今回の選挙については政策議論ではない、更には事実を湾曲した喧伝も公然と行われてしまった事は、民主主義への冒涜であり、非常に残念で仕方ありません。
候補者が2人だけだった事により、消極的に区長へ投票した方も中にはいらっしゃったと考えます。こうした声や、相手候補に投票した声にも耳を傾けていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
今回の選挙戦、区長は「オール中野」を掲げ戦われました。今回の施政方針説明の中でも、オール中野の記述があります。オール中野とはだれを指しているのか、選挙戦の際のオール中野と同じ対象なのか、その定義をお示しください。
区長は施政方針説明の中で、「私は、「子どもにやさしいまち」、「困っているひとにやさしいまち」は、「誰にとっても住みやすいまち」だと考えています。これからの4年は、「中野区基本計画」に基づき、特に子育て支援に重点を置きながら、区民や団体、事業者の皆様と一緒にオール中野で取り組みを進め、「中野区基本構想」で目指すまちの姿の実現を使命としていく所存です」と述べられました。子育て先進区の実現とともに、地域包括ケア体制の確立も区政の重要な課題です。これらの実現に向けて、4年間でどのように取り組み、具体的にどういった成果を上げていくのか、区長の見解をお伺い致します。
区長は、区民との「対話」をどのように続けていくのでしょうか。1期目の4年間は、区民と区長のタウンミーティングの他に、子育てカフェを行ってきました。さらには、区長自らが様々な子ども関連団体や介護福祉の事業所へ足を運び、現場の声を聞いてきました。7月8日には既に子育てカフェも予定されていますが、2期目の4年間を通して、こうした区民の声を聞く取り組みは続けられるのか、伺います。
区長は、ボトムアップによる区政運営を基本として「巻き込み型のリーダーシップ」を発揮し、職員とともに区議会並びに区民のみなさまとの協働・協創で「つながる・はじまる・なかの」を実現するべく、全力を尽くすとおっしゃっています。まず、区長の考えるボトムアップ型の区政運営とは具体的にどういったことか、改めてお伺いします。また、それを基本として巻き込み型のリーダーシップを発揮するとのことですが、それは具体的にどういったことなのか、お伺いします。
区長は、未来への責任を果たしていく4年にする決意をお話になりました。中野区だけを見ても、まちづくりや少子高齢化など、この先10年間は大きな変化が見込まれています。さらには、世界情勢の変化により、まち、社会、暮らしが大きく変わっていく中で、将来予測を立てることは難しいことと考えます。基本構想で示した、目指すべきまちの姿の実現に向けて、中長期的視点も持ちつつ、どのように未来への責任を果たしていく4年にするのか、区長の見解を伺い、この項の質問を終わります。
(2)新たな財政運営について
第一回定例会で、財政規律を保つ新たな財政運営の考え方について検討をするべきとの質問に対し、区は「基本計画でお示しした財政見通しに大きな変化が見られることから、実態に即した有効な財政規律を確立するため、新たな財政運営の考え方について検討を行い、基本計画の中間見直しを待たずにお示しすることも考えてまいります。」との答弁でした。区長の施政方針説明の中でも新たな財政運営について触れられました。予算編成は9月から始まりますが、いつこの考え方についてお示しいただけるのか、伺います。
施政方針説明では、財政状況のとらえ方や予算編成手法、基金の積み立ての考え方などを見直すとあります。まず、財政状況のとらえ方について伺います。平成24年に財政非常事態を宣言された際は、予算ではなく決算ベース、見立てではなく結果を受けての宣言でした。こうした事からも、令和2年第3回定例会の行政報告で財政的な非常事態と言わざるを得ないと認識しているとの発言は、時期尚早であると申し上げました。さらには、令和3年度最終補正予算で歳入の上振れが100億までのぼりました。令和4年度予算でも、令和2年度予算よりも歳入が増加しています。こうした状況を踏まえ、私たち会派は財政非常事態ではないとの認識ですが、改めて区の認識を伺います。予算編成手法について、基準となる一般財源規模について、改めるべきと申し上げてきましたが、「新たな財政運営」では廃止とするのか伺います。複数の自治体では、投資的経費を除く歳出に必要な一般財源は標準財政規模で行うこととしていますが、予算編成手法について区はどのように規模等を定めていくつもりなのか伺います。
次に財政調整基金の年度間調整分について伺います。現在、区は年50億円を3年間分の150億としていますが、リーマンショックの際も今回の新型コロナウイルス感染症蔓延でも結果的に財政調整基金残高は減っていないのが実態です。また、財政状況は3年も経たずに回復しています。こうした状況を見ると、実態に即しているとは思えません。一方で、150億円と定めた頃に比べると、予算規模は大きくなっています。さらに、国際情勢は不透明感を増しています。こうした状況の中で、区は年度間調整分について、どのような認識か伺います。
現在、ウクライナ危機や中国の都市封鎖などにより物価高騰が進んでいます。さらには、円安が進んでおり、さらなる物価高に拍車をかける事が予想されています。物価高騰による区民生活への影響については、ひやま議員から改めて質問致しますが、円安は区財政へどれだけ影響してくるのか、見解を伺います。
(3)新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
6月13日には、5か月ぶりに一日の陽性者数が1000人を下回りましたが、一方で直近1週間の新規感染数は首都圏や九州など20都府県で前週より増加しました。専門家組織は、大都市で短期的に急激な増加は見込まれていないものの、ワクチン接種と感染による免疫が徐々に低下していくことやオミクロン株が新たな系統に置き換わる可能性があることから、「今後は感染者数の増加も懸念される」との見方を示されました。ワクチン接種は、全国で見ると、2回目までが80%を超え、3回目接種を終えた人は60%となっています。中野区では、2回目接種までは84.5%、3回目接種を終えた人は60.7%となりました。国は、60歳以上の方と基礎疾患をお持ちの方に対し、3回目接種から5か月以上経過した方に4回目接種を行うとしており、中野区でも5月27日より始まりました。6月10日より対象者には接種券の送付が始まっていますが、区が把握していない基礎疾患ありの方々への対応はどうなっているのでしょうか。6月17日より申込制で受付をしているとの事ですが、接種券が送付されない場合、ご自身が対象と気づかない場合もあります。必要な方々にしっかりと情報が届くよう様々な媒体を使った広報が必要と考えますが、いかがでしょうか。
6月17日にアメリカFDAは、ファイザー、モデルナ両社製の新型コロナワクチンについて、生後6か月以上の子どもへの使用を認め、翌6月18日にCDCで承認をされました。ファイザー社製は大人の1/10の量を3回接種、モデルナ社製は1,2回目の大人の1/4の量を2回接種となります。アメリカではこの年代の子どもが200人以上コロナで死亡しており、待ち望んでいた人も多くいらっしゃいます。今後、日本でも生後6か月以上のワクチン接種が進む方向となることが予想されます。これまで、大人のワクチン、小児5歳から11歳のワクチン、その中でもファイザー社製とモデルナ社製、更にモデルナ社製は3回目の分量も変わるなど、5種類のワクチンを扱ってきており、ここに生後6か月以上が加わるとさらに2種類が追加されます。打ち間違え等の事故を起こさない為にも医師会との十分な連携が必要です。区の見解をお聞かせください。
新型コロナウイルスは、変異株により重症化の確立が変わる等、政府はこれまでも対応策を適宜変更してきました。昨年度までは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を乱発してきましたが、3月17日にまん延防止等重点措置が終了してからは、平常が取り戻されつつあります。一方で、政府はことさらに「脱マスク」を訴え始めています。特に、熱中症のリスクと併せてマスクを外すよう訴えていますが、マスクが熱中症を引き起こすわけではなく、マスクを外せば熱中症にかからないかのような言いぶりは、本来の熱中症対策を怠る結果につながりかねず、非常に危険です。改めて、厚労省の基準にあわせたマスクの脱着について、どのような場面でマスクをとってもリスクが高くないのか、わかりやすく説明していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
6月10日には、外国人の入国制限も緩和をされ、観光客も受け入れを再開しました。新型コロナまん延以前に戻るまでには時間がかかると思われますが、止まっていた世界規模の人流が再開することによるリスクもあります。感染症は新型コロナウイルスに限ったものではりません。特に懸念されるのは、麻疹や風疹などの再流行です。中野区では、子どものMRワクチン接種率は高い水準を保っており、コロナ禍でも接種率も高く維持されています。一方で、男性昭和37年4月2日生まれから昭和54年4月1日生まれが対象の風疹定期予防接種は、接種率が上がらず今年度クーポンを再送付するに至っています。世界規模の人流に備え、改めて既存のワクチン接種向上を推進する必要性と、更なる広報の工夫が必要と考えます。区の見解をお示しください。
途上国を含めた世界的な収束が見られるまでは、新たな変異株の可能性も否めませんが、ワクチンも接種が進み、日常が戻ってくる日もそう遠くない事が予想されます。改めて新型コロナウイルス感染症対策に関するこの2年半の総括が必要と考えます。東京都は、都内自治体の新型コロナ対策に関する財政的な支援がどのようになっていたか、集計をしています。こうしたデータも用いながら、中野区の支援が不足していなかったのか等、検証すべきと考えますがいかがでしょうか。また、保健所体制や全庁応援の在り方の検証も改めて実施すべきと考えます。区の見解をお示しください。
(4)職員定数および人材育成について伺います。
施政方針説明の中では、区職員の育成やボトムアップの区政運営の確立を触れられています。まずは職員定数について伺います。令和3年1月の総務委員会に「職員定数について」の報告があり、その報告の中では、令和4年度に条例改正をし、5年度から2100人体制にするとされていた。その報告での今後のスケジュールは、令和3年6月に中野区定数管理計画(案)の策定となっていましたが、いまだに議会には報告されていません。一方で、今年度条例改正をするのであれば、議会に早急に示す必要があります。現在の検討状況はどうなっているのか伺います。
令和5年度の採用は、すでに4月からスタートしています。一方で、定数管理計画はまだ定められておらず、条例も今後提出されるものと思いますが、採用計画と条例の整合性についての区の認識をお示しください。
定数の上昇要因としては、児童相談所設置に伴う職員の増が100人、生活保護ケースワーカーを増員が将来的に計20人、さらに法改正による定年延長の影響があるとされていました。現在2000人の定数を100人上昇させるだけでは十分ではないように感じますが、区の見解をお示しください。
これまでも多くの同僚議員が指摘している、職員の年齢構成についても、是正が必要です。定数を増やした影響が、更に新人職員の増加につながる事も懸念しています。これまでも経験者採用等行ってきていますが、年齢構成の是正にまでは至っていません。区としてどのように対応していくのか伺います。
定数を増やす必要はあると考えますが、一方で業務改善や効率化による適正化も必要です。前区政で民間活力の活用を強力に押し進めてきた中で、民間委託化できる業務はあまりないと予想できますが、民間活力の活用が出来ないかの検討はさらに進めていく必要もあると考えます。さらに、業務改善や効率化、DX推進により、置き換えられるところもあると考えますが、区の見解をお示しください。
定数の議論と同時に大切なのは、人材育成です。区長も施政方針説明の中でも、「支え、支えられるお互いさまの地域社会とそれを支えるサステナビリティは、区職員の成長なくして実現はなしえません」とおっしゃったように、今後の区政運営の中でも人材育成は重要です。今年度から人材育成担当を復活させたことは、高く評価しています。喫緊で取り組まなければいけないのは、新庁舎に向けた人材育成です。新庁舎整備では、DX推進を図っていきます。それに伴い、業務改善をさらに進めていく必要もあります。さらにはDX推進室と人材育成の連携が必要です。新庁舎移転に向けたDX推進のための人材育成はこの1~2年が非常に重要です。区としてどのように進めていくのか、見解をお聞かせください。
更に人事の評価について伺います。施政方針説明では、職員の成長を促すため「評価のしくみを工夫します」とおっしゃいましたが、具体的にどのような方策を考えているのか、伺います。今年度、人材マネジメントシステムの導入について予算がついていますが、その運用と同時に適材適所の人材配置のためにも、評価の仕組みは大切と考えます。区の見解を伺い、この項の質問を終わります。
第一回定例会で一般質問しました!⑥
(6)新庁舎整備とDX推進について
新庁舎の竣工まで、2年、その3か月後には開設が迫っています。新庁舎への移転は、これまで業務の効率化や区職員の働き方改革の視点が重点に置かれており、あまり区民にどんなメリットがあるのかという視点では議論されてきていないところもあると感じています。中野区では昨年「情報化推進計画」を策定しました。今後、令和6年度の新庁舎への移転を契機としたDXを効果的に進めていくためには、行政手続きのオンライン化やデジタルデバイドの解消など、主に区民を対象とする取り組みのほか、庁内の事務効率化や働き方改革など主に区職員を対象とする取り組みなど、多岐に渡る組織横断的な取り組みを全庁的に推進する必要があると考えます。近年の目まぐるしいICT技術の発展、浸透に伴い、区民生活をよりよい方向に変革するDXの推進は、同時期に新庁舎移転を控える中野区においても、その推進体制の確立が喫緊の課題となっていると認識しています。
新庁舎移転は、区民サービスを飛躍的に向上させるまたとないチャンスです。来年度から、情報システム課と新区役所整備課により、DX推進室が組織されます。新庁舎開設が2年後に迫る中、集中的に新庁舎移転を契機とした業務改革を実践していくとの決意の表れだと受け止めています。今後、区民の利便性向上と地域の活性化や、効率的で質の高い情報基盤の整備による区政運営の推進など、新庁舎に関連する事項のみならず、庁外施設も含め全庁的なデジタルシフトなど、多岐に渡る横断的な取組について、どのような検討・実施体制で進めていくのか、区の考えを伺います。
DX推進室には、令和3年度第4次補正予算で議決された5年間の任期付き職員の活用もあります。当初情報システム課で5名、学校教育課で2名の人員の計7名程度を募集する事としていましたが、2月からの採用はどのようになっているのか、お示しください。また、この人材の区のDX推進にもたらす効果をどう考えているのでしょうか、伺います。
先の総務委員会において、新庁舎における窓口サービスの概要が示されました。新庁舎では、区民の方の移動や手続きの利便性を改善するため、全庁に共通の発券機を導入し連携のとれた案内を行うとのことです。これにより窓口連携に係る統計情報が収集でき、業務改善につながるとのことです。来年度から、国保窓口と戸籍住民窓口に先行導入を行うとの報告でしたが、連携等の試行を行い、統計的なデータについても分析を行うことで、新庁舎での窓口サービスの更なる改善につなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、新庁舎では、書かないというコンセプトを掲げていますが、現庁舎では窓口ごとに申請書を作成しており、同じ情報を何度も書く必要があるといった課題を解決するため、申請書作成の負担を軽減するシステム導入を検討するとのことです。これについては、どのような窓口と連携した運用を考えているのでしょうか。現在の検討状況を伺います。
関連して、おくやみ窓口について伺います。超高齢社会・多死社会にある中で、身内の葬儀や手続きで心身ともにつらい状況にある方が窓口でたらいまわしにあう事による負担軽減のための改善が急務です。令和2年第一回定例会でわが会派の山本議員からも質問致しましたが、その際は案内や相談の方法について検討するとの答弁でした。現在のおくやみ窓口の検討状況を伺います。現庁舎で実践できることからはじめ、新庁舎移転につなげていただきたいと考えますが、区の見解をお示しください。
また、窓口サービスの在り方を検証していく中では、今以上に委託できる窓口業務はないかの精査が必要です。反対に令和3年度から委託を取りやめた保育課の入園相談ように直営に戻す事により効率化が進むこともあるかもしれません。特に、新庁舎2階には、現庁舎で窓口業務を委託している戸籍住民課窓口や国民健康保険窓口が配置されるとのことですが、これらの窓口においてこうした検証はこれまでに実施してきたのか伺います。庁舎移転のタイミングと委託化のタイミングが重なってしまう事は混乱を招く恐れがありますが、更なる委託化が可能と判断された場合は、新庁舎移転にむけた委託化計画を検討する必要があると考えますがいかがでしょうか。
次にペーパーレスの取り組みについて伺います。これまでもペーパーレスの取り組みを進めてきましたが、まず現在の進捗状況をお示しください。ひとことにペーパーレスを推進するといっても、これまで行ってきた文化ややり方を変えていくのは簡単なことではありません。文書の削減に併せ、押印廃止の取り組み、電子申請の拡充、統合型GIS導入など、関連するそれぞれの取り組みの時期をにらみながら、計画を進めていく必要があります。これからの取り組みとして、文書種別ごとの量等を調査、分析し、それぞれの部署の特性に応じた課題の抽出、対応策を講じる必要がありますが、具体的にどのように進めていく考えか伺います。また、押印廃止を前提として、電子申請の拡充や、窓口サービスの実施など、全庁的に業務改善の取り組みを推進すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
オンライン相談の拡充、セルフサービスの充実、窓口サービスの更なる改善検討など、新庁舎移転に関わる様々なテーマを一つずつ重点的に解決していくためには、全庁的な連携、協力体制のもと、集中的に取り組み、区民サービスの向上、職員の業務改善、課題解決につなげていく必要があります。今後、どのような検討体制で進めていく考えか伺います。
第一回定例会で一般質問しました!⑤
(5)中野駅周辺の施設マネジメントについて
まず、商工会館跡地について伺います。旧商工会館は、前区政の10か年計画では、売却となっていたものを昨年10月に策定した区有施設整備計画で土地利活用による民間整備を誘導し、施設の一部は、産業振興の総合的支援機能の強化を図るものとし、産業振興センターの経営支援機能及び経済団体事務所を移転するとしたものです。1月24日の総務委員会に「中野区立商工会館跡地活用事業に係る事業者募集について」の報告がありました。50年~70年の定期借地を設定し、PPPというこれまで中野区が取り組んだことがない仕組みを利用しての活用となります。事業者選定過程は、より公平性が求められますが区の見解をお示しください。また、売却をした場合は、およそ15億円になるとのご答弁でした。定期借地権を設定する為、将来的に土地は戻ってくるものの、用地利活用により区の負担を軽減するだけでは不十分と考えます。評価点では価格点を高く設定すべきと考えますがいかがでしょうか。さらには、17~8階建の建物になる見込みとの事でしたが、周辺住民への丁寧な説明なしには事業の成功はありません。いかがお考えでしょうか。
中野駅周辺の権利床等については、区有施設整備計画の中で、中野駅至近の利便性を活かした区民サービスの向上に資する活用のほか、民間活力も視野に入れ、検討を行いますとありますが、どれも具体的ではありません。まず、中野二丁目地区再開発権利床について伺います。12月総務委員会に区有地の活用方針(案)についての報告がありました。ここでは、区の権利床を事業者に貸し付け、事業者の本来事業と地域情報交流スペースの一体的運営により、人々が集い交流し、情報を発信していく空間を検討と示されました。この権利床は契約期間が上限30年となっており、本来事業は有償、地域交流スペースは無償となります。この地域情報交流スペースはどういった目的で、どのような方を対象に区として必要と考えられているのでしょうか、伺います。
これまで中野区では、民間活力の活用を掲げ行った事業の中には、桃ケ丘小学校跡地や温暖化防止推進オフィスの活用など由々しき事態となった案件も複数ありました。当時の反省をいかし、失敗を繰り返さない為にも、十分な検討をすべきです。区の活用方針と方向性が違う場合には契約条項で解除できるような仕組みの検討も必要と考えます。見解をお聞かせください。
中野セントラルパークの賃借床、現在のICTCOについて伺います。平成25年9月から、中野セントラルパークイースト・サウスの一部を区は、一般社団法人中野区産業振興推進機構に対し定期賃貸借し、中野区産業振興拠点事業を進めてきました。現在の協定及び定期賃貸借契約期間は、令和4年8月31日までとなっており、今回の期間満了をもって協定・契約を終了することになっています。思い返せば、区は、区内産業活性化に寄与する都市型産業の集積・創出を促進する事業を誘致するため事業者を募集、四季の都市が出来た平成24年4月当初から入居していただくスケジュールで公募を行いましたが、2次審査において最終選考まで至りませんでした。その結果、このスペースは1年半何も使われずに空いている状態となってしまいました。その間、共益費(年間1400万円)だけが歳出として出ていました。ICTCOとの契約終了については、10月の区民委員会に報告されていますが、その後の活用については議会に報告されていません。計画のみならず賃貸者が決まっていなければ無意味に管理費を支払う事が再度発生してしまう事になりますが、現在の検討状況をお示しください。区有施設整備計画には、中野四季の都市の特性などを踏まえた賑わいに資する機能を誘導するものとしていますが、この賃借床の活用について、早急に考え方の整理が必要です。区の見解をお聞かせください。
中野駅新北口駅前エリア再開発権利床については、権利変換により保有する資産については、権利床(土地及び床)として取得するものとし、民間事業者への貸付など行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るとしています。床として持つ事は、非常に高い維持管理費が発生するというリスクもあります。そのリスクを最小限にとどめ、出来る限り財源を生み出すよう使うべきです。見解をお聞かせください。
また、権利変換計画は令和5年度に認可するスケジュールになっていますが、権利床に関する事業者との大まかな合意はいつ頃されるのか伺います。その前に考え方を議会へ示す必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。中野駅周辺でどういった機能、どのような施設が必要なのか全体像があり、それを踏まえた施設マネジメントの観点が重要だと考えます。本来は、区有施設整備計画の中で全体像を示すべきでした。わが会派として、中野駅周辺にも子育て支援施設は必要だと考えますが、全ての施設に必要なわけではありません。この先、中野駅周辺ではこれら権利床や賃貸床が出てくる中で、改めて全体像を考慮した中野駅周辺の施設マネジメントが必要だと考えますが、区の見解をお示しください。現在の考え方のように、それぞれの施設で見ていく事は、全体像が見えなくなってしまう懸念があります。見解を伺いこの項の質問を終わります。
第一回定例会で一般質問しました!④
(4)子育て先進区について伺います。
妊娠出産子育てトータルケア事業について伺います。1月18日の厚生委員会に「妊娠・出産・子育てトータルケア事業の改善・拡充に向けた考え方について」が報告されました。かんがるー面接時にすべての妊婦にケアカードを発行することや、利用者自身のニーズに沿ったものを選択しやすくなるように改善されること、また経産婦を対象とした事業を実施することなど、これまで会派として求めてきた改善がされることは高く評価しています。なによりも、「すべての妊産婦が支援を必要とする存在であるとの観点」は非常に重要であり、区の姿勢を非常に高く評価いたします。
今回の拡充の中にも、家事育児支援サポーター養成講座受講費用助成対象規模を拡充など、担い手不足解消のためのものが含まれています。今なお、産前産後家事育児支援事業の予約がとれず、一番必要な産褥期に使えない事があると聞こえてきます。かんがるー面接時に産前プランニングが出来るよう案内することも検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
次に、ペリネイタルロス(死産や流産による赤ちゃんとのお別れ)へのケアについて伺います。妊娠出産時の支援は徐々に増えてきました。一方で、流産は全体の妊娠の15%前後にのぼると言われています。また、死産は2%前後と言われています。高齢出産が増える中で、この割合は年々増加傾向にあります。意外と多くの女性が経験しているのにも関わらず、あまりその実情は知られていません。令和3年5月31日に厚労省から各自治体へ「流産や死産を経験した女性等への心理社会的支援等について」という通知が発出されました。この中では、「出産」には流産及び死産の場合も含まれるとされており、子育て世代包括支援センターにおける支援を始めとする各種母子保健施策の実施の際には、流産や死産を経験した女性を含め、きめ細かな支援を行うための体制整備に努めることとされています。中野区では、産後ケア等の事業に流産・死産についての記述はなく、対象とされているように見えません。厚労省の通知もある中で、産後ケアの対象に死産流産の方も含めるべきと考えますが、いかがでしょうか。これまでも例外規定にて対象としてきたのであれば、HPやかんがるーブック等の案内にもその旨記載すべきです。区の見解をお示しください。
三鷹市や台東区では、「流産・死産を経験された方へ」というページがホームページ上にあり、相談窓口や産後ケアの案内、またピアサポートグループのHPリンクなどの記載があります。お子さまを亡くされた後は、心身ともに疲弊している中で、すぐに情報にアクセスできるよう、中野区でもHP上にこうしたページを早急に作成すべきと考えますがいかがでしょうか。
国では令和3年度流産死産に関するさまざまな自治体職員向け研修を行っておりますが、すこやか福祉センターの職員はこうした研修に参加しているのでしょうか。今後、段階を踏んですべての保健師が研修を受けられるよう検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
区の職員への対応についても伺います。職員が妊娠4か月未満で流産した場合最大で7日間の、妊娠4か月以上で流産・死産した場合は通常の出産と同じく最大10週の妊娠出産休暇があります。一方で、男性職員の配偶者が死産した場合、出産支援休暇の2日のみの取得となり、忌引きの対応とはなっていません。子どもを亡くした事に変わりはないのであれば、忌引きの対象とするべきと考えますがいかがでしょうか。
第一回定例会で一般質問しました!③
(3)財政運営について
令和4年度当初予算案は、一般会計が1579億3500万円と過去最高となりました。詳細は予算特別委員会での議論となりますが、財政運営について伺います。来年度当初予算案は、数字を見ると令和2年度よりも歳入が増えており、好予算に見えます。新型コロナウイルス感染症は、さまざまな変異株の出現により、なかなか収束の見通しがとれない事は事実です。また、今後の扶助費や施設更新経費の増加など、財政的な課題が近い将来に待っている事も事実です。一方で、今年度第11次補正予算では、歳入の上振れが計100億円にも上りました。緊張感をもった財政運営が必要だという認識は共有していますが、一方で財政の非常事態と呼べる状況にはないと考えます。今一度、区の見解をお示しください。
来年度予算編成においては、基準となる一般財源規模を令和3年度と同様に687億円とされました。歳入の一般財源は803億円で、116億円も超過しています。また、一般財源充当事業費は761億円となり、74億円財調基金からの繰り入れを行っています。こうした状況は、基準となる一般財源規模があってないようなものに見えてしまいます。新型コロナウイルス感染症の蔓延以前は、基本計画にて財政運営の考え方を整理しお示しする予定でしたが、一般財源は少なくとも10年間は、令和2年度の水準には戻らないと予測していたため基本計画では基準となる一般財源規模の考え方を踏襲し、また687億円と設定されました。その予測は、1年間で大きく乖離しました。豊島区では、投資的経費を除く歳出に必要な一般財源は標準財政規模で行うことや、財政調整基金の残高は標準財政規模の2割以上、公債費比率の目標を10%以下と設定し財政規律を守っています。こうした事例も参考にしながら、財政規律を保つ新たな財政運営の考え方について検討をするべきと考えます。なるべく早期に新しい考え方を議会へ示すべきと考えますがいかがでしょうか。
第一回定例会で一般質問しました!②
(2)新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
はじめにワクチンについて伺います。まずは3回目接種について伺います。64歳以下の区民は、3月1日に2回目接種から7か月経過とする予定でしたが、予約状況に余裕が見込まれるため、同日付で6か月経過後に前倒しすることとされました。同時に、中野サンプラザで行われている集団接種の空き枠を利用し保育士等への接種を促していく事としました。
昨年8月、千葉県で起きてしまった陽性妊婦による死産は大変痛ましく、中野区でも妊婦への1~2回目ワクチン接種の優先枠を作りました。妊婦は、死産や流産の危険性が高くなることだけにとどまらず、感染してしまうと対処法としても飲める薬が限られている事、また重症化リスクも高い事がわかっています。現在は、妊婦を受け入れる病床もひっ迫しています。特段リスクの高い妊婦に対する優先枠を設けるべきと考えますが区の見解をお聞かせください。
新型コロナウイルスワクチンについては、妊婦以外の対象者は接種が努力義務となっています。一方で、先ほど述べたように感染をするとリスクが非常に高いのも妊婦です。アメリカCDCは妊婦へのワクチン接種を強く推奨しています。日本産婦人科学会も推奨しています。さらに日本産婦人科学会は、1月17日に厚生労働省に対し、妊婦の3回目接種に対する優先接種の要望を出されています。こうした背景がある中で、妊婦に対するワクチンの安全性や、また罹患することへのリスクに関して、特段の情報提供が必要だと考えます。ワクチン接種担当でチラシ等を作成し、妊娠届の際やかんがるー面接時に活用し、広報をしていく必要があると考えます。区の見解をお示しください。
次に5歳~11歳の接種について伺います。11歳で1回目を接種し、12歳で2回目となった場合などの対応については、国の動向を見定め、医師会とじゅうぶんに連携し混乱のないよう対応をしていただくようお願い致します。また、11歳以下のワクチンを扱う医療機関は、11歳以下ファイザー社製、12歳以上ファイザー社製、モデルナ社製の最大計3種類のワクチンを取り扱う医療機関も出てきます。くれぐれも接種間違いの事故が起きないよう、徹底していただく必要があると考えますがいかがでしょうか。
次に検査体制について伺います。第6波では、医療機関で使用されている抗原検査キットが足りなくなってしまい、発熱外来等でPCR検査へしわ寄せが行き、それにより検査結果の通知が遅くなってしまったケースもあったと聞いています。抗原検査キットの不足は急激な感染拡大により全国的に広がり、政府が事業者に増産の依頼をする事態となりました。思い返せば、昨年末に国から学校等へ一定数の抗原検査キットが配布をされ、中野区でも学校で活用されていると聞いています。不安によりそう事も必要ですが、こうした急激な感染拡大時には、いかに症状がある人がすぐに検査を受けられる体制を維持できるかが、重症化や死亡事例を出さないことにつながります。行政機関が持ち合わせていれば、区内の発熱外来を実施している医療機関に配布する事が出来たと考えます。一義的には国で検討をすべき課題ではありますが、区としても今後さらなる感染拡大が起きた際に必要な備えをしておくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に保健所機能について伺います。
12月8日の危機管理・感染症対策調査特別委員会には、「第5波の検証と今後の課題について」が報告されました。それまでは、一日あたりの陽性者数最大250人と想定したフェーズ5までの保健所体制を設定していましたが、第5波をうけて一日最大500人を見据えてフェーズ8までを想定した人員体制を整備されました。今回の第6波では、その想定をも上回る感染急拡大がありました。2月1日の委員会時点では、フェーズ8の人員体制に更に全庁応援を10名追加している旨のご答弁がありました。その前日から、東京都が「うちサポ東京」を設置し、中野区でも2月1日から活用しています。それを踏まえた保健所体制は現在どのようになっているのか伺います。第5波では東京都での感染者数は最大6000人弱でしたが、第6波では2万人を超えました。最大一日あたりの陽性者数が1000人規模となってもおかしくなく、フェーズ9以降の設定が早急に求められます。オミクロン株よりも感染性が高い変異株も出てくる可能性もある事から、更なる感染拡大時のための体制整備も必要と考えます。見解をお聞かせくだい。
次に危機管理体制について伺います。
2月1日の危機管理・感染症対策調査特別委員会には、「オミクロン株感染拡大に係る事業継続計画の緊急点検等について」が報告されました。1月19日の蔓延防止措置等重点措置決定とともに、東京都が事業者に対して事業継続計画の再点検が要請されていることから、緊急点検を行った旨の報告でした。
保健所応援体制等の対応も含めた、職員の想定欠勤率は20%で、点検を行った業務の対象期間は2月1日から3月31日です。今回、点検を行った旨の報告はされましたが、その中身については報告されませんでした。必要な区民サービスの着実な確保・継続を図るためとは言え、その中身には区民サービスに影響を及ぼすものも含まれている事と考えます。区民の皆さんにご理解をいただく為にも、公表が必要と考えますがいかがでしょうか。
保健所体制は12月に報告があったように、第5波を受けて感染拡大に向けた体制整備が行われました。一方で、今回の緊急点検についても公表はされておらず、応援する側の体制制整備ができているのか見えづらい状況にあります。区の職員が行っている業務には、インフラに関わる事業や、保健所の逼迫により業務が増えた部署などもあり、一律に人を出すことはできないと考えます。杉並区では図書館を閉鎖して応援職員を拠出するなど、思い切った対応を実施しました。中野区では平成30年に「中野区政のBCP(中野区事業継続計画)」を改訂しました。その後、組織編成や事務事業が見直される中で、これまでこの計画を改定したという報告は受けていません。今回の新型コロナウイルス感染症はまさにこの危機発生時に当たると思いますが、区は現在この計画に基づく対応ができているのでしょうか。計画の見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。
第6波は感染拡大が急速で、対応が後手に回らざるを得なかった面があることは否めません。しかし、こうした緊急時においては、思い切った対策が必要であり、区長がリーダーシップをとって大胆かつ迅速な対策を実施していくことが求められます。そのためには危機管理部門が権限をもって対応していくべきと考えますが、区の見解をお示しください。
第1回定例会で一般質問しました!①
令和4年第一回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告通りで、その他はございません。
はじめに、所信表明のうち、(1)区長の4年間の実績と総括について伺います。区長は4年間の区政運営を振り返り、今後の課題を示されたのち、「引き続き区政という重責を担うことに全力で臨む決意を新たにいたしました」と2期目の出馬宣言をされました。区長は就任後初の区議会で所信表明を述べられ、その際に4つの柱として掲げられた1つめが「中野区を子育て先進区へ」です。子育て先進区を目指すことを目標にもったことにより、多くの子育て支援や子ども施策が前進したことは大変評価しています。
今定例会で審議予定の子どもの権利条例や、さらには来年度改定予定があり、子どもの貧困対策計画や子ども若者計画なども含まれる「子ども子育て支援事業計画」などにも期待をしています。区長は、所信表明で多くの実績を述べられました。それらの事例以外にも区立保育園の一定数の存続、保育園の医療的ケア児の受け入れ、区立保育園使用済みおむつの持ち帰りの廃止、保育園入園案内の冊子見直し、区立幼稚園の存続、就学援助対象者の拡充などがあります。こうした取り組みの影響もあり、2021年度版「共働き子育てしやすい街ランキング東京編では、6位に中野区がランクインしました。子育て先進区の実現に向けた道筋は明らかになり、多くの新たな取り組みに着手する事ができました。実効性を高めるための工夫に努め、今後もしっかりと進めていただきたいと考えます。
国は、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、令和5年度にこども家庭庁を創設する予定であり、昨年12月に内閣官房にこども家庭庁設置法案等準備室を設置しました。ようやく国が同じ方向を向いてきたことは歓迎します。先日、区の子ども子育て会議において、同室内閣審議官がこども政策とこども家庭庁創設について講演されました。その中で、子ども政策に関し他省に属しない事務を担い、各省庁の間で抜け落ちることがないよう必要な取組を行うとともに、新規の政策課題に取り組むことをポイントとしてあげ、そのために、予算と人員体制を十分に確保していくと意欲的にお話をされていました。区長は、施政方針説明において、子育て先進区を目指し、国や都の政策をリードしていくと述べていますが、そのためには、こども家庭庁創設を見据えて、予算や人員の確保などの体制拡充を進めていくことが必要であると考えます。区長の決意を伺います。
次に児童館について伺います。
1/31に開かれた子ども文教委員会では、「令和4年度児童館運営について」が報告されました。第4回定例会で児童館条例が否決されたことを踏まえ18館の運営をするというものです。令和4年度の運営について子ども文教委員会では、会計年度任用職員や派遣活用も考えていく旨のご答弁がありました。しかしながらわが会派としては、児童館は地域のネットワークをつくるための公平性、安定的な事業経営、公共性、継続性が必要であり、当面の間区の職員による直営での運営が必要と考えます。また、児童館を集約化し、中野区の積み重ねてきた直営での児童館運営のノウハウの共有や、人材育成のできる環境を早急に整備すべきです。令和4年度も直営の方向性が示されていますが、どのように体制を構築し、ノウハウの継承、人材育成を行っていくのか区の見解を伺います。
先に策定された区有施設整備計画は、計画的に財源を確保しながら、区民のニーズに応じたサービス提供のための適正配置と安全・安心な施設利用のための更新・保全を行うとしています。4年前、区長は児童館を一定数残す事を公約として区長選に当選されました。第4回定例会において条例は可決されませんでしたが、児童館を含む地域子ども施設の整備を着実に進めるべきと考えますが区長の見解を伺います。
区長は就任以降、ボトムアップ型の区政を目指されてきました。ボトムアップには、区民との対話によるものと、区役所内職員からの提案によるものとあります。まず、区民との対話について伺います。これまで、区民と区長のタウンミーティングにとどまらず、児童館で子育て家庭との意見交換会「子育てカフェ」も行ってきました。こうしたタウンミーティングに加え、区長自らが様々な子ども関連団体や介護・福祉の事業所へ足を運び現場の声を聞いてきました。さらに、基本構想策定時の無作為抽出ワークショップの実施なども区民との対話を大切にしてきた姿勢ととらえています。これまで行ってきた対話の効果を区長はどのようにとらえているのでしょうか、伺います。
こうした取り組みは前区政では行ってはいませんでした。以前視察に伺った豊島区では、若年女性施策を推進する際に、NPOや地域団体からの現場の声により、スピーディーに施策を進める事が出来たと伺いました。日ごろから関係を築いていく事の大切さを学びました。区は、こうした団体や事業者との関係構築を今後どのように行っていくのか伺います。
区長は施政方針説明で、区民と区長のタウンミーティングの実施方法を工夫することにより広聴機能の向上に努めますとの事ですが、具体的にどう考えているのか伺います。
また、区民との対話の前提として、区政の情報が届いている事が必要だとしています。これまで、わが会派からも様々な提案をしてきました。区の情報発信力を高めるとともに、ホームページなどのユニバーサルデザインを進めた事は評価します。最初に取り組んだ区報のカラー化や、広報アドバイザーの導入、SNSの充実も図られ、区民に、よりスピーディーに情報が届くようになりました。こうした取り組みの積み重ねが、コロナ対策での発信にもつながったと感じています。
令和四年度予算での検討中の主な取組では、HP改修に取り組むとされています。利用する区民目線での改善や更なる多言語化、また、ホームページ上のアンケート機能の向上が進むことを期待しています。広報の目的は、必要な人に必要な情報が届くという事です。以前の区政では、ほとんどの事業について区報とHPで案内しているだけの状況でした。ひとり親世帯への給付金や、高齢者へのワクチン接種予約支援は、支援が必要な方々に必要な情報を届けようという姿勢が見られ、まさに区長の考えるアウトリーチの考え方に基づいています。今後は、区役所全体がこうした広報マインドを持つことが必要です。若手職員に対する広報の研修は行われていますが、それと併せて広報アドバイザーの更なる活用も必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。
次にボトムアップ型の区政への転換のうち、職員からの提案について伺います。施政方針説明では職員提案制度を改善したと記載がありますが、どのように改善したのか伺います。一方で、各部署発信の政策提案は、その数も質も部署によって差異が大きいのではないかと感じます。庁舎内のボトムアップ型の区政への転換はまだ道半ばであり、課題があると感じています。令和2年度予算は執行停止がありました。本来は、それらの事業は令和3年度予算で最優先に取り組むべきはずなのに予算化されていないものもあります。ボトムアップできる文化を作るためには職員のモチベーションを継続する事も重要です。現在の評価制度は企画部や子ども教育政策課など、政策をつかさどる部署と管理系の部署で人事評価の基準が同じです。政策を生み出すことに評価軸をシフトしなければ、長年培った区役所文化は変わらないと考えます。人事評価の仕組みを変えるなど、取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上の4点は、成果が上がりつつあるといえますが、課題もあります。基本構想で示しためざすべきまちの姿の実現に向けて、中長期的視点も持ちつつ、区長が先頭に立って、取り組みをしっかりと進めていく必要があると考えますがいかがでしょうか。伺いましてこの項の質問を終わります。
HPVワクチンのキャッチアップ接種に関する意見書採択
12月10日の本会議では、私たち会派から提案したHPVワクチンのキャッチアップ接種に関する意見書も賛成多数で採択されました。意見書は以下になります。12月中に厚労省の専門家会議が開かれる見込みとの報道もありますが、情報を知らないで定期接種を逃してしまった世代へのフォローも実施していく必要があると強く考えています。この意見書が後押しすることを願っています。
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定期接種の機会を逃した女性に対するヒトパピローマウイルスワクチン接種機会の確保ならびにより効果の高いがん予防対策を求める意見書
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは定期接種であるにもかかわらず、2013年6月以降、積極的勧奨を差し控えたまま8年余が経過しました。これに伴い、2000年4月~2005年3月生まれの女性のほとんどは、情報がないまま接種機会を逃しました。その方々は、定期接種の期間を過ぎた場合に公費での接種が受けられなくなることも含めて情報が伝えられていません。このまま接種がなされなければ、約22,000人の女性が防げたはずの子宮頸がんに罹患し、約5,500人の女性が子宮頸がんで命を落とすと推計されています。
定期接種の機会を逃した女性のうち、自ら希望し任意接種を受ける女性は、高額な費用を自己負担しなければならず、万一副反応が発生した場合の補償にも差が発生します。経済的理由により任意接種ができない場合、がん予防に経済的格差が発生し、これから妊娠・出産を考える女性の妊孕性を脅かすことは、公衆衛生上の重大な問題です。
令和3年11月26日、厚生労働省は積極的勧奨再開の通知を自治体へ発出しましたが、すでに接種機会を逃した女性の救済は急務です。また、4価ワクチンの肛門がん等HPV関連がんの予防効果について男性への適応が追加され、男性への定期接種も今後期待されています。さらに、9価ワクチンも承認されたことから、より効果の高いがん予防対策となるよう、早急に予防接種法施行令を見直す必要があります。
よって中野区議会は、国会及び政府に対し、守れる命と健康を守るため、下記の事項を求めます。
記
1 定期接種の接種機会を逃し、HPVワクチンの任意接種を希望する女性に対して、経済的負担を軽減するための措置及び財源の確保を行うこと。
2 定期接種の接種機会を逃し、既に自費で接種した女性への償還払いを、前項の措置及び財源の確保の対象に含めること。
3 接種を躊躇せず安心してHPVワクチンによる子宮頸がん予防が行えるよう、有害事象に対する診療体制を強化し、ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報提供を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 あて
厚生労働大臣
内閣官房長官
中野区議会議長名
第4回定例会が閉会しました
11月25日から行われていた中野区議会第4回定例会は、12月10日に閉会しました。
この定例会では、来年度から区に移管される児童相談所に関する条例が多く提出され、可決されました。
また、これからの児童館のあり方の第一歩となる児童館条例も提出されましたが、20;20で議長採決になり、否決となりました。私たち立憲民主党・無所属議員団は児童館を一定数残すためには集約化が必要であり、今回の条例に賛成の立場でした。昨日行った賛成討論を以下に記載致します。
上程中の第85号議案「中野区立児童館条例の一部を改正する条例」に対し立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成討論を行います。この条例は、弥生児童館、朝日が丘児童館、新井薬師児童館、大和西児童館を廃止するものですが、そのうち弥生児童館については閉館しやよい荘の施設改修中の代替施設となりますが、他の3児童館跡地は「学童クラブ施設」として、地域の乳幼児親子の居場所と学童クラブの需要にこたえる為に引き続き活用されます。
前区政では、順次各小学校に学童クラブ併設のキッズ・プラザを設置し、最終的には児童館全館を廃止する考えのもと、実際、多くの児童館を廃止してきました。酒井区長はこの考えを転換し児童館を一定数残していくことを公約として区長選挙に当選されました。そして、就任間もなくの平成30年第3回定例会に「地域の子育て支援拠点の考え方について」を報告し、「児童館を地域の子育て活動支援拠点として位置付け、その役割や機能を整理し適正な配置を行う」と表明。その一年後の令和元年第3回定例会には「地域の子ども施設のあり方について」を報告し、これまで児童館が担ってきた役割と今後求められる役割を整理したうえで、中学校区に1館、全9館を存続させることとしました。
私たちの会派は、一貫して児童館の全廃方針には反対し一定数の存続を求めてきました。それは、児童館はただの子どもの遊び場というだけではなく、地域コミュニティの核として非常に重要な施設だからです。
昨今いじめや不登校、ひきこもり、貧困、虐待といった子どもや子育て家庭のおかれている社会的課題があります。こうした課題に対応するため、区は存続する児童館には、子どもの居場所・遊び場といった機能に加え、子育て支援拠点や相談、地域での見守り、子育て支援団体のネットワーク支援といった機能を強化する「新たな機能を備えた児童館」とすることとしました。
また、これまでは対応しきれていなかった中高生の居場所機能の拡充や、長年利用者の要望が大きかった週7日の開館も実現する予定です。
これらの点を評価すると共に、着実な機能強化の実現を求めたいと思いますが、そのためには、子どもや家庭への対応にスキルをもった職員が必要です。また地域のネットワークを作るための公平性、安定的な事業経営、公共性、継続性が必要であり、当面の間、区の職員による直営での運営が必要です。
前区政では、児童館は全館廃止が前提であったため、長年職員の採用がなく、人材育成も不十分でした。そのため10年後には半数の職員が定年を迎え、今年度末には6名が退職を迎える予定です。現在の18館のまま児童館を運営していくには職員の絶対数が足りません。不足する職員充足のために、民間人材を採用することも考えられますが、児童館を運営するに足りるスキルを持った人材育成を、1館たった3人の職員体制の中行っていくには限界がある上、中野区の積み重ねてきた直営での児童館運営のノウハウを継承できなくなります。また、これからの児童館に必要とされる機能を担う職員には、高いレベルでの対応が求められます。だからこそ今児童館を集約化し、ノウハウの共有や人材育成のできる環境を早急に整備することなども必要で、これに関しては待ったなしの状況です。
児童館の配置については、地域の子どもの居場所として、子育てひろばや学童クラブ、キッズ・プラザとあわせて考えなければいけません。乳幼児親子の居場所となる「子育てひろば」は、5年前には2か所しかありませんでしたが、今年度は委託・直営併せて9箇所まで増え、コロナの影響が出るまでは年々利用者も増加していました。今後も整備の計画があり、現在計画されているだけでも児童館が9館となった時点で区内21か所となり、半径500メートル圏でいうと、2~3カバーしきれていないエリアはあるものの、ほぼ区内全域に配置がされます。補助金の出ていない中で地域の団体で自主的にやって頂いているものも含めるとさらに多くのひろばがありますが、計画の着実な実現と、不足エリアへの対応を進めて頂くよう求めます。
小学生の放課後の居場所機能としては、各学校内にキッズ・プラザが順次配置されています。整備が完了しているエリアの児童の多くはキッズ・プラザを利用しています。現在、キッズ・プラザの登録率は96%、キッズ・プラザ併設の学童クラブは99.9%と非常に高いニーズがあり、また利用者から高く評価されています。ただし、学童待機児童の問題とキッズ・プラザの面積の狭さという問題があります。これまでも指摘してきましたが、改めて対応を求めます。
区がこれまで統計情報として公表してきた児童館の利用者数には学童クラブとしての利用者も含まれているためなかなか正確な数字が把握できませんが、キッズ・プラザが整備された近隣の児童館では、利用者数は明らかに減少します。ある児童館では、学童以外の利用者数が1日10名ほどとのことです。私たちは、放課後の時間を学校とは別の場所で過ごしたい子どもたちもいることからも、高学年の児童や中高生の居場所として一定数児童館を残す事には大きな意義があると考えていますが、子育て広場、キッズ・プラザ、学童クラブという子どもの居場所が充実してきている中、財政面からも適切な施設配置が検討されるべきです。
老朽化した児童館の建て替えには1館あたり約5億円の経費がかかるとのことですが、前区政が全廃方針だったため、建替え経費を基金に積むこともしてきていません。財源に限りがある中では、運営の効率化や経費の抑制についても目を背けず取り組まなくてはなりません。
なぜ9館なのか?という疑問も多いと思いますが、中野区では、これまで次世代育成委員と児童館長が事務局を担っている「地区懇談会」が中学校区で実施され子育てネットワークがすでに地域に根付いている実績があります。学校関係者、町会など地域団体、PTAや地域の子育て団体の代表者や関係委員などが一堂に会して、子どもに関する課題について共有をしてきました。
また、こうした子育ての下支えだけでなく、これから地域学校協働本部と一体的に構築される、コミュニティスクール。すなわち学校運営協議会制度を進めるにあたり、中学校区での地域連携が基盤となっていく可能性もあります。
「新たな機能を備えた児童館」を中学校区に1館配置することで、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援の強化、さらに学校連携の強化が図られます。
なかなか普通に児童館を利用しているだけでは実感できませが、中学校区を一つの単位として、こうした地域の子育てを下支えする仕組みがありセーフティネットとして機能している事をもっと区民にお伝えできれば、子育ての安心感も高まるのではないでしょうか。そのための取り組みを要望します。
来年度、機能転換する児童館については、閉館後も子どもが来館する事が考えられます。そうした子どもたちに対する見守りは、児童館職員によるアウトリーチ対応など丁寧に進めていただくよう要望致します。
また、これから順次閉館をしていく児童館の跡地活用については、本来閉館と同時に方針を示すべきです。区は跡地については、子育て支援・地域交流機能の確保を検討するとしています。区内にも既に実績がありますが、区有地に民間施設を誘致し、その際に地域のコミュニティ機能設置を求めることで、区の財政負担を抑えながら子育て世帯の居場所を確保していくことも可能と考えます。積極的な検討を求めます。
私たちは、児童館の存続を求めてきましたが、一方で現在の児童館には課題も多いと感じてきました。特に、児童館職員の対応の違いが利用者の方々からの児童館への評価のバラツキとなっている点は改善が必要です。児童館全廃は、現場職員にとっては自分たちの仕事を不要だと言われているも同然で、そうした中でやる気を失ってしまっていたのかもしれません。酒井区政になって児童館存続を前提に様々な議論を重ねる中で児童館職員もモチベーションを上げ、地域の子どもたち、子育て世帯の方々にこうしたサービスが必要だと現場からの多くの提案もあったと伺っています。
児童館数が減ることについては私たちも残念な気持ちもありますが、しかしここがこれまで評価にバラツキのあった児童館が大きく変わるチャンスであるとも考えています。自分たちの役割を改めて見直した現場の児童館職員が、館を飛び出してアウトリーチ対応をしながら一中学校区の子育て世帯と子どもたちを支えていく児童館となることを願い、賛成討論といたします。
第2回定例会で一般質問を行いました
令和3年第2回定例会にあたり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。
- 新型コロナウイルス対策について
中野区では、4月21日に75歳以上高齢者ワクチン接種の予約がスタートし、最初はシステムの不具合により混乱を招いてしまいました。一方で、75歳以上の接種は4月28日に23区最速で開始。医師会のご協力もあり、集団接種と個別接種をあわせた体制が組めたことにより、64歳以下の一般接種も23区最速で開始できる事は高く評価しています。中野区の取り組みは多くのメディアにも取り上げられています。
諸外国ではワクチン接種が進むことにより、屋外でマスクを外せる生活が戻っています。ワクチン接種のオペレーションは日常を取り戻すためにも非常に重要です。希望される区民が、遅滞なく確実にワクチン接種出来る体制づくりに向けて区としてもさらなる取組が必要です。
3月から本格的に医療従事者へのワクチン接種が始まりました。東京都の医療従事者向け接種予約サイトがシステムエラーでしばらく予約ができない状況になかったこともあり、なかなかスムーズには進んでいませんでした。5月31日現在で、一回目接種が92.8%、2回目接種が60.5%と、本来は高齢者接種の前に少なくとも1回目接種が終了しているべきところ、いまだ終了していません。一方で、ワクチンの供給が安定してからは、接種も加速してきています。中野区では、医師会により医療従事者の接種の調整をしていただいていると伺っていますが、区内の医療従事者はどのような状況でしょうか。また、今後始まる集団接種に従事する予定の委託事業者の接種状況もあわせてお答えください。
また、消防の救急隊員の状況はどうなっているのか、中野消防と野方消防の状況は把握しているのか伺います。中野区は医師会の調整の中で、医師会、歯科医師会、薬剤師会の接種調整をしていますが、3師会の接種完了予定について、区はどのように把握しているのか伺います。
4月28日より75歳以上の高齢者を対象としたワクチン接種がスタートしました。5月21日には65歳以上の予約が開始され、今後も順次予約接種が進んでいく予定です。ワクチン接種の準備段階では、いつどのタイミングでワクチンが配分されるのか不明瞭な点もありましたが、ファイザー社に加え、モデルナ社やアストロゼネカ社のワクチンも承認された事は、今後の安定的な供給に期待がもてます。国では、菅総理大臣が、7月末までに高齢者接種を終わらせる宣言をしましたが、自治体の体制によっては難しいところもあると認識しています。中野区では、7月末までに65歳以上高齢者接種は終了できる体制となっているのでしょうか。接種予約ができない高齢者に対する支援も実施していますが、現時点での予約状況はどうなっているのでしょうか。伺います。
次に訪問による接種について伺います。現状では「コスト」や「移送の際に壊れやすいというmRNAワクチンの特徴」「訪問診療の制度の壁」といった理由から、医療関係者からは訪問接種のハードルは高いという声が上がっています。ワクチン接種を希望しても病気や障がいなどの理由により足を運べない方に対して、医師等が訪問して接種ができるよう、訪問診療を行う医療機関等への支援が必要であると考えますが、今後の取組について伺います。
国が設置した大規模接種センターでも接種券が手元にあれば予約接種ができることになり、5月24日からスタートしました。国設置の大規模接種会場では取り扱っているワクチンはモデルナ社のもの、中野区の会場ではファイザー社のものとなっています。2回接種は同じワクチンの接種が必要なため、2回ともに同じ会場での接種が必要になります。こうした点についても、区民に向けたわかりやすい広報が必要です。区の見解を伺います。
65歳以上のワクチン予約が開始され、医師会館での集団接種に加え、15の区民活動センターでの集団接種、タイプ1の医療機関での個別接種については、区の予約システムで受付をしています。現在、区は日に2回、その時点での予約数をホームページ等でお知らせしています。現在は、高齢者のみが予約の対象となっており、電話での予約も割合として多いと考えられますが、64歳以下の一般予約については、HPやSNSなどでの広報がより重要になってくると考えます。
タイプ2の医療機関での個別接種については、区で直接予約状況をすべて把握するのは難しいと考えますが、今後も区が把握できる予約状況のタイムリーな情報提供は区民への安心感にもつながり非常に重要だと考えます。区の見解をお聞かせください。
区民の接種状況については、接種記録システムでの把握ができると認識していますが、どこかの時点で接種率等を把握し、公表する考えがあるのか伺います。新型コロナウイス予防ワクチンに関しては、集団免疫を達成するために必要な接種率等は国から示されていません。ワクチン接種は一義的には国のプロジェクトではありますが、自治体として取り組んでいる上では、ある程度の目標目安は必要だと考えます。区としてワクチン接種をどれだけ進めるべきと考えているのか、お考えを伺います。
現在、国の大規模接種予約と区の接種予約ではシステムが連動していないため、2重の予約も可能です。2重予約でキャンセルが増える可能性もあります。キャンセルが出た時の余剰ワクチンをどう活用していくか、様々な自治体で議論が進んでいます。茨城県水戸市では、幼稚園や保育園の職員をあらかじめリストに登録し、キャンセルが出た際に接種してもらう対応をとることを決定。千代田区は介護サービスや保育や教育関係の職員に活用する方針です。中野区でも、余りワクチンについて保健所の職員等に接種するとしていますが、今後、接種の対象が増えると、おのずと余りワクチンが発生する可能性が増えます。集団接種でも、個別接種でも、対応を考えていく必要があると考えます。5月25日には、厚労省健康局健康課予防接種室から、余剰ワクチンについては「各自治体において、地域の状況を踏まえ、幅広い対象を検討することとし、また、接種券を保有していない者についても対象とするなど、柔軟な対応を検討し、判断すること。」と業務連絡が都道府県、市町村、特別区衛生主管部宛に出されています。
ワクチンが打てない子どもと接する機会の多い職種に接種をすることも有効と考えます。また、時間の制約がある中、区長をはじめとする区の職員への接種も検討すべきです。区長は危機管理体制のトップであり、早い時期の接種は必要と考えます。お考えをお聞かせください。なによりも効率的に早く接種を進めていくための区としての方針が必要と考えますが、見解をお聞かせください。
今後スタートする現役世代の接種率を上げるためには、土日祝日だけではなく、職務時間中などであってもワクチン接種が出来る環境整備が必要です。企業の中には、新型コロナウイルス感染症対策として、勤務時間中のワクチン接種について、特別有給休暇の取得を認めたり、「勤務免除」としたりする動きが現れています。国もまた、こうした「ワクチン休暇」を設けることを経済界に働きかける方針を示しており、全国知事会をはじめ地方自治体においても「ワクチン休暇」を企業に働きかけるよう要望する活動等を行っています。中野区においても企業や国、東京都に対して、働きかけを行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
5月28日、ファイザー社製ワクチンの接種可能年齢に新たに12~15歳が加わったことを受け、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会は31日、公費による接種対象を12歳以上に拡大することを了承しました。本日6月1日から適用されます。区としてどのように取り組んでいくのか伺います。
4月21日に開始予定だった75歳以上高齢者の接種予約がシステムの不具合により予約できない状況が生まれてしまったこと、またシステム修正中に予約ができるようになってしまい、混乱を招いてしまったことに対しては、原因がどこにあったのか分析と総括が必要です。今一度、危機管理体制は機能したのか、検証が必要です。区の見解をお聞かせください。
最後に保健所の体制について伺います。昨年度は、庁内の職員調整により、保健所の体制強化をはかっていました。今年度は派遣により、保健師や看護師などを確保しています。一方で、ワクチン接種担当はこの一大プロジェクトにより、日中には区民からの問い合わせも多く非常に忙しい状況が続いています。高齢者接種が終われば、電話は減っていくと思われますが、対象者は広がっていくため、今後も忙しい状況が続くと予想できます。現在、区のホームページに記載されている電話番号はワクチン担当となっており、コールセンターで解決するような内容でも保健所にかかってしまう状況も生まれています。こうした事の整理なども含めて、ワクチン担当部署の超過勤務時間の抑制など、図っていく必要もあると思います。区の見解をお聞かせください。
現在、国や自治体もワクチン接種に力を注いているところですが、スピード感をもってワクチン接種を進めることができなければ、第5波も予想ができ、対策も必要になります。保健所の新型コロナ対策以外の業務にも支障が出ないようにするためにも、新型コロナ対策に関する十分な人的体制整備が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。
2.区制構造改革について
まず、プログラムの目的について伺います。
財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め持続可能な区政運営を目指すためとしています。この文言や構造改革という名称を聞くと、あたかも行政サービスの縮小化のように聞こえますが、プログラムの中身を見ると戦略IIに「公助の体制強化と共助の促進」があるように、行政の役割の明確化やセーフティーネットの強化にも注力することとしています。このプログラムの目的が正しく伝わるよう区として更に努力する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
構造改革プログラムは、令和3年度から令和5年度までのおおむね3年間を目途に集中的に取り組むこととしています。一方で、収支が均衡する状況まで継続して取り組んでいく必要があるとしており、それは10年間としています。このプログラムは3年間で効果を出すものではなく、10年後を見据えて取り組んでいくのでしょうか。今一度期間についての見解をお示しください。
(仮称)構造改革推進アドバイザー会議については、構造改革の推進にあたり、専門的な立場から必要な意見または助言を得ることを目的として設置するとしています。また、行政評価制度の視点や評価結果の反映などについても助言を受けるものとしています。外部人材の登用自体には意義があると考えます。また、行政評価制度に外部の目を入れる取り組みとして、この会議体を活用する事は評価します。ただし、構造改革プログラムという区政の大きな方向性に関わる外部人材については、将来的にはより責任のある形での登用が必要だと考えます。見解をお聞かせください。
構造改革プログラムの取り組み検証にあたっては、行政評価における事業の効果測定を活用するとしています。昨年度から行政評価制度を事務事業点検とした事は評価しています。一方で、現在の行政評価制度では、内部評価で行った事業評価が政策施策へのPDCAにはつながっていない状況です。現在の制度を進化させれば、まさに区が目指している構造改革につながるのではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。(仮称)中野区構造改革推進アドバイザー会議には、行政評価の在り方についてもヒアリングすることとしていますが、継続的に評価見直しができる仕組みの構築が急務だと考えます。現在の評価制度における自己点検は公表されるものではなく、実効性があるのか疑問を持っています。外部評価制度については、今年度予算の関係で見直されています。区が行っているすべての事務事業を定期的なサイクルで点検できる仕組みを構築すること、また、その評価が区の施策や政策につながっていく仕組みの構築が必要だと考えます。実効性のある取り組みにするには、外部の目を入れることも大切だと考えます。区の見解をお示しください。
戦略I「デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的に行政運営」を掲げたように、この構造改革プログラムを進めていくにあたっては、デジタルシフトに注力するべきだと考えます。RPAやAIで生み出される事務の効率化は最優先で取り組むべき課題です。この数年間で、先行投資し、長期的な財政負担の軽減や業務効率化を進めることが重要です。RPAやAIを導入している保育園入園業務では8500時間の削減効果が見込まれます。これは、4人分の職員の削減効果にあたります。こうした取り組みを加速して進めていくべきです。区の考えをお聞かせください。
戦略IIIでは、「施設の在り方検討と適正な配置・管理」を掲げています。
現在、施設整備計画について議論が続いていますが、施設の再編や在り方検討は、行財政運営にも影響が大きく非常に重要な課題です。今後取得する土地や床、また未利用の施設などについては、最大限に活用することが重要です。
5月11日に行われた、中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会での勉強会では、新たに区が区役所・サンプラザ跡施設の権利変換により取得する権利床は13,000㎡とのことでした。この権利床や、中野駅南口での再開発において取得する権利床については、貸付なども検討し財源確保を目的とした資産活用する必要があります。旧商工会館については、現行計画では売却予定となっており、森議員の総括質疑でその売却益は約12億1000万円と答弁されました。区は用地の利活用により財政負担を軽減としていますが、それだけでは不十分であり、相応の成果を出す必要があります。区の見解をお聞かせください。
戦略IV「組織体制の最適化」では、適正な定数管理を行っていく必要があると記載があります。2月の総務委員会には、「職員の定数について」の報告があり、令和4年度に改めて検証を行い、令和5年度から条例定数を2100人に引き上げることを方針として、中野区職員定数管理計画を策定することとする、としています。令和4年には児童相談所が移管され、80名もの体制になります。また、生活保護のケースワーカーも足りていない状況です。
行政需要が多様化している中で、2000人体制のまま突き進むことは、行政サービスの低下にもつながりかねません。以前わが会派の酒井議員からも質問を致しましたが、財調算定の中でも人件費は見られています。今後の職員定数について区としてどう考えていくのか、伺います。
3.基本計画および区有施設整備計画について
5月13日に行われた総務委員会に、両計画の検討状況について報告がありました。この報告の中で、「議会の意見及び意見交換会における区民意見等を踏まえ、区として検討を行い、素案の内容を一部見直し、改めて意見交換会等を実施する必要があると判断したことから、改定素案を作成するものとする。」としました。この意見交換会を実施する時間が必要であり、これに伴い策定時期を令和3年8月から10月に変更されるとのことでした。変更点に対する区民の意見を聞き反映することは大切ですが、計画策定の遅れにより、施策を進められなくなることを懸念しています。10月策定でも影響はないのか、区の見解をお聞かせください。
次に新たな機能を備えた児童館について伺います。
中野区では、小学生の放課後の居場所として、各小学校にキッズプラザを設置し、学童クラブも併設することで安心安全な居場所を学校内に確保し、同時に学童保育の需要にこたえてきました。前区政では、キッズプラザが出来た地域の児童館を順次廃止してきましたが、酒井区長が公約にしてきた、児童館を残していくという方針のもと、令和元年第3回定例会で児童館は中学校区に1館という配置を決定していました。児童館は、乳幼児親子の居場所ともなっており、また高学年など学校内で放課後を過ごさない子どもたち等の居場所ともなっています。
第一回定例会の子ども文教委員会に「地域子ども施設整備の考え方について」の報告がありました。これまでの遊び場機能、中高生の活動・交流機能、乳幼児親子の支援に加えて、子育て支援拠点機能、地域の見守り機能、地域子育て支援ネットワーク機能、学童クラブ移転後スペースの活用として子ども食堂や自習室等があげられました。まず、機能強化について伺います。子ども版地域包括ケア体制を構築していく上でも児童館の役割は大きく、こうした機能強化が「子育て先進区」の実現に向けた取り組みにつながります。児童館の意義を区としてどう考えているのか、伺います。
区政構造改革の中では、児童館運営の在り方について議論が進んでいると理解していますが、公共の担う役割についての議論があったうえでの検討が必要だと考えます。児童館の役割を果たすためには、安定的な事業経営、公共性・継続性、各団体の調整にあたり公平である事として、現段階で運営主体は公設であることが望まれます。見解を伺います。
また、現在すべての児童館が日曜・月曜休みとなっていますが、休館日の柔軟な運営も求められています。一部の児童館休館日をずらすなどの工夫も求められます。区の見解を伺います。
これらの取り組みを実現していくためには、人材育成や職員体制の構築が必要です。10年後には児童館職員は半分以上が定年を迎えます。児童相談所やすこやか福祉センターなどの福祉職と一体に考える事も可能だと考えます。職員定数ありきの議論ではなく、児童館がどうあるべきかと議論し、そのために職員採用をどうしていかなければいけないのか、十分な検討が必要です。区の見解をお聞かせください。
3月の委員会資料には、今後5年間の児童館・キッズプラザ及び学童クラブの転換について具体的な館名が示されました。今年度末には、3館が学童クラブ施設に用途変更され、1館が閉館となります。
3月の報告では、学童クラブ施設として活用する館については、あわせて乳幼児親子の居場所である子育てひろば事業を行うと記載されました。契約の問題等解決すべき課題がある児童館もありますが、学童クラブが専用で使うのではなく、乳幼児の居場所として継続して使用ができることなど、地域への丁寧な説明が必要だと考えます。また、今年度予算で新規事業として計上された、区有施設での一時預かり事業ですが、検証の上、学童クラブ施設となる児童館でも子育て広場と一緒に導入を検討すべきと考えます。区の見解をお示しください。
区はこれまで、区有施設整備計画の中で今後の児童館の展開については、5年後までを示してきました。これまでも、学校再編計画や施設整備計画を策定する際に判断材料とした人口推計と現状は大きな乖離があり、桃花小学校や平和の森小学校では児童数が大きく増えており、今後は美鳩小学校でも児童数の増が見込まれます。今回の児童館の展開は、学童クラブ施設も含めて議論が必要なため、その在り方に関して現段階で判断がつかないところもあります。こうした過去の経験もある中で、10年後の展開の示し方については、慎重であるべきと申し上げてきました。今後、10年後の配置を示す際には、未利用地活用や跡施設の利用について、丁寧な記述をすべきと考えます。区の見解を伺います。
現在はまだ閉館する館の次の活用策が明確には示されていません。これまで児童館を使って活動をされていた方々へ活動継続支援はもとより、その後の活用策が示されるまでの期間、暫定的に利用ができるよう調整すべきと考えますが、いかがでしょうか。
跡地活用については、その地域の区民の関心は非常に高く、特にすぐに閉館となる施設については、本来であれば記載すべきと考えます。活用策は、庁内だけの調整にとどまらない部分もあることは理解しますが、できる限り明確に記載していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
4.女性施策について
新型コロナウイルス感染症の拡大により、若年女性の貧困、虐待、自殺、妊娠等の課題が浮き彫りになりました。コロナ禍で急にこの状況が生まれたのではなく、弱い立場の人々により強く影響が出たことによるものです。改めて、女性が真に安心して暮らしていける社会づくりを進めていく必要があります。
現在中野区の組織は、男女共同参画は企画に、女性相談は生活援護に、妊娠出産はすこやかに、子育て支援は子ども教育部にありますが、包括的に女性政策をつかさどる部署がありません。2013年4月に男女共同参画センターが庁内に引っ越したという形ですが、実際のところは機能しているようには見えません。改めて女性施策を進めていく部署を明確にすべきと考えますがいかがでしょうか。その部署に本来は相談窓口が必要だと考えます。今回、生理用品を配布する際に一緒に配るための「女性のための相談のご案内」のチラシを作成しました。こうした相談機能の一元管理も同じ部署で行う必要があると考えます。区の考えをお示しください。
豊島区では、消滅可能性都市に選ばれてからは、「女性と子どもにやさしいまちづくり」を掲げ、取り組んできました。また、1月29日には、コロナ禍で困窮する女性支援のために、部署横断的な連携を目指し、「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げました。ここには、10名の理事者が委員として参加しており、生きづらさを抱える若年女性支援策を検討しています。また、その分野で活躍するNPOとの連携もしており、実情の聞き取り等も行っています。中野区でも、女性施策に関するこうした部署横断的な連携が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。女性施策は直接的に子育て先進区につながり、子どもと女性が住みやすいまちは誰もが住みやすいまちにつながります。区としてしっかりと取り組むべき課題です。見解をお聞かせください。
次に「生理の貧困」への対策について伺います。
中野区は3月29日から防災備蓄用品を活用した生理用品の配布を開始しました。早急に対応したことは高く評価しています。区役所3階の子ども総合窓口と、4つのすこやか福祉センターの計5か所で配布していますが、現時点での配布状況をお聞かせください。
4月28日の区長記者会見で、民間事業者との連携による区役所における生理用品の無料配布について公表されました。継続的に無料配布できることが望ましいと考え、8月からの開始を目指しているとしています。区として継続支援についてはどのように考えているのか、また、生理用品へのアクセスだけではなく、先に設置を求めた相談窓口への誘導が重要になると考えます。区の見解をお聞かせください。
小中学校での生理用品提供も必要だと考えます。現在、区立学校では保健室にて貸し出しを原則にしています。品川区では、女性トイレの個室に生理用品を配置しています。誰にも言えない子どもたちが容易に生理用品にアクセス出来ることは理想です。保健室では、養護教員と1対1になれるとは限らず、トイレへの配置はプライバシーの保護もできます。一方で、保健室での受け渡しは相談につながる面では効果的です。いずれにしても、学校でも、生理用品によりアクセスしやすくする必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
女性の健康施策として、最後にHPVワクチンについて伺います。
子宮頸がんの95%以上は、HPVが原因であり、女性の約80%が一度はHPVに感染します。主に性交渉で感染しますが、1度でも性交経験があれば、HPV感染のリスクがあります。HPVワクチンは積極的勧奨の中止により、中野区でも一時期0.2%まで接種率が下がりました。1994年から2007年生まれの女性は、HPVワクチン接種率が現状維持のままだと5000人以上が死亡するというシミュレーションもあります。この年代の接種率が75%まで回復した場合、2600人以上が助かるとされていますが、そこまで回復するのには途方もない時間がかかります。接種率の高い国、例えばオーストラリアでは、2028年には子宮頸がんの撲滅が予測されています。スウェーデンの全国民レジストリを用いた疫学研究では、4価HPVワクチンは実際に浸潤がんを予防し、かつ若年のうちに接種することが効果的という結論が出ています。諸外国では、HPVワクチンの有効性が証明されています。一方で、日本ではルナルナが行った10~50代の女性4194名を対象としたアンケートで、約半数が子宮頸がんを予防するワクチンがあること自体を知らなかったという結果がでました。積極的勧奨が中止されたことにより、HPVワクチンの存在すら知られていない現状があります。つまり、「知らないこと」が原因で、死ぬ人がいる、ということです。
厚労省は、10月9日および1月26日に自治体向けに個別通知に関する通知を出しました。これを受けて、中野区では、12月5日号の区報にHPVワクチンの情報を掲載しました。
昨年度はDT2期の予防接種票を送る際にお知らせのチラシを同封。また、中学3年生の3月に案内を送付しました。これまでまったく情報が届かなった家庭への個別通知は、おのずとHPVワクチンの接種率をおしあげることと高く評価しています。特に、対象になる直前の子たちへの通知をDT2期の予防票に同封した取り組みは、多くの医師からも大変評価されています。
現段階では、中野区内の医療機関でHPVワクチンを受けられる場所の充実が必要です。特に小児科かかりつけ医との連携が非常に重要だと考えます。区としてどのように取り組んでいくつもりか、見解をお聞かせください。
また、接種後に生じた副反応疑いに対して医療機関が責任をもって対応できる体制の構築は非常に重要です。富山県では、接種医療機関の医師にガイドライン「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」を周知するため、説明会を開催するなどしています。こうした取り組みも重要です。いずれも医師会との連携が不可欠だと考えます。区として積極的に取り組んでいく必要があると考えます、見解をお示しください。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました④
2.ワクチンで防げる感染症対策について
世界中で未知の感染症が大流行し、ワクチン開発が待たれるところです。一方で、ワクチンが存在しても、中々接種率があがらない等、公衆衛生の観点からも、改めてワクチンで防げる感染症対策にも力を入れなければいけないと感じています。
(1)麻しん対策について
新型コロナウィルスの世界的流行は他の感染症予防にまで影響をおよぼしています。4月14日にユニセフは、37か国で約1億1700万人の子どもたちがはしかの予防接種を予定通り受けられないおそれがあり、麻疹のアウトブレイクが起きる恐れがあると発表しました。麻疹の感染力は非常に強く、脳炎や髄膜炎、熱性けいれん、肺炎、肝炎といった深刻な症状に発展することもあり、命を落とすケースもあります。NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」の調査で、肺炎球菌ワクチンやMRワクチンの接種率が、新型コロナが流行し始めた昨年12月以降に20%近く低下をしていることがわかりました。これは、中野区も例外ではないと考えます。怖い感染症は新型コロナウィルスだけはなく、ワクチンで防げる感染症をしっかりと予防する必要性についてしっかりと区民にお伝えする事が必要だと考えます。病院によっては、予防接種の時間帯を通常の診療とわけて行っているところもありますが、わかれていない病院だと安心して予防接種を受けにいけないご家庭もあるとの声があります。小さい子どもを抱えるご家庭が安心して予防接種を受けられる環境整備も必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。
麻しん風疹のMRワクチンは、接種率が低い年代もありこれまで中野区でも風疹に主眼を置いて対策が進められてきました。昨年より、国で風疹の抗体検査および予防接種が男性41歳~58歳に対して定期接種化され、抗体がない方々はMRワクチンを打っています。区では、定期接種化された年代以外にも補助金を出し風疹予防にはつとめています。MRワクチンにより、麻しんも同時に予防が図れます。区では、子どもへのMRワクチンも接種漏れの方に対し、2歳から19歳へ任意助成を実施しています。乳幼児予防接種では、第1期の接種率に関しては92%、第2期の接種率は90%で残念ながらともに麻疹を制圧できる95%を下回っています。接種控えにより、更に接種率が下がる事も予想されます。更なる啓発が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。
千葉市では、抗体のない方などを対象に麻疹ワクチンの助成を昨年12月から行っています。麻疹対策で、犠牲になりやすいのは、定期予防接種対象前の1歳未満の子どもたちです。幼い子どもたちが犠牲にならないために、対策が必要です。子どもたちを守るために、区内在勤の保育士さんで抗体がない方に対しワクチン助成をすべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
麻疹に限らず、ワクチンで予防できる感染症は、重大な病気を引き起こす可能性があり、ワクチンスケジュールを確実に進めていく事が非常に大切です。また、中にはワクチンを打っても抗体が定着しない体質の方、病気により免疫を失ってしまった方などもいらっしゃり、すべての子どもたちを守る公衆衛生の観点からも、区としてしっかりと対策を進めるべきです。万が一、第2波が来た時に、別の感染症も同時にパンデミックになるというリスクもある事を念頭に置く必要もあります。区の見解をお聞かせください。
(2)HPVワクチンについて
今年大きな動きが出ているのがヒトパピロマーウィルス感染症ワクチンです。いわゆる子宮頸がんワクチンで、2013年4月から定期接種化されたものの、「副反応事例」とみられる報告が複数あり、同年6月から定期接種のまま、積極的勧奨が停止をされているという不思議な状態がこの7年間続いています。当時、メディアでも大きく取り上げられ、HPVワクチンに対する恐怖心が植えつけられる事になりました。また、積極的勧奨がストップし、正しく判断する情報すら家庭に届いていないという現状もあります。その影響もあり、HPVワクチンは無料で受けられるものの、接種率は非常に低く、中野区では、2019年決算値で、1回目1.7%、2回目1.2%、3回目0.9%にとどまっています。
この間、名古屋スタディなどの報告もあり、副反応事例と言われる症例とワクチンの因果関係は認められていません。またワクチンを接種していない群でも同じ症状がみられるなどの報告があがっています。一方で、毎年1万人が子宮頸がんにり患し、3000人が命を落としている現状が続いています。早期発見での治癒率は高いものの、子宮を失い長期間の転移の不安と戦ったり、子宮摘出を免れても不妊になってしまうなど、死亡に至らなくても大きな苦しみを伴います。日本で積極的勧奨が止まっている中、諸外国では子宮頸がんの制圧も見えてきている国もあります。HPVは子宮頸がんの原因だけにとどまらず、陰茎ガンや肛門がん、中咽頭がんなどの原因にもなり、男性にも定期接種が行われている国もあります。
積極的勧奨の差し控えから7年が経過しますが、この間、97の自治体が独自で個別通知を送っていました。今年1月31日、厚労省の検討会が開かれ、わかりやすくリニューアルするHPVワクチンのリーフレットとともに、接種できる日時や場所など具体的な接種方法について対象者に個別に送る方針が示され、了承されました。これを受けて、中野区としてはどのように対応をしていくのかお示しください。5月22日、厚労省は審査が行われていた9価ワクチンを承認することとなりました。日本ではこれまで2価ワクチンと4価ワクチンのみが承認されていましたが、世界では90%以上の子宮頸がんを防ぐとされている9価ワクチンが現在主流になっています。定期接種化に向けては、まだ少し時間がかかりそうではありますが、HPVワクチンにおける大きな動きです。今回、ワクチン行政に対する機運は高まるとも予想されます。また、様々な動きがあるHPVワクチンに関しては、接種者の増加も見込まれます。医師会とも連携しながら、体制を整えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。先に述べたように、これまで言われてきた「副反応」事例とHPVワクチンの因果関係については証明されていませんが、しかしながら疼痛などに苦しむ方々がいらっしゃる事は事実です。ワクチン接種が増加すれば、副反応事例と関連付けて疑われるケースが増える事も予想が出来ます。こうした方々へのケアもしっかりと取り組む必要があります。区の見解をお聞かせください。
これまで7年間、公費で受けられるのにも関わらず、そのこと自体を知らずに接種機会を逃してしまった方々も多くいらっしゃいます。国が積極的勧奨を再開すれば、さかのぼって補償をしていく等の対応が考えられますが、それまでにもまだ時間がかかりそうです。昨年度末まで定期接種が対象だったものの、今回新型コロナウィルスの流行により接種機会を逃してしまった方々に対し、ワクチン接種の機会を設けるべきと考えます。いかがでしょうが、伺います。
(3)BCGワクチンについて
今回の新型コロナウィルス感染症の流行においては、さまざまな科学的根拠がない話が蔓延した事もありました。その一例が、BCGがコロナウィルスに効くというものです。これは、BCGワクチンを定期接種化している国での症例数と死亡者数が比較的少ない事が起因しています。一方で、イスラエルの研究グループが、予防効果は認められなかったと発表しました。こうした科学的根拠が乏しい事例が出てきた事により、本来の接種対象ではない方々がワクチン接種を希望される事例が出現しました。その影響もあり、BCGワクチンの出荷数は例年の3倍にも上るとの報道もありました。日本においてBCGワクチンの年間生産数は、出生数でコントロールされており、こうした動きは本来ワクチンを受けるべき子どもたちがワクチン不足により受けられなくなってしまうというリスクが生じてしまいます。こうした事が中野区内で起きてしまわぬよう、本来受けるべき子どもたちが受けられるよう、医師会へ協力要請をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
こうした未知のウィルスが大流行すると、藁をもすがる思いで非科学的なことにも頼ってしまいたくなる感情は理解しますが、行政としては科学的根拠に基づいた政策を進めていかなくてはいけません。こうした観点を忘れずにこの未曾有の状況を乗り越えるために今後も取り組んでいっていただく事をお願いし、質問を終わります。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました③
(5)虐待・DV対応について
在宅勤務が増え、また学校や保育園の休校が長く続く中、虐待やDV増加の懸念が高まっています。厚生労働省が発表した1~3月に訪問や一時保護などの対応をした児童虐待件数(速報値)は、いずれも前年に比べて1~2割強の増加となったとの報道がありました。3月までの数のため、直接コロナウィルスによる影響かは不確かですが、4月8日にはユニセフが虐待、DV、性暴力に対する懸念を発表しています。厚生労働省からは、4月27日に「子どもの見守り強化アクションプラン」の実施についてという文章が出されており、虐待予防のための細かな内容が記載されています。区としても支援対象児童の見守りについては子ども家庭支援センターが行って来ていると伺っています。平時の取り組みが出来ないからこそ、特に子どもに関係する所管課は「自分たちの部署で出来る虐待予防」という観点を持つことが重要だと考えます。各課のこれまでの経験をいかして、コロナ渦においても安心できるつながりの構築、ICT活用はもちろんのこと、感染予防をしながらの場の提供など、出来る事は多くあると考えます。すべての子どもを守っていくという意識が区全体として必要です。見解をお聞かせください。
学校は徐々に再開されました。一方で、保育園は6月末までは登園自粛となりました。これだけ長期間休園や自粛が続いている中でも、園からの連絡がほとんどないところもあると聞いています。本来は5月頭に緊急事態宣言が延長された際に、各園からの確認連絡が必要でした。保育園再開に向けて、各園の裁量にとどまらず、子どもたちや保護者の様子の把握につとめていただくよう要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
子どもの見守り強化アクションプランの中には、SNSによる相談窓口の設置も記載があります。在宅勤務が増え、虐待やDVの加害者が在宅している中で、電話での相談は非常にハードルが高く、SOSを出したくても出せない状況だという理解のもと、SNSでの相談事業に関しても進めていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
ひとり親家庭は、コロナ渦における在宅勤務や、保育園・学童等の利用自粛、学校等休校による家庭での子育ての負担が増えています。育児不安やストレス軽減のため、アウトリーチも含めた相談体制の強化が必要だと考えます。区では今年度の新規事業として、ひとり親家庭交流会・子育て相談会の実施も予定しています。開催にあたって感染予防の観点は重要ですが、早期の開催を実施すべきです。また、オンラインも含めあらゆる手段で相談体制を考えていくべきです。区の見解をお聞かせください。
働けないことで生活困窮に陥りやすく1人で子育てをしなくてはいけないひとり親家庭、ハイリスクがゆえに命を守るため家庭での自粛を選ばざるを得なかった障害児のご家庭など、弱い立場の家庭を支えていく仕組みは大切です。多くの方が子育てに一生懸命だからこそ、この状況下ではリスクになってしまいます。虐待に至る前の取り組みが重要です。区の見解をお聞かせください。
関連して、様々な相談事業に関して質問をしてきましたが、区で行っている講座や相談事業はこれだけにとどまりません。この先、いつ第2波が来るかわからない中で、コロナウィルスと共生していくためには、区が主催しているあらゆる講座や相談事業のオンライン化を進めていくためのインフラ整備の必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
(6)テレワークについて
第2次補正予算でテレワークの環境整備についても財源がつきました。区の仕事にはテレワークに馴染むものと馴染みにくいものがあると思います。まずは業務の整理をしていく必要があると考えますがいかがでしょうか。
感染症対策で守るべき対象に妊婦がいます。影響は未知数なものの、病気にかかっても薬が飲めず、また重症化しやすいこともある中で最大限のケアが必要です。妊娠している職員については、満員電車のリスク等もある中で、テレワークを最優先で導入すべきです。他にも子育てや介護など家庭に事情がある方が働きやすくなる側面もあると思います。今後、テレワークを推進していくにあたっては、優先的に対象とすべき職員について、区の考え方に入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
民間でもハンコひとつの為だけに出社を余儀なくされる事例もありました。中野区では、電子決裁の推進をしてきており、76%が電子決裁可能です。更に電子決済率をあげていく取り組みが必要です。また、今後テレワークを活用した職員の働き方改革を、計画的かつ着実に進めていく必要があると考えていますが、どのような状態を到達目標と考え、進めていくつもりなのか、区の考え方をお示しください。
テレワーク導入後には、その効果を図る必要があります。テレワークが進んだことにより区民サービスが低下してしまうことは本末転倒です。さらにテレワーク導入以前よりも業務の効率化が求められます。テレワークの実施により、充分な成果や業務の効率化があったのか、確認し、検証できる仕組みが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。
(7)その他
この項のその他で一点、特別定額給付金について伺います。今回の特別定額給付金に関しては、業務委託をする事務作業分については、国からの予算に含まれています。中野区では、今回9名の常勤職員が特別定額給付金担当課に集められ、作業をしていますが、その人件費については国の予算では見られていません。これまでも国の事業で見えないコストがかけられて来ましたが、今後もこうした自治体への負担が増える事を危惧しています。
特別定額給付金は、5月1日に中野区議会臨時会にて補正予算が成立してから、5月8日にオンライン申請がスタート。5月15日から19日に郵送での申請用紙を全世帯に発送することが出来ました。23区の中で比べても非常に早く、5月22日に最初の振り込みを実施、28日には7千世帯への振り込みができました。他区では混乱しているところも多い中で、区長のリーダーシップと職員の皆さんのご努力でスピード感をもって取り組むことが出来た事は非常に高く評価しています。様々な工夫により達成できたと思いますが、ここまでスピード感をもって取り組めたことの検証が必要です。課題や評価を洗い出し、ぜひ今後にも生かしていくべきです。区の見解をお聞かせください。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました②
(3)財政について
今回の世界的な規模での流行は、経済的影響は甚大なものとなることが予想されています。2008年のリーマンショックでは、中野区の税収は50億の減収となりました。今回の経済的影響はその3倍とも4倍ともいわれており、財政的な緊急事態ともなりえる事は覚悟をしていかなければいけません。一方で、民需が縮小する場面で公までが支出を抑制すれば、経済状況はさらに悪化し不況の長期化を招きます。中野区ではすでに生活保護申請は3割程度増えているとの事ですが、さらに社会保障費へ跳ね返って来てしまう可能性も否めません。板橋区や大田区では、失業者に対する緊急雇用対策を打ち出しました。中野区でも取り組むべきと考えます。区の見解をお示しください。
国は、感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を進めるための一環として、「新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金」の交付を決めました。この配分は大都市ほど不利な算定になっており、特に23区は「すべての特別区の存する区域を一の市町村とみなして算出した交付限度額以内となることを勘案して、すべての特別区分を合算した額として定める」と合理的な説明もなく23区を1つの自治体として算定されています。その結果、各特別区に交付される金額は、大幅に押し下げられています。そもそも新型コロナウィルス感染症への影響が大きい自治体ほど手厚く支援する仕組みでなければなりません。更に、23区を1つの自治体として算定するという算定方法は特別区それぞれの自治を軽視するものであり、到底承服しかねます。23区区長会として国に要望を出していますが、金額についてのみに留まり残念です。感染症対応を進める為には、財政力指数よりもその影響の大小による算定方法とし、また特別区それぞれを1つの自治体として算定しなおすよう国に改めて強く要請するべきです。区長のリーダーシップが求められます。見解をお聞かせください。
東京都の財政調整基金の残高が平成30年度決算値で8428億円でしたが、4月と5月にコロナ対策の補正予算で計7916億円使っており、現在の残高が500億円を切る状況です。この財政状況で来年度予算がこれまでのように組めるのか、大変危惧しています。東京都の独自補助事業については、来年度について補助割合が減らされる事や、事業見直しされる可能性も想定しなければいけません。都補助のあり方が変わっても、各担当課がそれぞれの事業をどのような形で実施していくのか、または事業を中止するのか、今から精査をしていく必要があると考えます。区の見解をお示しください。
(4)産前産後ケア
私自身、今年1月に出産をしました。特に初産婦はすべてが初めての経験で出産直後から不安と寝不足との闘いが待っていました。わからない事だらけで、病院での2週間健診や1か月健診、そして区のこんにちは赤ちゃん訪問が待ち遠しく、その間隔で専門家とお話できる機会があったからこそ、持ちこたえたと言っても過言ではありませんでした。コロナ渦においては、緊急事態宣言に伴い中止が余儀なくされた事業もあります。特定妊婦へのアプローチは続けているそうですが、産後は誰もが産後鬱を発症してもおかしくなく、それは虐待へとつながってしまう危険性もあります。お母さんの命も、赤ちゃんの命も守っていく必要があります。その意味では、これまで中野区が進めてきた産前産後事業は非常に有意義なものと思います。だからこそ、コロナ渦において、ほとんどの事業が中止になってしまった事は非常に残念であり、早急に代替えの手段を講じていくべきだったとも思います。緊急事態宣言は解除されたものの、今後はこれまでと同じように事業を進めていくのが難しい場面もあることは理解をしています。現在は、東京都助産師会が行っている無料相談をホームページで紹介していますが、区としても相談事業や講座などオンラインにより実施をしていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
また、産後サポート事業の中には、赤ちゃんの月齢が近い人たちで集まる事業も多くあり、地域でのママ友づくりに大きく寄与していました。今回、そのほとんどが中止になっている事で、その機会が奪われてしまっています。地域でのこうしたつながりは、地域に根差したネットワークにもなります。中止になったBP1プログラムや4月から中止になっている3~4カ月健診の対象者は同じ月齢の方々です。この月齢の親子は、新型コロナウィルスが蔓延をし始めた時期に更なる不安を抱え、子育てをスタートした方々であり、より支援が必要だと考えます。予備費で個別健診を行う事が決まった事は評価していますが、集団検診での同じ月齢の方々と出会う場が奪われてしまいました。こうしたことからも、事業をただ中止や変更にするのではなく、まずはこの月齢の親子が繋がれる仕組みが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。
産前産後ケアの対象後も児童館やすこやか福祉センターが連携し、近い地域で継続的に近い月齢・年齢の子どもたちがつながれる仕組みを積極的に進めていくべきと考えます。乳幼児期は子育ての不安も多く、重層的な繋がりが孤立化防止や虐待予防につながります。区の見解を伺います。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました①
6月2日から中野区議会令和2年第2回定例会が始まりました。会期は16日までです。
私は初日、立憲民主党・無所属議員団を代表して一般質問を行いました。質問内容は以下になります。答弁については、議事録アップまで少々お待ちください。
1.新型コロナウィルスと共生する区政運営について
(1)保健所機能について
(2)危機管理について
(3)財政について
(4)産前産後ケアについて
(5)虐待・DVへの対応について
(6)テレワークについて
(7)その他
2.ワクチンで防げる感染症対策について
(1)麻疹について
(2)HPVについて
(3)BCGについて
(4)その他
3.その他
1.新型コロナウィルスと共生する区政運営について
はじめに新型コロナウィルスによりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、罹患され闘病をされている皆さんに心からお見舞いを申し上げます。緊急事態宣言はすべての地域で5月25日に解除されましたが、解除されたとはいえ、元の生活に完全に戻る事は難しく「新しい生活様式」が政府から示されました。今後の区政運営においても新型コロナウィルスと共生をしていくという観点が必要であり重要だと考えます。区の見解を伺います。
(1)保健所機能について
今回の新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、保健所に関わる業務が増大となり、関係職員の皆さんには長期間の激務に心から感謝を申し上げます。保健所の業務が増大することが想定されていたところ、3月中旬から感染症対策業務が急増し、保健所兼務保健師の輪番電話対応の応援はありましたが、もともとの保健所の保健師4名、医師2名という職員数では業務量に体制が追い付かなかったと聞いています。4月に入り、保健師を全庁体制で保健所に派遣したことと、コールセンターの設置、東京都からの職員派遣により、やっとこの状況を乗り切ることができたと伺っていますが、今回はこうした対応が現状ではやむを得なかったと言えます。一方で、保健所の業務は3月中旬~5月に急増となり、時間外労働が過労死ラインを超えている100時間を超過する職員もいたと伺っています。今後、第2波が来ることを想定し、一部の職員に業務が集中してしまう仕組みを変えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、この間、緊急事態宣言や国の通知を受け、本来の保健所業務、例えば区民健診等の実施が先延ばしにされています。こうした業務についても、これから取り組んでいく必要がある中、激務に当たられた職員に休息を確保しなければ、今後心身に深刻な影響を与える恐れもあります。当面の間は、引き続き職員の配置など考慮すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
保健所長を含む公衆衛生医師は東京都の採用です。保健所に配置される限られた公衆衛生医師に、業務が集中したことを懸念しています。今後、保健所機能が低下しないよう、医師を適正に配置することが重要だと考えます。東京都に対し、医師の配置に関して要望をしていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。次に検査体制について伺います。自宅療養中の方が救急搬送され、死亡後に新型コロナウィルスに感染していることがわかったケースは中野区でもありました。4月29日より、医師会との連携により中野区PCRセンターを開設しました。今回の感染拡大も落ち着きを見せる中、現在は検査数も多くないと伺っています。第2波に備えるためにも、今後の検査体制を構築する必要があります。検査キットなども用いながら、必要な人が確実に受けられる体制を確保していくべきです。区の見解を伺います。検査受診に関しては、まだ周知が足りないように感じます。5月25日に、検査受診の仕組みに関するわかりやすい図解が区HPにアップされました。これを利用するなどして、特に感染に不安を感じる事が大きい介護従事者や医療関係者等、積極的に周知すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
(2)危機管理について
中野区政のBCPについて
今回の新型コロナウィルス感染症においては、国の緊急事態宣言により、中野区政のBCP新型インフルエンザ編が適用されています。BCPに記載がある、区民生活に直接影響を与えない通常業務の休止抑制は実際に行われたのでしょうか。伺います。
第4章にある部間の職員の応援、飛沫感染防止のシールドの整備も遅れがあったように感じます。中野区インフルエンザ等対策行動計画に基づく応急対策業務について、具体的に対応するため、中野区新型インフルエンザ等対応マニュアルを整備するとされていますが、作成されているのでしょうか。また、行動計画に基づく応急対策業務について、各部は非常時優先業務のマニュアルを作成するとされていますが、作成されているのでしょうか。併せて伺います。
第2波が来るとも言われる中、健康危機管理の観点からの危機管理体制の強化が必要だと考えます。総務省の「地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会」の報告書では、危機管理担当幹部には部門間の調整としての役割が求められるため、各部局に指示を出すことのできる権限が必要であるとされています。例えば、感染症が拡大し、BCPを発動した際には、各部から、速やかに一定割合の人員を拠出し、それによって生み出された人員の差配を危機管理の責任者ができるといった、迅速かつ実行力のある権限を持たせる仕組みの構築が必要ではないでしょうか。中野区には危機管理課が昨年度から組織され、元々は内部統制を行う行政監理と、防災、生活安全の担当部署が集まって一つの課となったものと認識しています。今回の感染症拡大予防対策を行う中で顕在化した課題を踏まえ、危機管理の役割、組織・人員体制について、しっかりと庁内で議論し、全庁的に部門間の横断的な調整が行える実行力のある危機管理体制を整備し、保健所が防疫活動に即座に専念できるよう、十分に支援できる体制を構築すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
部間の応援体制について伺います。保健所をはじめとして、特別定額給付金、学校教育、児童手当の担当など業務量が増大となった部署へ応援体制が組まれました。今回の経験を活かし、今後緊急事態に陥った際に、即座に部間応援体制が組めるよう、準備を進める必要があります。平成30年第3回定例会の山本議員の質問で、適材適所の職員配置や人材育成に活用できるデータベース化について取り組みを進めるとの答弁もありました。それがあれば、今回のケースにも活かせたと考えます。早急にこうした取り組みが必要と考えます。区の見解を求めます。
複合災害に対する区の体制について伺います。コロナ渦においても、全国で地震が頻発しています。また、昨年の夏は台風による水害もあり、感染症との複合災害に対する心配の声も多くあります。大田区では避難所運営においての指針を定め、梅雨を前に職員研修を実施したとの報道もありました。まずは、避難所においてソーシャルディスタンスが取れる一人当たりの面積スペースや発熱者の隔離スペースや導線の確保など、可能な限り多くのスペースを確保する必要があると考えます。今定めている避難所だけでは余裕がありません。区の考えをお示しください。また、人員体制も再整理する必要があります。人員配置についても早急に検討すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。避難所においての感染症対応マニュアルの作成や、職員研修も必要です。災害はいつ起こるかわかりません。早急に対応していくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、区民への周知も大切です。現在ある課題を整理したのち、避難行動などについて区民にもわかりやすくお知らせする必要があると考えます。区の見解を伺います。
決算特別委員会で総括質疑を行いました!⑤選挙について
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その他
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選挙について
その他で一点、選挙について伺います。
中野区議会議員選挙は4月21日執行されました。投票率は40.46%で4年前と比べて0.02%増えました。翌4月22日に開票され、今ここにいらっしゃる42名の議員の皆さんが当選されました。
選挙は戸籍名主義になっているとのことですが、これは何に基づいてそうなっているのでしょうか、伺います。
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選挙の届け出をする際に、必要な候補者は通称名使用を申請する手はずです。選挙が終わった後2週間以内で提出をする必要がある収支報告書は通称名でも出せたかと思いますが、いかがでしょうか。
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今回、私は結婚後はじめての選挙で、つまり名字を改姓してはじめての選挙でした。結婚するまでの6年間、議員としてはずっと「中村延子」として活動してきていますし、その後も通称使用という形をとり、誰も疑う事なく私を「中村延子」として認識していただいています。戸籍名での投票もカウントされますが、私の戸籍名での案分票は1票もありませんでした。
それにも関わらず、当選証書は戸籍名のみで記載され、当選証書授与式では戸籍名で呼ばれ証書を渡されました。届出をする際には通称名申請をしているのにも関わらず、また、収支報告書は通称名でも可能となっている運用の中、非常に驚いたわけですが、これは何に基づいて行ったのかお尋ねします。
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仙台市では、当選証書には通称名もカッコ書きで併記をし、授与式の際は通称名で呼ぶ運用を行っています。衆議院議員選挙の国政選挙や23区の中でも同じように証書にはカッコ書きで通称名を記載しているところもあると聞いています。今回、この統一地方選後に総務省からも通称名併記に関する通知が出たと聞いていますが、選挙管理委員会では把握していますでしょうか。
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特に事情がない限り、中野区が執行する選挙は3年後の区長選挙まではありません。それまでの間に選挙管理委員会として、今後取り組むべき課題だと考えますが、いかがでしょうか。
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この問題は、ただの呼称というだけではなく、結婚の有無を改姓した人だけがアウティングをされるという事象でもあると考えています。そういった観点からも早急に取り組んでいただく事をお願いし、わたしのすべての質問を終わります。
決算特別委員会で総括質疑を行いました!④災害対策について
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災害対策について
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災害時の妊産婦支援について
次に災害対策について伺います。先日9月9日未明に東京にも大きな被害をもたらした台風15号は、人的被害はなかったものの中野区でも被害をもたらしました。交通機関には大きな乱れが出て、区の職員の皆さんの中にも9日朝に出勤が出来なかった方々もいらっしゃいました。また、千葉県南部では、広範囲で停電、断水が起こり復旧までに多くの時間を要しています。中野区も里まち連携自治体である館山市への支援も行っているところです。近年は、大きな地震や火山の噴火なども頻繁に起きています。こうした自然災害は、防げるものではないからこそ、被害が最小限になる対策をとらなければいけません。また二次被害を出さないような対策も急務だと考えています。
まず災害時の妊産婦支援について伺います。これまでも、災害時の妊産婦および乳幼児がいる母子の避難所の設置に関する質問も行ってきましたが、中々進んでいないと感じていますので、改めて伺います。これまで大きな災害を経験してきた自治体の学びとして、妊産婦や乳児親子にやさしい避難所運営について平時の段階から準備をしておくことの重要性が示されています。理由としては、妊婦であることを申し出にくい、妊婦高血圧症候群が起こりやすい、授乳がしづらい、乳児の鳴き声で周囲に気兼ねする、乳幼児は感染症にかかりやすい等があげられます。東日本大震災の際には、特に目立った外傷がなかった妊婦が数日後に流産をしてしまったケース、熊本地震の際には、一般の避難所が利用しづらい事を理由に車中泊を続けたところ、切迫早産となり、子どもは生後三ヵ月で敗血症となり亡くなってしまった事例もあります。
まず、区として妊産婦および母子避難所の必要性についてどのようにとらえていますか?
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昨年度、中野区は東京都助産師会新宿中野杉並分会と災害協定に向けた話し合いをしていたと伺っていますが、1月に立ち消えになってしまったと聞いています。助産師のみなさんは、災害発生時において特別な支援が必要な妊産婦や子どもに対して活躍してくれる事が期待できます。現在、この災害協定についての状況をお聞かせください。
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助産師会の方々に活躍していただくには、避難所内に妊産婦および母子の専用スペースを設けるか、もしくは2次避難所の早期開設についても検討していかなければいけないと考えます。文京区では、平成24年9月に区内にある跡見学園女子大学と災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互協力の協定を締結。学校施設の一部を母子専用の救護所として提供するというもので、約150名程度の受け入れが可能です。場所の確保も課題だと感じますが、区としてはどのようにとらえていますか。文京区と跡見学園女子大学との協定のような事例も含めて場所の模索もしてくべきと考えます。いかがでしょうか。
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文京区では、大学との共同で妊産婦・乳幼児救護所の開設訓練も行っています。こうした日ごろからの訓練がいざとなった時に混乱を回避することになります。助産師会と協定を締結した際には、こうした訓練も必要になってくると考えますが、いかがでしょうか。
→
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罹災証明の発行について
大きな災害が起きた際、被災された区民の皆さんは、早い段階で保険などの手続きをし壊れた家屋や家財の修繕に手を付け、生活の再建を進めたい。その為には、罹災証明をなるべく早くに発行する必要があります。
いち早く罹災証明を手にできるよう区としても対策をしていく必要があると考えますが、その体制がとれている状況なのでしょうか。現在、区として罹災証明発行についての課題をどのように想定しているのか伺います。
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これまでも、各地の自治体で大きな災害にあった際、他自治体の職員派遣など支援を受けているケースが多く見受けられます。こうした他自治体からの受援計画も非常に大切ですが、地域で活躍する方々の力を借りる事も考えられます。都内では近隣の新宿、杉並区や足立区、小平市、府中市、多摩市、稲城市と東京都行政書士会の地域支部で罹災証明に係る災害協定を締結しています。災害時に市役所や避難所に出向き、被災者に罹災証明発行に関わる書類の書き方を教える事などを想定しています。被災された際に、ただでさえ大変な状況の中、2度手間3度手間を防ぐためにも、とても有効だと考えます。中野区でも東京都行政書士会中野支部との協定に向けた協議をすすめるべきと考えますが、いかがでしょうか。
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決算特別委員会で総括質疑を行いました!③南中野中学校のグラウンド整備ついて
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区立南中野中学校グラウンド整備について
次に中野区立南中野中学校のグランド整備について伺います。6月に行われた南中野中学校の運動会を見に行きましたが、これまで以上に転倒する生徒が多いことが気になりました。よく見るとグラウンドが波を打っている箇所があり、全速力で走るには危険も感じました。今回、中学校PTA会長連合会からの要望にも含まれております。今後、他の学校施設でも同じような事例が出てくる事もあると思うので、質問をさせていただきます。
南中野中学校は、中野区立小中学校施設整備計画の中で建て替えが決まっていない学校のひとつです。第一中学校と中野富士見中学校が統合してから10年が経過し、この11月には10周年記念式典も行われる予定となっています。南中野中学校を建て替えする時期は大体どれくらい先になる見込みでしょうか?
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このまま6~7年間、何も手をつけないでそれまで待ってくれというのは、学校環境を考える上でも中々厳しいと思うのですが、グラウンドの抜本的な整備にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
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7カ月かかってしまうとの事ですが、そうなると整備期間は夏休み1か月強から大幅に期間がはみ出してしまう事になりますが、例えば近くの施設をその期間使わせてもらうなどの工夫が必要になってくるのかな、と思います。私もこの近隣の区有施設を確認したのですが、中々グラウンドとして使用できるだけの広さが確保された場所がないのも現実です。
例えば、南台小学校工事中に一時的にグラウンドを使うなどの検討はできますでしょうか。
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南台にはいちょう公園もありますが、体育の時間にいちょう公園まで行くとなると往復にかなりの時間がかかってしまいます。23日にオープンする広町みらい公園もスペース的には厳しいのかなと思います。もし代替えの施設が見つからないのであれば、グラウンド半分ずつの工事をする工夫は考えられますか。
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これだと工事にどれくらいの期間がかかってしまうでしょうか。
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その期間、グラウンドが使えない事による不自由な環境を与えてしまうのであれば、抜本的な整備だけではなく、応急的なグラウンド整備の可能性も考えなければいけないと思いますが、応急的な整備だと工事期間はどれくらいになるのでしょうか。
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夏休みだけで対応は可能なのでしょうか。
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応急的な整備だと、整備後どれくらいの期間でまたグラウンドがデコボコになってしまうのでしょうか。
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そこの費用と学校環境整備の見合いの中で、検討を進める必要があるかとは思いますが、南中野中学校の他にも同じように建て替え計画がない学校の中にグラウンドがデコボコになってしまっている学校は存在するかと思います。聞き取りや調査をし、すべてを把握し計画的に対応をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
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昨年の決算総括で我が会派の酒井議員からもグラウンド整備について伺いました。ここ10年間では、ほとんどの学校でグラウンドの整備をしていなかったという事でした。特に抜本的な整備になると時間もお金もかかり、代替え施設についても考えなければいけない事も課題です。しっかりと計画的に進めていただく事をお願いし、この項の質問を終わります。
決算特別委員会で総括質疑を行いました!②多文化共生について
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多文化共生について
次に多文化共生について伺います。
中野区の外国人人口は年々ものすごいスピードで増加しています。
現在、9月1日時点で33万4783人の中野区人口のうち、外国人人口は19677人、約5.9%となります。要求資料「区民34」で新規として出していただきました。ありがとうございました。今年の1月1日時点で23区内を比較すると、外国人人口の総数は13位ですが、対人口比率にすると7位です。平成26年1月1日現在で10949人だった外国人登録者数は平成31年1月1日には19326人と176.5%の増加。対人口増加率でも166.9%。全国の中でも東京都は外国人人口が4年間で約16万人増と急激に増加していますが、その中の23区中、中野区の増加率はなんと1位です。平成26年に3.5%だった外国人人口が6%を伺うところまで増加をしている現状をまず中野区全庁として共有し、理解をしていただく必要があると考えています。
これまでは、各部署でそれぞれ個別に対応をしてきており、組織的ではなかったように感じますが、それでは済まない状況が迫ってきていると感じています。
この課題については、多岐にわたる為、質疑の時間がいくらあっても終わらなくなってしまうので、今回はしぼって質問をさせていただきますが、今後、区のどの部署にも関わってくることだという理解はしておいていただきたいと思います。
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在住外国人の日本語教育について
まずは在住外国人の日本語教育について伺います。中野区に住む外国人で特に子どもの頃から家族と一緒に住まわれる方々はそのほとんど約9割は永住希望があるとの事です。入ってきた時にしっかりとした日本語教育を受けることができなく、日本の社会の中で生活ができない事により治安の悪化を招くことや将来の社会保障にまで影響を与える事も考えられます。言葉の壁を乗り越える事ができ、社会の一員として活躍してくれる事は、その子たちにとっても中野区にとってもプラスしかありません。だからこそ、非常に重要な取り組みだと考えます。
先ほど述べたように、中野区の在住外国人人口は急増していますが、区立小中学校での外国人児童生徒数はどうなっていますか?
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現在はそんなに増えていないとの事ですが、これから外国人人口自体が増えていくと、おのずと児童生徒数も増えていくと考えますが、学校現場としてはどのようにとらえているでしょうか。
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現在、中野区立の小中学校に日本語が話せない外国にルーツを持つ児童・生徒が入学してきた時の対応についてお尋ねします。現在は大きくわけると2通りあるかと思います。1つは教育委員会が行っている日本語教育指導員の派遣。もう1つは、中野区国際交流協会で行っている日本語講座や子ども日本語クラスです。
まずは、日本語指導員の派遣について伺います。実際に日本語指導員をされている方々にお話を伺う機会がありました。現在、一人につき60時間の制限があり、教える子どもによっては日本のルールを学ぶこと、また「あいうえお」を覚えるだけで60時間終わってしまう事もあるそうです。実際に授業で必要な勉強をサポートする事はもとより、時間が全然足りない状況だという事でした。まずは、ここの時間を少しでも増やしていく事が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
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次に、中野区国際交流協会での事業ついて伺います。まず、中学生が対象となる日本語講座
は、学校長の要請により対象の中学生が中野区国際交流協会に通い、火曜日の10時~12時、14時~16時の2コマ行っているもので、ボランティアにより運営されています。午前と午午後受講すると中学生はこの火曜日丸一日学校を離脱することになります。
この夏、多文化共生、それから日本語教育について23区の複数区に視察をさせていただきました。墨田区では、区立錦糸小学校内にある「すみだ国際学習センター」にて日本語教育を行っていますが、必ず給食はその生徒の所属する学校に戻らせ、クラスで給食を食べてもらうようにカリキュラムを組んでいます。日本語のレベルが足りない子どもたちにとっては、学ぶことだけではなく、学校に慣れる、友達を作る事も非常に重要であり、国際交流協会の事業に関してもこうした時間設定の仕組みにしてくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
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中学生にとっては、長時間の学習時間で集中力が続かなかったり、12時から14時の長すぎる昼休みも課題となっています。運用についてぜひ検討をお願い致します。
現在はこの2つの事業、また国際交流協会で行っている夏休み日本語クラスのみで日本語教育を行っていますが、日本に来たばかりで、言葉や学校文化などと同時に学業すべてを一斉に学ぶのは非常に子どもたちにとっても負担となります。入ってきたばかりの児童生徒を対象とした日本語の集中日程やオリエンテーションなどを含む導入のカリキュラム等も検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
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子どもたちは日本語クラス等で適応していきますが、保護者はずっと日本語が話せないケースもあると思いますが、その中で学校文化に慣れる事や、書類等の記載など大変な事も多いかと思いますが、日本語が話せない保護者の方々との対応はどうなっていますでしょうか?
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一般質問で山本議員からAI形通訳機導入についても質問させていただきましたが、こうしたものの活用もぜひ検討していただきたいと思います。
中野区内には外国人留学生も多くいらっしゃいます。これまでも明治大学国際日本学部のゼミと小学校が連携し国際理解教育として留学生を派遣するなどの取り組みも行ってきているところです。この取り組みは中野区の子どもたちにとって非常に有意義だと考えていますが、中々すべての小学校に広げるのは限りがあり難しいのも現実です。
例えば、留学生に同じ地域出身の外国人児童・生徒が多く通う学校に行ってもらい、交流をするなどの取り組み等は考えられないでしょうか。マッチングをするとなると大変な事も重々承知していますが、同じエリア圏のお兄さんお姉さんと交流できる事は日本に来たばかりの子どもたちにとっては非常に心強いと考えます。留学生のメンター制度的な取り組みなんかも考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。大学との協議が必要など、相手があることなので難しいところもあるかもしれませんが、検討してみてはいかがでしょうか。
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中野区国際交流協会では、大人向けの日本語講座もボランティアによって行われています。しかしながら、講座の時間帯によっては希望しても受講できない、ウェイティングリストに入ってしまう事もあるそうです。これは、慢性的なボランティア不足とクラスの少なさにあると思います。
まず、ボランティアさんの不足に関してですが、中野区国際交流協会の登録ボランティアは多いものの、日常的に講座で教えているボランティアさんが不足しているとの事です。ボランティアへの交通費は一切出していないそうですが、一方で、隣の新宿区の日本語教室、こちらもボランティアにより行われているものですが、こちらは交通費が出るという事で、中野区でボランティアをされていた方々が流れてしまっているというお話も聞いています。
こういった現状を受けて、交通費に関しても検討し通いやすい環境を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。
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クラスの増設は現在の中野区国際交流協会の体制では難しいところがある事も承知をしています。新宿区では、区で行っている日本語教室だけではなく、NPOなどが運営している日本語教室等民間のものも含めた案内を作成し、多文化共生プラザに置いてあります。新宿区では、ほとんどの地域にまんべんなく日本語教室が配置されており、お住いの地域でこうした講座を受けることが可能になっています。まずは調査からになってしまうと思いますが、クラスの増設が難しいのであれば、こうした手法もあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
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日本語教育法が制定され、7月25日には国から通知が出されたとのことです。国の方針がまだ出ていない状況ではあるそうで、今後様々な措置も検討されるかと思いますが、それを待たずともしっかりと取り組んでいかなければいけない課題ですので、どうかよろしくお願い致します。
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在住外国人への支援について
次に、在住外国人の支援について伺います。
現在中野区では窓口での多言語対応タブレットを配置、インバウンド向けのパンフレットを作成している等の他には、在住外国人に対しての対応はほとんど中野区国際交流協会が担っている状況にあります。平成30年度では、3000万円余の補助を出し、様々な取組を行っていただいています。中野区国際交流協会が行っている外国人支援としては、日本語講座、外国人相談、防災訓練、留学生のための中野生活ガイド等があります。これらは重要な取組だと考えますが、これだけでは賄えきれていない部分も多くあります。外国人の方々が家族で移住してきた場合、本当に多くの手続きがあります。そこで、現在区ではどうされているのか、個別に伺っていきます。
まず、保育園や幼稚園の入園手続きの際、外国人からの申請にはどのようなサポート体制があるのでしょうか。
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幼稚園や保育園では、たとえば園での子どもの状況に関する日常的な連絡だけにとどまらず、アレルギー対応や、発達の課題など、複雑なコミュニケーションも必要になってくる事もあります。出身国の地域によっては、宗教などによる文化の違いなども課題になることもあるかもしれません。入園後の保護者とのコミュニケーションはどのように取られているのか伺います。
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保育園や幼稚園である程度の範囲における統一的なマニュアルのようなものは作成しているのでしょうか。
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次に国民健康保険について伺います。
外国人の方々が理解するのが非常に難しく、また担当さんが説明するのが一番難しいのが保険制度ではないかと考えます。窓口にいらした際には、どのように対応されているのでしょうか。
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新宿区では、独自で国民健康保険について英語、中国語、韓国語で説明を書いた冊子を作成し、多文化共生プラザに配置しています。その中には、がん検診など各種検診のお知らせも同じように多言語で入っています。中野区でも多言語で、それも5か国語で国民健康保険の案内を作成されているとの事でした。近年増加傾向にあるベトナム語、ネパール語も含んでいるという事です。国保特定健診については案内を含んでいますが、各種検診については作成されていません。ぜひ、充実していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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次に、子どもの予防接種に関して伺います。子どもの予防接種スケジュールは、日本人でもわかりにくい中で理解をしていただくのは大変です。また専門用語が多い事から保健所やすこやか福祉センターでも同じようにご苦労さえているのかな、と思います。こうした分野も多言語化した案内を作成し対応ができるものに関しては、早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
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次に、多言語相談窓口について伺います。
多文化共生先進区であるお隣の新宿区では、多言語窓口を設置していますが、その約7割は区外在住の外国人とのことです。中野区にお住いの方も利用されている可能性も大いにあると感じています。「外国人受け入れ環境整備交付金」は9月に3次募集がスタートし、人口6%の要件が廃止され、外国人住民5千人以上の地方公共団体、中野区はここに含まれますが、には1000万円の交付限度額が設定されています。11言語という条件もあります。山本議員も一般質問で伺いましたが、改めてこの補助金の利用も含め、多言語窓口についても検討すべきと思いますので、ぜひよろしくお願い致します。
この多言語窓口設置を新庁舎ができる5年後まで待つと、今の外国人人口の増加傾向を見ると10%を超えるような状況も考えられます。すぐにでも対策をしていかなければいけない急務だと考えています。また、外国人総合窓口を設置の際には専門相談についても考えていくべきと思います。相談内容は、その多くが就職、結婚、出産、などほとんどのライフステージで生じる在留資格などに関わる事だとのことです。現在は年に1回のみ国際交流協会で行われていますが、相談したい時はその1回と重なるとは限らず、その場その場で必要になってきます。専門相談についても今後検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
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この他にも、防災、戸籍住民、ごみ、子ども家庭支援センター、生活援護、女性相談、など本当に多岐にわたり今後対応が必要になってきます。今回は絞って質問をさせていただきましたが、区として外国人住民との共生に関して、しっかりと取り組みを進めていかなければいけません。だからこそ、この総合相談窓口が必要だとも感じています。今後の課題について、文化国際交流担当としてどのようにとらえていますか。
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来年策定予定の基本構想や基本計画の中にも、しっかりと多文化共生の理念を掲げていただき、これからも増えるであろう外国人人口、そして外国人だけではありませんが、様々なバックグラウンドをもった人々が共生できる中野区を目指していくために、しっかりと全庁で共有していただく事をお願いし、この項の質問を終わります。
決算特別委員会で総括質疑を行いました!①H30年度決算について
令和元年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通りです。
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平成30年度決算について
平成30年度決算について伺います。平成30年度の普通会計歳入決算額は1408億2504万2千円、歳出決算額は1358億円4592万3千円で実質収支は26億円、実質収支比率は3.4%となりました。平成30年度については、予算編成は前区長が行い、予算の執行については6月から酒井直人区長が行ったという、イレギュラーな年となりました。
(1)歳入について
最初に歳入の状況についてお尋ねしていきます。
特別区税343億円で24.3%、特別区交付金388億円で27.6%、国・都支出金364億円で25.8%、歳入の77.7%を占めています。
まず、特別区税について伺います。
平成30年度のふるさと納税影響額は8億9000万にものぼりました。平成30年度当初予算の見合いだとどれくらいだったのでしょうか。
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確認で伺いますが、31年度当初予算の影響額をおしえてください。
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これまでは、当初予算の見込みよりも決算が大幅に上回る事が多かったですが、平成30年度はほとんど差がありませんでした。つまり、今年度も11億~12億くらいの影響額が出てきます。一時期は前年度から倍々で来ていましたが、その時より増加割合は落ち着いてはきたものの、それでも非常に膨大な影響額です。
次に不納欠損額について伺います。前年度に比べ、特別区民税は4389万7千円19.2%の減となっています。滞納繰越分で回収が出来なくなったものの事を指しますが、その消滅事由をまずおしえてください。
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未収金は、性質によってそれぞれの年数の違いはあるものの、時効となって徴収ができなくなってしまいます。決算意見書の22ページに区分とそれぞれの不納欠損額がそれぞれ記載されています。現年度徴収分に比べて、滞納繰越は回収するのが非常に難しいと思うのですが、今回これだけ不納欠損を減らす成果を出すことが出来たのはどういった理由からでしょうか。
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収入未済額の滞納繰越分も大幅に減らしています。これも平成30年度に進めた施策の成果でしょうか。
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もちろん、減らすことが出来た事は大きいですが、特別区民税における不納欠損額はまだ1億8489万円もありました。支払っていただくべきところを支払っていただいていないわけなので、今回大きく減らすことが出来ましたが、今後も対策を進めて行っていただきたいと思いますが、いかがですか。
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収納率向上のために色々な努力をしていただいており、この5年間で0.9%の収納率向上を達成しました。一方で、ふるさと納税だけでこの3倍以上の金額が出て行ってしまっている状況というのは、しっかりと認識する必要があると思います。
特別区民税は納税義務者数が伸びたことにより増となっていますが、今後の人口推計でもこの先人口数には変動はないものの、老年人口は増え、生産年齢人口は減少していく見込みです。納税義務者数の伸びが将来的に続くことが期待できない、むしろ減少していく見込みです。また、ふるさと納税制度の影響も大きい中で、安定的な税収確保のためには選ばれる自治体を目指していかなければいけません。我が会派は子育て支援や教育の充実は選ばれる魅力的な自治体の大きな要素だと考えています。未来への投資という考え方の下、その観点を政策に活かしていただきたいと思います。
次に特別区交付金について伺います。
平成30年度の特別区交付金は前年度と比べて普通交付金29億円、特別交付金4億円の増、計33億円の増。この要因はなんだったのでしょうか。
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法人住民税の一部国税化の影響額はどれくらいだったのでしょうか。
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地方消費税交付金の生産基準の影響額はどれくらいだったのでしょうか。
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本来入ってくるはずの税金が、理不尽な税制改正によって入ってきていない事は問題だと考えます。本来、国は地方創生という目的でこの税制改正を行って来ていますが、その目的が果たせているかは甚だ疑問です。ここ数年間の東京への流入はむしろ増えています。人口が増えるとそれだけ行政需要というのは増えるもので、中野区も同じ状況にあります。政治的な判断でこのような税制改正が行われているわけですが、ここは、行政側も議会側もしっかりと協力をして働きかけをしていかなければいけないと考えます。区としてはどのようにとらえていますか。
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また、今回は特別区交付金の金額を見ても好決算だと言えますが、この金額は景気に大きく左右されるため、常に状況変動も考慮しなければいけませんが、区の見解はいかがでしょうか。
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次に使用料について伺います。昨年も質問をさせていただきました施設の有効活用について伺おうと思っていましたが、時間があまりないので、1点だけ伺います。
なかのZEROレストランについて伺います。決算説明書25ページには、もみじ山文化センターレストラン、喫茶コーナー使用料128万余とありますが、それぞれの内訳をおしえてください。
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レストランだけだと約53万円とのことです。月額にすると44000円の賃料です。90%減免措置されており、加えてそれまでの営業時間11:00~18:30だったところを、平成27年からは11:00~15:30と大幅に営業時間を縮小しているという事をとりあげさせていただきました。現在、事業者さんとの契約はどうなっているのでしょうか。
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なかのZEROの周辺、千光前通りにはここ数年で多く飲食店もでき、またコンビニも近くにできました。平成21年にこの2階にレストランを入れた当時とは状況が変わってきているのではないかと思います。今後、施設の縮減も考えていかなければいけない中で、違う活用も検討していく事も必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
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なかのZEROの指定管理期間は来年度で更新を迎えます。その中で考えていく事や、別で考えるにしてもどういう在り方が効果的なのか、こうした貴重なスペースの有効活用も、しっかりと考えていただきたいと思います。
(2)歳出について
まず人件費について伺っていきます。普通会計における人件費の推移をみると職員数は前年度から1名増えた1946人でしたが、人件費は職員の年齢構成や定年退職者の減などによる退職金の減により、前年度から5億円の減となっています。現在のアンバランスな職員の年齢構成で、今後の人件費の推移をどのように想定しているのでしょうか。
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再来年に迫った児童相談所の設置、それから基本構想・基本計画の中で示される区立保育園、幼稚園、児童館の配置計画により、人件費は大きく影響を受けることとなります。現在、業務の効率化なども進めているかとは思いますが、それでも多様化する行政ニーズにこたえるため、人が足りないという声は色々なところから聞こえてきます。基本計画が出て来ないとなんともお答え出来ない部分もあるかと思いますが、職員数に関しては経常的な義務的経費を増やす事になります。一方で、公的に担う必要性があるところに関しては、しっかりと精査をし、調整をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
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次に管理職不足について伺います。一般質問で森議員からも指摘をさせていただきました。今現在、兼務をしている管理職は何名いますか。
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そもそも、中野区の管理職の数は他区と比べて割合としては多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
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担当を細分化し、きめ細やかに対応をしているというところもあるのかもしれませんが、組織のあり方も含めて考えていかなければいけない課題だと感じています。現在、管理職の外部人材の活用(例えば東京都から来ていただいている人、他区から来ていただいている人などいらっしゃるかと思いますが)、は何名いらっしゃるのでしょうか。
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この人数は、何名までなど規定はあるのでしょうか。
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今後5年間の管理職の退職者の数を教えてください。
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もちろん、再任用を選ぶ方、定年で退職される方、ご本人の希望もあるかとは思います。こちらもご本人の希望にも関わってきますが、心得を含めた管理職昇任者数の推移は担当さんとしてどのように見込んでいらっしゃるでしょうか。
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現在、新卒で入庁して最短で管理職になれる年齢は何歳ですか。
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実は、この年代が人材確保を絞っていた時期と重なっているため、今後の管理職の数に影響をするのではないかと非常に危惧しているのですが、いかがでしょうか。
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外部からの人材確保など含めて、考えていかなければいけない非常に重要な課題だと感じますが、いかがですか。
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次に、区立認可外保育施設について伺います。
平成29年度の補正予算、それから平成30年度と31年度2か年に渡って緊急対策として行っている区立認可外保育施設です。区立保育室事業として計16億9434円余となっていますが、平成30年度決算の物件費の伸びがこれまでから比べると突出している理由はこの区立認可外保育施設の運営にあると考えますが、いかがですか。
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平成31年度の当初予算は16億8613千円と2か年で合計33億円を超える金額となっています。この2年で終わる予定ですので、来年度以降の物件費は落ち着くとみてよろしいでしょうか。
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待機児童対策は重要な課題だと認識しています。当時、補正予算が提出された際、場所などはまだ決まっておらず、議会側としても賛成しました。しかしながら、その後に報告された7か所の場所については、かならずしも待機児童が多い地域への設置ではなく、偏在していました。これだけのお金をかけ、待機児解消に至らなかったことは非常に残念だと思っています。初年度は特に入所率が低かったかと記憶していますが、当初の入所状況をそれぞれの施設でおしえてください。
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緊急対策だったとはいえ、この事業については検証が必要だと感じます。今年度は募集人数を絞って運営をしているかと思いますが、詳細をおしえてください。
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来年度以降の展開について区の方向性をおしえてください。
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この区立認可外保育施設ですが、2か年で33億円かかっているわけですが、一般財源でこれだけ大きな事業を行ったというのはこれまで他にあったのでしょうか。
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各部各所管では予算積算をする際、本当に細かい金額の見直しを行って来ていただいていると思います。新規事業を始める時も他区の状況など効果についても検証した上で計上しているように見受けられます。その中で33億円と聞くとトップの判断というのは、非常に大きなものだと感じます。私たちもしっかりとチェックをしていく必要がありますし、そして、これまでも努力しているところではありますが、提案をする時も効果のあるものを提案していかなければいけないと改めて感じています。
(3)その他
次に基金と起債について伺います。
平成30年度は起債がゼロとなっていますが、どういった理由からでしょうか。
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一方で財政調整基金繰入金が54億7761万円、義務教育施設整備基金繰入金が42億1400万円。基金から使ってはいけないというわけではありませんが、これにより、財政調整基金残高が前年度比マイナス28億円となっています。これは、どのような判断の下行われたのでしょうか。
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この年は、区として当初予算の中で急に、起債をせずに学校施設建設をするため、繰越金を原資として4億円積み立てるほかに基準となる一般財源を上回った財源52億円については義務教育施設整備基金に積み立てる方針を出されました。今回起債がゼロだったのは、その方針との関係があるのでしょうか。
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平成31年度当初予算では、この方針を更に変更し、基金と起債をバランスよく行っていく事としました。その方針が出された時には、平成30年度の起債についてはどのような判断をされていたのでしょうか。
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当初予算では33億円の起債をかける予定が、最終補正では25億円に減額しました、と。最終的には、一般財源の伸びによりゼロにしました、という事ですね。今後の起債計画について伺います。今回の起債ゼロという判断ですが、今後の起債計画にも影響してくるかと思いますが、いかがですか。
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これまでの起債計画を確認しますと、平成30年度当初予算では起債残高平成34年度377億、平成31年度当初予算では、699億円。322億円の乖離があります。平成30年度の最終補正段階での起債25億が平成31年度当初予算にも含まれているという事なので、おのずとその分の起債はマイナスになってくるという理解でよろしいでしょうか。
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一方で、今後の基金積み立て、繰入計画ですが、平成30年度当初予算の概要では、平成34年度の基金残高は計154億でした。平成31年度当初予算の概要では、これが大きく変わり、基金残高は計521億円となっています。367億円の乖離がありますが、これは基金と起債の考え方を変えた事によるものでよろしかったでしょうか。
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平成30年度当初予算は586億円、平成30年度決算での基金の残高は700億円、と114億円の乖離があります。当初予算と決算でここまで乖離が出た要因はどういったところにあるのでしょうか。
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財調基金の年度間調整分については、これだけ持っておきたいという目安150億円というものがあったと思いますが、その考え方に変わりはないでしょうか。
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150億円という額もリーマンショック後の基金残高を見ても本当にこの150億円が適正なのかというところも改めて考えていかなければいけないとも感じます。今後の基金と起債の計画については、考え方をしっかりと見極めて将来負担をなるべく増やさない努力をしていっていただくようお願い致します。
財政調整基金と特定目的基金のあり方について伺います。財政調整基金に積み立てる方が区としては自由度もあり使い勝手はいいかもしれません。一方で、目的を明確にすることで、今後の財源をしっかりと確保をしていくという姿勢も必要なのではないかと考えます。これから幼児施設の整備や、児童館等子ども施設の建て替え等、基本計画で施設のあり方を考える際は、財源の確保の観点からも特定目的基金として管理をしていく考え方も持つべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
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この項の最後に関連して行政評価について伺います。
平成30年度決算は数字を見れば、好決算と言えます。一方で、今後の子育て支援対策を含む社会保障費の増大や人件費の増を見込むと事業見直しは免れることはできません。だからこそ、ひとつひとつの事務事業点検が重要になってくると感じています。しかしながら、今年度の業務改善担当さんは、せっかく組織改正で行政監理担当と業務改善担当が一緒になり仕事がやりやすくなるかと思っていたところ、年度途中で広聴・広報担当と兼務になってしまいました。今年度行政評価制度について見直しを行うとのことでしたので、本当に大丈夫なのかという心配でいっぱいです。これまでも事業見直しは行ってきていると思いますが、ものすごい時間をかけてやっている行政評価と連動しておらず、職員の稼働時間のところもしっかりと見直していくためにも行政評価制度そのものの抜本的な見直しを求めてきていました。
まず、行政評価制度見直しにおける今後のスケジュールを教えてください。
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毎年、12月から1月にかけて来年度に向けた翌年度予算における主な事業と見直しについて議会に報告されています。平成30年度は事業の見直しが議会報告の中にひとつもなかったように記憶しています。ひとつひとつの事業について点検を行い、しっかりと事業の検証や見直しができるような仕組みを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
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令和元年第2回定例会で一般質問を行いました
令和元年第2回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行いました。
質問内容を下記に載せます。答弁に関しては、後日議事録にアップされる予定です。
はじめに子育て支援についてのうち、ひとり親支援について伺います。
一番支援が必要なところには支援が届きにくいといわれており、ひとり親支援もその一つだと感じます。ひとり親家庭の半分は貧困といわれており、子育て先進区を目指す我が区はひとり親支援の体制をしっかりと整えていく必要が不可欠だと考えています。
まず相談支援体制について伺います。ひとり親家庭支援の相談窓口は、区役所3階の子ども総合相談窓口にて、養育支援、家庭運営支援、育児支援、資格取得等の就職支援、離婚前支援等の相談を受け対応しています。その他の相談については、相談内容に応じて生活援護分野やハローワーク等の関係機関に同行し、必要なサービスや支援に結びつける対応を行っています。これまでも多くの議員からひとり親に関わるすべての相談窓口を網羅したワンストップの窓口に関する提案がありましたが、設置にはいたっていません。様々な課題があるのも承知していますが、今一度ワンストップ窓口の設置検討をすべきと考えますがいかがでしょうか。
中野区では、生活・就労・教育・住宅など解決困難な問題を抱える母子家庭に対して養育支援や家庭運営支援、就労支援など将来の自立に向けた様々な支援を行う母子生活支援施設「さつき寮」事業を行っています。さつき寮に居住できる期間は最長2年間となっています。しかしながら、すべてのひとり親家庭が2年間で自立できている状況ではなく、引き続きのサポートが必要なご家庭もあると考えます。現在も退所後の相談は受けていますが、こうした継続的なケアの充実も今後検討が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。
先日、ひとり親の当事者にお話を聞く機会があり、当事者同士がつながれる機会が欲しいとのお声がありました。当事者でなければわからない悩みの共有など、孤立しやすいひとり親家庭においてはとても重要だとのことでした。例えば、さつき寮で行うイベント等に退所後のご家庭のみならず、ひとり親が集える仕組みを構築するなど、ひとり親当事者の交流機会の提供を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。プライバシーを確保した仕組みを整える事も非常に重要です。例えば、児童扶養手当の現況届でいらした際にご案内をする等、工夫をしていただきたいと思いますが、区の見解をお聞かせください。
ひとり親家庭のおよそ半分が貧困状態といわれている理由の大きな一つには、養育費未払いの問題があります。明石市では、面会交流の支援や離婚時における養育費の取り決めの支援や、債権回収会社に委託し1年間養育費を保証する事業にも取り組んでいます。養育費未払い問題は本質的には国が取り組むべきだとは考えますが、自治体でも取り組める自立支援の在り方だとも考えます。子育て先進区を目指す中野区だからこそ、取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
23区の自治体でも、住居や就業に関わる独自事業に取り組んでいるところもあります。こういった自治体独自の取り組みも増えている中、中野区では、他自治体でも進めている事業のみ実施しています。新たなひとり親の自立支援施策について中野区でも取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、この項の質問を終わります。
次にベビーシッター利用支援事業ついて伺います。
中野区は、昨年度から東京都が実施するベビーシッター利用支援事業を活用し、0歳児から2歳児の待機児童の保護者等が、保育施設の代替手段として東京都が認定するベビーシッター事業者を利用する場合の利用料の負担を軽減しています。しかしながら、昨年度は申し込み12件に対し、利用された方の人数は4件だったと伺っています。東京都のスキームが12月まで発表されなかったこともありますが、それでも保育需要に対して実績が上がっていないものと考えます。今年度は、早朝や遅い時間の利用も可能となるなど、昨年度より使いやすいように見直しされているとも伺っています。まず今年度のこれまでの実績をお伺いします。
元々中野区では平成30年度は区独自でベビーシッター事業を行う予定でしたが、年度途中で都の事業と重なる事から、独自での実施ではなく都の事業活用になりました。派遣型事業者のみが東京都の認定を受けられ、シェアリングエコノミー型のベビーシッターは対象ではありません。また、東京都の事業は緊急対策として時限付きで今年度までとなっています。ベビーシッターは、他区では病児・病後児保育としても活用している例や、産後ケアとして活用している例などもあります。一時保育としても活用ができるとも考えます。こうした活用でのベビーシッターの利用需要は決して低くないものと感じます。
このような活用も含め、待機児童対策だけではない子育て支援としてのベビーシッター活用も今後検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
次に受動喫煙防止対策について伺います。
いよいよ東京都受動喫煙防止条例が本日7月1日から一部施行されました。国の改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例では、屋内喫煙のみ規制がかかっており、屋外での受動喫煙に関しては規制されていません。おのずと路上喫煙が増える事が予想されます。だからこそ、基礎自治体での対応が重要になってくると考えます。改選前の第一回定例会の常任委員会に「区における受動喫煙防止推進の考え方について」を示されました。
今回示された区の考え方の中では、公衆喫煙所(指定喫煙所)の設置に関して一定の基準についても示されたものと考えます。一方で、路上喫煙禁止区域との兼ね合いに関しての記載はありませんでした。これまでは、中野駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定した関係で、喫煙所の設置を実施した経緯があります。現在、路上喫煙禁止区域は中野駅周辺に限られていますが、今後広げていくべきと考えます。区の見解を伺います。
区が示したものには、「人通りの多い方向に対し、たばこの煙が容易に漏れ出ないよう配慮する」とありますが、屋根がついているもので完全な個室になっているものでなければ、漏れ出てしまう事は必至です。中野区役所入口の屋内喫煙所については廃止し、タイムズ駐車場の端に新たに特定屋外喫煙場所を設置されましたが、この喫煙所は屋根がない仕様となっています。2.5メートルの高さがあるとはいえ、上から漏れ出た煙は、区役所と中野サンプラザの間の道路通行者に対して受動喫煙の被害を出すおそれがあると考えます。受動喫煙防止の観点から、どのように管理をされていくのでしょうか。区の見解をお聞かせください。
既存の喫煙所についても伺います。区がこのように設置の基準を定めたことにより、現在ある指定喫煙所がこの基準を下回っていた場合は撤去が必要だと考えます。例えば中野サンプラザ前横断歩道の横にある喫煙所に関しては、多くの人が行き交う場所に設置され、また信号で人が滞留する場所でもあります。早急に撤去が必要だと考えますが、区の見解をお示しください。
「区における受動喫煙防止推進の考え方について」の中で、区では受動喫煙を防止する観点から、児童遊園は禁煙とし、道路、公園については段階的な禁煙を検討するとしています。
現在、中野区にある児童遊園は7園のみにとどまります。一方で、子どもたちが集う公園はほかにもたくさんあります。例えば、保育園に隣接した公園も至急禁煙の対象とすべきと考えますがいかがでしょうか。また、園庭のない保育園の子どもたちは、近隣の公園を代わりに使用しています。最も受動喫煙の影響を受けやすい低年齢の子どもたちを受動喫煙から守るには、こういった公園の禁煙化も必須です。本来は、東京都子どもを受動喫煙から守る条例が施行された際、子どもに影響がある公園などについては検討がされるべきだったと考えます。区の見解をお示しください。
区として、こうした公園の禁煙化についてもスケジュールを定め、取り組むべきだと考えます。段階的な禁煙を検討するとしていますが、早急に具体的な対応が必要だと考えます。区の見解をお示しください。
新たな喫煙所設置について伺います。
今回の考え方に基づき、喫煙所を新たに設置予定している場所は何か所でしょうか。具体的な場所とあわせてお示しください。喫煙者は一定数いらっしゃいます。その中で、灰皿の撤去を進めていくだけでは、逆に歩きたばこをする方やポイ捨ても増えてしまう懸念があります。一方で、受動喫煙は吸わない人に対して健康被害を与える行為でもあります。大通り沿いに面している公園で灰皿とトイレが設置されている公園は、実質タクシードライバーの休憩所とも化しているところもあります。灰皿を撤去しても、こういった場所では喫煙者が継続的に休憩をし、子どもたちを受動喫煙から守れなくなる懸念もあります。千代田区では、トレーラー型の喫煙所の設置を実施しました。台東区では、区役所を含む計5か所に新たに喫煙所を設置予定とのことですが、すべてコンテナ型もしくはトレーラー型で設置するそうです。屋根がある喫煙所に関しては、工作物ではなく建築物になってしまう事から、道路上の設置は難しいと聞いています。しかしながら、大きな公園では手続きを踏めば可能になると考えます。公園は原則禁煙とすべきですが、受動喫煙を防ぐ観点からも、喫煙が行われてしまうであろう大きな公園では、コンテナ型もしくはトレーラー型の喫煙所であれば設置もやむをえないと考えます。区の見解をお聞かせください。喫煙所を設置した場合、今後の管理も必要になってきます。現在中野駅周辺にある喫煙所はJTが設置し管理も請け負っていますが、今後大きな公園に喫煙所を設置した場合は、区が管理をすることとなります。今回の東京都受動喫煙防止条例施行に伴い、喫煙所の設置については東京都から補助が出ますが、管理費については補助がありません。喫煙所管理体制のコストと屋外での喫煙対策など総合的に考慮し、今後の喫煙所設置について検討していくべきと考えます。区の見解をお示しください。
次に人事施策について伺います。
まずは職員のワークライフバランスについて伺います。
男性職員の育休取得について伺います。平成29年度は男性育休の対象が19人いらしたのに対し、取得したのが3人のみで15.8%となっていました。平成31年度目標も17%と低く、またそもそもの対象者が少ない中で、育休取得をする職員が一人増えただけでも実績のパーセンテージが大きく変わります。千葉市では、従来は育休を取得する理由を申請させていた運用を見直し、取得が基本として、取らない場合になぜ育休を取らないのかを逆に申請させる運用とした結果、大幅に取得率が向上したそうです。本来、労働者の権利である育休取得は取りたい人が取りたい時に必ずとれるべきで、その体制を作るべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。
中野区は平成29年度にイクボス宣言を行っています。数年前まではゼロパーセントだったことに比べればかなりの改善傾向ではありますが、それでも実績は低いのが現状です。平成30年度の男性職員育休取得は対象何名で何名が取得されたのでしょうか、お尋ねします。
先日も、国連から、日本の制度は男性で1位の評価をうけながら、育休取得する父親が非常に少ないのが特異性と指摘をされており、また社会的に受け入れられるようになることが必要だとも指摘をされました。民間企業でのパタハラと思われる案件がSNSを通じ大きく取り上げられたこともありました。このような社会風土こそ、行政がリードし変えていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
しかしながら、5年前に前区政で2000人体制を達成し、また行政需要が多種多様化する中で、職員の業務は多忙を極めている事も確かです。今後、基本構想・基本計画の中で、区立保育園や幼稚園、児童館の配置についても検討されていく事となり、また2021年には児童相談所の設置もある事から、職員定数の見直しについても検討がされることと考えます。一方で、ワークライフバランスの実現のためにも、しっかりとした人材育成も急務だと考えます。中野区では、毎年100名もの新人職員が入庁する中、人材育成担当は大変重要な役割を担うことになりますが、今年度から人材育成担当の課長がいなくなり、昨年度までの4人体制から3人体制になってしまいました。来年度は人材育成担当課長を復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
人材育成ビジョンの改訂も重要です。平成30年に人事構想ができ、人材育成ビジョンの改訂をする予定でしたが、現在まで改訂作業に手をつけられていない状況です。基本構想・基本計画の策定を待ち、人事構想の改訂を待ってから人材育成ビジョン改訂に取り掛かるのでは、時間がかかりすぎてしまいます。早急に対応をしていくべきと考えますが、今後の策定スケジュールについてのお考えをお示しください。
次に業務の効率化について伺います。
行政報告の中で、区長が触れられているように、今後区は業務の効率化に取り組むことで、行政運営コストの低減を図るとともに、職員が積極的に地域に飛び出していけるよう環境を整えていくとしています。中野区も今年度からRPAの試験導入の予定です。他自治体で導入したところでは、大幅な業務の効率化を実現した事例も多くあります。また、今年度からは議事録作成やなども進めています。今年度どれだけの業務が効率化されたかを見極め、他の業務にも広げていくべきと考えますが区の見解をお聞かせください。また、数値化をするなど、わかりやすい形で公表をすべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。
5月24日にデジタル手続き法が参議院を通過し、成立されました。オンライン手続きの推進により、必要書類としての住民票がいらなくなるなど、様々な手続きが簡略化される事なども見込まれます。区民の利便性向上に寄与すると考えますが、同時に職員の業務の効率化も見込まれると考えますが、区の見解をお聞かせください。
一方で、この法律による利便性向上はマイナンバーカードの利用普及が前提となっています。国がマイナンバーを導入する際に、将来的にはマイナポータルを活用し個人の所得状況や家庭状況の把握をし、使える住民サービスがプッシュ型で配信されるようになるとの見込みでした。しかしながら、カードの利用普及が20%を切っている中ではこのようなサービスは未だ実現に至っていません。今後は、保険証としての機能も併せ持つなど、マイナンバーカード取得の利点も増える事になりますが、中々浸透しない中、今後の普及啓発はどのように行っていくのか伺います。
このデジタル手続き法に基づく基礎自治体の対応としては、今のところ見えていない部分も多いですが、これからシステム改修やセキュリティ対策などにもお金がかかってくることが予想されます。国からの措置等、注視していかなければいけません。しっかりと取り組んでいただくことをお願いし、わたしの全ての質問を終わります。
中村延子は「NO!選挙カー」
昨日から中野区議会議員選挙がスタートしていますが、私の政治信念をひとつご紹介します。
これまで2011年、2015年も同じくでしたが、今回の選挙でも中村延子は選挙カーを使いません。
騒音・渋滞の原因となり、また選挙カーの運転手代、ガソリン代も公費で出ます。衆議院議員選挙や都議会議員選挙、区長選挙のように候補者が少ない選挙であれば、選挙カーを使う選択も理解できます。しかし、毎回約60名が立候補する区議会議員選挙で、例えば全員が選挙カーを運行したら、区民のみなさんは常に騒音にさらされることになりかねません。削減できるお金はほんの少しではありますが、選挙文化を変えるためにも中村延子は自ら選挙カーを使わないという姿勢で税金のムダ遣い削減に貢献します。
その代わり、歩いて歩いて地域をまわります。お見かけしたら、ぜひお声がけください。区民の皆さんの近い距離でお会いできるのも、NO!選挙カー選挙の良いところでもあります^^
中野区議会議員選挙に立候補しました!
本日、4月14日(日)~4月20日(土)は中野区議会議員選挙が行われます。 投票日は21日(日)開票日は22日(月)になります。
私、中村延子も3期目の当選を目指し、本日立候補の届け出をしてまいりました。
さっそくではありますが、本日11時より南台交差点において出陣式を開催します。 出陣式には、長妻昭(立憲民主党代表代行)、蓮舫(立憲民主党副代表)に駆けつけていただきます。この7日間の戦いをスタートするにあたり、中村延子の想いをお話させていただきます。 是非お集りください!
平成31年第一回定例会で一般質問を行いました
昨日、一般質問を行いました。
原稿を載せます。答弁等については、後日アップされる予定の議事録をご参照ください。
平成31年第一回定例会にあたり立憲民主議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りです。その他はございません。
まず、児童虐待防止対策について伺います。昨年3月に発生した目黒女児虐待死事件は、日本中に大きな衝撃を与えました。ところが児童虐待防止に向け、国や東京都でも取り組んでいる最中にまたも悲しい事件が千葉県野田市で起きてしまいました。再来年の児童相談所設置に向けて、中野区も児童虐待防止施策に更に取り組んでいかなければと改めて強く感じています。
国では、これまでの専門職に加えて、2022年からすべての児童相談所に弁護士、医師、保健師を配置する方向で検討を進めています。自民党内には「常勤弁護士の配置を義務化すべきだ」との声も根強くあるとの報道もありました。しかしながら、児童虐待に精通する弁護士は全国でも人数が限られており、国が常勤弁護士を義務化した場合、児童相談所設置の自治体で人材の奪い合いになる事が考えられます。常勤の弁護士配置は児童相談所職員との連携が密になるというメリットがありますが、弁護士が一人で抱えるリスクや案件が少ない時の効率、人材の確保などの課題があります。愛知県では、児童相談所の外にいる専門家として弁護団への委託としているため、弁護士同士の連携につながり、個々の弁護士の負担軽減にもなっているそうです。非常勤でも交代の当番制などでいつでも電話で相談ができる体制を整えておく事が事案の早期解決に繋がると考えます。
まず、児童相談所への弁護士配置についてどのように考えているのか区の見解を伺います。今後の配置計画、確保策についても併せてお答えください。
野田市の事件では、「親支援」のあり方が問われたと感じています。栗原心愛さんの母親も父親からDVを受けていたと報道されています。母子は2009年9月に糸満市に転入し、2011年10月に父親と離婚したものの、父親は心愛さんとの面会交流を求め、そのうちに第二子を妊娠。2017年2月に再婚し同居、次女を出産したと伝えられています。実際、2017年7月には市の窓口に母親の親族からDV相談が寄せられています。この事件で浮き彫りになったのは母親支援の重要性だと感じます。現在中野区では、ドメスティックバイオレンスについては婦人相談で受け付けています。DVの被害者に子どもがいる際の児童相談所や子ども家庭支援センターとの連携はどのように対応しているのでしょうか、伺います。目黒区の事件も野田市の事件も他自治体との連携や関係各所との連携ができていなかった事により被害の深刻化に至りました。区が児童相談所を設置することにより、これまでよりもDV案件での連携は取りやすくなると感じます。しかし、引っ越しの多い東京都内での連携は極めて重要にもなります。改めて、こういった事案を絶対に出してはいけないという区の決意を伺います。
児童虐待防止対策を考える際に忘れてはいけないのが性教育です。虐待予防の一番の上流、川上の部分は予期せぬ妊娠を避けることです。虐待で死亡率が一番高いのは0歳0日、つまり生まれたてです。どうやったら子どもができるのか?正しい知識をみんなが知る必要がありますが、自然に学ぶわけではありません。今はタブレットやインターネットの普及により、幼児の段階から不適切な動画などにさらされる機会がある現代は昔と違って正確な知識を早い時期から教える必要があります。寝た子を起こすなという考え方もありますが、正確な知識を教えられた子どものほうが性行動の開始時期が遅くなるという調査結果もあります。
保護者が子どもに対して正確に教えられるように保護者が学べる場を作るべきだと考えますが、見解を伺います。
さらに、どのようなライフプランをつくっていくか、子どもを持つのか、持たないのか、いつ、何人持つのかなど、自分自身で選択をする、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)を啓発していくことはとても重要です。そのため、保護者だけでなく一般区民への一層の啓発事業に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。
学校での性教育に関しては、現在東京都が手引きの改訂作業を行っています。先日、都立中高一貫共学校の南多摩中等教育学校で3年生に向けて外部講師による性教育のモデル授業が行われました。現在の中学生向けの学習指導要領では中学校で妊娠や出産について触れるものの、性交については説明しないことになっています。一方で、厚労省の2017年調査で同年度に人工妊娠中絶をした15歳以下の女性は全国で736人いることがわかっており、現実と教育内容に乖離が如実に表れています。現状を見直す事は非常に重要だと考えており、東京都のモデル授業の内容や示された改訂方針は歓迎すべきものです。秋田県では、専門家による性教育を行った10年間で人工妊娠中絶が大幅に減ったという成功例もあります。今後の性教育の意義について、区の見解を伺います。
正しい性教育は、児童虐待や予期せぬ妊娠を防ぐだけにとどまらず、人間の尊厳や相手の尊重についての理解、DV防止や貧困対策にもつながります。しっかりと取り組んでいただくことをお願いし次の質問に移ります。
次に子育て先進区について、主に子育てしやすい環境整備について伺います。まず、災害対策としての母乳育児支援、授乳室の整備について伺います。母乳育児のメリットはいざというときに道具なしでも子どもに食料をあげられることです。災害時にすべての母子にミルクと水とガスボンベと消毒用の道具を届けられなくても、子どもが生き延びることが可能となります。これは、母乳育児を推奨するもので、ミルクでの育児を否定するものではありません。母乳で育てている人に授乳についての悩みを複数回答で聞いたところ、約6人に1人が、「母乳を出すためには赤ちゃんが飲みたいときに飲める環境が大事なのにもかかわらず外出の際に授乳できる場所がないこと」が悩みであると回答しています。
母乳育児が軌道に乗るまでには様々なハードルがありますが、そうしたハードルを乗り越えても、さて外出しようとすると、授乳できる場所は限られています。中野区では、例えば15の区民活動センターでは専用の授乳室があるのは南中野の1箇所のみです。また、専用の授乳室がある施設でも授乳室の中は狭くて荷物をかけたり置く場所がなかったり、椅子が一つとマットレスがないベビーベッドが一つしかないといった所もあります。母乳をあげる期間はそんなに長くないため母親からの要望は中々区に伝わりづらいかもしれませんが、授乳室のニーズは決して低くはないはずです。無償でボックス型の授乳室を自治体に提供してくれるサービスもありますし、これから建て替えや改修をする施設にはもちろんのこと、他の施設についても母乳育児サポートとして授乳室の整備を進めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
共働き家庭が増えている中では、男性が育児しやすい環境を整えることも公共の責務だと考えますが、区役所の男性トイレでおむつ替えのシートが設置されているのは、子ども家庭支援センターがある3階のトイレのみで、1階の誰でもトイレとあわせると2か所のみです。区の施設の中には男性がおむつ替えをできる場所がないところも存在します。建て替えがない施設も含め、今後計画的に整備をしていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
現在、施設整備の際にユニバーサルデザインの視点でのチェックリストはあるそうですが、子育て先進区を目指す我が区だからこそ、子育てしやすい設備の観点も含めて施設整備や改修を進めるべきと考えますがいかがでしょうか。伺いまして、この項の質問を終わります。
次に多文化共生施策について伺います。中野区では、10年前の平成21年では外国人人口が12034人だったのに対し、平成30年では18697人となるなど、55%も増加をしています。今後は、外国人来街者もそれ以上に増えていく事が予想されています。昨年12月8日、参議院本会議で出入国管理法の改正案が可決されました。現在、技能実習生制度により日本で働く外国人労働者は26万人程度と推定されていますが、今回新設される特定技能制度を通じて、2019年から5年間にわたり外国人労働者を最大で累計35万人を追加で受け入れる計画です。この法案は、業種どころか受け入れの規模・人数についても何も決まっておらず、「法案が通過してから省令で決める」という事実上白紙委任であることや、技能実習生として入国した外国人労働者の低賃金と長時間労働問題を解決しないまま、追加で外国人労働者の流入を拡大するという、問題点があります。一方で、4月から改正入管法が施行されることを受け、自治体も対策を取らなければいけない状況に変わりはありません。また、その影響は都市部に集中する可能性も大きいと感じています。
まず、中野区では改正入管法により、外国人の流入人口にどれくらいの影響が出ると見込んでいるのか、見解をお示しください。
区長は施政方針説明の中で、多文化共生についても触れられています。多文化共生を推進する意義をどうとらえているのか、お伺いいたします。
中野区では、日本語が話せない児童・生徒が学校に入ってきた際に、現在は中野区国際交流協会から通訳者を派遣し対応をしているところです。また、国際交流協会での日本語クラスも実施しています。少ない人数であれば対応ができているかもしれませんが、今後コミュニケーションに支障のある子どもが増えると授業として成り立たなくなってしまう可能性があります。名古屋市では、日本語指導が必要な児童生徒が多数在籍する小中学校へは、教員や非常勤講師を派遣し子どもたちの早期学校への適応を図っています。外国人人口が増えれば、おのずと学校の中にも外国人児童生徒が増えることが予想されます。実際に、一部の学校では外国人児童生徒の数が増えている事も聞いています。早期に対策をとる必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
外国籍の方々、日本語を母国語としない方々との共生で一番不安に感じられるところは生活面や災害時や緊急時の対応です。地域防災計画では、中野区国際交流協会により、区およびボランティア本部と協力し、外国人被災者に対する情報提供、語学ボランティアの募集、派遣に係る調整を行うこととなっています。一方で、総合防災訓練には中野区国際交流協会の方々は参加をされているものの、外国人住民の参加はほとんどありません。地域によっては外国人人口の伸び率が他の地域よりも多いところがあります。こういった地域を中心に、モデル事業としてお住いの外国人を対象とした防災訓練を実施するなど、今後増大する外国人人口に対する備えをしていくべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
現在中野区では、区内在住の外国人対応は中野区国際交流協会に委託をされて実施しているものが多いですが、外国人人口が増大する中で、その体制にも限界があると感じます。これまで、区は明治大学国際日本学部と多文化共生フォーラムを共催するなどしてきています。留学生からの提言を受け取り施策への反映検討は行っているかと思いますが、具体的な内容にまでは至っていません。11月25日に明治大学国際日本学部10周年記念に行われたダイバーシティーフォーラムに参加をしました。区長も講演をされていましたが、行政、企業、大学からそれぞれの立場での講演がありました。その中でも具体的な産学公連携の提案もありました。多様な人々がお互いに理解し、認め、受け入れ、活かしあう「ダイバーシティーインクルージョン」の考え方を取り入れた多様な人材が活躍するための取り組みを具体的に産学公連携で進めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
今後、文化や宗教が違う多様な住民が増えていく中で、住んでいる誰しもの不安をひとつひとつ取り除いていく事が行政の役割だと感じます。また、そこが暮らしやすい街、来てよかったと思っていただける事で、将来的なリピーターにもつながります。逆に中野に来て嫌な経験をした場合は、その方々は戻ってくることはありません。誰もが安心して暮らせるダイバーシティーインクルージョンの街、中野を目指して取り組んでいっていただくことをお願いしこの項の質問を終わります。
つぎに行政評価について伺います。区長は施政方針説明の中で、行政評価の結果を踏まえて、事業のスクラップ・アンド・ビルドに取り組めるよう、行政評価制度を抜本的に見直してまいりますとおっしゃいました。平成13年からスタートしている今の行政評価制度は幾度と見直しを重ね、非常に複雑な制度になっています。私たち会派も抜本的な見直し時期に来ているのではないかと考えており、この方向性については歓迎するものです。これまでの行政評価は実際に事業の見直しには中々つながる事はありませんでした。個別の事務事業の点検をし、区の施策の方向性に沿ったものになっているのか、なっていないのであれば事業を見直しもしくは廃止していくような方法で行政評価を行っていくべきと考えますが、区の見解をお示しください。しかしながら、今の行政評価は目標と成果によるものになっており、転換が難しい部分もあると考えます。今後、新たな行政評価制度への移行をどのように進めていくのか、見解をお聞かせください。
行政評価制度の見直しで忘れていけないのは、職員の稼働の観点です。これまでの行政評価はそれぞれの職員に大きな負担となっていたと伺っています。その軽減を図り、その分の職員のみなさんの稼働を区民サービスに使うという考え方は不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。また、目標の設定時から外部の目を入れていくべきだと考えます。区の見解をお伺いします。
最後に、選挙について伺います。
今年は12年に1回、統一地方選挙と参議院選挙が重なる選挙イヤーとなります。衆参同時選挙も囁かれるなど、選挙管理委員会の皆さんにとっては大変な一年になることと思いますが、公正公平な選挙執行のためにご尽力をいただきたいと思います。
まず初めに、若年層の投票率向上について伺います。中野区でも、平成28年度から3年間ですべての中学校において主権者教育(模擬選挙)が実施されています。まず、その効果をどのように評価しているのか伺います。また、3年間が終わるところですが、来年度からはどのように行っていくのかお示しください。成人のつどいでも選挙に関するアンケートを行っていますが、選挙管理委員会としてどのように活用されているのか、伺います。
次に期日前投票所について伺います。中野区内では、区役所を含む6か所で期日前投票が行えます。最近の選挙の傾向では、期日前投票の割合が3割を超えるなど、多くの方が利用をされており、その半数近くは区役所を利用されています。特に平成29年10月執行の衆議院選挙最終日は翌日の投票日に台風が上陸する予報だったこともあり、多くの方々が区役所で期日前投票をされており、その列は途切れることがなかったことを記憶しています。また、その衆議院選挙から区割りが変更となり、中野区も7区と10区に分かれ、区役所での期日前投票所の設置もスペースの確保が難しい状況でした。今年行われる2つの選挙においても、期日前投票は多い傾向が続くことが予想されます。人員の配置や期日前投票所設置場所の工夫など、スムーズで公正公平な選挙執行のために、検討すべきと考えますが、ご見解をお伺いします。
以上で私のすべての質問を終わります。
2019中野区議会議員選挙 立候補予定者一覧
2019年4月執行中野区議会議員選挙に政党の公認が出ている、または立候補を表明している方の一覧です。年齢は公認発表の時のものもあるため、正確でない可能性もあります。
森 隆之 もり たかゆき (現3)35 男
中村 延子 なかむら のぶこ (現2)37 女
山本 崇志 やまもと たかし (現1)38 男
檜山 隆 ひやま たかし (現1)34 男
杉山 司 すぎやま つかさ (現1)48 男
斎藤 百合 さいとう ゆり (新)56 女
http://cdp-tokyo.jp/wp-content/uploads/2018/12/905bb788fe70ab46b16b413df98a30f5.pdf
◆自由民主党(現有議席12)現職11名、新人6名、計17名
篠 国昭 しの くにあき(現9) 77 男
高橋 ちあき たかはし ちあき(現7) 62 女
伊藤 正信 いとう まさのぶ (現6) 54 男
大内 慎吾 おおうち しんご(現5) 57 男
出井 良輔 いでい りょうすけ(現4) 45 男
伊東 伸治 いとう しんじ(現4) 60 男
北原 奉昭 きたはら ともあき(現4) 73 男
内川 和久 うちかわ かずひさ(現3) 58 男
高橋 一実 たかはし かずちか(現2) 57 男
若林 重男 わかばやし しげお(現2) 47 男
加藤 拓磨 かとう たくま(現1) 39 男
大津 勉 おおつ つとむ(新) 63 男
平地 早都子 ひらち さとこ(新) 46 女
鵜飼 豊士 うかい とよじ(新) 38 男
秋元 泰之 あきもと やすゆき(新) 38 男
市川 信太朗 いちかわ しんたろう(新) 29 男
佐野 晃子 さの あきこ(新) 45 女
https://www.tokyo-jimin.jp/cms/wp-content/uploads/2018/07/%E5%90%8D%E7%B0%BF%EF%BC%9AH31%E7%B5%B1%E4%B8%80%E5%9C%B0%E6%96%B9%E9%81%B8%E6%8C%99%EF%BC%88%E7%AC%AC%E4%B8%80%E6%AC%A1%EF%BC%89%E5%85%AC%E8%AA%8D%E6%8E%A8%E8%96%A6%E5%80%99%E8%A3%9C%E8%80%8520180721.pdf
https://www.tokyo-jimin.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/%E5%90%8D%E7%B0%BF%EF%BC%9A%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B4%E7%B5%B1%E4%B8%80%E5%9C%B0%E6%96%B9%E9%81%B8%E6%8C%99%EF%BC%88%E7%AC%AC%E4%B8%89%E6%AC%A1%EF%BC%89%E5%85%AC%E8%AA%8D%E6%8E%A8%E8%96%A6%E5%80%99%E8%A3%9C%E8%80%8520181127_2.pdf
◆公明党(現有議席9)現職8名
久保 里香 くぼ りか(現4)54 女
南 勝彦 みなみ かつひこ(現3)57 男
平山 英明 ひらやま ひであき(現3)50 男
白井 秀史 しらい ひでふみ(現3)49 男
小林 善一 こばやし ぜんいち(現2)59 男
甲田 百合子 こうだ ゆりこ(現2)48 女
木村 広一 きむら こういち(現2)48 男
日野 崇 ひの たかし(現1)42 男
https://www.komei.or.jp/komeinews/p12604/
◆共産党(現有議席6)現職6名、前職1名、計7名
来住 和行 らいじゅう かずゆき(現6)70 男
長沢 和彦 ながさわ かずひこ(現5)56 男
いさ 哲郎 いさ てつろう(現1)47 男
小杉 一男 こすぎ かずお(現1)52 男
羽鳥 大輔 はとり だいすけ(現1)32 男
広川 まさのり ひろかわ まさのり(現1)38 男
浦野 さとみ うらの さとみ(前2) 38 女
http://www.jcp-tokyo.net/2018/1119/154307/
◆都民ファーストの会(現有議席2)現職2名
内野 大三郎 うちの だいざぶろう(現1)48 男
渡辺 たけし わたなべ たけし(現1)46 男
https://tomin1st.jp/wp-content/uploads/2018/07/7dc06de1108bdc1f2c6ee1c6dc6de3a8.pdf
◆無所属(現有議席6)
武藤 有子 むとう ゆうこ(現5)63 女
近藤 さえ子 こんどう さえこ(現4) 女
稲垣 淳子 いながき じゅんこ(現3)48 女(会派は都ファと同じ)
石坂 わたる いしざか わたる(現2)42 男
小宮山 たかし こみやま たかし(現2)48 男
細野 かよこ ほその かよこ(現1)56 女(中野生活者ネットワーク)
◆その他新人
吉田 康一郎 よしだ こういちろう (新)51 男(民主党→太陽の党→日本維新の会→次世代の党→日本のこころを大切にする党→日本のこころ→?)
立石 りお たていし りお(新)31 男(無所属)
細貝 悠 ほそがい ゆう(新)男
竹村 あきひろ たけむら あきひろ(新)男(NHKから国民を守る党)
間 ひとみ はざま ひとみ(新)36 女(無所属)
河合りな かわい りな(新)39 女(無所属)
しらかし 貴子 しらかし たかこ(新)35 女(幸福実現党)
水間 純 みずま じゅん(新)33 男(無所属、元NHKを国民から守る党柏市政策委員、自民党員)
平成31年度中野区予算要望を提出しました
11月7日(水)立憲民主議員団として、区長および副区長に対し、平成31年度中野区予算要望を提出させていただきました。
詳細については、以下になります。
平成31年度中野区予算要望
日頃より、立憲民主議員団に対しまして格別のご高配を賜わりまして、厚く御礼申し上げます。
本年、六月に執行されました中野区長選挙において新たに酒井区政が誕生しました。区民との対話による区政運営や子育て先進区中野の実現を訴えた選挙戦でありました。平成31年度予算は新区政での初めての予算編成であり、子育て世帯だけではなく、全区民の期待の高いものであり、それに応えていかなければなりません。
区財政の取り巻く状況は、税収も順調であり、基金も着実に積み増しされる一方、区債は減少しており、好調であるといえます。しかし、金融緩和と財政支出頼りの政府の経済政策は、株価を押し上げる効果は出ていても肝心の個人消費の伸びには繋がっておらず、区民の多くも景気回復の実感を持てない状況です。
この夏には米国トランプ政権の方針に端を発し、世界的な貿易摩擦が表面化してきています。世界経済の行く末は不透明感を増しており、その動向と区財政への影響を注視していかなければなりません。
来年度は消費税増税が実施され、合わせて幼児教育の無償化も予定されています。全容が明らかではなく、加えて地方交付税不交付団体である東京都下への影響は甚大と考え、充分な備えが必要です。都市部と地方の税源偏在の不合理な是正には、断固として反対しなければなりません。
また、今後必要となる公共施設の更新経費、少子高齢化に伴う歳入歳出構造の激変などもあり、予断を許さない状況でもあります。他方、政策課題においては、少子化対策として未来への投資、子育て支援と公教育の充実、都市型の超高齢化に対応出来る中野モデルの構築、いつ起こるかわからない首都直下型地震をはじめとした自然災害への備え等、課題は山積しており、区長先頭に職員一丸となって解決に取り組まなければなりません。
不安定な世界情勢と景気動向、国をはじめ全国的な厳しい財政状況下、持続可能な区政運営を実現し、人口減少社会においても選ばれ、住んで良かったと思われる自治体を目指さなければなりません。
これまでの区政は「民間で出来る事は民間で」という考えを当然視してきました。その考えを全否定するものではありませんが、新区長のもとでは、公がその責任でやるべきことと民間に委ねるべきことの線引きを再定義していただけることを期待しています。
立憲民主議員団として以下、平成31年度の予算編成に際しまして、各施策につきまして要望・提案を申し上げます。何とぞ、御配慮賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
1.中野区を子育て先進区へ
・安心して子育てできる環境作りの推進
少子化の原因を踏まえた出生率向上対策
不妊治療の助成制度創設
就学前教育の充実
区立幼稚園の存続
家庭教育支援の充実(保護者への子育て相談SNSシステムの導入など)
祖父母世代向け子育て実践方法の啓発ブックレット作成
父親の育児参画を促す講座や場の区内全域での十分な提供
子ども医療費助成制度の適切な運用
・妊娠・出産・子育てトータルケア事業の充実
対象者の声の把握と事業内容改善への活用
面談を行えなかった方への全件を目指した追跡調査
ケア支援者派遣サービス事業者の育成
・地域力を活かした子育て支援の充実
地域の子育て支援拠点としての児童館の機能の拡充・強化
生活圏内(ベビーカー圏内)での乳幼児親子の活動の場の確保
子育て支援に取り組む地域の団体への支援
・保育園・学童クラブの待機児童の解消と質の向上
現場や専門家の意見を踏まえた保育の質ガイドラインの策定
保育の質を担保するための区立保育園の一定数の存続
研修制度の充実や更なる保育士確保への取組み
休日・一時・病時保育や医療的ケアが必要な子どもの保育等、多種多様な保育ニーズへの対応
保育現場における午睡チェックシステムへの補助
区立保育園におけるおむつの自園処理
・公教育の充実
学力向上の取組みの強化(少人数指導・アクティブラーニング)
体力向上の取組みの強化(部活動支援・外部指導員の一層の活用)
2学期制の検証
老朽化した学校施設全般の改修
熱中症対策として体育館の冷暖房設備・冷風機・冷水器等の速やかな設置
発達に課題のある子どもたちの為の教育と福祉の連携
療育の実施や体制強化など、子ども発達支援センターの強化
通学路の安全対策の強化
中学校における教室ロッカーの更新
校庭の維持管理・保全の強化
校割予算の増額と教育費の充実
体験学習の充実(移動教室におけるキャンプファイヤーの復活)
統合によらない学校の校舎建て替え時の現地建て替えの検討
国際理解教育の継続および充実(区内大学への留学生との連携など)
中学生の職場体験におけるワークルールの学習の取り入れ
学校給食食材費の無償化を見据えた公会計化の導入
学校生活に課題を抱える児童生徒の支援(SC・SSWの更なる増員など)
SNS等を用いたいじめ脱傍観者システムの導入(STOPit・LINEなど)
(仮称)総合子ども支援センターに設置予定の適応指導教室の分室による子どもの通学への配慮
学校現場におけるLGBT差別の解消への取組み
・子ども、若者の貧困就労対策
子どもの貧困の実態把握と必要な対策の実施
就学援助制度の支給認定基準を生活保護基準の1.2へ戻すこと
生活保護基準引き下げに連動して就学援助の支給認定基準を下げないこと
児童相談所の区への移管移設に向けた万全の体制確保
社会的養護の充実(里親登録希望者の拡大)
児童養護施設・里親を巣立った若者の自立への援助
離婚後のこども養育支援(養育費や面会交流のサポート)
区内の子ども食堂活動への支援
2.安心して地域で暮らし続けられるまち、中野
・自然災害等に対する脆弱性の克服と地域防災力の向上
密集市街地・狭隘道路の整備、オープンスペースの確保
木造住宅耐震改修助成制度の創設
高齢者・障害者世帯を対象とした耐震シェルター等の設置費用助成の検討
被災者支援システムの導入
災害時の区内在住外国人への情報提供体制の整備
異常気象等による突風災害発生の危険性調査実施(風害環境シュミレーション)
実効性ある災害時避難行動要支援者への避難支援等の取組みの強化
避難所機能の充実(高齢者、障害者、妊産婦、ペット、外国人など)
被災地復興支援の継続と、支援活動で得られたノウハウの区防災施策への活用
・地域の安全対策
青色灯防犯パトロールカーのあり方の見直し
防犯カメラに関わる費用負担の公平化
地域の防災組織への活動支援
・公的支援を必要とする人を救う仕組みづくり
生活保護の適正支給と受給者への自立支援、就労のためのきめ細かな支援
生活保護の不正受給根絶と医療扶助のチェック徹底
生活保護受給に対するスティグマを感じることなく受けられる体制整備
ケースワーカーの負担軽減と現場体制の見直し
障害者相談支援事業所の相談に関するアウトリーチ機能の向上
区内全駅周辺・施設内、区内公共施設周辺・施設内と、駅から施設の動線に黄色い点字ブロックの設置
手話言語条例の制定に向けた調査研究
精神障害者への医療費助成制度の拡大
精神障害者のための地域生活支援センターの施設数・部屋数の増設
知的障害者生活寮利用者および家族等への支援
居住支援協議会の速やかな設立と、空屋等を活用した住宅確保要配慮者への支援の実施
犯罪被害者条例の制定に向けた調査研究
・地域包括ケア体制の確立
中学校区単位で基本的な福祉サービスが受けられる体制の整備
地域の人材資源や区内の民間事業者の積極的な発掘・活用
改正介護保険法施行に伴う介護サービスの維持・拡充
すこやか福祉センターを拠点としたアウトリーチによる支援の強化
介護と育児のダブルケアを抱える方への支援
認知症およびMCI(軽度認知障がい)対策の強化
認知症サポーターの育成支援と拡大
認知症徘徊時の事故への保険制度による支援
徘徊模擬訓練の実施
大人のための発達障害支援の強化
ひきこもり当事者の実態調査
グリーフケア体制の整備
遺族をたらい回しにしないお悔み窓口の検討
派遣先がない学校支援ボランティア登録人材の利活用
・感染症対策
麻疹・風疹に対応するMRワクチンの助成対象の拡大
・がん対策
子宮頸がん検診の細胞診とHPV検査の併用検診の実施
がん検診の受診対象者全員の受診券の直接送付
女性特有のがんの未受診者に対する受診勧奨の継続
受動喫煙対策の考え方の制定
受動喫煙を防ぐ指定喫煙所の設置基準の制定
・メンタルヘルス対策
メンタルヘルスの正しい知識の普及と相談機関の周知
庁内各部署や民間団体等の幅広い主体の関わりを促す
自殺対策基本計画の策定
3.区民とともに進めるまちづくり
・住環境の基盤整備
区内全域におけるブロック塀、大谷石の安全対策
既存不適格な工作物の解消と沿道の安全性を確保する総合的な補助制度の構築
南北交通網の希薄性の解消に向けた、デマンド交通の検討
中野駅西口と南北通路デッキ整備の着実な推進
1万人アリーナ整備計画の見直し
中野サンプラザの価値の継承における手法の検討
歩行者安全確保のための中野駅改札前及び周辺の自転車走行注意喚起実施
中野駅北口への交番設置
西武新宿線連続立体交差化事業の着実な推進と野方以西への実現
区民と一体となった中井―野方間、連続立体交差事業後の街づくり
東中野駅東口バリアフリーの早期実現
西武新宿線鷺宮駅南側連絡階段へのエレベーター設置
学校跡地利活用の基本方針の策定
地域理解を充分に踏まえた学校跡地利活用の取組み
違法な民泊の取り締まり強化と民泊条例の効果と検証
羽田空港機能強化に伴う区民の安心・安全の確保
分譲マンションの適正な管理の推進
JR東中野駅西口線路沿い桜並木の維持管理と将来像設計検討
鉄道事業者による放置自転車対策の実施の要望
・働く世代が余暇を楽しめる環境整備
街の緑化・美化の推進
里まち連携自治体との間伐材を用いた交流の実施
区民が文化・スポーツに親しめる環境作り
図書館の蔵書、視聴覚資料の充実
ブックスタート事業の実施
・魅力ある公園整備
区の公園に対する考え方の策定
「できない公園」から「できる公園」へ(キャッチボールができ・動物も同行できる特色ある公園整備)
公園管理への民間活力の活用とパークPFIの導入
老朽化したトイレ・遊具・砂場・古い土などの更新
中野四季の森公園の北側イベントエリアと公園エリアとの連続性の確保
平和の森公園への300メートルトラック設置の中止
・地域や住民自身の活動の支援
アールブリュット事業への支援、常設展示場の検討
実効性のある商店会活性化支援
・国際交流の推進
海外自治体との交流推進と民間や子どもたちの交流支援
区内大学等との多文化共生事業の連携推進
オリンピック・パラリンピックを身近に感じられる取組みの充実
・平和事業の推進
青少年ピースフォーラム等への区内小中学生の派遣
老朽化した平和資料展示コーナーの刷新
4.区民と向き合う区役所への転換
・ 区民の区政参加促進
投票率向上に向けた取組みの強化
若年層への主権者教育の継続実施
意見交換会・タウンミーティング・パブリックコメントの活性化
オープンデータの利活用による区民活動の活性化
・広報の充実
必要な情報を検索しやすいHPへの改善
区報のカラー化
SNSの効果的な利用
区のお知らせ板の在り方の見直し
災害時に有効なコミュニティFMの創設
・特別区民税、国民健康保険料をはじめ、すべての区債権の収納率向上
債権管理担当による組織を横断した実効性ある取組み
主要三債権以外の債権の収納率向上への取組みと滞納処分の強化
国民健康保険の適正化(二重加入や未加入問題の解消)
特別区民税流出に歯止めをかける中野区の特徴を生かしたふるさと納税制度の活用
・税金のムダづかいを正す事業評価手法の改善
新公会計制度を活用したフルコスト計算による事務事業診断
委託事業全般のコストと効果の検証と公開
行政評価制度のあり方の見直し
・透明性のある持続可能な区政運営
公共施設整備にかかる費用の検証可能な形での公開
施設使用料算定方法の見直し
区有施設に設置されている監視カメラ運用のあり方再検討
システム開発経費の妥当性及び導入効果の見える化
庁内の電子決済率向上や区民が提出する書類の押印省略など行政手続きの合理化
わかりやすい区財政・税制度の広報
エコポイント制度の見直し
家庭ごみ有料化をしないこと
リサイクル制度(3R)の検証
イベント事業に対する関わり方の見直し
・良質な公共サービスの提供
職員2000人体制の検証
公文書管理のルールの策定
「公共サービス基本法」を踏まえ、契約する民間企業・団体の労働条件の
調査の更なる拡大(労働モニタリング調査)
適正な労働条件確保のため、「公契約条例」の制定
・職員育成・働き方改革
区職員育成システムの確立、並びにメンタルヘルス対策
職員のワークライフバランス推進
全庁的な職員の仕事のあり方の見直し(新しい7時間45分の構築)
ハラスメントゼロ宣言の実施
性的指向・性自認(SOGI)に関する区職員や教職員の研修の実施
区民の利便性向上と職員の業務効率化に資するマイナンバー活用
区民相談窓口の効果検証
決算特別委員会で総括質疑を行いました
第3階定例会決算特別委員会で総括質疑を行いました。
原稿を掲載します。答弁については区議会の議事録がアップされるまで、少々お待ちください。
1.平成29年度決算について
(1)歳入について(特別区税・特別区交付金)
(2)歳出について(人件費・物件費・グローバル・不妊相談支援事業)
(3)その他(行政評価)
2.予算編成方針について
3.妊娠出産子育てトータルケア事業について
4.その他
平成30年第三回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通りですが、1.H29年度決算のその他で行政評価について伺います。
はじめに、平成29年度決算についてのうち、歳入について伺います。歳入決算額は1252億円となり前年度比12億7908万2千円の減でした。一般財源は781億円で、前年度比2億円の減となっています。その内訳をみると、特別区税は338億円で6億円の増ですが、特別区交付金は355億円、前年度比15億円の減となっています。特別区税についてです。ふるさと納税の影響は年々大きくなって来ていますが、平成29年度は6億4315万1千円でした。まず、過去5年間のふるさと納税の影響額を教えてください。
減収分については、財調の算定にも含まれていますので、すべてが出て行っているわけではないですが、影響額は大きいです。一方で、中野区では平成28年10月から中野区にふるさと納税をされる方に対し、里まち連携自治体の特産品や中野サンプラザのお食事券など、返礼品を提供しています。平成29年度決算でふるさと納税事業に対する委託料は1182万円となっています。郵便料や手数料含めると、計1196万円かかっています。ここで確認ですが、平成29年度の中野区へのふるさと納税の寄付金額をおしえてください。
執行率は51.9%となっていますが、ちなみに予算段階での寄付金の見込みはどれくらいだったのでしょうか。
2333万の寄付がありました。でも、返礼品競争の中、対抗していくために1200万円の事業費がかかっています。差し引き、1100万ちょっとです。という状況では、やっている意味があるのかな?中途半端なのではないかな、と感じてしまいます。
ふるさとチョイスの中野区のページを拝見しました。その中で、寄付者は寄付金の使い道を選べるような仕組みをとっており、東北復興大祭典や動物愛護、特別区全国連携プロジェクトに関すること、哲学堂および哲学堂公園の観光拠点としての事業に関する事、教育に関すること、社会福祉や住宅に関すること、まちづくりや道路・公園に関すること、区民公益活動に関すること、環境保全に関すること、平和事業に関すること、その他区政全般に関することの項目があります。この項目はどのように決定されたのでしょうか。
昨年の決算や一般質問でもガバメントクラウドファンディングについての提案が様々な同僚議員からもありました。これは、特定の目的に対して寄付を募るという方法です。23区でも取り組んでいる自治体はあり、代表的なところで例示をすると、文京区の「子ども宅食」や墨田区が以前取り組んだ「すみだ北斎美術館開館1周年記念イベント」最近では目黒区が園庭のない保育園に通う子どもたちのために大規模公園まで子どもたちを送り届ける「ヒーローバスの運行」など、流行を見せているようにも感じます。これまで区は税の減収分が地方交付税で補填される事もなく、また住民税によって行政サービスを支えるという受益と負担に着目した地方税の原則から見ても、大きな問題があると考えている、とも答弁をされています。一方で、何もしないでただ見ているだけには行かないからこそ、そして毎年影響額は増加傾向にあるからこそ、中野区でもふるさと納税事業を実施きていると思います。取り組む決意なのであれば、全国から注目をされるような返礼品やクラウドファンディングなど、中途半端に実施するのではなく、真剣に取り組んでいくべきだと考えます。目黒区では、先ほど例示したヒーローバスのほかに、この春から事務所が区内にあるエグザイルのグッズなどを返礼品として提供することになりました。高価なお肉とか果物とか、特産品がある自治体の返礼品競争には中々入り込めません。また、総務省が寄付金額の3割以上の値段の返礼品を出さないことなど自治体へ通知を出しています。通知を受け入れない自治体に対しては、ふるさと納税制度からの対象外にできるよう見直しを検討すると発表されました。こういった動きは、今後も出てきそうです。中野区だからこそ提供できる、金額ではない付加価値のある返礼品を検討する事や、クラウドファンディングを利用した具体的な施策の推進など、ただただ返礼品を並べるだけのふるさと納税施策ではないやり方を考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
私もふるさと納税に関しては、大前提として現実に高所得者の優遇制度となっていることや、本来は地方の自主財源を増やす方向で税制改正が必要なのにそうなっていない事からも制度自体には反対です。一方で、歯止めをかけるために、対抗をしていかなければいけない事も理解しています。この制度の本来の趣旨ではない23区が本気になりこの制度自体が破たんしている事を示すことも、ひとつのやり方だと考えます。それであれば、寄付を集める仕組みをもっと真剣に考えなければいけないと感じています。
東京都議会の第2回定例会で、ふるさと納税を活用した取り組みについて質問が出ました。ふるさと納税を活用して五輪施設への寄付を募り、ネームプレートに刻むという報道が出た事に対する質問です。これに対し、小池都知事は様々な課題があることから課題を整理しつつ関係者の理解を得ながらふるさと納税制度の本来の趣旨を生かして、受け皿となる仕組みが検討できるのか関係局にも指示したところだ、と答弁されています。もし、東京都がふるさと納税制度を活用し寄付をつのった場合、区への影響についてどのように考えているのか伺います。
次に使用料について伺います。使用料をとっている施設の中で、気になるものがいくつかありましたので、伺っていきたいと思います。
まず、なかのゼロホールのレストランについて伺います。決算説明書を確認したところ、12カ月で126万9864円の使用料からの歳入がありました。事業者募集はどのような形で行われ、いつから継続しているのかまずお伺い致します。
使用料は90%減免されているとのことですが、どのような理由からでしょうか。
当初11:30~18:30で営業していましたが、H27年7月1日からは11:00~15:30と営業時間が短くなっています。どのような理由からでしょうか。
あまりニーズがないのが現実なのかな、と感じます。施設にも限りがある中で、もう少し有効活用する方法を考えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に哲学堂公園の売店について伺います。決算説明書には、12カ月で23万2596円の使用料歳入がありますが、この事業者募集がどのような形で行われ、いつから継続しているのかお伺い致します。
次に産業振興センター喫茶コーナーについて伺います。決算説明書には、12カ月で94万9224円の使用料からの歳入がありました。事業者募集はどのような形で行われ、いつから継続していたのかお伺い致します。
広さにしては使用料が安く感じるのですが、ここは減免されていたのでしょうか?
減免はされていないとのことですが、キッチンのみの使用料というのは、現実の使用状況を見ても、そのようには受け取れませんでした。今年は4月~6月の3カ月のみで終了しており、今後は契約のあり方などについても考えていかなければいけないと感じます。
いずれにしても、これまで多くの事業で見直しが行われてきていますが、これらの施設に関しては、少なからず透明性や公平性を高めるなど、見直しができたのではないかと感じます。今回は使用料について取り上げさせていただきましたが、他にも見えていないところで、まだこういったものがあるのかもしれません。区政全体を通して、精査をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に平成29年度決算のうち、歳出について伺います。まず初めに、人件費について伺います。財政白書11ページの人件費の推移をみると、平成28年度が200億円から平成29年度202億円と2億円増えています。職員数も平成28年4月1日時点で1889名から平成29年4月1日時点で1945名と56名増えております。中野区は、過去10年間でみると、様々な分野で民営化や委託を増やし、人件費を削減してきました。それに伴い、物件費は年々増えています。一方で、平成29年度は物件費も人件費も増えています。まず、職員数が56名増えた要因を教えてください。
次に、物件費が増えた要因を教えてください。
行政需要の拡大、区民ニーズの多様化によるものと考えますが、一方で、本当に委託化や民営化がすべて経費抑制や区民サービスに寄与しているのかも含め、効果をはかっていかなければいけないと感じます。今年度から指定管理者の労働環境モニタリング事業が開始しています。指定管理者制度も民間活力の活用として区は導入をしています。今年度は初年度という事で試験的に5事業所に労働環境モニタリングを入れていると聞いていますが、今後、どのような計画で続けていく予定なのかお伺い致します。
委託された事業も指定管理を入れている事業も、区民から見れば区の事業に変わりはありません。民間の活力を活用する事に異論はありませんが、クオリティー確保は必要不可欠だと感じています。今後、公契約条例についても検討を進めると区長からご答弁されていますが、質の確保について区はどのように考えているのか伺います。
平成29年度には人事構想が策定されました。人事構想の中には、今後の人員体制についても記載がありました。全体の職員数に関して、平成29年では1985名のところ、平成38年には1850名にとあります。これまでの計画では、児童相談所設置による専門職の増、行政ニーズの多様化による事務系職員の増は見込まれるものの、保育園の民営化や児童館の廃止、技能系職員の退職不補充により、2000人体制は維持ができるとしてきました。一方で、新たに酒井区長が就任をされ、方針転換がされています。それらの施策の方向性に関連することなので、今後の職員定数に関しては、基本構想・基本計画の策定までは見えないところもあります。人事構想のステップには、福祉系H29年度458名のところをH38年度242名とありますが、これは児童館廃止や保育園民営化について前区政の方針のもとに反映されているのでしょうか。
一方で、毎年100名近く(平成29年度は133名)の採用を行っており、今後の職員の年齢構成はこの10年の間には20代30代の職員が半分となります。これからの10年間で人件費の推移をどのように予測していたのでしょうか。
もちろん、人件費が緩やかに減ったとしても、ベテランが減り、若手職員が増えるという事は、人材育成が急務ですし、組織としてそこに力を入れていかなければいけません。平成29年度、副参事心得は何名いらっしゃいましたか。
総括係長になると副参事心得となれるのかと思いますが、総括係長の役割を教えてください。
副参事の横で経験をして、管理職になった時に備えていくのが総括係長だと思います。その経験を積まずに管理職となる職員がここ数年とても増えているように感じます。その方々へのケアは重要だと感じますが、区としてどのように考えていますか?
職員の皆さんの財政的なコストカットについては意識されていると感じますが、これからは限られた職員数の中で、お金だけでなく人の部分も見ていかなければいけないと感じています。年末には自己評価に4種類のシート記入を管理職以外の職員さん全員が行っていたり、行政評価のシート記入も多くの時間が費やされていると聞いています。このような内部管理事務に関しても精査をしていかなければいけないと思います。第2回定例会の一般質問で、RPAについて質問をさせていただきました。こういった新しいシステムなどを入れて業務の効率化を図る事も重要ですが、これまで当たり前にやってきた事務の見直しもやっていかなければいけないと感じていますが、いかがですか。
次に歳出の中で、執行率が低かったものについて伺います。まず、グローバルビジネス推進についてです。当初予算では、平成29年度予算で6027万円計上されていました。平成29年度最終の補正予算で、この地域観光情報プラットフォーム整備事業補助5000万円は減額補正されていたかと思いますが、決算を確認すると執行率0.4%となっています。当初予算から補正予算、補正予算後の流れを伺います。
予算の流れは理解できました。それにしても、年度末の最終補正予算の段階では、中野区グローバル都市戦略調査委託として522万2千円、中野区グローバル戦略推進協議会負担金500万円の2事業を残したという事は、実施できると考えていたのでしょうか?結果的には大部分が執行できていません。この2事業は、当初からどのような事業の実施をもくろんで、どのような経緯を経てこのような結果、執行になったのか詳しく伺います。
一般質問で私たち会派の森たかゆき議員からも質問への答弁でもグローバル戦略展開については見直すとありました。建設委員会でも法人の立ち上げ断念とのご報告があったかと思いますが、そもそも区がやるべき事業なのか、この間ずっと疑問に思ってきました。30年度予算の反対討論でも年々膨れ上がるグローバルビジネス予算への懸念を申し上げました。法人立ち上げの他にも今年度もグローバル戦略の施策に予算がついていたかと思いますが、今年度の事業に関してはどのように進めていく予定か教えてください。
グローバル戦略推進は、身の丈にあわない大きすぎる目標を掲げた計画だったと思いますが、やはり地に足がついた計画ではなかったように思っています。何より、区民を置き去りにした戦略だったがゆえに、関係者との調整がうまくいかずにつまずいてしまったのではないでしょうか。今後は方針を転換し、区民を主役においたシビックプライドの醸成を目的にした事業に再構築していくという事です。このような考え方の転換は歓迎するところですが、これからの区政は区民を中心に考えて施策展開をしていっていただきたいと思っています。
次に不妊相談支援事業について伺います。平成29年度から新たに始まった事業のひとつに、不妊相談支援事業があります。この間、多くの議員から望んでいても子どもを授かる事が難しい方々に対する支援が必要ではないかとの声、また少子高齢化対策調査特別委員会の中で、不妊治療に関する勉強会を経て様々な要望があったことから、まずは相談支援という事でスタートした経緯があるかと思います。まずは、この事業の概要をおしえてください。
平成29年度決算を拝見すると、予算現額が793000円なのに対し、支出済額が330763円、執行率が41.7%となっています。それぞれ当初予算の見込みの人数と実績をおしえてください。
実績を見ると、専門相談は3枠×6回の18枠ですべて埋まっているわけですね。しかし、ピアカウンセラー相談会や妊娠を望む方への保健指導事業は中々利用率があがらないとなると、少しスキームを考えないといけないと思います。専門相談だけが執行率が高い理由をご担当さんはどのようにとらえていますか?
今年度もこの不妊相談支援事業に79万3000円の当初予算が計上されていましたが、平成29年度と同じスキームになっているのでしょうか。伺います。
今年度の現時点での事業実績をおしえてください。
区長は選挙の公約に不妊治療助成も掲げられていました。もちろん、不妊治療は身体的にも精神的にも金銭的にも大きな負担があるので、相談支援が必要ではないと言っているわけではないのですが、やはり、ニーズは相談支援ではなくて、治療につながるところなのではないかと思います。東京都の特定不妊治療助成に上乗せをしている自治体は23区でいくつありますか?
その他に不妊治療助成を出している区はありますか?
特定不妊治療助成に所得制限を設けていない自治体はありますか?
先日の来住議員の一般質問への答弁「特定不妊治療の財政負担への助成など検討していく」とありました。この東京都の特定不妊治療ですが、体外受精と顕微授精のみが対象となっています。また、特定不妊治療に至る過程の一環として行われる男性不妊治療にも一定の助成制度が設けられています。昨年度から東京都では、不妊検査にも助成を始めましたが、年齢制限が35歳未満と東京都にお住いの方々が不妊治療を始める年齢に即していないと感じます。さらに、35歳未満という制限は妻のみにあり、夫の年齢には制限がありません。男性不妊も35歳を超えると妊娠率が下がる事は様々な研究で明らかになってきているのにも関わらず、です。不妊治療は特定不妊治療に至るまでも大きな時間とコストがかかります。不妊治療の流れは、まず初期の様々な検査から始まり、血液検査によるホルモン値により排卵日を予測するタイミング法、人工授精、それでも妊娠に至らなかった時に初めて体外受精や顕微授精にステップアップすることとなります。
文京区では、男性不妊の検査(精液検査および内分泌検査)に対して、1回に限り最大1万円の助成をしています。女性は不妊治療に入る前に、感染症検査やホルモン値などの血液検査に加え、甲状腺の検査、卵巣年齢を見るAMHテスト、卵管造影や通水検査、ヒューナーテストなど、多くの基本検査が必要です。すべて保険適用されず、総額で大体7~8万円という安くないものになっています。中野区でもぜひ不妊治療の助成制度は作るべきと考えます。ただ、特定不妊治療に至る前にこういった検査費用も負担になることから治療自体を諦めていらっしゃる方もいるのではないかと感じます。単に東京都の特定不妊治療に上乗せをするというスキームだけではなく、男性と女性ともに初期の検査費用に対しての助成制度など、年齢制限や所得制限の有無も含め、いろいろなスキームを検討し不妊治療への助成制度を創設・実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
今回、執行率が低かった2事業について取り上げましたが、これまで予算がついている事を理由に「執行しなければいけない」という意識で事業を行っているものもあると思います。手段が目的化している事業も散見されます。本当にPDCAのチェックの部分が働いていたかも疑問です。これは、行政評価の部分にかかわってきますが、全ての事務事業に関して、漫然と予算を執行するのではなく、本当に区民にとって必要な施策なのかの洗い出しが必要です。もちろん、最終補正で減額修正をしている施策も中にはありますが、必要がないと判断するのであれば、「やめる勇気」もしくは「方向を転換していく」という事も考えていかなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
職員の皆さんの中では、しっかりと精査しているという意識をもって取り組んでいらっしゃるのかと思いますが、グローバルや例えば数年前にとん挫したスリーポイント制度など、トップダウンで決まった政策に関しては、職員の皆さんから中々必要ないと言えなかった事も理解をしています。しかしながら、酒井区長は「ボトムアップの区政」を目指して当選されてきましたので、職員の皆さんには現場の声をしっかりと届ける事をしていただきたいと思いますし、区長には聞く耳を持ち続けていただきたいなと思っています。
関連して、決算のその他で行政評価について伺います。主要施策の成果(別冊)行政評価結果が配られております。この中で、各部の評価基準のチェックシートを拝見させていただきました。この15項目のうち、6番に「事業や取り組みの実施において、区民の生命、身体及び財産に被害を生じさせることはなかった。また、区の行政運営、行政サービスに重大な支障を及ぼすことはなかった」という項目があります。この項目は当たり前に〇がついていなければいけない項目であると考えます。全体を通して確認したところ、1.経営室生活交通安全分野、2.都市政策推進室都市観光地域活性分野、3.環境部ごみゼロ推進分野の3つだけ、この6番の項目に〇がついていませんでした。それぞれ、どのような理由で〇をつけなかったのか教えてください。
行政評価の分野のところを見ても、3分野とも今ご答弁いただいた事が記載をされていません。ひとつの分野なら、その分野のご判断で記載がないのかな、と思いますが3つともない状況を見ると、今の行政評価制度にはこういう悪いことは書かない、というような基準があるのでしょうか。伺います。
行政評価の中に悪い評価を書かないという事は、間違った事や失敗してしまった事に蓋をしてしまっている、反省が出来ない行政評価であれば、やっている意味がありません。何人かの職員さんとお話をしていて気が付いたのですが、「行政評価」の「評価をする」という言葉の定義が、違うのかなと感じました。評価はいい評価も悪い評価もあるはずですが、中野区では評価というのはいい評価のみなのかな、と。PDCAのCはCheckです。英語の意味は調べる、とか点検する、とか検査する、が直訳で「評価」ではないんですよね。(評価はValue、Evaluateなど…)
さいたま市、川崎市、府中市などでは、行政評価制度を「事務事業点検」として行っています。もし「評価」という言葉が今の状況を生んでいるのであるとしたら、今後行政評価制度自体の名称から考え直していかなければいけないと感じますが、いかがですか。
予算編成方針について伺います。本年8月29日に行われた政策会議で決定した平成31年度予算編成方針の内容が区のホームページにアップされています。いうまでもなく、31年度予算は酒井区長が就任されて初めての予算編成になり、この予算編成方針が予算を編成する際においての区の一番基本的な考え方になるものと考えます。この予算編成方針の内容を拝見させていただくと、これまでと構成は同じですが、すべてを通して「エビデンスベース」という言葉が多く出てくるところに着目をしています。この「エビデンスベース」とは、どのような考えなのかまずご説明ください。
客観的な数字的根拠や業務データの分析、経費の試算などはとても重要なことです。一方で、データのとり方によっては区民ニーズを図り間違える事もありえます。声なき声にもしっかりと対応をしていかなければいけないと考えますが、いかがですか。
「政策課題への的確な対応」の冒頭では「新しい基本構想・基本計画の策定に向けた議論を注視しながら、これまでの計画に沿って進めてきたまちづくりや施設の整備等についても、改めて将来に向けた十分な検証に立ち返り、必要に応じて区民との対話等を行いつつ、着実に推進することが必要である」となっています。必要に応じて区民との対話等を行いつつという部分はどのような想定が考えられるのでしょうか。
「新規・拡充事業」では、「エピソードベースではなく、エビデンスベースで事業計画作成を徹底すること。また、これを担う職員が知識、発想力を磨くよう、専門書の購読経費など、日常的に専門知識等を習得するための経費についても一定程度計上するものとする。」とあります。
酒井区長が職員時代から取り組んできたカイゼン運動や、また勉強会など、職員の育成にも力を入れてきたと思いますが、こういった文章が予算編成方針に含まれるという事は、とても大きなことだと思います。これは、人材育成のための経費ととらえてよろしいでしょうか。
新規事業による経費増加分については、関連する既存事業の統合再編、見直し等事業のスクラップにより実施経費を生み出していくことを基本とするとされています。これは、昨年度とほとんど変わらない考え方ですが、各部や各室の中で新規拡充の事業分については経費を生み出してくださいという考えでよろしいでしょうか。
これまでも、それでは中々財源を生み出せていなかった現状があるかと思いますが、ここの部分はなぜ継承したのでしょうか。
「事業の評価・改善」では、「PDCAの経営サイクル」が抜かれ、「十分に効果が得られているかどうかを評価し」と付け加えられました。我が会派の森議員の一般質問でも、「言葉」に関しても整理をしていくべきと質問をさせていただきました。さきほどの行政評価に対するところでもお聞きしましたが、文章の中には位置づけられているものの、「事業の評価・改善」だと「廃止」という選択肢が中々見えないのではないかと思います。制度そのもののあり方についても今後検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
これまで、PDCAサイクルの下、行政評価の結果をもとに施策展開、事業内容の見直し、改善を行ってきていました。予算編成方針過程で、これまでは12月頃に事業の見直しや新規拡充事業が議会へ報告されていました。第2回定例会の答弁で、予算編成過程の公開もできるところから行っていくとご答弁されていますが、スケジュールをおしえてください。
各部の当初要求額が見えた後に、見直しや新規拡充事業が示されるという理解でよろしいでしょうか。
平成31年10月には消費税の10%への引き上げ、そして同時に幼児教育の無償化が行われる予定となっています。幼児教育無償化は、引き上げ分の財源を活用するとしていますが、無償化に要する経費の一部を自治体が負担することになった場合は、特別区全体で少なくとも300億円を超える規模になると見込まれています。一方で、法人住民税の一部国税化をはじめとした税制改正などによる大幅な減収の影響により、10%段階での特別区の増収は約76億円にとどまると試算されています。金額的な影響ももちろんですし、それらに向けた事務量の増大や待機児童対策などにも大きな影響を与える事が容易に想像できます。平成31年度予算はこうした状況下での予算編成となり、大変難しい作業になると想定されます。23区区長会で国へ要望書も出しているそうですが、ご担当として、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
次に妊娠出産子育てトータルケア事業について伺います。中野区は平成27年10月から妊娠出産子育てトータルケア事業を開始。全妊婦を対象に保健師さんや助産師さんが面談をし、各家庭のニーズに応じた支援プラン「かんがるープラン」を作成しています。面接を実施した妊婦さんに対しては、育児パッケージを配布しています。この妊娠出産子育てトータルケア事業は、今では全国から多くの視察が来るほど、先進的な取り組みを進めています。
妊娠20週を目安に面談をされていたかと思いますが、現在面談をしている保健師さんや助産師さんは、区が委託をしている事業者の方々です。妊婦さんも様々な情報を一度に提供されてしまうと中々すべてを覚えているのも難しいと思いますが、せっかく区が行っている産前産後のサービスについて、適切に情報提供ができるよう、区としてもサポートをしていくべきと考えます。たとえば一覧で見やすくまとめるなど工夫をする必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。
厚生労働省の研究班が、2016年までの2年間で産後一年までに自殺した妊産婦は全国で少なくとも102人いたと9月5日に発表しました。うち、3名が妊娠中、99名が産後に自殺をされたという衝撃的な内容でした。産後のケアが非常に重要だという事がこの発表を見てもわかります。現在、区では「こんにちは赤ちゃん訪問事業」を実施していますが、大体産後どれくらいで各家庭を訪問できているのでしょうか。
産後うつを発症しやすいのが、出産施設から退院し少し経過した産後2週間~1カ月の時期とも言われています。(ハイリスク初産で25%が2週間、17%が1カ月)こういったタイミングで訪問をする事で、産後ケアなどにつなげる事が重要だと考えますが、いかがでしょうか。
特に初産では、すべてが初めてのことで、孤立した環境で経験したことのない不安を抱えて子育てしている方も多くいらっしゃると思います。産後うつもそうですが、虐待防止の観点からも産後ケアは非常に重要だと考えます。現在、中野区ではショートステイ、デイケア、ケア支援者派遣サービスと3種類の産後ケアサービスがあります。平成29年度、延べ667人が利用をされています。ショートステイは区内区外あわせ4か所、デイケアはすこやかなどの区の施設も含め7か所、ケア支援者派遣サービスは1社のみとなっています。3つとも公募をされ1年契約ですので、手を挙げてくれる事業者が出て条件を満たすことができれば契約になるのかと思います。利用される方々の選択肢を増やし誰にでも利用しやすい制度にするためにも、ぜひ委託事業者の充実も考えて行っていただきたいと考えますが、いかがですか。
この産後ケア事業ですが、現在東京都の特定財源が26年~31年までの5年間で行われており、来年度までとなっています。昨今の虐待に関するニュースなど、この産後ケアに対する財源を切るなんて事はないと信じていますが、今後の財源確保については、ぜひ動向を注視していただきたいと思います。
今年3月に都議会議員が足立区で行われた性教育の授業について問題視し都議会で取り上げた事を発端とし、第2回定例会でもほとんどの会派が代表質問で性教育について質問するなど、都議会でも動きが出ています。また、多くの専門家は必要性を訴えています。虐待防止を議論する際、0歳児の虐待死が一番多いことからも、予期せぬ妊娠への対策は避けて通れない課題だと感じています。まず、中野区での10代の中絶件数は把握されていますか。(区内医療機関で29年度15件)
妊娠・出産支援事業委託のライフプラン講座では、医師会の協力の下、妊娠出産に関わる講座を開催していますが、区立中学での開催もあるのでしょうか。伺います。
4つの中学校で活用されているという事です。乳児に関わる命の授業を行っている小学校3校や中学校4校もあります。秋田県では、医師と連携して中学3年生を対象に踏み込んだ授業を14年間続けた結果、10代の中絶件数は324件から71件に激減しています。ライフステージに応じて、子どもたちを守るという観点からもとても重要だと感じています。学校教育の中での性教育に関しては、現在東京都が「性教育の手引き」の今年度中の改訂に向けて調整をしているところかと思います。東京都の動向も見ながら、先進的な事例として以前とりあげた文京区が行っているハッピーベイビープロジェクトなど他自治体の取り組みを参考にするほか、こういった事業の活用なども考えていただければと思います。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
区長へ緊急要望書を提出しました
「東中野駅西口における区指定喫煙所の設置について」に対する緊急要望を立憲民主議員団として区長に提出しました。2年後に東京オリンピックパラリンピックが開催される予定の中、受動喫煙防止条例が東京都で制定されるなど、大きな動きがある中で、まだ区の喫煙所設置の方針や受動喫煙防止に対する考え方が定められていません。その中で、現在設置が予定されている箇所は人通りが多く、また、信号で滞留する場所でもあります。受動喫煙被害が懸念される中で設置すべきではないという立場から緊急要望を実施いたしました。内容は以下になります。お読み取りいただけると幸いです。
「東中野駅西口における区指定喫煙所の設置について」に対する緊急要望
平成30年第2回定例会にて一般質問を行いました!
本日、平成30年第2回定例会本会議にて一般質問を行いました。
1.施政方針説明について
(1)これからの区政運営について
酒井直人区長におかれましては、6月10日に行われた区長選挙で36758票を獲得し、初当選を果たされた事、心からお祝い申し上げます。投票率も前回に比べ4.96%あがり、34.45%、得票率は39.5%となりました。まだまだ高い投票率とは言えませんが、過去20年間で一番高い投票率になりました。酒井区長への期待感と区政への関心が高まったことへの表れでもあると感じています。
区長はこれまで22年間、区の職員として中野区政にご尽力されてきました。その中で、区長選挙に立ち上がろうという決意をされるまでには、大きなエネルギーが必要だったことは容易に想像ができます。区政の何を変えるべきと感じ、立ち上がったのか。酒井区長自身が立ち上がらなければいけないと思い至った改善すべきところはどこだとお考えなのか、伺います。しかしながら、選挙戦を通じても、これまでの区政について評価をされている部分についてもご発言がありました。私たち会派も、これまでも議会の場やそれ以外でも、前区政のさまざまな功績については評価をしてきたところです。酒井区長は、財政運営の考え方など、これまでの区政をどこまで踏襲していくのか、伺います。施政方針説明の中で、政策決定過程での「区民参加のあり方」が問われた選挙だったとおっしゃっております。中野区では、自治基本条例を制定しており、その中で区民の区政への参加の権利を保障しています。参加の仕組み自体はありますが、説明会やパブリックコメントで区民から出された意見が反映される事はほとんどなく、これまでも度々形骸化をしていると申し上げてきました。酒井区長が考える「区民参加のあり方」はどうあるべきなのか、お答えください。また、選挙戦を通じては、対話を重視する区政への転換をお話されておりました。人々の暮らしや価値観が多様化する中で、多様な生き方や個性、価値観を受け入れることのできる地域社会を築いていくためには、様々なバックグラウンドの方々との対話は重要になると考えます。多様な区民との対話をどのように行っていくのでしょうか、伺います。
区議会との関係についても伺います。現在区議会議員は41名おりますが、私たち議会も中野区民から選ばれた区民の代表です。議員はそれぞれ直接区民の身近な存在として、その生活の実態に触れ、その多様な声を聴き、それらを会派を通じて議会全体の政策として反映していくことが私たち議会の基本的な仕事です。住民参加のあり方を構築していく際には、議会との関係についてもしっかりと考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。所信表明の中では、基本構想と基本計画についても触れられています。基本構想の制定にあたっては、区民ワークショップや基本構想審議会をはじめ、多くの区民と意見交換を重ねて策定をしていくとおっしゃいました。その方向性については支持をするところですが、区政が変わった事をスピード感をもって区民に示していく事も大切だと考えます。いかがでしょうか伺います。この項の最後に、区長の任期について伺います。今回の選挙戦では、多選に対する批判を繰り返しうったえられていました。ご自身の多選に対する見解とご自身の在任期間についてどのようにお考えか、伺いこの項の質問を終わります。
(2)「区民と向き合う区役所への転換」について
次に区民と向き合う区役所への転換について伺います。酒井区長は、6月15日の区長就任あいさつの中で、「これからの中野区政を作っていくうえで、最も重要な役割を果たすのが区政の最前線で常に区民と接している職員の皆さんです。臆せず地域に飛び出し、区民と交流する機会を増やしてください。区民の皆さんともフラットな関係、すなわちまちづくりのパートナーとして関係をぜひ築いてください。また、組織の中でも自由闊達に議論する環境を整えていきます。職層を超えて、フラットな場をつくり、私をはじめ、誰もが遠慮することなく議論する組織風土を作っていきましょう」とお話されました。また施政方針説明の中でも職員提案制度の改善や地域に飛び出し活躍する職員の育成などによってボトムアップ型区政への転換を図り、区民と向き合う区役所づくりを推進しますと述べられました。
まず職員提案制度の改善について伺います。この制度は平成14年から始まりましたが、平成22年以降ひとつも提案があがっていない事はこれまでも指摘をしてきました。また、区長のアイデアボックスも制度としてはあるものの、同じく平成22年度以降ひとつも提案がありません。
スタートした初期の頃には毎年数件の提案がありましたが、だんだんと減ってしまった事には、求められていた質が高すぎてしまう為ではないかと推測します。区長が話されたようにフラットな感覚で、出来上がった政策だけでなく小さな改善点も提案できるよう、間口を広げる必要があると考えますが、いかがでしょうか。提案された改善策が適当でなかったとしても、職員が抱えている問題の根底を理解する事も必要と考えます。問題意識を無下にしない区役所文化を作っていく事がよりよい提案につながっていくと考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞きします。
現在、採用2~3年目の職員の研修には、政策立案の研修も含まれています。この中には、新任管理職と一緒に具体的な政策立案について学ぶものもあると聞いています。この研修の成果物は、区長や副区長に報告されていると伺っています。こう言った、研修を通じた政策立案も提案制度の対象としてみるなど検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
酒井区長は、おもてなし運動推進委員として初期のころから区役所内の改善活動に力を注いでこられました。全国でのネットワークづくりにもご尽力され、K-netの立ち上げにも関わられ、事務局長もつとめておられました。カイゼン活動には一層思い入れが強いのではないかと思います。一方で、おもてなし運動への取り組みは、分野で温度差があるようにも感じています。現在のおもてなし運動は、自発的な取り組みであり仕事の範疇外という認識ですが、それでも全ての分野が取り組んでいます。また、職員提案制度やおもてなし運動は、それぞれが独立した取り組みであり、組織的に評価をしていくような仕組みにはなっていません。しかしながら、職員にとって自分の提案で区政が改善されていることは、モチベーションにもつながると考えます。評価をしていく仕組みについても今後検討をしていくべきと考えますがいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。
区長就任あいさつの中では、中野区職員は全国一の政策集団になって欲しいともご発言されました。この10年で大幅に職員が入れ替わる事を考えれば、一人一人の能力を最大限に引き出していく事は組織としてとても重要です。研修や人材交流などあらゆる手段で人材を育成していく事が必要だと考えます。中野区は昨年度から人材育成担当を設け、取り組んで来ました。今年3月には人事構想もまとめられ、今後人材育成ビジョンを改訂する予定です。これまでも、人事交流や職員派遣など人材交流はしてきているところですが、さらに活性化をしていく必要性があると考えます。他自治体との交流や、民間も含めてさらに検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
若手職員の中には、自主研究グループで時間外に活動されている方々もいらっしゃいます。酒井区長をはじめとする中野区職員が2010年に始められた自主勉強会NAS(Nakano After Six)は現在も毎月1回行われています。毎回様々なバックグラウンドの講師をお呼びし、今では中野区職員だけにとどまらず、区民や他自治体の職員なども多く参加をしています。私を含め、区議会の皆さんでも参加をされた事がある方は多くいらっしゃるかと思います。現在は他にも区役所内で勉強会が立ち上がっているとの事です。こういった自主研究グループや勉強会に対しては、人材育成担当で補助制度を設けており、講師の謝礼、会議室の利用、機材の貸し出しなどに対し支援し区としてもバックアップをしている状況です。しかし、あまり利用がないとも伺っています。このように自主的に政策を勉強する職員へのサポートは非常に意義深いと思います。周知につとめていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
研修や勉強会だけではなく、区長が若手の職員と対話をしていく事、今仕事や職場で抱えている課題を直接聞く機会も重要だと考えます。区長自らがフラットな職場づくりをしていく必要があると考えます。庁内での対話集会も考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
区長が掲げる地域に飛び出し活躍する職員の育成には環境整備が必要だと考えます。奈良県生駒市では、地域貢献活動促進のため、職員が報酬付きの副業に従事することを認め、「ワークライフコミュニティバランス宣言」を行っています。地方公務員法第38条1項で、職員が報酬を得て事業・事務に従事する時は任命権者の許可が必要と規定されており、昨年8月1日付で「地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事制限の運用について」を施行し、許可基準や手続きなどを明確化しています。
中野区でも「職員の兼業許可等に関する事務取扱規程」に基準を定め、本来の職務に支障が出ない範囲に限るなどのルールの下、兼業を認めています。報酬を得ずに公益的な活動をしている職員もたくさんいるものの、消防団活動など、中には報酬を受け取れない事が地域活動への参加を妨げる一因となることもあるため、この規程により許可をする事は、地域で活躍する職員の育成につながると考えます。区では、これまでに利用実績もあると聞いていますが、中々多くない事も事実です。地域で活躍する職員の育成に寄与するため、周知等につとめるべきと考えますが、いかがでしょうか。
次にモバイルワークについて伺います。モバイルワークもまた、地域に職員が飛び出していける環境整備に寄与すると考えます。中野区でも、職員が出張先などから庁内の情報システムにアクセスできるようなモバイルワーク環境の整備について、新庁舎への移転予定の平成35年頃を目指し導入を検討されています。今回の施政方針説明の中でも、地域に飛び出す職員について触れられており、環境整備さえ進める事ができれば、新庁舎移転を待たずとも導入ができると考えますが、いかがでしょうか伺います。モバイルワークを含むテレワークを実現するためには、業務の見直し、システムの検討、制度・社内ルールの作成があげられます。4月に豊島区のモバイルワーク導入当時の高橋邦夫元情報管理課長からお話を伺いました。モバイルワークを推進するため、豊島区では電子決済率を100%にし、また、すべての管理職にタブレットと携帯電話を配布し、出先でも決裁できる環境を作り出しました。中野区の電子決済率は平成29年度実績で77%※ですが、今後の庁内情報システムの構築により電子決済率もあがり、また、その後に仕組みの構築を進める事ができれば、庁内移転よりも早く導入をすることができると考えます。昨年から議会対応で全理事者がタブレットをお持ちです。こうした資源も有効活用ができるようになると考えます。ご見解をお聞かせください。
次にRPAについて伺います。人口減少社会の一方で、行政需要は多様化しており、業務の効率化は避けて通れない課題だと考えます。RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人がシステム上で、いわばパソコンで行ってきたマウスやキーボードの操作を、ソフトウェア型のロボットに任せ、作業を自動化する手法のことです。世界的に導入が進んでおり、日本でも一昨年の2016年がRPA元年と呼ばれて以降、昨年、今年と急速に普及しつつあります。
RPAはデジタルレイバーとも呼ばれ、教えられた定型業務であれば、24時間365日迅速に正確に働いてくれるというのが最大のメリットです。導入にあたっては、既存のシステムを改修する必要がなく、従来の業務プロセスのまま、人が担っていた部分をソフトウェアに置き換えることが可能です。また、動作の設定や運用にプログラミング等の専門知識が必要なく、商品によってはマウス操作だけでシナリオが作成できるようになっています。さらに、導入コストも数十万円からと、従来のシステム開発を考えると極めて安価であり、費用対効果が非常に高いと言えます。
行政でのRPA導入事例は、まだ多くないのが現状ですが、最も先行している自治体の一つが茨城県つくば市です。同市は、本年1月から4月にかけて、RPAの活用について民間事業者との共同研究を行い、年度内の本格導入を目指しています。市民税課の新規事業者登録業務や電子申告に関する業務、通知書等の印刷業務などの5業務にRPAを導入した結果、作業時間が79.2%、年間換算で336時間の削減が見込まれるという結果となりました。また、市民窓口課の異動届受理通知業務においては、削減率が83.3%、年間換算にすると71時間が削減できるという結果が出ています。市民税課の業務全体の5%にRPAが適用できた場合、年間で1400時間以上の作業時間が削減できると見込まれており、今後は他の部署にも順次導入される予定となっています。この他にも先進的に導入された自治体では、業務の効率化について大きな成果をあげています。RPA導入は、単に人を機械に置き換えて人員を削減するということではなく、ロボットが対応可能なものはロボットに任せて、そのぶん人でなければ出来ない、区民の心に寄り添った相談業務であるとか、創造的な仕事に限られた人材を投入し、行政サービスの向上を図ることができるということです。中野区でも早急にRPAの導入を検討していくべきと考えます。試行的に一部の分野からスタートし成果を見て出来るだけ多くの分野に広げていくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
(3)中野駅新北口駅前再開発について
次に、中野駅新北口駅前再開発について伺います。今回の区長選挙を通じ、中野駅前とりわけサンプラザをどうしていくかは大きな争点として、公開討論会での議論や新聞などの報道でも取り上げられてきました。中野サンプラザに愛着を持っている多くの区民やアーティストからも様々な媒体で発信がありました。酒井区長は、ご自身の公約には、「新サンプラザを新たな中野のランドマークへ」というタイトルで、有識者を交えた、一万人アリーナ計画検証委員会を立ち上げます。スポーツ用途ではなく、私は、現在と同様に文化発信の拠点として区役所・サンプラザ地区を活かしたいと考えています。と記載しています。就任直後の区長記者会見では、中野サンプラザを残すのか残さないのかという点についても、検証をしていきたいとご発言されていました。一部の方々にとって中野サンプラザは中野のアイデンティティになっており、結果的に残すことができないにしても、コスト面などその理由等、区民に公開をした上で議論を進める必要があると考えます。
まず、区長が公約に掲げた検証委員会については、どのような会議体になるのかお示しください。また、どのようなプロセスで中野サンプラザのあり方について検証していくのか、お考えをお示しください。検証委員会開催のスケジュールについても併せてお聞かせください。
中野駅新北口駅前エリア再整備については、都市計画変更の手続きとして、原案が7月に示される予定でしたが、その原案には中野サンプラザ跡地に道路を通す方向性が位置づけられています。中野サンプラザ継続の是非が含まれる以上、一旦見合わせるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。一方で、この都市計画変更の原案には、中野駅西口の整備に関わる部分も含まれています。今回出されない場合は、西口改札の着工にも影響が出てくるものと思われますが、それに関してはどのようにお考えか、お聞かせください。今回、中野サンプラザのあり方が大きな争点となったわけで、再整備をどうしていくかについては、広く区民に公開した上で議論をしていくべきと考えます。その上で、出来る限り西口の整備に関しては、完成スケジュールに遅れが出ないよう努力していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
いずれにしても、中野サンプラザと区役所エリアに関しては、これまでは新区役所の建設費用に充てるとしておりました。基金を使う事も区役所・サンプラザ跡地の活用も、区民の財産を使う事に変わりはないですが、中野サンプラザを残す検証結果になった場合には、これまでの考え方ではない方法で新区役所建設費用221億円の捻出をする必要が出てきます。こうした課題の洗い出しを早急に進めた上で、検証委員会での議論がされるべきと考えますが、いかがでしょうか。
(4)公園再整備について
次に公園再整備について伺います。今回の選挙戦では公園再整備についても大きく議論されました。まず、平和の森公園再整備について伺います。酒井区長は、ご自身の公約に「平和の森公園の草地広場は残します。第二期工事で予定されている300メートルトラックは、不要です。草地広場を残します。」と記載をしています。所信表明の中でも、第2工区の工事内容について、もう一度区民の皆さんの意見をしっかりとお聞きした上で、300メートルトラック、バーベキューサイトなどの必要性についても判断いたします、と触れられました。区民の意見をどのように聞いていく予定なのか、伺います。その上で、第2期工事について、どのようなスケジュール感で判断をしていくおつもりなのか、お示しください。平和の森公園再整備については、1期工事と2期工事、一括契約をしています。2期工事の内容に変更が出る場合は、違約金などが発生する可能性もあります。選挙を通じて広場が自由利用できることを求める区民の声は多く、一定程度は必要な経費と考えてはいますが、区長はその点についてどのようにお考えか伺います。
次に哲学堂公園再整備について伺います。中野区はこれまで、哲学堂公園および水の塔公園を核とした都市観光拠点の推進について、井上円了氏の没後100年にあたる2019年に国の名勝指定を目指し再整備の設計を進めてきました。この事業に対し、今年度11億7,400万円という多額の予算が計上されています。3月14日の建設委員会には、「哲学堂公園再整備基本設計および学習展示施設基本設計について」が報告されました。元々の素案の段階からは設計変更されたものの、児童遊園の位置に学習展示施設を建設し、現在の1600㎡から1200㎡になってしまうものとなっており、これまで哲学堂公園の児童遊園を使われていた方々には少なからず影響が出てくると考えます。
これまで中野区は哲学堂公園一帯の観光拠点化を進めてきていますが、そもそもこのエリアが本当に観光拠点となると考えるのでしょうか、区長のお考えをお示しください。我が会派も、文化財の保全に関しては理解を示してきました。一方で、観光拠点としての可能性がどれくらいあるのか、以前に雑誌で哲学堂公園のPR事業を実施していながら、その効果も把握しておらず、観光拠点となりうるのか区が調査しているようにも見えません。地域に愛される特色ある公園づくりには反対をしませんが、国の名勝指定を受けるために、区民の皆さんの使い勝手が悪くなるのであれば、それは見直していく事も必要だと考えます。もし哲学堂公園にある特色ある文化財の空間をより深く理解してもらうために、学習展示施設が必要なのであれば、今ある管理棟の場所に建てるなど、配置についても再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。名勝指定に関しても、区長自身が文化庁などの関係機関と交渉をするなど、出来うることをやっていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。
公園としての価値をあげる事も重要ですが、区民の財産である公園が区民に愛されなければ元も子もないと考えます。地域の理解を得ながら、哲学堂公園再整備を進めていくべきと考えますが、ご見解をお聞きしこの項の質問を終わります。その他はございません。以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
平成30年度予算案に反対の討論を行いました
3月12日に行われた本会議において、反対討論を行いました。
予算案は、自民党、公明党、都民ファーストの会、石坂議員の賛成多数で可決されました。共産党、立憲民主、むとう議員、近藤議員、小宮山議員、細野議員は反対されました。
「第6号議案 平成30年度中野区一般会計予算について立憲民主議員団の立場から反対討論を行います。
人口の増加などにより特別区税は増えている一方で、地方消費税交付金の清算基準の見直しによる減収や、ふるさと納税などは今後も影響が続きます。
10か年計画では義務教育施設整備基金に毎年10億円の積み立てを行う計画を、今回の予算編成では基準となる一般財源規模を超過した分の歳入など総額56億円を義務教育基金に積むという判断をされました。施設改修は学校施設だけにとどまらず、また今後少子高齢化に伴い増大する社会保障費への備えも必要です。計画そのものの信頼性を損ねるような場当たり的な対応は避けるべきです。
個別の事業では、就学援助入学準備金の前倒し支給、保育士確保策、国保特定健診の受診率向上施策、児童相談所の設置準備、介護従事者の定着支援事業、総合的な住まい対策推進体制の整備などについては評価をしますが、平成30年度予算案には、将来にわたり大きな懸念となる可能性のある中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の1万人規模のアリーナ計画も含まれております。仮にアリーナの所有に中野区がかかわるということになると長期にわたって不安定要因を抱え込むことになります。「所有」と「運営」のあり方をどうするのか、施設の経年劣化による潜在的なリスクを誰が担うのか、資金をどうするのか、そうした根本的な問題に対する見通しが立たないまま、アリーナ建設ありきで事業が進んでいくことは拙速と言わざるを得ません。何より、このアリーナ計画そのものが区民にとってどのようなメリットがあるのか、住民の福祉の増進に資するものなのか、いまだ区の説明では理解出来ません。
PDCAサイクルは本当に機能しているのでしょうか。中部地域スポーツクラブ、産業振興拠点、地球温暖化対策推進オフィス、そして旧桃丘小学校跡施設は、同じ問題の構図を抱えています。いずれも区が当初想定していたスキームをもとに民間事業者を公募したものの、当初描いていた絵とは大きく異なるものとなってしまいました。同じ失敗を幾度と繰り返している中、区が取り組もうとしているグローバル戦略推進も同じ過ちを繰り返す懸念があります。平成27年のグローバル事業開始時には予算は1350万円弱でしたが、来年度の関連予算は1億円を超えることとなりました。法人の活動財源の構成も当初の予定から変わってきています。シティマネジメント推進法人の設立も予定より1年半遅れており、当初区が進めようとしていた方向性からも変わっています。民間活力を活用すると言いながら、区が人もお金もかけなければ継続できない事業になってしまうのではないか疑念をぬぐえません。本来、区が限られた人材や予算をかけて進めるべきグローバル対策とは、外国人住民の増加に伴う多文化共生のための施策や、未来を創る子どもたちへのグローバル教育や外国語教育です。
また、哲学堂公園及びみずのとう公園を核とした都市観光拠点の推進については、11億7400万円という多額の予算が計上されています。文化財の保全に関しては理解するところではありますが、観光拠点としての可能性がどれくらいあるのか、雑誌でのPR事業の効果も把握しておらず、区が調査しているようにも見えません。これだけの予算をかける価値があると判断をする根拠が見えません。
区長は、施政方針説明で子育て第一へ転換していくとおっしゃいました。一方で、我が会派がこれまで求めてきた、就学援助支援基準の見直しや子どもの貧困の実態調査、SNSを活用したいじめ相談、区立幼稚園の存続、区立保育園の民営化方針の変更、児童館の全館廃止の方針変更など予算への反映が見られませんでした。これでは、「地域社会や行政のあり方を子育て第一に変える根本的な発想の転換」とは言えません。
区民の不安や懸念に寄り添う姿勢、そして対話による信頼関係の構築は非常に重要です。中野区では、自治基本条例の下、意見交換会やパブリックコメント手続きは進められているものの、中身については形骸化しており区民とのコミュニケーションが取れているようには感じません。区側の姿勢により、違う運動体にまで発展をしてしまうケースも増えています。対話によるまちづくりを進めていかなければ、自治体運営は立ち行かなくなります。
平成23年に発した財政非常事態宣言については、いまだ解除宣言をされていません。
改めて、非常事態宣言の解除が必要です。それができないというのであれば、非常事態宣言は区長と区民の間の相互不信の象徴として残ってしまうものと考えます。
権力が長期集中化することにより腐敗が生じます。独善的な傾向が生まれ、職員の士気の低下や政策の偏りやゆがみなど、区役所内やまちが閉塞感に包まれているように思います。当初2期8年を公約にしていた区長は、この2期8年の公約をまず破られ、3期目の立候補をし、そして自らが作った多選自粛条例を改正し4期目に出馬され、さらに5期目に出馬される意向を表明されました。このような姿勢は、ご自身が考えていた多選による弊害の象徴であると考えます。
これら区長の政治姿勢に対しても賛同することができず、以上のことから本議案に反対の討論といたします。」
総括質疑を行いました③(受動喫煙防止について)
3.受動喫煙防止対策について
東京都が第一回定例会に提出予定だった受動喫煙防止条例の提出を先送りしました。厚生労働省は、1月に「望まない受動喫煙」対策の基本的な考え方を発表しました。この中では、2020年オリンピックパラリンピックに向けて段階的に対応をしていくとありました。2月19日、2020年4月1日までに望まない受動喫煙対策を全面実施する方針を決定したとの報道がありました。これまでの案と比べ、規制対象となる施設区分を3区分から2区分とすることなど、根幹となる部分が大きく変更されており、詳細な内容は法案に盛り込むこととされています。このため、法律との整合性をはかるために、東京都は条例提出をいったん保留したとしています。厚生労働省の考え方は大きく後退しており、非常に遺憾ですが、今後の議論を見守らなければいけないと思います。一方で、法施行までに2年しかない中で、中身は不明なところが多いものの、準備を進めていかなければ間に合わなくなってしまうという懸念もあります。
今回、法整備の骨格となるところで、1つめの区分である医療施設、小中高、大学等や行政機関は敷地内禁煙とするとなっています。ただし、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することは可能としています。行政機関がここに含まれるという事は、区役所を含め、すべての区有施設で同じ対応をしていかなければいけない方向性なのでしょうか。国から何か通達は来ている状態でしょうか。
現在、多くの区有施設で喫煙所が入口付近に設置をされています。法律の趣旨は、屋内での受動喫煙を防止する観点が強いですが、屋外でも喫煙所の設置においては充分配慮をしなければいけないと感じています。例えば、現在の中野体育館の出入り口に喫煙所があります。区民活動センターの喫煙所も入口付近にあります。これらのように多くの方が必ず通る導線上に喫煙所を設置することは、受動喫煙防止の観点から逆行していると考えますが、いかがでしょうか。
こういった喫煙所の設置場所を変更するなどの対策がとられるべきと考えますが、いかがですか。
中野駅周辺に設置されている喫煙所でも、多くの方が行き来する導線上の喫煙所があります。特に、中野サンプラザ前の交差点に設置されている喫煙所は、しっかりとした囲いもなく、イベント後などには囲い代わりのプランターよりも外にあふれた喫煙者がいらっしゃる事もあります。その際に、信号待ちの方々はどうしてもその真横で受動喫煙をしながら滞留してしまう状況になっています。受動喫煙から逃れられないような状況であり、改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
中野駅周辺は大規模な集客施設や数多くの店舗が集中しているため、比較的多くの通行量があることから、路上における喫煙は区民等の身体及び財産の安全に危害が及ぶ危険性が高いという理由から、現在中野駅周辺地区は路上喫煙禁止地区に指定をされています。一方で、この地区がどこなのか、あまり知られていないのも現状です。なかのZEROホールに向かう道には「路上喫煙禁止地区」という表示が道路上にペイントされていますが、ほとんどはげていて見えない状態です。これらのメンテナンスはどうなっているのでしょうか。一回総点検すべきではないでしょうか。
「中野区吸い殻、空き缶等の散乱防止に関する条例」が路上喫煙禁止地区を定めていますが、この条例には受動喫煙の観点が含まれていません。おそらく、だからこそ路上喫煙禁止地区を広げる事も進まないのではないかと考えます。受動喫煙防止という観点になると、「健康推進担当」になり、路上喫煙禁止の観点になると「地域美化担当」になる。同じタバコを扱っているのにも関わらず、部も違います。施設になるとそれぞれの施設の担当になります。これで本当に連携がとれるのでしょうか。責任をもって対応をする担当をおくべきではないでしょうか。
毎年5月31日は世界禁煙デーですが、中野区では、「未成年の喫煙を防止しましょう」という横断幕を出していますが、世界禁煙デーは未成年に限った話をしているわけではない中、なぜわざわざ「未成年」と限った形をとっているのでしょうか。
2月18日に、小池百合子東京都知事は、4月1日から都庁と出先機関の事業所を全面禁煙にすると表明されました。中野区内にある該当施設はいくつありますか。どれだけの影響があるのか教えてください。
厚生労働省の研究チームが、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群など、日本での受動喫煙が原因による死亡者数は年間約1万5千人と推計されると発表しています。たばこ税の税収がある事も承知をしていますが、たばこによる医療費や社会的損失はそれを上回るとの試算もあります。健康都市中野を目指すのであれば、区民の命を守るという観点をしっかりと持たなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
豊島区では、第一回定例会にすべての公園を禁煙にする改正条例を提出します。これは、子育て世帯に配慮したまちづくりの一環だそうです。現行では灰皿がある公園では喫煙できますが、今年10月以降は全面禁煙となり、池袋公園や池袋西口公園では壁で仕切られた喫煙ブースも撤去するそうです。地域社会や行政のあり方を子育て第一の形に変えていく根本的な発想の転換が必要だと思います、と所信表明で強く語られていました。しかしながら、受動喫煙対策をとっても、子ども第一の形にしていくようには感じられません。以前も子どもの利用が多い公園は禁煙にすべきだとの質問をしましたが、前向きなご答弁はいただけませんでした。受動喫煙の影響が大きい子どもたちに配慮したルールづくりは急務ではないでしょうか、伺います。
調布市では、受動喫煙対策を行っている市内飲食店に「禁煙ステッカー」の無料配布を始められました。対象は、屋内禁煙か駐車場なども含めた敷地内禁煙を実施しているレストランなどの飲食店で、屋内喫煙室による分煙は認めていないそうです。日本語、英語、中国語、韓国語で「禁煙」と表記されるそうです。登録店は市のホームページにも掲載されるそうです。豊島区も同様ですが、このようにそれぞれの自治体で先行的に受動喫煙防止の施策を進める動きがスタートしています。オリンピックパラリンピックに向け、受動喫煙対策は世界的に約束をしている中、国の対策が不十分なのであれば、東京都内の自治体として考えていくべきではないでしょうか。国や都の動向を見守るだけでなく、中野区も独自で取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。
国の健康増進法が施行された際、行政指導を行うのは保健所となると聞いています。これからスタートする民泊の行政指導も含め、今後保健所の負担が大きくなっていきます。人員配置など含め考えていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
総括質疑を行いました②(公衆衛生施策について)
2.公衆衛生施策について
(1)感染症対策について
2020年オリンピックパラリンピックが2年後に迫り、観光客など多くの外国人が日本に出入りをしています。外国人の来街者はこの先も増えていく事が予想されます。インバウンドが期待をされますが、一方でテロや感染症に関しては充分に対策を講じる必要があります。現在、予防接種には定期接種と任意接種があります。ワクチン接種は、自分を守るためにも地域社会を守るためにも、非常に重要です。予防接種の接種率は高いほどその感染症を制圧できていると言われています。
接種率が95%に満ちていない定期接種は平成28年度決算の実績ですと、B型肝炎49.7%、MR2期92.7%、水痘93.9%になります。HPVワクチンも定期接種ですが、これに関しては次の項で触れます。接種率は目標値を定めて目指していく必要があると考えますがいかがですか。
今年度から予防接種履歴管理システムが導入されています。これにより、今までより受診勧奨に取り組みやすくなります。転出入が多い中で、他自治体との連携も今後の視野に入っているかとは思いますが、現段階ではどこまで管理ができているのでしょうか。
受診率が目標に達していない予防接種については、この管理システムを利用し積極的に受診勧奨を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
乳幼児の予防接種は、お子さんが一度風邪を引いてしまったりすると、すでに隙間のない予防接種スケジュールがずれてしまい、タイミングを逃してしまったりすることもあると聞いています。もちろん、かかりつけ医の推進などで、そこはカバーできている部分も大きいとは思いますが、今後の受診勧奨のあり方なども含めて考えていくべきと考えますがいかがでしょうか。
定期接種は、接種率が目標に達していない予防接種でも、ある程度の接種率があり、平時であれば社会的には制圧できていると言える状況にあると考えます。一方で、多くの外国からの来街者により、日本で制圧できていても入ってきてしまう感染症もあります。一昨年は麻疹が流行しましたが、これもそのパターンでした。こういったケースが発生すると、定期接種がスタートした後の年代は予防接種を受けているので安全ですが、抗体がない世代もあり、その年代への対策が必要になってきます。国立感染症研究所では、どの年代に各感染症の抗体がないか等の調査「感染症流行予測調査」を実施しています。感染症対策に非常に有効なデータが蓄積されていますが、この調査を区の感染症予防の施策を推進する際に活用すべきではないでしょうか。
数年前には、デング熱が流行って騒動になった事もありました。今後、グローバル化が進む中で、日本には媒介していなかった感染症が入ってくることもあります。結核なども定期的に流行が発生しています。ワクチンで完全に防げる感染症を予防できない国で、ワクチンすらない感染症を本当に水際で防げるのか。それが一番懸念すべき点だと思います。公衆衛生という観点からも、しっかりと予防医療を推進していっていただくようお願いをします。
今年はインフルエンザが大流行しました。これは季節的なものですが、高齢者や小さいお子さんが罹患すると死に至るケースもあります。インフルエンザワクチンは、重症化を防ぐことが目的とされています。中野区では今年度から、小児インフルエンザ任意予防接種事業が始まりました。生後6か月~就学前までの子どもに1回につき1000円、2回まで助成をしています。また、平成13年からインフルエンザは定期接種として65歳以上の方と60歳から64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫機能のいずれかに障害があって身体障害者手帳1級相当の方に対し、助成をしており、自己負担額2500円で受けられます。小児インフルエンザに関しては、今年度からの事業ですが、2つのインフルエンザ事業の現時点での接種率はどうなっているでしょうか。
日本では、1962年から学校での集団接種を開始しており、1976年には義務化され、小学生から中学生まで広範囲に集団予防接種を行っていました。効果がないという学説やメディアの影響で綿密な検証もないまま、1994年に予防接種法が改正され、集団予防接種は中止されました。日本では、集団予防接種が中止になってからは、超過死亡者数が増加傾向にあります。今、アメリカなど先進国では、この日本で行われていた集団予防接種は高く評価されており、それらの国では日本の集団予防接種を公衆衛生の成功事例として若年層への集団予防接種を推奨しています。陰謀論やニセ化学に惑わされる事なく、公衆衛生の観点から、接種率をあげるなどの努力をしていってください。
(2)子宮頸がん対策について
周知のように日本では、子宮頸がんワクチンは、2013年4月に定期予防接種化されました。しかしながら、わずか2カ月後の6月に、ワクチンを打った子を持つ保護者たちから、神経の異常を思わせる症状が始まったという訴えを受け、国は子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を一時差し控えする事を決定しました。それから5年近くが経過しています。2017年11月30日、医師でジャーナリストの村中璃子さんが、科学誌「ネイチャー」などが主催するジョンマドックス賞を日本人で初めて受賞されました。その講評は、「子宮頸がんワクチンをめぐるパブリックな議論の中に、一般人でも理解可能な形でサイエンスを持ち込み、この問題が日本人女性の健康だけでなく、世界の公衆衛生にとって深刻な問題であることを明るみにしたことを評価する」とされました。村中璃子さんは、これは日本という国への警告でもある、と語られています。5年間もどっちつかずの状況にしてきた厚労省には、大きな失望を持ちますが、積極的勧奨が再開されていない以上、自治体で出来ることは限られていると思います。積極的勧奨が行われれば、個別通知が各ご家庭に郵送されますが、今は情報を各ご家庭で得て、判断をしている状況です。区は、区民が正しく情報を知ることができ、理解した上でワクチンを打つか打たないかの判断ができるように環境を整備していく事は重要だと考えています。
まず、昨年度の子宮頸がんワクチンの接種率をおしえてください。
この接種率は、受けるか受けないかの判断すらしていない、できていない数字に見えます。今回、厚生労働省が情報を更新しパンフレットを作成しました。中野区ホームページにはこのリンクは貼られています。このパンフレットに関しては、中野区ではHPにリンクを貼る以外なにか活用しているのでしょうか。
前回、ワクチンのメリットとデメリットを情報提供すべきという質問をし、区のホームページに載せていただきました。以前より情報量が増えたことは非常によかったのですが、「積極的勧奨の中止について」がトップに来ており、情報が公平に扱われているように見えません。品川区のホームページでは、シンプルに、積極的勧奨を差し控えていますという文章の下に、※なお、中止ではありませんので、接種を希望される方は定期予防接種(無料)として受けることができます。と記載されています。わかりやすい表記についても工夫をしていくべきだと考えますが、いかがですか。
また、子宮頸がんワクチンの効果については記載がありますが、子宮頸がんそのものについての説明が不十分に感じます。子宮頸がんはもちろんお亡くなりになる方もいらっしゃるのが現状ですが、年間10000人が罹患し、その多くが子宮を摘出している事実があります。記載内容をもう少し充実させるべきと考えますが、いかがですか。
副反応事例とみられた症状で苦しんでいる方々は中野区ではいらっしゃいますか?いまだに回復されていない方はいらっしゃるのでしょうか。伺います。
副反応疑いの事例に関して、HPVワクチンが原因と科学的な根拠がないと報道されましたが、その子たちが苦しんでいる事には変わりはありません。先日わたしも参加をさせていただいた日本産婦人科学会主催の公開講座では、子宮頸がんワクチンの有効性が立証されたという報告もありました。そのこととは別に支援をしていくべきだと思います。区のHPを見ると、2010(平成22)年11月26日から2013(平成25)年3月31日に、HPVワクチンの接種を受けた方は公益財団法人予防接種リサーチセンターから医療費・医療手当の支援が受けられる可能性がありますと記載があります。それ以降に接種をされた方への救済措置はどうなっているのでしょうか、伺います。
今回の村中璃子さんのジョンマドックス賞受賞や、日本産婦人科学会の研究発表など、これまで動きが見えなかった厚労省が積極的勧奨を再開する可能性は少し高まってきたと考えます。国が積極的勧奨をストップしていた過去の事例では、日本脳炎がありますが、再開された際はどのような措置がとられたのでしょうか。
もし積極的勧奨が再開された際、積極的勧奨されていなかった間の接種していない対象者にも広げる可能性が高いと考えます。子宮頸がんワクチン接種に関しては、HPV感染がない事が前提なので、性交経験があるかないかで対応が少し変わってくる可能性はありますが、対象人数を把握しておくことは重要だと考えます。受けていない対象者の人数(今後、国が積極的勧奨を再開した際に、対象となりうる人数)は何人にのぼるでしょうか、伺います。
国の動向を見ながら、しっかりと対応をしていただきたいと思います。
今年度の子宮頸がん検診の未受診者対応に関しては、対象者が罹患者数の多い年代になっておらず、効果的な対策になっていないと感じていました。来年度の受診勧奨には予算が乳がん検診の受診勧奨と併せて936万9000円となっていますが、どのようになっているでしょうか。
子宮頸がんはマザーキラーとも呼ばれ、罹患率も死亡率も小さい子どもを持つ世代が非常に高いがんです。罹患率が高い年代にしっかりと検診を受けていただくという事が非常に重要だと考えていますので、今後ともその観点は忘れずに対応をしていただくようお願いをしこの項の質問を終わります。
予算特別委員会で総括質疑を行いました①(児童虐待防止について)
1.児童虐待防止について児童虐待の件数は全国的に年々増加傾向にあり、中野区では昨年度実績、通告件数で464件、虐待対応件数で123件ありました。子どもたちの健やかな育ちと学びのためには、虐待対応も早期発見による早期解決が求められます。虐待死の90%以上は0歳児と言われており、妊娠期からのサポートも重要です。中野区では、妊娠・出産・子育てトータルケア事業での妊婦面談を平成27年10月にスタートさせました。まず、平成28年度実績で、妊婦面談(カンガルー面談)の対象者数、面談実施数を教えてください。
妊婦面談の未受診者対策は何か行っているのでしょうか?
中野区では、妊娠出産子育てトータルケア事業など、他区に比べると妊娠期から出産期はほぼ網羅していますが、その後も切れ目のない支援が重要だと考えます。
中野区の虐待を受けている子どもから見た虐待者は母親が101人で71.1%、父親が37人で26.1%、合わせて97.2%となっています。虐待する親の傾向としては、体罰の肯定感、子育てに対する自信喪失、子育てに対する疲労・疲弊感、子育てに対する完璧志向性などがあげられるとのことです。子どもを虐待してしまう親でも、ほとんどの方が子どもに愛情を持って子育てをしています。山梨県立大学西澤哲教授は、「これらは、子育て中に誰でも一度は感じる思いであり、大切なのは育児不安・育児困難を抱えた時に周りがサポートできるかどうか。本人が弱いのではなく、支える周りの力が弱いのです」とおっしゃっています。貧困や発達の課題、孤立する育児など、困難が重なる事により、虐待を引き起こしてしまうケースが多い状況です。首都大学東京子ども若者貧困研究センターの阿部彩教授は、東京都の子どもの生活実態調査から、生活困難層の親は次の世代に暴力をふるうという事や、20歳までに親から暴力を受けた保護者は生活困難層に多い事。自分の親から暴力をふるわれた保護者は、自分の子どもに暴力をふるう割合が高い事。また、親から暴力を受けていない層も生活困難度が高いほど暴力をふるう事が判明したと発表しています。このような調査結果からも、暴力・虐待の連鎖はしやすく、連鎖をストップさせるには、親への支援が不可欠だと考えます。現在の親支援はどうなっているでしょうか?
就学前の子どもたちと比べると、学齢期の子どもたちは、網羅できているのでしょうか。スクールソーシャルワーカーが各家庭の状況を把握できるポジションにいらっしゃると考えます。そういった予兆のあるご家庭へのアプローチについては、スクールソーシャルワーカーの活用が有効であると考えます。まず、現在の活動の状況を教えてください。
今年度SSWを1人から3人に増やしています。その効果も見ながらではありますが、きめ細やかな対応のため、SSWの数を増やしていく事も含めて、虐待を早期に発見し早期支援につなげていく対策を考えていくべきだと思います。いかがでしょうか。
次に児童相談所の移管への準備状況について伺います。中野区は平成34年児童相談所開設に向け準備を進めています。今年度は心理職を4名配置していますが、来年度の専門職の配置はどうなるのでしょうか、伺います。
児童相談所の職員配置について、中野区は法定の人数は揃えていく予定ですが、きめ細やかな対応をしていくためには増員ということも考えるべきなのではないかと考えます。いかがですか。
家庭に戻る事ができない虐待被害にあってしまった子どもたちは、児童相談所の一時保護所、乳児院、児童養護施設と社会的養護につながっています。厚生労働省は昨年7月、親元で暮らせない子どものうち、未就学児の施設入所を原則停止する方針を示しました。また、施設以外の受け入れ先を増やすため、里親への委託率を現在の2割未満から7年以内に75%以上とするなどの目標を掲げました。2月26日に元宝塚女優の瀬奈じゅんさんが0歳児と特別養子縁組を行い、母親になったことを公表されました。特別養子縁組を含め、里親制度は子どもたちの健やかな育ちのためには、区としても推進をしていかなければいけないと考えます。来年度予算に新規でショートステイ協力家庭事業委託等 425000円が計上されていますが、この事業内容を教えてください。
里親の委託率は全国平均で18.3%ですが、自治体によって大きな差があります。さいたま市が平成18年度末6.3%から平成28年度末33.9%、静岡市が平成18年度末18.5%から平成28年度末45.5%、福岡市が平成18年度末12.6%から平成28年度末39.7%に増加させるなど、大幅に伸ばした自治体もあります。これらの自治体では、児童相談所への専任の里親担当職員の設置、里親支援機関の充実、体験発表会、市町村と連携した広報、NPOや市民活動を通じた口コミなど、さまざまな取組が行われています。ぜひ、先進的な取り組みも参考にしながら、進めていっていただければと思います。
資料の厚生30「人工妊娠中絶年齢別実施件数、妊娠届出数(前年までの5年間)」を出していただいています。妊娠届の数は平成28年度実績で3329件に対し、中絶件数は329件、10%近くになります。この数を見ても、若年層からの「予期せぬ妊娠」への対策は進めていかなければいけません。現在、中野区内では、「いのちの授業」として乳幼児ふれあい体験を4校の中学校で行われています。非常に有効な取り組みだと考えますが、体験をした子どもたちの感想などわかれば教えてください。
乳幼児ふれあい体験は、地域の団体などとの連携とご努力で実施されているとの事です。非常に良い取り組みだと思いますし、大きな効果があったと伺っています。ご協力いただける乳幼児親子や団体が限られていることや、ご負担もあると思いますので、中々対象校を増やすのは難しいとは思いますが、なるべく多くの子どもたちに体験してもらえるよう、区としてバックアップするなど、工夫をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
最近では、身体的虐待やネグレクトに比べ、心理的虐待の件数が伸びています。これは、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案(面前DV)について、警察からの通告が増加しているとのことです。自他尊重の教育としてデートDV教育を行っている自治体もあります。中野区での実施状況はどうなっているでしょうか。
例えば、いのちの授業と関連をさせるなど、よりよいパートナーシップ関係を築いていけるようデートDVについて認識を高める取り組みを推進していくべきと考えますが、いかがでしょう。
体罰について伺います。厚生働省は、昨年5月に体罰や暴言の悪影響などを説いたパンフレットを作成して、「愛の鞭(むち)ゼロ作戦」というキャンペーンを展開し、地方自治体などと共有をしました。中野区では、このパンフレットの活用は何かされているのでしょうか?
学校教育法では、体罰の罰則規定が含まれており、小中学校や幼稚園はここでカバーされています。一方で、児童福祉法では保育士の体罰に関しては、明確な罰則規定がありません。保育所保育指針の中で、人権尊重の観点から暴力的な言葉を使用しない、体罰を行わないなどの記載はあります。もちろん、今なにかが起きているわけでもないですし、体罰をしないことは当たり前の認識として保育士さんたちも持ってらっしゃいます。一方で、保育施設を急ピッチで増やしていく中で、質の担保というところでは、考えていかなければいけないのではないかと考えます。いかがでしょうか。
今回触れたところ以外にも、子どもの貧困対策、母子支援、発達児童支援など、複合的に絡みあっている問題です。子育て第一へとの転換となるよう、今後もきめ細やかな対応をお願いし、次の質問に移ります。
区長の施政方針説明に対する一般質問を行いました
1.施政方針説明について
(1)これまでの区政運営について
まず、区長選挙の公約に関する質問を行います。
区長は、平成14年6月に行われた中野区長選挙において2期8年を公約に掲げ初当選をされ、これまで4期16年勤められてきました。2期8年の任期満了後の3期目に出られる際は、自らが提案をした自治基本条例の多選自粛の条項「区長の任期は3期12年まで」とする条例が可決したことで、3期目の立候補が理解されたとご判断され、立候補されました。4期目の選挙に出馬される際は、ご自身で提案され成立していた自治基本条例の多選自粛の条項を削除する条例改正案を議会に提出し、可決され立候補をされました。そして、今回の施政方針説明の中では、「現在の任期は本年6月をもって終了しますが、引き続き区政を着実に前に進めるべく全力をもって臨んでいく決意を新たに致しました。区民の皆様のご判断を仰ぎたいと思っています。」と、6月の区長選挙で5期目の挑戦をされるご意向を表明されました。
私たち会派はこれまでずっと多選の弊害を訴えてきました。今、それがいろいろなところにあらわれていると感じています。区長は、4期目の選挙前の中野区議会定例会で、自らが作られた多選自粛規定に関し、期数を区切って交代を求めることは、多選による弊害を回避するためには、一定の有効性があるという考えは変わらないとご答弁されています。4年前は多選の弊害についての自らのご見解を述べられているところでありますが、今回の施政方針説明では触れられておりません。多選の弊害についての、現在の区長のお考えをお聞かせください。
(区:一般的に多選によって首長が漫然と任期を重ねることで自治体の行政が停滞あるいは偏ったものになるという弊害の可能性があるという議論があるということは認識をしています。しかしながら、期の短い首長であっても行政が停滞したり、偏ったものになるということは当然おきうるわけであります。期数そのものがそうした弊害の原因であるということではないという認識を私はもっています。仮にそうした弊害があると仮定したとして、そうした弊害を回避するためには候補者がビジョンを明確に示して選挙戦が行われ、区民がそれを判断する。その結果の区政運営を踏まえ、成果の評価と次なる目標について選挙で主権者の判断を仰ぐ。このことが民主主義の王道であると考えておりまして、多選が即座に区政の停滞や偏りの弊害を招くというものではないというふうに考えているわけであります。)
施政方針説明の中では、たびたび区政の継続性について主張されているところでありますが、今後の区政課題はいつ辞められても残ってしまうものと考えます。本当に継続性が必要なのであれば、今の区長がやられている仕事を引き継げるだけの人材を自らが育成し、後世につなげていく事こそ、多選の弊害の回避、そして継続性の担保ではないかと考えますが、お考えを伺います。
(区:今回継続性について述べているのは、現在進行している事業や構想を停滞させたり後退させてはならないということであります。首長が交代をすれば、理念やビジョンが変わる事になり、現在進行中の事業も変更されるわけであります。そうしたことは、今日の中野区政ではあるべきではないというのが私の考えであります。)
平成26年区長選挙で、区長は選挙公報のこれまでの実績の中に「開かれた区政運営」の項目で、自治基本条例の制定、区民の知る権利、意見表明権を保障と記載されました。果たして、この実績は文字から伝わる内容となっているのか、疑問です。自治基本条例にのっとり、区民説明会やパブリックコメントは確かに行われています。一方で、参加された区民説明会で区民が何を発言しても、パブリックコメントで意見を寄せても、意見が反映されることはほとんどないように感じます。過去5年間の反映状況は、意見交換会13件、パブリックコメント2件でした。ほとんどが、文言の訂正やわかりやすい表記などにとどまっています。実施するか否かも区の裁量によって決められています。4年前に自治基本条例を改正した際には区民説明会やパブリックコメントの手続きはとられませんでした。そもそも、区民説明会やパブリックコメントは何のために行われているのでしょうか。自治基本条例の前文にある区民の意思に基づく決定と運営が、今の中野区では行われているのでしょうか、見解をお伺い致します。
(区:区民参加については、自治基本条例に定める意見交換会やパブリックコメント手続きのほか、区民の声や対話集会、各種施策に関わる区民説明会、区民の参加する外部評価などPDCAの各段階において様々な角度から実施をしております。こうして出された区民の多様な意見については議会のご意見と併せて、充分に踏まえた上で、区として総合的に判断して施策の構築、検証、改善につとめており、そのひとつひとつをすべてを施策に反映することができないということはあると思っていますが、自治基本条例の精神にのっとって、そうした手続きをしっかりと区政運営ん中に活かしていると考えております。)
区長が作られた自治基本条例の理念は素晴らしいものだと考えています。すべての区民が納得する計画を作ることは難しいですが、できるだけ多くの区民にご理解いただけるよう最大限のコミュニケーションはとるべきです。「どうせ意見を言っても反映されないのであれば、説明会に行っても仕方がない」という声をよく耳にします。説明会の場で、区民からの質問に「もう決まったことだから」という意見を聞き入れない姿勢に大きな失望を持たれている方も多くいらっしゃいました。本来、意見交換会やパブリックコメントは区民と区のお互いの信頼関係を構築するコミュニケーションの場であるべきですが、区側の姿勢により、例えば区立幼稚園の民営化や区立保育園の民営化、江原公園の区立認可外保育施設建設、東中野桜の木の伐採、哲学同公園再整備など、最近では違う運動体にまで発展をしてしまうケースも増えています。区民の不安や懸念に寄り添う姿勢は非常に重要だと考えます。改めて、自治基本条例の理念に立ち戻り、区民の多様な参加を保障し、区民の意思に基づく決定と運営が行われるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
平成22年3期目の区長選挙の選挙公報には「24時間365日どこでも区役所」のタイトルで、区の窓口を毎日8時まで開庁と記載をされています。区議会の議事録を確認しましたが、区の窓口を毎日20時まで開庁するという議論は確認できませんでした。2期8年区長を経験された後に出馬された選挙公報に書かれた公約です。この公約を実現するために、庁内でどのような議論が行われたのかをお示しください。また、なぜこれまで議会への報告がなかったのかも同時にお聞かせください。現職が掲げられた公約であれば、根拠があって記載されるものと考えますが、見解をお聞かせください。
(区:24時間365日どこでも区役所につきましては、窓口の開庁の拡充とあわせて電子申請手続きの拡充、区のHPでの各種案内や、申請書ダウンロードサービスの提供などの取り組みで進めてきたところであります。区役所窓口の夜間休日開庁につきましては、窓口最適化計画に基づきまして平成22年4月に平日夜間の窓口開庁時間を毎週火曜19時までから毎週火曜と木曜の20時までに拡充するとともに、休日窓口を第3日曜日から毎週日曜日としたところです。この実施状況を踏まえまして窓口開庁の更なる拡充を目指したところでございますが、平成23年3月に東日本大震災が発生しまして、逼迫した電力需要に対応するため、夜間休日窓口の一時停止など節電対策を講じたところでございます。なお、こうした区としての緊急対策につきましては、「がんばろう日本緊急対策中野2011」として平成23年6月に策定しまして、議会にも報告させていただいたところでございまして、今に至っているところです。)
平成26年第一回定例会区民委員会に出された資料「ごみ減量と資源化推進の今後の進め方について」の中では、家庭ごみ有料化について、平成27年6月に「家庭ごみにおける費用負担の導入に係る素案」が提出される予定でしたが、その際には提出されず、未だに出されていません。一方で、平成28年に策定された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中では計画に位置付けられております。今回の施政方針説明の中では、「ごみ減量と資源化率の一層の向上を図る…」と家庭ごみの有料化には触れられておりません。4年前の区長選挙における区長の選挙公報なども確認いたしましたが、家庭ごみ有料化に関する記載を見つけることはできませんでした。家庭ごみ有料化は当然区民に新しい費用負担をお願いする話ですが、10か年計画に位置付けられ区民に新たな費用負担を求めるのであれば、争点として隠すのではなく、公約として明記をし、区民の審判を仰ぐべきです。見解を求めます。
(区:区は平成26年3月14日の区民委員会への報告の中で、家庭ごみにおける費用負担の導入に向けた検討の方向性を明らかにし、この間、ごみ分別アプリの配信や、陶器・ガラス・金属ゴミの資源化など、ごみの減量と資源化に総合的に取り組んでまいりました。今後もこうした施策を進めることにより、家庭ごみの費用負担の導入に向けた環境を整えていきたいと考えております。)
次に10か年計画に関連してお伺い致します。区長は、施政方針の区政の将来に向けた取組の中で、「昨年度からスタートした第3次の新しい中野をつくる10か年計画に基づく区政運営は着実に軌道に乗っています」とおっしゃっています。一方で、たった2年しか経過していない中で、すでに計画に変更がされてきている箇所も見受けられます。例えば、温暖化対策推進オフィスは、現在の賃貸借契約終了後に売却予定となっていました。平成29年8月の区民委員会で、「中野区温暖化対策推進オフィスの廃止及び廃止後の施設活用について」が報告され、区政課題の解決を図る観点から総合的に検討の結果、売却はせず、地域の懸案事項である区民活動センターの整備及び喫緊の課題である保育定員の確保に活用することが報告されました。その後の議会では、施設の活用に変更もありうるととれるようなご答弁もありました。10か年計画では地球温暖化対策推進オフィス売却の収入を環境基金に積み立てる計画でしたが、売却しないとなると環境基金がどうなるのか、また公共施設マネジメントなど多方に影響が及びます。
これは一例ですが、いくつか2年の間に計画が変更、または進んでいないものも出てきています。これで本当に10か年計画に基づく区政運営は着実に軌道に乗っていると言えるのでしょうか。見解をお聞かせください。
(区:10か年計画や基本構想で描く10年後の中野のまちの姿を実現するために中長期的な目標と戦略を示す計画であり、目標の達成をするための手段である事業につきましては、PDCAサイクルの中で目標達成を目指して展開しているところでございます。したがいまして、個々の事業内容や事業量は常にその成果を把握し、社会経済状況の変化を見据えながら、見直しを行っている為、取り組み内容や時期につきましては、状況に応じて変動することもやむをえないと考えているところであります。将来像の実現にむけた施策の基本的な方向に変更はなく、10か年計画に示す様々な取り組みにより、目標に向けて区政が着実に進んでいると認識しています。)
10か年計画の改訂プロセスでは、改訂素案の中で唐突にU18プラザの廃止や区立幼稚園の民営化が示されました。子どもたちの健やかな育ちと学びに何が必要なのか、それを一番に考える子育て支援を進めていかなればいけないと考えますが、そうなっているでしょうか。U18プラザは、中高生の居場所だけではなく、乳幼児親子の居場所としても活用されており、多くの方が利用されていました。U18廃止後の跡地活用として、民間保育園、学童クラブ、子育てひろばを開設する予定ですが、10か年計画に「安心して産み育てられるまち」を掲げ、子ども・子育て支援事業計画に「地域に育まれ豊かに育つ子どもたち」という目標を定めている以上、地域資源を子育て分野同士で取り合うようなやり方はできる限り避けるべきだと考えます。
区は、子ども・子育て支援事業計画が策定をされたおよそ10か月後に、区立幼稚園を全廃し、民間こども園へ転換する方針を示しました。計画には何の記載もなかった方針であり、こちらも唐突な印象を受けるものでした。就学前教育の充実の検討の中では、保幼小中の連携強化を図ることとしており、こうした施策を進めるに当たっては、その時々の現場の状況や課題を的確に把握しておくことが求められます。そのためには区として幼児教育の実践の場を持っておくことが欠かせません。それは保育園についても同じです。平成28年第4号陳情「区立幼稚園存続を願うことについて」と第7号陳情「区立幼稚園の存在意義について再検討を願うことについて」は、平成28年第三回定例会において議会の賛成多数で可決をされていますが、その後の議会では計画を変更するつもりはないと区はご答弁されています。特に子育て施策については、切実な声がある中で、計画を変更するつもりはない区政が「区民とともに創っていく」という姿勢ではないのではないでしょうか。見解を伺います。
(区:区民の代表である区議会の意思については重く受け止めている必要があると考えている。その一方で、区としてはその時点で最善の方策が何かということを議会での議論や区民の方々の意見も踏まえまして総合的に検討をしたうえで判断しているところであります。今後も社会状況や区民ニーズの変化などに対応しながら、区議会の意思や区民の意見などをじゅうぶんに踏まえたうえで、施策の立案、実行につとめていきたいと考えます。)
現在、中野区ではボトムアップの政策提案がほとんどされていないのではないかと感じています。区には職員提案制度、また区長へのアイデアボックスという制度がありますが、区長の3期目がスタートした平成22年以降は、職員提案制度とアイデアボックスともに提案が1つもありません。仕事において創意工夫や挑戦といった積極的な取り組みへの意欲を奪っているような状況なのであれば、その現状を変えなければいけません。今後、大きく職員の年齢構成が入れ替わり、中野区は新しい発想をもった若い職員が増えていきます。そのような柔軟な発想が気軽に発信できないような風通しの悪い職場であれば、区民にとっても、また中野区にとっても大きな損失です。基礎自治体の職員は、住民に一番身近なところで仕事をしているからこそ職員一人一人の意欲や能力が向上することにより、区民サービスへ直結すると考えます。風通しの良い職場にしていく事が急務だと考えますが、区の見解をお聞かせください。
(区:区では職員の自発的な提案や改善の取り組みとして、平成14年度に職員提案制度、平成15年にアイデアボックス制度、平成16年におもてなし運動を順次開始したところでございます。中でもおもてなし運動は単なる接遇の向上ではなく、業務の効率化を図る改善活動の一環であり、職員の主体的な取り組みによって組織および職員の活性化をし中野区に関わるひとりひとりについて満足度の高い区役所を作る目的として幅広い包括的な活動を展開してきたところであります。また、おもてなし運動でございますが、各部を代表する若手職員で構成される推進委員会が主体となりまして、他自治体や民間企業への視察、区内企業との勉強会など実施するとともに、職場ごとの改善プランの作成や実践、全庁的な発表会を通じまして、職場の活性化や職員の意欲や能力の向上につとめているところでございます。今後もこうした取り組みを通しまして、風通しのよい職場づくりに取り組んでいきたいと考えております。)
議会から指摘を受けていたのにも関わらず、指摘に耳を傾ける事なく大きな問題に発展した旧桃丘小学校跡地施設の問題もありました。中野区と学校法人タイケン学園との間で旧中野区立桃丘小学校跡地にて事業を行う5年間の協定を締結しました。平成28年3月、タイケン学園は契約期間が過ぎる9月以降も施設を継続して使用する旨を主張。その後調査で、基本協定及び賃貸借契約に違反する行為が徐々に判明したため、訴訟案件にまで発展をしました。契約を締結した直後の平成23年第3回定例会決算特別委員会で、我が会派の酒井たくや議員から、タイケン学園への疑義を指摘していたのにも関わらず、チェック体制が組めていませんでした。この件では、多額の区民負担が発生していますが、建設委員会に経緯を説明したものは提出されましたが、契約の在り方、協定、リーガルチェック、協定事業のチェック体制など、充分な検証と総括がいまだ行われていません。悪いことが起きた時に認めない姿勢は今後も同じ失敗を繰り返す懸念、そして組織の閉塞感にもつながると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
(区:旧桃丘小学校跡施設活用事業については、平成29年8月の建設委員会において主な経過、桃丘小学校跡施設の活用について、土地建物明け渡し等請求訴訟にかかる支出と収入について、総括を行い、報告をしたところであります。現在区は全庁的に契約書や協定書の作成など準備行為からリーガルチェックを基本とするこのことを決定するなど、組織体制を強化しているところであります。)
区でやるべき事業の精査も必要だと考えます。タイケン学園と協定を結んでいた事業は、本来区でやるべき事業だったのか。民間に任せておくべき事業を実施したからこそ、このように区民負担を増やしてしまったのではないでしょうか。地球温暖化推進オフィスの活用やグローバルビジネスなども同様ですが、民間に任せておくべき事業に区が関わる必要はないと考えます。区の見解を求めます。
(区:民間の事業にあっては、民間のみにゆだねた場合、事業採算性などの問題から区内での振興が進まず、区が望むような成果が得られない可能性があるものもあるわけであります。そうした場合、一定程度区がリードして進める必要もあると考えています。タイケン学園との協定により実施した事業については、若い表現活動者の育成やアニメ産業への就職、アニメプロダクションへのあっせん、文化芸術の活動の発信場所としての作品展示や上映活動等の文化芸術の情報発信、地域イベントへの参加などが行われ、街の活性化に一定程度成果があったと認識しています。複雑化、多様化する社会においては様々な主体と連携することで、政策効果を高めることができる事案が今後ますます増えていくところであります。連携にあたりましては、官民の役割分担や税投入の妥当性、こうしたことを十分見極めて取り組みを進めてまいります。)
(2)平成30年度予算(案)について
平成30年度予算(案)は、一般会計が1427億6800万円で、前年度比134億2200万円増、過去最大規模の予算案となっています。承知のように、本年6月には区長選挙が予定されております。他の自治体では、首長選挙が行われる年の予算は本格予算ではなく骨格予算を組むところもあります。平成26年第一回定例会予算特別委員会総括質疑でも区長選挙の年の予算は骨格予算にすべきではないかとの質疑をしたところ、区は「骨格予算を編成することになると、事業の一時的な停滞を招くことになり、少なからず区民生活へ影響を及ぼすことになる。こうした事態は避けなければならない。」とご答弁されています。政策的なものの中には、現在の課題に対応する取り組み、例えば、待機児童対策や子育て支援施策、地域包括支援、また国や都で進めている事業など、どなたが区長に当選されたとしても区民生活への影響が大きく停滞することなく進めなくてはいけない事業も含まれています。一方で、区長選挙を経ることにより、方向性が大きく変わるような事業も今回の予算には含まれております。例えば、グローバル戦略などについては、区長の肝いりで進められている施策ですが、当初予算に含まれていなくても区民生活に影響を及ぼすことはありません。このような施策については、区長選挙の結果を受けて対応を考えるべきです。区の見解をお聞かせください。
(区:区民生活にとって欠かすことのできない事業を滞ることなく継続性をもって着実に予算に反映させることが、区民にとって最も重要なことであると考えております。現在提案している予算は、様々な区民との意見交換を重ね、予算編成過程でも公表し更に議会での議論も踏まえたものであります。区政の方向性を定めるものとして、必要な事業をまとめたものと考えており、どれ一つをとっても欠くことのできない事業であると考えております。選挙で仮に方向性の変更が選択されるとすれば、区民の意思に基づいて、これが修正が行われるものと考えております。)
区長は施政方針説明の中でも度々区政の継続性を強調されていますが、区長選挙が4年に1度行われる意味も考えなければなりません。平成30年度予算(案)にはいくつか新規事業も散見されます。選挙は民主主義の根幹であるからこそ、選挙の年の予算編成はそこを意識したものになるべきと考えます。区の見解を求めます。
(区:平成30年度予算案における新規の事業は、緊急的な区政の課題に対応したものや、区民や議会からの様々なご意見を踏まえて具体化をしたものであります。課題にそくして進めるべき事業であり、区長選挙の年であることに関わらずこれを停滞させることなく進めることが区民にとって重要なことであると考えているところであります。)
最後に、施政方針説明の全体を通して、区の将来像についてお話になられたほとんどにおいて経済成長が目的のように聞こえます。経済成長は、目的ではなく手段であるべきです。オリンピックパラリンピックをとらえて、「経済構造や人々の生き方・暮らし方など、日本の社会のあり方を転換し、2020年以後も自律的な活力を維持する真に持続可能な社会を作り出していく足掛かりにしていかなければなりません。」とおっしゃいましたが、オリンピックパラリンピックは、本来は世界平和やスポーツ振興、子どもたちへ夢の提供などの視点がまず重要だと考えます。「人口減少社会にあっても持続可能な都市として活力のあるまちを「維持」していくための全員参加型社会」とお話されましたが、全員参加型社会は一人一人が居場所と出番を持つことが出来、イキイキと暮らしていける社会であるべきだと考えます。子育て支援は、すべての子どもの健やかな育ちと学びを第一に考えるべきところ、女性の社会進出の促進と出生率の向上のための子育て支援とおっしゃっています。我が会派は人への投資が未来をつくると考えています。そして、区民一人一人を大切にする区政であるべきと考えます。持続可能な社会を作ることは大切なことだとも考えますが、区民一人一人の暮らしや生活、未来のための区政であるべきと考えます。見解をお伺い致しまして、わたしのすべての質問を終わります。
(区:施政方針説明は、健康寿命の延伸や地域包括ケア体制の構築、安心してできる子育てなど、区民の安心で豊かな暮らしの実現に向けた区政運営について、私の所信の一端を述べたものであります。これらの施策を効果的に実施していくためには、区内経済の活性化と成長も必要不可欠であると考えております。経済成長は手段だという言葉もありましたが、経済成長は手段ではなく必要な条件であります。区は基本構想が描くまちの将来像の実現にむけてこれまで様々な施策を実施をしてまいりました。これらの施策を実施し、区民ひとりひとりが安心して豊かに暮らせるようにするためには、経済や人材など様々な面からまちの活力を維持し持続可能な社会を作っていく必要があります。今後もその実現に向けて全力で取り組んでまいります。)
平成30年度予算要望を致しました
11月27日、民進党議員団として平成30年度予算要望を行いました。
以下が区長へお渡しした予算要望になります。
平成30年度中野区予算要望
平成28年度決算の各種財政指標は健全性を確保しており、また基金残高は過去最高の676億円となりました。しかし、法人住民税の一部国税化やふるさと納税の影響で一般財源は減少しており、また高齢化の進展による社会保障費の増加など、区財政の行き先は楽観視できません。
世界では、米国第一主義を貫く米国大統領が誕生し、核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮との関係は一触即発状態となり、東アジア情勢は不安定なものとなっています。中東やアフリカのみならず、欧州やアメリカも含む世界各地で、気候変動のマイナス影響や社会・政情不安が続く中、不透明感は増しています。
このような先の見通しを持ちづらい状況にあっては、区政には一定の財務規律を保ちつつ、区民の感覚・生活実態を十分に把握しつつ、区民の生活を支える施策、区の持続可能性を高める施策をしっかりと進める必要があります。特に未来への投資としての子育て支援・教育施策については、より一層の予算をかけて取り組むべきです。
こうした観点から、民進党議員団として、下記の事項について平成30年度予算に反映されるよう要望致します。
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公正・公平な中野を目指して
・特別区民税、国民健康保険料をはじめ、すべての区債権の収納率向上
債権の一元管理による効率的な徴収の取組み
差押えを基本とした滞納対策
国民健康保険の適正化(二重加入や未加入問題)の解消
・税金のムダづかいを正す事業評価手法の改善
公共サービスのフルコスト計算による事務事業診断
委託事業全般のコストと効果の検証と公開
外部評価委員会のあり方の見直し
・透明性のある持続可能な区政運営
予算編成過程の透明化
施設整備の見積りの透明化
・良質な公共サービスの提供
「公共サービス基本法」を踏まえ、契約する民間企業・団体の労働
条件の調査(労働モニタリング調査)
上記の調査から、適正な労働条件確保のため、「公契約条例」の制定
効果的な職員育成システムの確立、並びにメンタルヘルス対策
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子どもを産み育てたい中野を目指して
・妊娠・出産・子育てトータルケア事業の充実
対象者の声の把握と事業内容改善への活用
面談を行えなかった方への追跡調査
・保育園・学童クラブの待機児童の解消と質の向上
研修制度の充実や更なる保育士確保への取組み
休日・一時・病時保育や医療的ケアが必要な子どもの保育等、
多種多様な保育ニーズへの対応
・地域力を活かした子育て支援の充実
生活圏内での乳幼児親子の活動の場の確保
子育て支援に取り組む地域の団体への支援
・公教育の充実
学力向上の取組みの強化(少人数指導・習熟度別指導)
体力向上の取組みの強化(部活動支援・外部指導員の一層の活用)
2学期制の検証
老朽化した学校施設全般の改修
校割予算の増額と教育費の充実
校舎建て替えによる生活圏内を越えない仮校舎への通学の検討
国際理解教育の継続および充実(区内大学への留学生との連携など)
学校給食の公会計化、もしくは無償化
・安心して子育てできる環境作りの推進
学校生活に課題を抱える児童生徒の支援
(スクールカウンセラー・ソーシャルスクールワーカーの増員など
いじめ脱傍観者システムの導入(STOPitなど)
巡回指導の充実をはじめとする手厚い特別支援教育
就学前教育の充実
児童相談所の区への移管移設に向けた万全の体制確保
(仮称)総合子ども支援センターと適応指導教室の切離し
子どもの貧困の実態把握と必要な対策の実施
就学援助制度の支給認定基準を生活保護基準の1.15から1.2へ戻す
区内の子ども食堂活動への支援
子ども医療費助成制度の検証
少子化の原因を踏まえた出生率向上対策
不妊治療の助成制度創設
区としての幼児教育実践の場の維持
祖父母世代向け子育て実践方法の啓発ブックレット作成
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安全・安心の中野を目指して
・自然災害等に対する脆弱性の克服と地域防災力の向上
密集市街地・狭隘道路の整備、オープンスペースの確保
木造住宅耐震改修助成制度の創設
高齢者・障害者世帯を対象とした耐震シェルターなどの設置費用助成の検討
被災者支援システムの導入
災害時の区内在住外国人への情報提供体制の整備
実効性ある災害時避難行動要支援者への避難支援等の取組みの強化
避難所機能の充実
被災地復興支援の継続と、支援活動で得られたノウハウの区防災施策への活用
・地域防災力の向上
青色灯防犯パトロールカーのあり方の見直し
防犯カメラに関わる費用負担の公平化
・公的支援を必要とする人を救う仕組みづくり
生活保護の適正支給と受給者への自立支援、就労のためのきめ細かな支援
生活保護の不正受給根絶と医療扶助のチェック徹底
ケースワーカーの負担軽減と現場体制の見直し
・地域包括ケア体制の確立
中学校区単位で基本的な福祉サービスが受けられる体制の整備
地域の人材資源や区内の民間事業者の積極的な発掘・活用
改正介護保険法施行に伴う介護サービスの維持・拡充
すこやか福祉センターを拠点としたアウトリーチによる支援の強化
介護と育児のダブルケアを抱える方への支援
グリーフケア体制の整備
・がん対策
子宮頸がん検診の細胞診とHPV検査の併用検診の実施
がん検診の受診対象者全員の受診券の送付
子宮頸がん検診の全対象者に対する受診勧奨実施(21歳~39歳)
受動喫煙防止施策の実施
・メンタルヘルス対策
メンタルヘルスの正しい知識の普及と相談機関の周知
自殺対策基本計画の策定
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住んでよかったと思える中野を目指して
・住環境の基盤整備
ファシリティマネージメントの早期策定と、それと連動したデマンド
交通の検討
中野駅西口と南北通路デッキ整備の着実な推進
西武新宿線連続立体交差化事業の着実な推進と野方以西への実現
東中野駅東口バリアフリーの早期実現
透明性を確保した新庁舎整備
地域理解を充分に踏まえた学校跡地利活用の取組み
民泊の実態調査と違法な民泊の根絶
住民生活の質の確保を前提とした民泊の在り方の検討
羽田空港機能強化に伴う区民の安心・安全の確保
地域ニーズ、住民要望に応えた学校跡地の活用と考え方の早期提示
・働く世代が余暇を楽しめる環境整備
街の緑化・美化の推進
「できない公園」から「できる公園」へ(キャッチボールができ・動物にもやさしい魅力と特色ある公園整備)
図書館の蔵書の充実、学校図書館の地域開放
区民が文化・スポーツに親しめる環境作り
・地域や住民自身の活動の支援
改正NPO法に対応した、新寄付税制への条例改正
昭和活動区民センターの現地建替え整備
実効性のある商店会活性化支援
・国際交流の推進
幅広い海外自治体との交流と民間交流の支援
オリンピック・パラリンピックを身近に感じられる取組みの充実
・区民の区政参加促進
投票率向上に向けた取組みの強化
若年層への主権者教育の実施
意見交換会・対話集会・パブリックコメントの活性化
U18プラザ廃止の条例に反対の討論を行いました
本日、中野区議会は第2回定例会の最終日です。
今定例会に上程されていた、U18プラザを廃止する条例 第42号議案「中野区立児童館条例の一部を改正する条例」に反対の立場で討論を行いました。以下が、反対討論の内容になります。
『ただいま上程されました第42号議案「中野区立児童館条例の一部を改正する条例」に対し民進党議員団の立場から反対討論を行います。本議案は、U18プラザ上高田とU18プラザ中央を廃止するものです。
U18プラザは中高生の居場所だけでなく、乳幼児親子の居場所としても活用されており、多くの方が利用されています。また、子どもと家庭と学校と地域をコーディネートしてきており、そのような取り組みが芽生えとなって、現在それぞれの地域で放課後の子どもの居場所や乳幼児ひろばなど、子育て支援の自主的な団体が活動もしており、どれも地域では好評です。こういった自主的な子育て支援の活動、子どもの居場所があるのもU18の存在が大きいと我が会派は考えます。廃止するとした場合、乳幼児親子の居場所としての機能がどのようにうまれかわるのかを示すべきだと主張してきました。
本年1月の子ども文教委員会に提出された資料「U18プラザ廃止後の跡活用(案)について」には、民間保育園、学童クラブ、子育て広場を開設するという考え方が示されていますが、子育て広場機能がどの程度の規模になるのか、例えば、現在行なわれているような地域の子育て支援活動が継続できるような規模が確保されるのか、明らかになっていません。
保育園と学童クラブをU18プラザの敷地内に整備するとなると、子育て広場機能は非常に手狭になることが容易に想像されます。公園も少ない中野区において広場と上物が一体となった子育て支援の拠点施設は希少な存在です。
待機児童の解消のための保育園整備の必要性は理解しますが、今年度の「民間保育施設新規開設支援」には約27.7億円余と、家庭で養育されている方への支援とは桁の違う予算が計上されています。保育園に預けず家庭で子育てをされている方々にとっては、U18プラザや児童館は希少な子育て支援の施設であります。
10か年計画に「安心して産み育てられるまち」を掲げ、子ども子育て支援事業計画に「地域に育まれ豊かに育つ子どもたち」という目標を定めている以上、地域資源を子育て分野同士で取り合うようなやり方は出来る限り避けるべきです。
こうした懸念を解消するためには、U18プラザ跡地の活用案に示されたそれぞれの施設がどれくらいの規模になるのかを示すべきです。我が会派としては、それが示されないまま廃止のみを決める事については、賛成をしかねます。以上の観点から本議案に反対の討論と致します。』
第2回定例会一般質問を行いました(2.妊娠・出産・子育てトータルケア事業について)
次に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。
この事業は、妊娠・出産・子育て期におけるすべての妊産婦・子育て家庭に対し、助産師・保健師等の医療専門職が関わることで、出産・育児への不安や孤立感の解消と母子の健康維持増進を図るとともに、妊産婦が安心して出産・育児に臨むために、個々の状態に応じた包括的・継続的な支援やケア・サービスの提供を行うことを目的としています。
今年度からは、新規事業として不妊相談支援事業もスタートしました。これまで我が会派からも不妊でお困りの方へのサポートについては要望してきたところで、不妊相談支援事業が中野区でスタートした事は一定の評価をしています。相談支援事業の中には不妊専門相談、ピアカウンセラー相談会、妊娠を望む方への保健指導事業があります。いずれにしても、不妊に悩んでいらっしゃる方々は相談だけにとどまらず、その後治療につなげていく事が必要になります。区内には不妊治療に取り組まれている医療機関はないとのことですが、相談にいらした方々をどのように実際治療を行う医療機関につなげていく予定でしょうか。伺います。
相談事業がスタートする一方で、今年度中野区で不妊治療への助成制度創設まで至らなかった事は非常に残念です。国では妊娠期よりも前からの支援が必要との認識に立って、妊娠や不妊に関する相談支援、そして特定不妊治療への支援などを行ってきています。特定不妊治療の助成については、平成16年度から国と東京都において不妊に悩む方の経済的軽減を図ることを目的として取り組まれてきました。晩婚化や晩産化などにより、特定不妊治療を受ける方は年々増加しています。不妊治療と向き合っている夫婦は身体的にも、精神的にも、そして経済的にも大きな負担を抱えています。少しでもこうした負担を軽減するサポートは必要だと考えます。これまでも多くの同僚議員が不妊治療への助成について取り上げて来ましたが、区の答弁は研究するにとどまっています。23区内でも半数の自治体が東京都の助成制度に上乗せをする形で補助を出しています。中野区としても不妊治療への独自の助成制度の創設を具体的に進めていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。
中野区では、平成28年度から妊娠・出産に係る普及・啓発事業を開始しています。これは、国の「地域少子化対策強化交付金」を活用した若者への妊娠・出産支援事業を、中野区医師会に委託して実施している事業です。昨年度は、若年層へのライフプラン講座として中野区医師会産婦人科医師による講座を11機関およそ700名に対して実施されたと伺っています。まず、実施した効果を伺います。平成29年度も同じくライフプラン講座を実施予定とのことですが、この補助金を使って実施する事業は前年度と同じものではいけないという規定があると伺っています。今年度、どのようなライフプラン講座を行う予定なのか区の考えをお示しください。
昨年度は、この事業でリーフレットも作成をしています。「女性のからだとライフステージ」というもので、漫画を使ってかわいらしく女性のライフステージごとの記述がされているものの、妊娠出産をテーマに女性のライフステージだけが描かれていること、また男性に関する記述がほとんどないことから、妊娠出産子育てを女性だけのものと印象付けてしまうようなものになっていたのではないかと非常に懸念しています。区はこの事業を実施する際、区議会への答弁で「これから結婚や妊娠を迎えていく若い男女を対象としているものとし、事業の実施にあたり、男女平等の視点を含めより有益な事業となるよう努めていく」とおっしゃっていましたが、果たして完成したリーフレットはそうであったのか疑問です。
区では、今年度もリーフレットの配布予定と伺っていますが、どのようなものを作成する予定なのか伺います。例えば、女性の卵子の老化だけではなく、男性の精子の劣化について、女性特有のがんについて、感染症に関する知識、望まない妊娠をしたときの相談窓口の記載、中絶のリスクなど、様々なライフステージで必要な情報を届けるべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
次に、妊婦検診について伺います。
現在中野区の妊婦検診では、妊娠届を提出し母子健康手帳の交付を受けた方に対し、全部で14回の妊婦健康診査と超音波検査1回分の受診票が配布されています。この受診票を持参することにより、初回で9680円まで、2回目以降で5160円まで、合計7万6760円までの検査費用が助成されます。検査はそれぞれの回ごとに決められており、実際に行われている検査項目と助成対象として回ごとに認められている検査項目が一致していないことが多いようです。例えば、C型肝炎とHTLV-1抗体検査については、2回目以降の検査からでしか受けられないとなっていますが、実際は何度も血液をとられる妊婦への配慮や病院側の手間、分娩病院を決めるためのリスクの洗い出しなどから、1回目にできる血液検査はすべて実施しているとのことでした。結果として、2回目以降にこれらの検査項目を認めるとした助成の仕組みは、妊婦と病院側の手間と採決の苦痛、妊婦の自己負担を増やしてしまっている現状にあります。現在の仕組みのままだと、妊婦の経済的負担を少しでも減らし、子どもを産み育てることを行政としてサポートするというせっかくの補助の仕組みが活かしきれていないのではと思えてなりません。妊婦健診については、東京都全域、共通のルールで行われており、中野区だけが仕組みを変更できるものではありません。そのため、現状2回目以降の検査でしか受けることができないC型肝炎とHTLV-1抗体検査を1回目の検査でも助成対象になるような仕組みの変更を東京都下の自治体に呼び掛けていただきたいと思いますがいかがでしょうか。この件に関しては、平成26年第三回定例会で我が会派の森議員からも同じ提案を致しましたが、いまだ変更はされていません。
また、厚生労働省が例示する標準的な検査項目について、すべてを実施していくべきだとも考えます。厚労省の通知では、超音波検査は4回としていますが、中野区では現在1回の助成にとどまっています。厚生労働省が平成27年に発表した調査によると、妊婦1人当たりに支給された健診費の全国平均は99,927円になり、中野区を含む東京都の自治体より大きく上回っています。経済的な負担の重さから、健診を受けないまま産気づいて医療機関にかかる「飛び込み出産」が問題になった事もありました。また近年は、高齢出産で厳重な健康管理を必要とする妊婦も増えています。日本産婦人科医会は厚労省に「妊婦健診は健康管理上、最低限のもの。公費負担の拡充をさらに働きかけてほしい」と要望もしています。
お金のあるなしで子どもを諦めることがないよう、そして住んでいる場所によって受けられるサービスに格差がうまれないよう、努力をしていくべきと考えます。東京都は、区から提案があれば、都はあくまでとりまとめ役であるため、妊婦検診の在り方検討会などを再び開いて検討する事は可能と伺いました。制度の実情にあわせてより使いやすいサービスにしていくため、中野区も動いていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。お聞きをし、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
第2回定例会一般質問を行いました(2.児童相談所設置に向けた準備について)
次に児童相談所の設置に向けた準備について伺います。
平成28年5月に児童福祉法が改正され、特別区でも児童相談所を設置できる規定が盛り込まれました。この改正を受け、平成28年7月には特別区児童相談所移管準備連絡調整会議が設置され、児童相談所の移管準備を進めるため、児童福祉に限らず、財政、人事等の担当も含めた関係部課長会との連絡調整、東京都との協議、課題調整などの検討を進めていると伺っています。児童相談所設置にあたっては、多くの専門職の人材確保や配置、育成が非常に重要です。区は平成25年度より毎年1人の職員を1年間ないしは2年間、東京都の児童相談所に派遣をし、人材育成を図ってきたところです。また、今年度は新たに専門職を4名採用し、子ども家庭支援センターへ配置をしています。中野区は平成33年に児童相談所の設置を予定していますが、何名の専門職が必要になり、どのような計画で人材確保や人材育成を行っていくのでしょうか。区の考えをお示しください。
平成29年第一回定例会の少子高齢化委対策特別委員会に「児童虐待対応等の機能強化について」報告がありました。その中で、特別区における検討状況として、東京都からの提案では「設置希望区一括での人材育成への対応が困難であることから、2~3区についてモデル的に対応し、その調整状況について、適宜ほかの設置希望区にフィードバックする」とあり、東京都の提案に対し、特別区内で設置時期の最も早い世田谷区、荒川区、江戸川区を基本とし対象区の拡大および速やかな設置計画案の確認を求めることとしたとのご報告でした。先の3区は平成32年度設置予定ですが、中野区と同じく平成33年度設置予定の区は10区あり、3区と同様の支援を東京都から受ける事は中々難しい現状ではないかと危惧します。4月に金沢市の児童相談所を視察、所長にお話を伺ってまいりました。金沢市は平成18年に児童相談所を開設後、2年間は所長補佐としてベテランの児童福祉司を県から派遣し事務移譲を行ったそうです。所長のお話では、事務移管には最低でも2年は必要とおっしゃっておられました。中野区は平成33年設置予定で、あと4年ありますが、同時に多くの区が設置を予定する中、東京都からの支援や情報提供を強く求めていく必要があると考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に、要保護児童対策地域協議会の強化について伺います。法改正により、今年度4月から要保護児童対策協議会への専門職の配置および研修受講が義務付けられました。中野区では、これまでも専門職の配置はしていましたが、研修受講等によりさらに調整能力を高め、関連会議や実務者研修の充実に生かし、協議会の体制強化を図るとしています。要保護児童対策地域協議会は虐待事案等が重篤になる前にどれだけ早く見つけ出し関わり、また支援をしていくのかがとても重要です。関係機関との情報交換や支援内容に関する協議を行う機関であり、調整機関の役割を担う子ども家庭支援センターの役割はとても大切です。児童相談所の設置後は、(仮称)子ども総合センターがこの調整役を担う事となるかと思いますが、要保護児童対策地域協議会が行う支援と児童相談所が行う介入の2枚看板を上手に使いながら、行き届いた対応を行っていく事が必要だと考えます。区の考えをお示しください。
次に、一時保護所について伺います。
中野区は、一時保護所については単独設置をする予定ですが、第三中学校と第十中学校の統合新校の校舎改築に伴い建設予定の複合施設内に設置予定の(仮称)総合子どもセンターとは別の場所に設置をすることとしています。以前に視察をした名古屋市、先日視察をした金沢市を含め、お話を聞いたどこの児童相談所も一時保護所は併設をするべきとおっしゃっています。金沢市の児童相談所では、移管してから最初の3年間は県の一時保護所を使っていたそうですが、併設をした事により子どもへのケアが大きく変わったともおっしゃっておりました。一時的とは言え、多感な時期の子どもが入所し、様々なケアが必要になる施設です。区有施設跡の活用等を含め具体的な検討を進めると昨年12月の報告にありますが、総合子どもセンターと現場は出来る限り連携を図りやすい場所に設置をすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
今後の検討スケジュールでは、一時保護所の相互利用等広域調整の検討を進めていく予定とありますが、広域とはどこまでの範囲を想定しているのか伺います。また、どのような方法を考えているのか区の見解をお聞かせください。伺い、この項の質問を終わります。
第2回定例会一般質問を行いました(1.職員の人材育成について)
6月1日(木)から中野区議会は第2回定例会がスタートしました。
私は、初日に民進党議員団の立場から一般質問を行いました。その内容を掲載致します。
中野区では、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に職員2000人体制実現に向けた計画が位置付けられ、徐々に職員数を減らしてきました。10か年計画(第3次)には記載がされていませんが、これまでの区長の答弁からも、今後も2000人体制を維持していく方針です。中野区が2000人体制を実現した事は評価をしていますが、これからの在り方については検証が必要だと考えます。これから10年は大きく職員が入れかわる時期です。同じ2000人といってもベテラン職員の多い2000人と若手職員の多い2000人ではおのずと仕事の質も変わってきます。また、区民ニーズは近年多様化しているため、その仕事は複雑化しています。自治体職員の役割は重要性を増している状況です。この点をきちんと認識し、若手の職員を確実に育てていく体制が現在の中野区にはとても大切です。
人材育成の観点から、まずメンター制度について伺います。中野区では、平成20年度から育成支援要請研修として、平成21年度からは新人サポーター制度としていわゆるメンター制度を導入されました。新任職員に対し、中堅職員がサポーターとして1年間マンツーマンの指導を行っています。原則として、同じ部署内の職員がサポーターにつき、適宜面談を行い、能力開発や職場の人間関係、将来のキャリアプラン等、幅広く相談に乗っています。一方で、1年間に限っているために、研修の延長である感が否めません。4月1日現在、区職員は男性が1005人 48.91%、女性が1050人 51.09%。男女がちょうど半分というバランス構成を見ても、ワークライフバランスに関すること等についても相談できるようなメンター制度にしていかなければならないと考えますが、いかがですか。現在、区としていくつかの相談窓口と制度がありますが、健康面やハラスメントなどが対象の窓口です。また、女性活躍サポートミーティングとして、女性職員のキャリア支援なども行っていると伺っています。一方で、結婚や出産、育児、介護など人生の大きなイベントを通じ、ワークライフバランスの確立に悩む職員は女性に限らず男性職員などにもいらっしゃると思います。こういった悩みを気軽に相談できるメンター制度の仕組みづくりを検討してみてはいかがでしょうか。ワークライフバランスの確立に悩む職員は今後も増えていくと思われます。能力の高い人材をきちんと育てていくためには重要な観点だと考えます。区の見解をお聞かせください。
中野区では、幅広い知識や経験を有する従来のゼネラリストとして組織に貢献する職員と、エキスパートとして新たな価値を創造する職員が共存する複線型人事制度を築くために、エキスパート職員認定制度を平成23年度から導入しました。毎年度、各部からの需要調査に基づき募集を行い、選考によって認定したうえで、類型ごとに配置を行っています。一方で、エキスパート職員は総括係長までの仕組みとなっており、副参事以上では導入されていません。せっかく専門性をもってキャリアを形成してきても、その専門性を生かしながら昇進できなくては、豊かな人材育成とはならないと考えます。大阪市特別顧問の山中俊之氏は、これまで一度も経験をしたことがない部署、知識がまったくない部署へ管理職として異動すべきではない、と提唱されています。異動が本人のキャリアや育成を意識したものになるべきで、それこそが人材を育てるとおっしゃっています。専門性の高いリーダーも育てて行くための取り組みをしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
2000人体制という少数精鋭の中で、若手職員の間に様々な部署を経験しておくことも必要と考えます。また、現在は各部からの需要調査に基づいて募集を行っていますが、区としてどれくらいのエキスパート職員とゼネラリストとして活躍する人材の割合をどのように育てていくべきかの計画が必要だと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
中野区は平成29年度から、人事分野の中に人材育成の担当副参事が新設されました。急激なスピードで若返りをしている組織を育てなければいけない中で、人材育成の責任者を定める事は非常に重要です。また、若い組織だからこそ、今後の可能性は大きいとも考えます。
葛飾区では、人材育成基本方針を平成22年に策定し、今後の課題と方向性を位置づけたうえで、取り組みの視点や、具体的な取り組み、推進体制などを盛り込んでいます。中野区でも平成23年に人材育成ビジョンが示されていますが、その時から状況は大きく変わっています。若い職員が増加し、活力と可能性がある今だからこそ、中野区でも人材育成の課題を洗い出し、方向性を位置づけたうえで、人材育成の計画を立てるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
臨時会で区議会人事が変わりました
5月22日(月)に中野区議会臨時会が開かれ、区議会の人事が変わりました。
新しく議長にはいでい良輔議員(自民)が、副議長には南かつひこ議員(公明)が選ばれました。
私は後期、会派の幹事長を仰せつかりました。
常任委員会は「総務委員会」特別委員会は「少子高齢化対策調査特別委員会」、また「議会運営委員会」に所属をする事になりました。
引き続き、民進党議員団5名で力を合わせ、仕事をしていきたいと思います。
第4回定例会一般質問(3.骨髄ドナー登録推進について)
最後に骨髄ドナー登録推進について伺います。
血液のがんである白血病を含む血液の病気は、造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)により、治療が可能になりました。国でも平成24年には「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が成立し、平成26年1月1日から施行となりました。
日本骨髄バンクによれば、2016年9月現在のドナー登録者は46万5000人いる一方で、骨髄提供を希望している患者の登録数は3300人あまりです。平成27年度では、95.9%の患者に移植が可能な適合者がいましたが、うまくマッチングができず、移植率は54.6%にとどまっています。骨髄採取には、通常3泊4日の入院、末梢血幹細胞採取は3日~4日通院または入院の必要があり、その期間ドナーの方々は経済活動を停止せざるおえなく、大きなハードルになっています。
このようなミスマッチを少しでも減らすために、せっかくドナー登録をしてくださっている方々の負担を減らし、骨髄提供をしやすくなるような支援が必要だと考えます。骨髄移植を必要としている患者さんにとって、マッチングの期間や成否は、命に直結する問題です。したがって、数多くの新規骨髄移植ドナー登録者を増やす試みや、提供の意思のあるドナーをケアして、いざという時に速やかにマッチングできる環境を整えることが、移植を必要としている血液病患者の治療成績に寄与します。
今年の5月、我が党の「ひび健太郎」名古屋市議会議員が急性混合性白血病と診断され入院をされていました。ドナー提供者を探し、白血球の型が適合するドナーが4人見つかりましたが、いずれも移植に至りませんでした。抗がん剤治療を続け、臍帯血移植を受けたものの、11月3日に35歳という年齢でお亡くなりになりました。ドナーとのマッチングがうまく出来ていれば救えた命かもしれないと思うと、非常に残念でなりません。尊い命を守るためには、早急に対策をする必要を感じます。
平成5年に特別区人事委員会の通知により、「骨髄提供および献血に係る職員の職務専念義務の免除等について」要綱により規定がされました。これは、献血または骨髄ドナーへの登録、検査、採取など、骨髄の提供に要する日または時間、区の職員は職務免除を受けることが出来るというものです。
また、平成27年度から東京都の骨髄移植ドナー支援事業がスタートしました。これは、区市町村が行う、骨髄・末梢血幹細胞の提供を完了した方やお勤めの事業者に対して助成を行う事業で、ドナーには1日につき2万円を超えない額、ドナーが従事する事業所等には1日につき1万円を超えない額、日数は通算7日を上限としています。
東京都では、市独自で制度をスタートしていた稲城市をはじめ、近隣区である豊島区、杉並区、世田谷区、渋谷区など、11の自治体で骨髄提供者に対する補助制度を導入しています。全国では今年度新たに33市区町が実施し、これまでに161の自治体に拡大しています。東京都がこのような制度をせっかく設けているわけですから、中野区としても、骨髄ドナーへの支援を行うべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
骨髄移植等に関する正しい知識の啓発を行い、また骨髄バンク事業における善意の意義と役割について普及啓発をし、ドナー登録者の増加を図る施策も必要と考えます。
骨髄ドナー登録は18歳から54歳までとなります。登録されていた方が55歳を迎えると登録が取り消しになります。また健康な方のみが登録できるため、健康に変化があると登録が取り消しになってしまうこともあり、特に若年層への普及啓発が必要です。平成27年度は登録から外れる人の数が初めて年間2万人を超えました。登録者のうち、最も多い年齢は平成17年12月末時点では33歳でしたが、平成27年12月末時点では42歳になり、高齢化が進んでいます。まず、中野区では骨髄ドナー登録に関し、どのような普及啓発を行っているのかお伺いいたします。
現在、東京都で常設されている骨髄ドナー登録ができる受付窓口は新宿駅周辺の4か所の献血ルームを含む計14か所です。残念ながら中野区内には登録ができる場所はありませんが、新宿へのアクセスは区内どこからでも便利な立地に加え、特に若い20代~30代が多く住んでいる中野区では、積極的に普及啓発をすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
第4回定例会一般質問(2.女性の健康施策について(2)教育および啓発について)
次に、女性の健康施策についてのうち、教育および啓発について伺います。
この項の冒頭にも申し上げましたが、女性が活躍する社会を目指していくという機運が高まっている中で、女性が働き続けるための健康面への配慮は十分とは言えません。また、特に将来的に妊娠を望む場合は、その知識も必要になります。産むか産まないかの選択はそれぞれのカップルによるものですが、男女ともに若いころから知識をつけ、自分の身体を守っていく必要もあると考えます。
現代の女性は初めて月経を経験する初潮年齢の平均は約12歳です。その年齢から閉経するまでの約30年~40年間は1か月のうち5~7日間月経と付き合わなければいけません。一方で、月経は女性の健康の目安にもなりえるものだと考えます。思春期から、毎月の月経を大切に管理する重要性を多くの産婦人科医もおっしゃっています。一方で、「生理」を恥ずかしいものとする風潮がある中で、生理不順や不調を一人で抱え込んでいる人も多くいます。重い生理痛は、女性が大切にするべき子宮の病気のサインかもしれません。生理不順が将来の生活習慣病に繋がることがわかっていますが、女性は20歳で骨の量が決まるため、15-6歳で生理不順を繰り返していると、将来の骨粗鬆症にもつながると産婦人科医で内閣官房参与の吉村泰典慶応大学名誉教授もおっしゃっています。こういった観点からも、思春期からの教育や知識の啓発は非常に重要と考えます。
2016年4月に発生した熊本地震の直後、インターネットでは「東日本大震災の時、生理用品が〝贅沢品“、“不謹慎”だという理由で配布されなかった例がある」というSNSでの投稿が発端となり、ネット上では「生理用品」は不謹慎でも贅沢品でもないというまとめの記事が登場するほど話題になりました。内閣府がまとめた「東日本大震災における災害応急対策の主な課題」の中にも生理用品をめぐる問題点に関しての記述があります。現在使われている性教育の教科書の中では「生理は月に一度程度」と記載しかなく、これだと正しく認識していないことも理解ができます。月経は妊娠出産に大きくかかわることなのにも関わらず、男女間の共有ができていない現状があります。
中野区は、平成28年度の新規事業として妊娠出産支援事業を開始しています。これは、国の「地域少子化対策重点推進交付金」を活用し、若年層への知識啓発のために10回の講演会を医師会に委託するものです。まず、この事業の今年度の実施実績と、今後の展開について教えてください。また対象者についても併せて教えてください。この交付金は、新たな取り組みが含まれていない限り、翌年度は交付されないものと伺っています。中野区は平成29年度にどのような展開を考えているのかお伺いを致します。
10月28日に文京区を視察いたしました。文京区では、この交付金を活用し、平成26年度から、子どもを望むすべての区民が安心して子ども産み育てられるよう、「ぶんきょうハッピーベイビープロジェクト」を実施しています。正確な健康に関する情報、妊娠出産に関する情報を知ってもらうことを目的として、平成26年度には「Happy Baby Guide Book」と中学3年生用の学習教材「For Your Great Future」を作成。この学習教材は、区内の中学に通う3年生全員に配布、平成27年度は「Life & Career Design Workbook」を20歳の区民全員に送付しています。平成28年度は「健康および家事・育児参画に関する啓発冊子」これは主に男性の育児参画に関する冊子だそうですが、を作成する予定だそうです。これに先立ち、文京区では、20歳~45歳までの男女を対象に意識調査も行い、区民の結婚や妊娠出産、育児に対する意識の傾向や考え方について把握をすることによる施策への展開に役立てたとのことです。
中学3年生に配られている冊子は、約7割の学校で補助教材として使われているとのことです。最近ではNHKの特集などにも取り上げられた、卵子の老化について、性感染症や中絶のリスクのみならず、飲酒・喫煙・ドラッグの危険性や子宮頸がんについてなど、健康にまつわる情報が多岐にわたり、また将来的な視点を持った教材になっています。私自身も、卵子の老化や精子の劣化について、基礎体温の測り方など、20代後半に職場の先輩から教わるまでは、そこまでの知識はありませんでした。いつ結婚をし、子どもを産むのか否か、その選択は個々人の権利ですが、どんな選択をするにしても必要な教育や情報が行き届いてなければ、いざ妊娠を希望する時には時間が足りないという可能性もあります。若年層からの教育や啓発は進めていかなければいけないと思いますが、区の見解をお聞かせください。
第4回定例会一般質問(2.女性の健康施策について(1)女性特有のがん対策について)
次に女性の健康施策について伺います。
世界経済フォーラムから毎年発表される、「経済活動の参加と機会」「政治への関与」などを評価項目に男女格差を国際比較した「The Global Gender Gap Report (グローバルジェンダーギャップレポート)」で日本は常に下位に位置していますが、2016年は111位と昨年よりも順位を下げました。現在、政府は女性の活躍推進を成長戦略のひとつとして掲げており、民間でも女性の役員や管理職への登用に関する行動計画を策定し、数値目標を設定するなど動きを活発化させています。社会全体で働く女性の活躍を推進する機運が高まっている一方で、女性が働き続けるための健康面への配慮は十分とは言えません。日本の将来を考える上では、女性の健康への配慮が不可欠であり、女性の活躍推進の取り組みには健康増進に関連した施策も含めることが必要です。昨年、戦後70年を迎えましたが、この間に女性のライフサイクルは大きく変化をしました。1947年では、平均出産数が4.54人、平均月経回数は50回だったのに対し、2014年では、平均出産数が1.42人、平均月経回数が450回にものぼります。働く世代の女性は常に女性ホルモンにさらされており、婦人科系疾患のリスクも増しているという事です。女性は年代により、女性ホルモンの影響と社会的な要因(例えば就職や結婚など)が組み合わさることで、様々な病気のリスクを抱えます。各年代に合わせた正しい知識と予防法を女性だけにとどまらず、男性も知ることがとても大切です。さらに、特定非営利活動法人「日本医療政策機構」の調べでは、働く女性2474万人のうち、17.1%が婦人科系疾患を抱えているといいます。年間の医療費支出と生産性損出を仮に算出すると、その額は6.37兆円にものぼります。経済的な面からみても、予防と早期発見、早期治療が非常に重要だということを踏まえ、いくつか質問をさせていただきます。
初めに、女性特有のがん対策について伺います。まずは乳がん対策について伺います。
乳がん検診の受診率は、平成27年度は24.7%で、前年度21.4%より増えています。一方で、5年のスパンで見ると、平成23年は25.3%だったのに対すると微減です。平成27年度は乳がん検診未受診者に対するはがきによる受診勧奨の事業をスタートされましたが、区はこの事業をどのように評価をしているのか見解をお聞かせください。
現在、区が行っている乳がん検診は40歳以上の女性が対象で、2年に1回行われています。具体的な検診は、視触診とマンモグラフィーが用いられています。一方で、国では視触診は今後廃止をし、マンモグラフィーのみに絞る方針を打ち出していると聞いています。今後、中野区の乳がん検診では、その方針を受けてどのように対応していくのでしょうか、お聞きします。
昨年は、プロレスラーの北斗晶さんが、今年はフリーアナウンサーで歌舞伎俳優市川海老蔵さんの妻である、小林麻央さんが乳がんに罹患されたと大きく報道されました。特に小林麻央さんは、乳がんの罹患が一番多いとされる40代よりもずいぶん若い、33歳です。この報道を受けて、若い世代の女性も心配になられた方も多くいらっしゃるかと思います。一方で、乳腺が発達している30代では、マンモグラフィーを用いた検診を受けたところで、レントゲンにはしこりが乳腺に隠れてしまい、見つからないこともあります。放射線を無駄に浴びるというリスクもあることも理解をしなければいけません。今後、区の検診でも視触診が廃止をされる流れがあるのであれば、自己診断を促す啓発を進めていかなければいけませんし、自己診断は40歳以上に限らず、20代からでも始めることができると考えます。乳がんの早期発見には自己診断の習慣化を目指していくこともとても有効です。
9月の「がん征圧月間」や10月の「ピンクリボン月間」の際には、区役所1階での展示の前にもおいてあった東京都福祉保健局が作成をしている「アラフォーからの「健活」習慣 乳がん検診の「?」を大検証」というパンフレットにも自己触診の方法が記載されていますが、こういった内容が40歳以下の方々にも使えるよう、様々な機会や媒体を活用し啓発をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。例えば、乳がん検診対象者より低年齢の子宮頸がん検診受診者に対してお渡しするなどの方法も考えられます。区の見解をお聞かせください。
乳がんは早期で発見できれば、90%以上は治る病気だといわれていますが、早期段階では自覚症状がほとんどありません。自己触診の習慣を身に着けていただくこと、そして検診の対象年齢の方々には定期的に検診を受けていただくことが、早期発見につながります。中野区としても、ひとつひとつのハードルをさげ、環境を整備していくことが重要だと申し添え、次に移ります。
次に、女性特有のがんのうち、子宮頸がん対策について伺います。子宮頸がん検診の受診率は平成27年度で19.4%、前年度と比べると同じ受診率になっています。5年間で比べると平成23年度は21.0%で微減です。平成26年度からは、帝京平成大学の学生さんにご協力をいただいて、20歳~40歳までの未受診者に対するはがきでの受診勧奨も行われています。受診率ではなく、検診受診者数で見ると、8894人から9100人へと増えています。対象人数が増えたことが原因ですが、それでも一度も子宮頸がん検診を受けたことがない層へのアプローチは非常に重要です。
こころとからだの元気プラザの診療部長でもあり、東京慈恵医科大学の小田瑞穂産婦人科講師によると、検診を受けない理由として、「時間がない・面倒」が46.3%、「費用がかかる」が30%、「受ける方法・手続きがわからない」が28.6%、「検診の方法を知らないので不安」が27.2%、「症状がないので必要ない」が22.8%となっています。習慣化している女性の意識・行動では、定期的に受診する理由の一番が「早期発見が重要(78.7%)」、次に「すべての女性になる可能性があるから」が33.7%、「自覚症状がないから」が31.4%でした。初めて受診したきっかけは自治体や職場からの通知・案内が45.6%と半数近くをしめていました。検診を受けることは、最初の一回目はハードルが高く感じますが、一度経験をすると習慣になる女性が多いそうです。子宮頸がんは、初期では自覚症状がほとんどなく、これから結婚や出産を迎える世代に近年急増している病気だからこそ、検診は非常に重要です。20代~30代の子宮頸がん発症率は、年々増加をしていますが、1990年と2010年を比べると倍以上に増えています。日本では、年間約10000人が発症し、約3000人がお亡くなりになっています。現在、中野区では20歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮頸がん検診を細胞診で行っています。子宮頚部の細胞に異常がないかを調べる細胞診と、子宮頸がんの原因であるHPV感染を調べるHPV検査を同時に受診する併用検査ではほぼ100%の正確な検査ができることは以前にも質問で取り上げさせていただきました。現在、国では手をあげた自治体で実証的な事業を進めています。この併用検査を導入することにより、HPV感染がなかった方は検診の期間を伸ばすことも可能という結果も出ています。国が方向性を示した際には、いち早く取り組みを進めるべきと考えます。システムの対応もしていかなければいけないと考えますが、区の見解をお聞かせください。
中野区としても、未受診者への受診勧奨はがきを送付するなど、受診率向上に対しては様々な取り組みを行っていることも理解をしています。一方で、受診率をあげるのには、中々苦労が多いことも存じ上げています。他のがん検診と違い、乳がん検診や子宮頸がん検診は、自分の身体の中でもプライベートな部分を診てもらう検診という事もあり、ハードルが高いことも事実です。ましてや、妊娠経験がない女性にとっては、産婦人科に出向くことすらも大きなハードルです。妊娠をしてから、はじめてガンが見つかり、その時宿っている命も、そして子宮も諦めなければいけないという非常に悲しい事例もあります。こういった事例をなくしていく為には、受診率の向上を目指していかなければいけません。そして、受診率の向上には、こうした一つ一つのハードルをクリアにする事が重要です。20歳~40歳までの検診未受診者に対する受診勧奨についても、データを見ると申込者に対して、実際に受診をされた方が少なくなっています。手続きが煩雑だと、意思はあるものの受診をするまでに至らないケースも多くあります。未受診者に対しては、受診券の直接送付が1つのハードルをさげる事になります。ぜひ実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
子宮頸がんの原因はヒトパピロマーウィルスです。性交経験がある女性の80%がHPVに感染していると言われていますが、感染をしてもほかのウィルスと同様に免疫力などにより2年間で約90%が体内から排除されます。子宮頚がんは、HPVに5年~10年の長期間継続感染をし、子宮頚部の細胞が異形成を経て、がん化する事によるものです。がんは、たった一度の性交渉であっても感染し発症することがあります。だからこそ、若い女性に多く、男性にも関係がある事を忘れてはいけません。
定期的な検診で早期発見をする事は出来、また異形成の状態では子宮頸部の円錐切除術により子宮を温存することが出来ます。一方で、円錐切除を行うと、妊娠しにくい体になってしまうという事も事実です。これに基づくと、子宮頸がんは早期発見でも、女性の身体がすべて守られるわけではありません。また、HPVへの感染は他の性感染症と違い、コンドームで防ぐ事はできません。
中野区では、国の子宮頚がん等ワクチン接種緊急促進事業を利用して、平成23年4月からHPVワクチンの助成制度をスタートしました。平成25年4月には定期接種化されましたが、同年6月に、国の専門家会議において「接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛の副反応症例等について十分に情報提供できない状況にあることから、接種希望者の接種機会は確保しつつ、適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な接種勧奨を一時的に差し控えるべき」とされました。厚生労働省の専門家会議の発表からすでに3年半近くが経過していますが、長期間公式な見解が示されていない中、対象年齢の女の子をもつ保護者は、接種するべきかを判断しなければいけません。接種をしないリスクと接種をするリスクを総合的に判断していただき、接種すべきか否かを決めていただかなければいけない状況ですが、受けない将来的リスクに関する情報が不足していることは否めません。HPV感染のリスクについての正しい情報は広く知っていただく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
がん対策の中で、最後にがん教育について伺います。今述べてきたHPV感染についてももちろんそうですが、がん予防の観点から見たがん教育は非常に有効だと考え、これまでも質問をしてきました。平成24年6月に閣議決定された「がん対策推進基本計画」の中の「分野別施策およびその成果や達成度をはかるための個別目標」の中に「がん教育」が位置づけられました。平成28年度からはモデル校でのがん教育の推進が行われており、平成29年度からは順次取り入れられる学校からがん教育を導入していく、と文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の和田課長からお話を伺いました。中野区では、それに先立ち、平成27年度から本郷小学校でがん教育の実施をしていると伺っていますが、平成29年度はそのほかで取り組む学校はあるのでしょうか。伺いましてこの項の質問を終わります。
第4回定例会で一般質問をしました!(1.組織のありかたについて)
第4回定例会にて一般質問を致しました。
順次、内容をアップさせていただきます。
1.組織のあり方について
2.女性の健康施策について
(1)女性特有のがん対策について
(ア)乳がん対策について
(イ)子宮頸がん対策について
(ウ)その他
(2)教育および啓発について
(3)その他
3.骨髄ドナー登録推進について
4.その他
まず、組織のあり方について伺います。
中野区は、平成16年度には「目標と成果による管理」を導入し、部が権限と責任を持って区政運営を行う事業部制を導入されました。平成19年度には副区長を置くとともに、新たに経営本部を設置し、トップマネジメント体制を強化することにより、「目標と成果による区政運営」をさらに推進し、区民サービスの充実向上を図るために経営本部体制を導入されました。平成22年には10か年計画(第2次)を効率的・効果的に実現して、区の財政力に対応した区政運営を行うため目標体系の見直しを行いました。それに伴い部門の構成を改め、より機動性の高い組織運営を行い、区民サービスをより一層向上させ、区民満足度を高めるために大規模組織改正が行われました。これらの組織変更は、大きなものだけにとどまり、このほかにもマイナーチェンジを幾度と繰り返しています。
現在の組織では、区民にとって非常にわかりにくくなっているところも散見されます。例えば、同じ子どもの施設である児童館、キッズプラザ、学童は地域支えあい推進室の所管になり、U18プラザは子ども教育部子育て支援分野の所管です。児童館でもU18でも乳幼児親子の居場所づくり事業をやっているのにも関わらず、別の分野が所管をしています。妊娠・出産・子育てトータルケア事業は、すこやか福祉センターの地域ケア担当が所管ですが、妊娠出産支援事業は子育て支援分野の所管になります。介護保険に関わる事業は、区民サービス管理部の介護保険担当が所管ですが、介護予防に関しては地域包括ケア担当が所管になっています。区民にとってこれほどわかりづらい組織はありません。また、部をまたがっている事業も見受けられ、必要な連携がとりづらい状況に見えます。区民サービスが滞ることなく、区民にとってわかりやすい組織であるべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
中野区は平成22年の大規模組織改正で、スポーツ分野が学校教育分野から健康福祉部の健康スポーツ分野に所管が移りました。スポーツ分野は、東京都平均から下回っている子どもの体力向上やアスリートとして活躍できる子どもたちへのサポートも取り組まなければいけませんが、前回の組織改正において、我が会派は健康スポーツ分野に所管が移ったことによる弊害を危惧していました。この点において、組織改正からの6年間をどのように評価しているのでしょうか。伺います。
組織の名称に関しても、非常にわかりにくいものとなっています。中野区では、事業部制の採用と同時に、「分野」や「副参事」という名称が使われるようになりました。導入から12年が経過していますが、果たして区民に浸透しているのでしょうか。区民サービスや戸籍住民、介護保険や国民健康保険、税務などが含まれる部を「区民サービス管理部」としていますが、区民を管理しているような印象にすら聞こえます。組織の名称も、区民にとってわかりやすく親しみのあるものにすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
現在の中野区は、度重なる変更により、非常に入り組んだわかりにくい組織となってしまっているのではないでしょうか。組織をわかりやすくする事はお金をかけずにできる区民サービスです。今の組織体制を検証し、見直していくべきと考えますが区の見解をお聞かせください。
第3回定例会が最終日を迎えました
本日、中野区議会第3回定例会が最終日を迎えました。
9月9日からスタートした今定例会ですが、大型補正予算から始まり、大量の陳情審査、初めての諮問や秘密会の開催など、非常に重要な案件が多く、長時間かけて多くの議論をしてまいりました。
その中で本日議題に供された、区立幼稚園の存続を求める陳情に対し、会派の山本たかし議員が行った討論を記載致します。
<区立幼稚園陳情討論>
民進党議員団として、上程中の第4号第7号陳情について賛成、第5号第6号陳情について反対の立場で討論を行います。 まずは、第4号陳情について述べます。 本陳情は、区立幼稚園の役割と存在意義を考え2園の存続を求めるもので、賛同者13371筆の署名が添えられています。 本年1月、中野区は、新しい中野をつくる10か年計画第3次(改定素案)の中で、区立幼稚園を全廃し民間こども園へ転換する方針を示しました。そのわずか10ヶ月ほど前に策定された子ども・子育て支援事業計画には何の記載もなかった方針であり、唐突な印象を受けるものでした。その後、本陳情の審査を含め今日まで多くの議論がなされてきました。民進党としてもこども園の必要性は充分に認識しており、新設については進めて頂きたいと考えますが、区立幼稚園を廃止し民間こども園を作る必要性がどこにあるのか、また、こども園に転換するにしてもなぜ区立でなく私立なのかについて、納得のいく説明はありませんでした。 こども園については、子ども子育て支援新制度によって推進が謳われているものです。しかし、新制度は子育て支援の量の拡充と質の向上を「地域の実情に応じて」進めることが大前提の制度です。国の制度がこうなったから中野区もそうしなくてはいけない、というものではありません。
では、中野区の実情はどうでしょうか。子ども子育て支援新制度のスタートに当たって行なわれた子ども子育てアンケート調査の結果報告によると、「平日の定期的な教育・保育事業の利用意向」で、こども園は幼稚園枠保育園枠合わせて17.1%と一定のニーズがあることが読み取れます。しかし、同調査によると幼稚園の利用意向は31.7%と、幼稚園のニーズも多く存在しています。区立幼稚園に限ったニーズについては調査すらされておりませんが、来年度の入園申込結果でもかみさぎ幼稚園の4歳児クラス以外は募集人員を超える申込があったことなどから、区立幼稚園のニーズもまた根強く存在していると考えられます。私たちのところにも、保育園を増やして欲しい待機児童をなくして欲しいという要望は多く寄せられますし、区が廃止の方針を示して以降は区立幼稚園を残して欲しいという要望も多くいただいていますが、認定こども園を増やして欲しいという要望はなかなか聞こえてきません。認定こども園という制度がまだあまり知られていないこともあるのかもしれませんが、区立幼稚園を全廃してまで民間こども園を設置しなければならないほど差し迫った状況にあるとは言えません。 区は、この間の議論の中で、何度も、児童数の急増期に私立園が不足している地域に区立園を設置したという歴史的経緯に触れています。しかし、そうした歴史的経緯があるからといって、今現実に区立園が果たしている役割を無視していいことにはなりません。特に、本陳情の中でも触れられていますが、区立園が障害や発達の課題を抱えている、特別な支援が必要なお子さんにとって大きな助けとなっている点については、重要な役割のひとつだと考えます。昨年度から私立園が特別な支援を必要とするお子さんを受け入れるにあたって、区独自の補助制度が作られましたが、今後それがどこまで活用されるのか、現時点では見えてきません。私立幼稚園の皆さんにも受け入れを頂いており、また今後に向けて更なる御努力も頂いていると承知していますが、特別な支援を必要とするお子さんが増加傾向にもある中、私立園に全てをお願いするには無理があるのではないでしょうか。区立園がそのために作られた施設ではないことは理解しますが、中野区の全ての子どもたちに幼児教育を受ける機会を保障していくためには、区立園の担っている役割は重要です。 今後、区は、子ども子育て会議に部会を設置し、就学前教育の充実に向けた検討をするとしています。その中では、就学前の特別支援教育の充実や区の果たすべき役割について議論するとしていますが、順番が逆ではないでしょうか。まず区として就学前教育、特別支援教育の充実に向けどう責任を果たしていくべきか、その考え方が先にあって、その上で、区立幼稚園を存続させるほうがいいのか、別の形にした方がいいのかの判断がなされるべきです。 「区の幼児教育に対する考え方を示し、その中で区立幼稚園のあり方をしっかりと位置づけるべき」という指摘は、11年前、みずのとう・やよい幼稚園の廃園の議論の中でもなされてきたものです。廃止の方針が10カ年計画の改定素案の中で唐突に示されたこと、それが廃止の影響が出る学年の募集が終了した後であったことなども、11年前と共通する問題です。11年前の区民の切実な声・議会の真摯な議論を行政がどのように受けとられて来たのか、疑問を持たざるを得ません。
就学前教育の充実に向けた検討の中では、保幼小中の連携強化を図るとしています。こうした施策を進めるにあたっては、その時々の現場の状況や課題を的確に把握しておくことが求められます。そして、そのためには区として幼児教育の実践の場を持っておくことが欠かせません。また、区としての幼児教育、就学前教育のモデル、スタンダードといったものを考えていくにあたっても、やはり区が直接運営する幼児教育の現場を持っておくことは非常に重要であると考えます。
今回の議論の過程で、議会での議論や保護者・地域の方の意見を受けて、区は、「園児募集を停止して一旦閉園する方法から園を運営しながら転換をすること」とすることで、単学級で修了する学年がないよう当初の計画案を変更しました。就学前の子どもたちの育成環境における異年齢の子ども同士の関わりあいの重要性を考えれば当然の対応ですが、しかし、だからこそ区が当初その重要性を認識していなかったのではないか、せっかく高く評価されている区立幼稚園を運営していながら、その現場の知見が区の経営層にまで届いていないのではないかと思わざるをえません。今後、教育大綱の策定や教育ビジョン、子ども子育て支援事業計画の改定が控えています。この機会に、改めて就学前の子どもたちの学びと育ちに何が必要なのか、区全体で考えていただきたいと思います。 以上述べてきたことから、私たち民進党議員団としては区立幼稚園の役割は今も大きく、現時点での廃止は適切ではないと考えます。よって、第4号陳情について賛成いたします。 なお、本陳情には区立幼稚園を存続すべきとする期間については明記がありませんが、10カ年計画第3次(改定素案)を受けて提出されたものであることから、その後については検討の余地はあるという点は述べておきます。 区は区立保育園の民営化も進めています。一定程度は必要なことですが、こちらも全てを民営化していいものではなく、保育の現場についても区として持ち続けるべきではないでしょうか。今後、保育ニーズの低下により区立保育園全廃が検討されるような状況になり、また、働き方の多様化などによりこども園のニーズが高まるような状況になった際には、区立幼稚園や区立保育園を区立のこども園に転換し、そこで幼児教育、保育の現場を持っていく、こうしたことについては将来的な検討の余地があると考えます。 将来的には、こども園が就学前の子どもの居場所としてスタンダードな施設になることも考えられます。区はこども園運営のノウハウがないなどと言っていないで、様々な研究や場合によっては経験のある他自治体や民間の力も借りながら、区としてこども園運営のノウハウを蓄積していくべきです。 第5号陳情については、主旨にある「地域・保護者の合意」の有無を、具体的に何をもって判断すべきかが不明確なため反対といたします。 第6号陳情については、既にこども園の新設と区立幼稚園廃園のスケジュールに違いが出ていること、単学級での修了はない計画となっていることなど、陳情提出時からの状況の変化があることから、反対といたします。 第7号陳情については、その主旨から、第4号陳情の採択で願意は叶えられるのではないかとも思われますが、どんな課題を抱える子どもにも等しく教育を受ける権利があり、その権利を区が保障することの重要性に鑑みて賛成といたします。 今回、4本の陳情の審査に当たり、私たちは、陳情者の方をはじめ区立幼稚園を利用された多くの保護者の方から「子どもを区立幼稚園に通わせて本当に良かった」という声を伺いました。区立幼稚園で行なってきた教育が利用者に高く評価されている、中野区には、このことに誇りと自信を持って、今後とも区立幼稚園の運営に当たって頂きたい。そのことを申し上げ、区立幼稚園廃止にかかわる4本の陳情に対する討論と致します。
決算総括質疑 3. 感染症対策について
最後に、感染症対策について伺います。
感染症というと様々あり、リオデジャネイロオリンピックの際はゴルフ選手がジカ熱への感染を懸念し出場を辞退するということもありました。グローバリズムが進む現状、世界のどこで様々な感染症が流行したとしても水際で防ぐ施策が大変重要になります。感染症の中にはワクチンで防げるものと、ワクチンすらない感染症があります。日本では、新型インフルエンザやエボラ出血熱、10数年前にはSARSといった感染症が騒がれるたびに水際対策が叫ばれ、メディアの報道でも影響はしますが、一時的に社会的に不安が増します。これらは、ワクチンすらない病気です。一方で、ワクチン接種を徹底すれば防げる感染症もあります。その中で、今回は風疹とはしかについて伺います。
平成24年度から平成25年度には日本でも大人を中心に風疹が大流行しました。風疹は、妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんが目や耳、心臓に障害が出る「先天性風疹症候群」で生まれる可能性があることから、中野区でも妊娠を希望される女性に対しワクチンの接種助成制度を平成24年度の補正予算で組みました。平成25年では、妊娠を希望している女性に加えて、妊婦の配偶者にも接種支援事業を、平成26年度はそれに加えて抗体検査の助成もスタートするなど、徐々に大人の風疹対策が充実されてきました。
Q まずは、平成24年度~平成27年度のワクチン接種と抗体検査の実数をおしえてください。
Q 妊婦さんが感染してしまったという事例はあったのかおしえてください。
次にはしかについて伺います。8月14日に千葉県の幕張メッセで行われた米国人歌手のライブを観覧した兵庫県の男性がはしかに感染していたことが8月23日に判明、ほかの観客2人にも感染が広がった疑いがあります。男性は海外への渡航歴がありましたが、男性がかかったのは中国で流行する型で、男性の渡航場所とは一致しませんでした。国立感染症研究所が調べたところ、男性と同じウィルスの型を持つ患者の報告がほかに5人あり、6人はいずれも7月下旬に関西国際空港を利用していたことがわかりました。この中には、関空で勤務する女性職員もおり、この女性職員を含め同じ職場ではしかに感染をしていた関空の職員が26人にのぼったと9月1日に大阪府が発表しました。この他にも、立川市で8月26日に行われたアニメイベントを訪れた客が感染していたことも判明。9月に入ってからも関西では広がりにストップがかからず、兵庫県尼崎市では保育園での集団感染も判明。大阪地裁の職員も感染をしていたことが判明するなど、不特定多数が出入りする場所を中心に広がりを見せています。9月7日現在、麻疹に感染された方は82名。感染が広がりをみせた33週~35週だけで63名と麻疹の感染者は急激に増えています。地域別にみると、大阪府26、千葉県18、東京都11、兵庫県10、埼玉県5と続きます。
Q 区に寄せられた「麻疹」に対する問い合わせはどれくらいあったのでしょうか
はしかは、感染力が非常に強く、手洗いやマスクで防ぐことは難しいとのことで、感染拡大を防ぐには予防接種を受けるほか患者が周囲に「広げない」ことが重要です。何よりも重要なことは、はしかワクチンをきちんと接種することです。はしかは、昭和53年からワクチンが定期接種化されました。はしかワクチンは非常に有効性の高いものと言われていますが、1回だけではなく2回接種することで、確実な免疫がつくともいわれています。現在は2回接種が推奨されていますが、現在26歳から39歳(わたしもこの中に含まれますが)はワクチンを接種する機会が1回だけだった人が多いとされています。
この年代は妊娠を希望し出産をされる年代でもあります。「風疹」と違って、はしかの場合は、妊娠中にかかっても、お腹の赤ちゃんに先天性の奇形が現れることは少ないといわれています。しかし、妊娠中にはしかにかかると、「早産」(妊娠22週~37週未満での出産)や「流産」のリスクが高くなります。早産や流産は、はしかにかかった妊婦さんの約30%にみられ、そのうちの90%は、お母さんに発疹が現れてから、2週間以内に起こったと報告されています。また、はしかの免疫のない母親から生まれた赤ちゃんについては、ワクチン接種前に麻疹にかかってしまうと、症状が重く出てしまうことがあるとされています。
Q まず26歳~39歳までの1度しかワクチンを受ける機会がなかったと思われる人口は中野区で何人いらっしゃいますか。
A. 86175人(6月1日現在)
府中市では9月1日に「はしかの流行に関する情報提供」としてホームページに「NIID国立感染症研究所」のリンクや「東京都感染症情報センター」また「東京都福祉保健局の麻しんについて」のリンクを貼った上で情報を提供しています。中野区感染症発生動向調査週報でお知らせはしているようですが、区のHPのお知らせ欄には記載がなく、わざわざ調べないと出てこない状況です。ぜひ、HPのお知らせ欄にも載せていただきたいと思いますが、いかがですか?
Q 現在、国では1歳の時と小学生にあがる前に、麻しん風疹の混合ワクチンであるMRワクチンの接種を定期接種化していますが、中野区の接種率はどのようになっているでしょうか。1期と2期ともに教えてください。
今回の麻疹流行の拠点となった場所は空港です。一方で、病院や保育園で感染が広がった事例も出ています。特にワクチンを未接種の子どもを預かる保育園で感染が広がってしまうという事態は避けなければいけないと考えます。区内保育園につとめる保育士の方々へのワクチン接種勧奨を区としてすべきと考えます。場合によっては、接種助成もすべきと考えますが、いかがですか?
台東区では、この麻疹の流行を受けて、独自に緊急でワクチンの接種費用の助成制度を10月1日から始めるそうです。対象は、①7歳~18歳の方、②MRワクチンの定期予防接種を2回完了していない方で、かつ、麻しん風疹両方もしくはどちらかにかかったことがない方、という事です。
今回、この件を調べるにおいて、自分自身もこの26歳~39歳に含まれることから、小さいころからのかかりつけ医に接種履歴を照会しました。やはり、私自身は1度しかワクチン接種はしておらず、抗体検査を受けました。結果は今週中には出る予定ですが、その際に、現在ワクチンがかなり不足しており、9月いっぱいは入ってこないと教えていただきました。抗体があるかないかは別として、このように感染症の流行が報道されると、みなさん不安になられ、急にワクチンの需要が高まってしまいます。本来は平時にどのように接種勧奨をしていくべきかだと思います。現在のワクチン不足の状況を区は把握されていますか?
中野区では、平成27年度からMRワクチンの第2期の接種をされていない子ども達の「接種もれ」をカバーするために、小学校~中学3年生まで無料で受けられる事業をスタートされました。Q平成27年度の実績はどのようになっているのでしょうか?
A. 51人
Qこの事業により、接種漏れをしていると思われる子どもの何パーセントをカバーできたと考えるか。
ワクチンで完全に防げる感染症である、麻疹や風疹を予防できない国で、ワクチンすらない感染症を本当に水際で防げるのか、それが一番懸念すべき点です。2015年にはWHOに「はしか排除状態」と認定されました。それでも、グローバル化する今では、海外から入ってきた感染症がパンデミックに広がってしまう可能性があります。しっかりと平時に対策をしておく必要があると考えます。現在、東京では急激な感染の広がりはありませんが、だからこそ、中野区でも対策をしっかりしておく必要があると申し上げまして、すべての質問を終わります。
決算総括質疑 2. グローバル戦略について(1)英語教育について
グローバル戦略推進の中で、次に小学校での英語教育について伺います。
近年グローバル化が急速に進み、民間企業では外国人労働者が働くことや日本企業が海外に支社をもつのが当たり前になりました。日本で働くにしても、今小学校や中学校に通っている世代は、世界との競争がさらに激しくなっていくことが予想されます。4年後の東京オリンピックパラリンピックも、グローバル化に拍車をかける大きな要因となります。決算資料「区民3 外国人登録人口の推移とその国籍別内訳」でもわかるように、中野区の外国人人口も年々増え続け、平成27年度は14,927名で、平成26年度の13,143名から1784名増えています。小中学校の入学式、卒業式や、運動会など、児童・生徒を拝見する機会もありますが、1クラスに1人は外国人やダブル(ハーフ)など、日本以外にルーツを持つ子どもたちも多く見受けられます。
平成23年度から、文部科学省の新学習指導要領に基づき、小学校5・6年生で年間35時間の外国語活動が必須化されました。これに伴い、中野区の小学校では35時間の外国語活動の授業のうち、30時間でALT(アシスタント・ラゲージ・ティーチャー)をつけての英語活動を実施しています。まず、外国語活動の必須化からは丸5年が過ぎましたが、中野区はどのように評価していますか?
4年前の平成24年にも、区内2か所の小学校で行われている外国語活動の授業を見学させていただきました。今回、9月5日にも同じように2か所の小学校で授業を拝見させていただきました。4年前は、子どもたちもまだまだ英語での授業に慣れておらず、授業の進め方も担任教諭ではなく「アシスタント」であるべきALTが進めているという状況も見受けられました。4年経過した今、先生方も、子どもたちも戸惑う事なく楽しんで英語に親しんでいる授業風景を見ることができました。
現在、必須化されているのは小学校5・6年生のみですが、1-2年生や3-4年生でも外国語活動を実施している学校もあります。今回、授業を見させていただいた中野神明小学校では、1-2年生で年間2時間、3-4年生で年間4時間。白桜小学校では、1-2年生で年間5時間、3-4年生で10時間の外国語活動を実施しています。耳が柔らかい低学年からスタートすることはとても意義深いことだと思います。小さいころから英語教育をスタートする事により、発音がきれいになったり、外国語に対する心のバリアが少なくなるという効果も実際にあります。現在、必須化されている5-6年生よりも早い時期からの外国語活動を行っている小学校は中野区内では何校ありますか?
国では、平成30年には新学習指導要領の先行実施、平成32年からは小学校5-6年生の英語の教科化、外国語活動は3年生から必須化されることが示されているなど、今よりもスタートを早くすることが議論されているところです。2年後ないしは4年後から5-6年生の英語活動が教科化、そして英語活動が3年生からになることへの準備はどのように整えていく予定でしょうか、おしえてください。
7月11日に沼津市の門池小学校を視察させていただきました。沼津市教育大綱の中では、基本的な方向性で「社会や経済のグローバル化が急速に進展していく中で、豊かな国際感覚を身につける事も強く求められております」と明記され、基本的な方策の1つに「コミュニケーション能力の向上を図り、国際感覚を豊かにする教育」と位置づけられています。沼津市では、平成18年3月に教育特区の認定を受け、学習指導要領に拘束されない沼津市独自の「言語科」を新設しました。言語科は「読解の時間」と「英語の時間」で構成し、小中9年間の一貫した指導を行うため、言語科指導要領を独自に作成しました。「英語の時間」では、積極的にコミュニケーションをしようとする態度と中学校卒業時の確かな英語力を育成することを目指しています。沼津市は「言語科10年の成果」として、平成20年から平成26年度での言語科アンケートから見て取れる「成果」をまとめています。それによると全国との比較の中で、「英語で話したり聞いたりすることに対する沼津市の中学生の意識は高いものと考えられる。また、平成26年度の沼津市標準学力調査では、英語教科で「問題の内容別平均正答率」は9つの項目のうち8つが全国平均を上回っています。「領域別」や「観点別」ではすべて全国より上回っています。このように、10年経過した今、小学校一年生からスタートした世代で英語教育の成果が徐々に出てきていると担当の方も分析をされていました。
沼津市の10年の成果は、グローバル人材を育てる上で、見習うべき事例を感じます。国では3年生からの外国語活動を32年度からスタートする予定ですが、なるべく早く低学年からのスタートを目指すべきと考えますが、いかがですか?
授業を見学させていただいた白桜小学校は平成27年度および平成28年度の、中野区教育委員会「学校教育向上事業」の「英語・外国語活動の充実」研究指定校となっています。まずは、研究指定校になった経緯をおしえてください。
まだ研究校指定の途中ではありますが、研究校としての成果は?
他の小学校は、地域的な環境が白桜小学校とは異なるところもあります。この研究の成果をどのように中野区内の他の小学校へ波及させていくのか教えてください?
小学校の外国語活動では、初年度はプロポーザル方式で業務委託契約を結び、契約した会社からALTが各小学校に派遣されていました。契約上の縛りがあり、どのような人材が派遣されても、教育委員会や学校が交代を要求することができなかった事。また、派遣されてきたALTが急にやめてしまう等、トラブルが多かったことから、次年度からは小学校ごとにALTと個別契約をしています。新たな契約形態となってからはトラブルが減ったというのは事実ですが、人材確保の面では、数年前と変わらず各学校いまだに苦労をされているというお話を伺いました。以前にも、確保策を教育委員会でも考えていくべきとご提案しましたが、いまだに各小学校に任され、横のつながりで、ぎりぎりでALTを見つけているという現状です。ネイティブスピーカーであれば誰でもいいというわけではない中で、契約していた方が翌年度に様々な事情で辞めることになった際に、そこから人材を確保することは非常に大変です。教育委員会としてALTの人材確保に一定のサポートをすべきと考えますが、いかがですか。
ICT教育の研究校でもある多摩市愛和小学校では、オンライン英会話のプログラムを使い外国語活動の授業をされていました。スカイプを利用し、マンツーマンで英語を話す機会を持てるという事は非常に意義深いことだと感じました。中野区では、一人一台のタブレット端末を使ってという授業は現時点では中々難しいのかもしれませんが、外国語活動の1つの在り方として紹介をさせていただきます。
外国語活動の意義は、言語を身に着けるだけではありません。自分とは違う文化を持つ人とコミュニケーションを持つことは、国際理解教育にもなります。また、違う言語であれば、日ごろ話さない相手ともコミュニケーションを持つことが出来るという光景も中野区の小学校、沼津市の小学校ともに見受けられました。外国語活動には、社会性の形成にも役立つと感じました。一方で、これまでも中学と高校の計6年間英語の授業を受けてもほとんど英語を話せる日本人がいないという事実を受け止め、単に5年生から教科化された英語教育を受けても何かが変わるのかという疑問は残ります。でも、以前わたしが見学をさせていただいた4年前と比べたら、子どもたちも先生方も戸惑いのない外国語活動の授業になっていると感じました。この5年間継続してきた事の成果を目の当たりにしたと感じました。ぜひ今後も、質の高い英語教育となるよう、今後もご努力をお願いいたします。
決算総括質疑 2. グローバル戦略について(1)民泊について
これまでも、何人かの同僚議員が一般質問や総括質疑などで「民泊」について取り上げてきましたが、わが会派の立場から質問をさせていただきます。
2015年8月に、国家戦略特区の指定が東京都全体に広がり、中野区も例外ではなく指定を受けました。そのことにより、中野区でも旅館業法に基づいて許可を受けたホテルや旅館以外の施設を旅行者に貸し出すことができるいわゆる民泊が可能になりました。2016年4月に策定された「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」の戦略I「まち活性化戦略(キラリ輝くなかの)」の展開2「魅力にあふれ、来街者の絶えないまち」の施策イ「都市観光の受け入れ環境・基盤の充実」の実現へのステップの中で、「外国人向け民泊の仕組み構築」をステップ1に明記されております。
「民泊」といっても、一概に語れないほど、住居を貸す形態は様々です。まずは、持っている物件を商業目的で貸す形態や、空き家を貸す形態、また普段は使用していない別荘や別宅を貸す形など、主たる住居以外を貸す民泊があります。一方で、家主が在室している個室を貸す形、またはシェアルームとして貸す形態など主たる住居を貸す民泊もあります。この家主が在室している形態と家主が不在の形態では、目的がまったく別物という理解をし、また分けて考えなければいけないということを、まず申し上げておきます。
民泊の目的は、宿泊施設を補うための経済政策・空き家対策ととらえ、ビジネスとして行う事業者も積極的に含めていくのか。もしくは、国際文化交流・観光の一環としてとらえるのか。家主がいるかいないかでは、利用者における意識の違いも出ることで、違法な運営や近隣トラブルなどの発生率が異なるのではないかと考えます。宿泊施設が少ない中野区では、需要と供給のバランスを補う民泊も必要という考え方もあります。一方で、中野区にお住まいの方々の住環境を第一に考えていく必要があると強く思います。そこで伺いますが、
これまでに区民から民泊に対する苦情や相談はどれくらいあったのでしょうか。「民泊だと疑いを持てる苦情」は、どのような相談や苦情が多かったのでしょうか。もし、相談や苦情があった場合、その民泊の形態は家主滞在型のものなのか、家主が不在の民泊なのかなど、特徴があればおしえてください。
今年4月に旅館業法の改正がありました。主な緩和点は、延べ床面積についてです。一方で、用途地域の問題、消防設備の問題、管理規約の問題から、マンションやアパートなどでの民泊が容易に出来るとは思いませんが、着々と民泊に向けた動きが出てきているという事も事実です。今回のこの旅館業法の改正により、4月以降「簡易宿所」の申請は中野区であったのでしょうか。
現在、中野区にもインターネット仲介業者を介し、民泊を行っていると思われる業者が存在していますが、旅館業法上は違法状態です。こういった物件がわかった場合は、どのように対応しているのでしょうか。
この状況を鑑みて区は、実態調査を行い、把握をすべきと考えますが、これまでに実態調査は行っているのでしょうか?
京都市は、昨年12月1日から今年3月31日まで、調査を行ったそうです。その方法は、Airbnbなど民泊仲介サイトに掲載中の2702件を対象に、地域や施設タイプ、旅館業法許可の有無、宿泊可能人数、宿泊料金などを調査し、さらに周辺住民へのヒアリングも行ったそうです。それによると、調査対象のうち、旅館業法許可が確認できたのは189件。無許可と思われる施設は1847件と推定。無許可物件の施設タイプ別では、戸建て住宅が548件、集合住宅では1255件。集合住宅施設の方が無許可での運営件数が多いほか、海外を含む京都府外在住者による運営件数も多い傾向にあることが判明したそうです。
京都市は、これと同時に民泊仲介サイト運営者へのヒアリングも行っています。「とまりーな」は法令順守を徹底しているとのコメントをする一方で、違反業者に対して適切な規制・摘発を望む見解を表明。また、Airbnbでは、問題のある施設について複数回の注意喚起を行っても改善が見られない場合は、掲載から削除する措置を実施。また、Airbnbでは、管理者不在の施設は推奨していない反面、日本では約6割程度が管理者不在となっている実態も明らかになりました。
この調査を踏まえ、京都市では宿泊施設拡充や民泊に関する方針を示す「京都市宿泊施設拡充・誘致方針(仮称)」素案を取りまとめました。この中には、民泊「新法」に関する考え方も記載しています。
国では、民泊に関する新しい法律の制定を目指しています。現在、1.中野区では旅館業法により規制をする 2.特区制度を活用し民泊条例を制定する 3.新法の制定後に条例を制定すると3つの方法が選択できます。中野区は今後、民泊の推進/規制については、どの方法を選択する予定なのでしょうか。
京都市のように、きちんと実態調査をしたうえで、中野区にはどういった規制、もしくは民泊誘致が適しているのか判断をし、条例制定を目指していただきたいと思います。現在、秋の臨時国会にも提出されるのではないかと言われていた民泊新法もいつ提出されるのか不透明な状況ではあります。いつ民泊新法が制定されても対応ができるよう、京都市のように方向性をとりまとめておくべきだと考えますが、いかがですか。
ホームステイ型(家主滞在型)は、国際交流や文化体験型、リピーターを増やす民泊として、推進すべきだと考えています。海外では、ホームステイ型が主流で、リピーターが多いのも特徴です。良い経験をした旅行者が、ご自身の国に帰った際に家族や友達に勧めることも多いそうです。岐阜県多治見市には、民泊をしながら陶芸を楽しむ滞在型作陶施設があります。2011年開設されたこの施設ですが、利用は1か月単位なのにも関わらず、年内の予約は満杯だという事で、9月に新たな宿泊所を増設されました。東京の旅行会社と連携した2012年以降は、海外からの利用者が増え、シンガポール、香港、アメリカ、イギリス、オランダなどから39名が利用。近年はリピーターや帰国した方からの紹介者が増えたとのことです。
一方で、管理人のいない民泊(家主不在型)は、騒音やごみ問題などのトラブルも多い。先ほども申し上げましたが、民泊の目的を投資収益にするのか、文化交流にするのかで目指す形は全く変わってきます。中野区にお住いの区民の方々の生活を考えたら、必然と方向性は定まると思います。投資型の民泊は一時的に宿泊施設を賄うことが出来るかもしれませんが、息の長い経済政策にはならない可能性が高い。むしろ、息の長いインバウンド施策とするならば、オリンピックパラリンピックの後も中野に来てくれるリピーターを確保する施策を目指すべきと考えます。
ここで良質な民泊の事例として、一般社団法人シェアリングエコノミー協会の方のお話を紹介します。シェアリングエコノミーとは場所・乗り物・モノ・人・お金などの遊休資産をインターネット上のプラットフォームを介して、個人間での賃借や売買、交換していく新しい経済の動きを言います。実際にご自宅をシェアハウスとして提供している事務局の方からお話を伺いました。ホームシェアリングは文化交流であり、主たる住居において行われる家主滞在型は、家主が街をよくしたいという思いで民泊を始める意識の高い方が多く、利用者との信頼関係により、トラブルも少ない。家をシェアするだけではなく、街自体をシェアすることで、住んでいる人たちで街を作っていくという思いで実施している。事業者ではなく個人と個人が直接つながり、個人の責任で社会的サービスの提供を行っているとのことでした。
9月14日の読売新聞によると、政府は「シェアリングエコノミー」の安全性を確保するため、仲介事業者が守るべき指針案を固めた、と報道がありました。サービスの提供者や利用者の本人確認の徹底、相談窓口の設置などが柱だ。シェアリングエコノミーとは、民泊に限らず、個人が空いた時間に育児や家事を手伝う代行サービスなど幅広い分野に広がっている。政府が今回定める指針は、これらの仲介事業者が分野や業界にかかわらず守るべき基本的なルールとなります。指針案は仲介業者が守るべきルールとして、サービス提供者や利用者に対し、何かあった場合に連絡が取れるよう電話番号などを登録させることを求めています。民泊や車の相乗りなどトラブルも懸念されるサービスについては、運転免許証などによる本人確認を徹底することが盛り込まれています。
先ほど来、民泊を語るうえでよく出てくる仲介サイト「Airbnb」はこの社団法人シャアリングエコノミーのメンバーでもあります。国でもこういった動きはあるものの、区としてもこういった仲介サイトと連携をし、悪質な物件に関しては削除を指示できるような規定をもうけていくべきと考えますが、いかがですか。
逆に、良質な物件に関しては、「中野区認定」のような表記をする事も考えられます。こういった仲介業者にもアプローチしていくべきと考えますが、いかがですか。
2015年11月の本会議で区長は、「導入の検討に当たっては、条例によって滞在日数や立ち入り権限を規定することに加え、運営事業者の責務の明確化や警察・消防等関係機関との連絡を密にするなど、治安面・衛生面の確保を図る対応策が必要であると考えているところです。」とご答弁されています。民泊の目的を明確化し、今後きちんと方向性を定めて示していただくことを申し上げ、この項の質問を終わります。
決算総括質疑 1.行政評価について
平成27年度中野区の普通会計の歳入歳出決算額は、歳入で0.7%増の1333億円、歳出で2.1%増の1301億円となりました。歳出を性質別にみると、義務的経費は前年度と比較して2.2%増となりました。特に扶助費が増加しており、その主な要因は、保育施設給付の増などによるものです。近年では毎年増加傾向にあった生活保護費は微減となり、景気が良くなった影響と言われています。一方で、イギリスのEU離脱や、中国経済の減速長期化、中東情勢や原油安の長期化など、世界経済の不安定材料を見ると、上向いた景気がいつ下向きになってもおかしくない要素が多くあります。また、高齢化などにより今後も社会保障費の伸びは続くことが予想される中、PDCAサイクルによる歳出削減や歳入確保に向けた取り組みが必要な状況であるといえます。これまでも繰り返し申し上げてきてはいますが、こういった状況下、実効性のある行政評価制度が必要不可欠です。また、その結果を区政運営に活かしていくことも大変重要です。
決算資料とともに全議員に配布された、「主要施策の成果(別冊)各分野の行政評価結果」の行政評価の進め方を見ると、平成28年度から平成30年度まで3年間で1巡をさせるところには変更がなく、今年度は2巡目の初年度となります。
この行政評価結果の冊子を開いた時に、今までと大きく変更があり、びっくりしたわけなんですが、まず大きく変更があった点についてお尋ねいたします。
これまでは、分野ごとに①ア. 指標の目標達成度イ.目標の妥当性 ウ.指標の妥当性、②事業実績、③事業執行の効率性、④創意工夫・先進性にそれぞれポイント制で点数をつけ、総合評価をポイントで出していました。同時に、分野ごとに評価結果の主な判断理由と根拠をコメント形式で記載されていました。
今回は、各分野の評価項目・評価基準は「目標の達成度(5項目)」「指標・目標値の妥当性(4項目)」「事業・取り組みの有効性・適正性(9項目)」「事業・取り組みの効率性(7項目)」とかなり細かく細分化されました。
Qこれまでは、分野ごとに評価結果と判断理由や見直し改善の方向性が評価として記載されていましたが、分野ごとには総合評価点のみになり、今回は部全体で判断理由・根拠や見直し・改善の方向性が示されていますが、この理由をおしえてください。
Q各部ごとの総合評価点は、「部の取り組みの成果」と「分野の評価点」の平均で出されています。すべての点数を見ていくと「部の取り組みの成果」と「分野の評価点」にかい離がある部署があります。具体的に申し上げますと、政策室と都市政策推進室が該当します。
分野で公平に評価したのであれば、部の取り組みの成果にかい離がでることはあり得ないと思いますが、もし分野ごとの評価がきちんと部の取り組みの成果として表れないのだとしたら、改善する余地があると思いますが、そこに関してはどのようにとらえていますか。
各部の内部評価結果の見直し・改善の方向性を見ていくと、都市政策推進室では「各分野の指標は、毎年度収集できない統計・調査によるものが多く、経年で成果が測れる指標の検討が必要である」とか、子ども教育部では「子どもの学力・体力向上に関しては、成果が向上に繋がる取り組みの工夫を一層行うとともに、目標の達成度を端的に把握できる指標の設定に努められたい」などがあります。ほとんどの部で、見直し改善の方向性のところで成果指標について指摘をされています。そこで伺いますが、
Q昨年の決算総括でも成果指標や目標について設定段階で外部の目を入れるべきと指摘をさせていただきました。その際は、やらないとおっしゃっていました。確かに目標は区が進める方向性に沿って担当者が責任をもって適切に設定することは必要かもしれませんが、目標に沿った指標を設定するのは外部でも出来ると思います。今回、設定されている成果指標を見ていく中でも、無理があるな、と思ったものも散見されます。再度の質問になりますが、一度外部の目を入れて成果指標の設定をすべきと考えますが、いかがですか?
内部評価でも外部評価でも毎回ここまで成果指標について指摘をされ続けているのにも関わらず、中々改善されない。成果を図るために必要な指標だから、行政評価の中に入れ込まれているわけなので、意味のないものではいけないと思います。ぜひ、これは今後検討していただきたいと要望をしておきます。
Qこの内部評価結果に基づいてこれから外部評価を行う手順だと思います。まず今後の流れとして、外部評価のスケジュールをおしえてください。
Q今回、評価項目および評価基準が大きく変更されました。これは、外部評価も同じように変更するのでしょうか。教えてください。
これまでも、そして今年度も様々な見直しを行っている行政評価ですが、やっているだけではなく、実効性のあるものにしていっていただきたいという事を申し上げ、この項の質問を終わります。
第3回定例会 決算特別委員会で総括質疑を行いました
9月9日からスタートしている平成28年第3回定例会 決算特別委員会において、民進党議員団を代表して総括質疑を行いました。以下が通告した内容です。
1.行政評価について
2.グローバル戦略推進について
(1)民泊について
(2)英語教育について
(3)その他
3.感染症対策について質
疑内容ごとにブログをアップ致します。
第4回定例会本会議において一般質問を行いました。
11月26日(木)の本会議において、一般質問を行いました。
以下、質問内容を掲載いたします。
1.中野区基本構想検討素案及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)について
2.新区役所、新体育館整備について
3.その他
平成27年第4回定例会にあたり、民主党議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告の通りです。その他で、1点マイナンバー制度について伺います。
1.中野区基本構想検討素案及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)について
中野区は、平成17年3月、「活かされる個性、発揮される力」を基本理念として基本構想を策定しました。基本構想は、人々が力をあわせてお互いの暮らしやまちの豊かさを高めていくための区民の共通目標であると同時に、区が区民の信託にもとづき行政を進める上で、もっとも基本的な区政運営の指針です。基本構想では区民がともに目指す区の将来像を描いたうえで、10年後に実現するまちの姿を示しています。区は、その将来像に向けた区の取組を示すものとして、「新しい中野をつくる10か年計画」を策定。時代の変化や基本構想を踏まえた区政の歩みによって中野は変化をとげ、これまでの成果を検証し、新たな10年の区政の方向を定める為、区は今回、基本構想の全面改定を行うこととしました。同時に、新たな基本構想で描く10年後に実現するまちの姿に向けて「新しい中野をつくる10か年計画」についても全面改定を行うこととしました。
中野区は、基本構想・10か年計画(第3次)(素案)を第三回定例会において区議会に示されました。示された中身を見てみると基本構想は区政運営の根幹となるにもかかわらず、わかりづらいものになっており、10か年計画は基本計画にも関わらず、あいまいなものとなっています。表現方法についても横文字ばかりを並べるのではなく、もっと区民に伝わりやすく親しみやすい表現にしていくべきと考えています。基本構想・10か年計画は区が区民の信託にもとづき行政を進める上での最も基本的な区政運営の方針であり、それを実施していくための計画です。中野区民のためのものになるように進めなければいけません。
ここで、まずお伺いいたします。これまでの成果を検証したうえで新たな10年の区政の方向を定めるとしていますが、平成17年からの10年間を中野区はどのように総括しているのでしょうか?エコポイント、支え合いポイント、お買い物ポイントを連動させる「スリーポイント制度」や「区民風車」など、目標や具体的な施策として掲げていた施策のとん挫もありました。とん挫してしまった施策の検証が10か年計画のどこに活かされているのでしょうか。PDCAサイクルによる区政運営をしていくのであれば、とん挫してしまった施策を検証し、新たな10年間の施策展開に反映させていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
また「10か年計画では、将来像がどれだけ実現されてきているかを測るための具体的な『指標』を設定し、『指標』ごとの目標値を定めるとともに、将来像の実現に向けて区が取り組む施策について明らかにするという区政運営の根幹となる構成はそのままに引き継ぎながら、新たな基本構想が描く10年後に実現するまちの姿を目指していきます。」との事ですが、第3回定例会に区議会へ示された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)は、平成17年に示された10か年計画と比べても具体的な記述が乏しく基本計画とは呼べないほど大まかなものとなっています。大半の個別施策に対する「実現へのステップ」がほとんどなく、ステップ1~4までのうち「ステップ1」のみ記載があり、その他は「推進」となっているにとどまります。曖昧なままでは10か年計画とは呼べず、素案から案にする際には具体的にきちんと示すべきです。今後、計画を策定するまでにより具体的に示される予定なのか、またその際はどのように示されるのでしょうか、お答えください。
今回、素案が出た段階で、ステップ等が曖昧なまま区民との意見交換会が実施されています。本来ならば、素案で具体的に示していくべきでしたが、間に合わなかった以上、丁寧に進めるべきです。今後、案が出た段階でパブリックコメントを行うスケジュールとなっていますが、より具体的な内容が出て来た場合は再度意見交換会も開催すべきだと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
10か年計画の第1章「基本的な考え方」の中では、将来を見据え対応すべき社会状況等についても言及されています。1.少子高齢化・人口減少社会への対応、2.グローバル化の進展への対応、3.情報通信技術(ICT)の進展への対応、4.首都直下型地震等災害への備え、そして5.地球温暖化への対応が含まれています。一方、将来的に見ても地方分権が進む中、「新しい中野をつくる10か年計画」(第3次)(素案)には地方分権への対応についての記述はありません。平成28年度からスタートする介護保険制度のように、国から移管され自治体が担わなければいけないサービスや制度も今後増えてくることからも、将来を見据え対応すべき社会状況等に、地方分権の更なる進展を見据えた区の姿勢をお示しする必要があると思いますが、区の見解をお聞かせください。
10か年計画(第3次)(素案)では、第2章に未来への扉をひらく8つの戦略が掲げられております。戦略1では、まちの活性化戦略(キラリ輝くなかの)とし、サブタイトルには「産業と人々の活力がみなぎるまち」と記されています。ここでは、4つの展開が掲げられておりますが、展開1では「世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点」とし、主な施策展開では「グローバルな経済活動、商業振興、文化振興の拠点としての中野駅周辺まちづくりを推進します」となっています。先の建設委員会に「中野区グローバル都市戦略(たたき台)」が示されましたが、内容を見てみると本当に区が主導をしてやるべき事業なのか、区民へ本当に還元されていくのか、疑問に感じる部分も多くあります。産業振興施策の最もわかりやすい成果は税収増です。これまでも、ICTコンテンツ産業や、お笑い・演劇・ダンスなど中野発の文化を産業として成長させる取り組み、最近ではライフサポートビジネスなど、産業振興施策が行われてきました。こういった産業を支援する事により、税収増にはつながっているのでしょうか。もし税収増になっていないのであれば、どのような形で区民へ還元されているのでしょうか。お答えください。
2020年オリンピック・パラリンピックを5年後に控え、その外的要因において増加傾向にある外国人来街者や外国人住民に対応する「多文化共生」のための施策を進めていく事は行政として重要だと考えます。グローバル都市戦略(たたき台)の中にも記載されており、これまでも申し上げてきた、災害時の外国人対応や公共サービスにおける外国人対応の拡充、そして相互理解が期待できる外国人との交流機会の拡充などはそれに当たります。一方で、区は中野駅周辺を「グローバルビジネス等の最先端の業務拠点」としていきたい考えを示していますが、「グローバル企業」の誘致やインターナショナルスクールの誘致などは、どのように区民に還元されるのでしょうか。現在、中野区にはグローバル企業は多く存在しておらず、誘致する事により今ある中野の良い文化が失われてしまう事も懸念されます。今ある中野の良さを大切にしながら時代とともにグローバル化している環境に対応していくべきではないのでしょうか、お答えください。
また、世界に開かれた経済活動は、本来は民間の企業や団体がやるべき課題だと考えますが、ここで展開すべき世界に開かれた経済活動においての区が考える行政の役割をどう考えているのでしょうか、お聞きします。
様々質問をしてきましたが、策定段階では、中野区民にわかりやすく具体的で、また区民のための基本構想・10か年計画になるよう求めて次の質問に移ります。
2.新区役所・新体育館整備について
中野区は、新区役所整備方針の中で、現区役所について昭和43年9月の竣工で築47年が経過しており、老朽化が進み、毎年修繕工事を行いながら使用している状況にある事。また、建設以降の事務量の増大による職員数の増加や行政サービス機能の拡大などによる執務スペースの狭隘(きょうあい)化、住民サービス向上を目的としたワンストップ型サービス構築にあたっての構造上の制約、防犯、安全性を高めるためのセキュリティ確保など、様々な課題をあげています。一方で、一昨年耐震補強を実施したことで、一般公共施設等の構造耐震指標は満たしています。
昭和45年竣工の中野体育館は築45年を経過しています。平成17年度に策定された新しい中野をつくる10か年計画(第1次)では、学校再編後の旧第九中学校跡地とされ、策定から5年経過し改訂された(第2次)でも同じく旧第九中学校跡地となっていました。本年第一回定例会の中で、体育館の移転先として平和の森公園を再整備するという基本的な方針を報告されました。平成27年度の取組として、1.新しい区役所整備基本構想の策定、2.中野区役所の位置の変更に関する条例案を議会へ提出、3.新しい体育館、平和の森公園再整備の基本構想、基本計画の策定があります。それを踏まえ、質問を致します。
中野区は、先の第三回定例会に「新しい区役所整備基本構想(素案)」を提出されました。区は、現区役所の課題として、1.施設や設備の老朽化、2.床面積の不足、3.災害対策、4.行政需要の変化や情報化社会の進展への対応、5.区民が区政に参加し活動する機能の不足、とし、解決するためには、新区役所整備の必要性があると記しています。この数年間で紆余曲折あった整備予定地は、新区役所整備基本構想(素案)の中で、現中野体育館と横の駐輪場がある予定地とされ、保健所機能の併設が明記されました。先月の子ども文教委員会には、第3中学校と第10中学校の統合新校に子ども家庭支援センター、教育センター、地域図書館機能の導入を検討するとの報告がありました。
公共施設のあり方も10か年計画で示されておらず、「公共施設総合管理計画」の策定時期も未定です。区の施設全体のあり方はどのように考えているのでしょうか。今回、示された新区役所整備基本構想(素案)の規模で予定地での建設は、都市計画の変更・規制緩和が必要になります。施設白書にも示されたように、すべての公共施設を維持していく事は不可能です。公共施設の総面積は全体的には減らしていかなければならず、複合化による施設の縮充を目指していかなければいけません。新区役所整備は、公共施設の配置も見直すことが出来る大きなチャンスでもあると私たちは考えます。
4つのすこやか福祉センターや15区民活動センターのように、各地域になければいけない施設を除けば、例えば中野区商工会館、産業振興センターや教育センターなど、保健所機能だけではなく、区民の利便性を高めるために新区役所に統合する事ができる機能を模索し、様々な施設の複合化や配置の見直しも検討すべきではないでしょうか。区の見解をお答えください。
次に整備における事業手法について伺います。
新しい区役所整備基本構想(素案)では、事業手法の選択として直営方式とPFI方式の概要及び特徴を表で比較した上で、「事業手法の企画検討の内容を踏まえ、直営方式はPFI方式と比べ、区の意向を設計内容に反映しやすいこと、また区役所の運営に民間のノウハウを活用できる余地が少ないことから、事業手法は『直営方式』とします」と記述されているにとどまります。直営方式で実施する事を否定するものではありませんが、一方で、隣の渋谷区やまた豊島区のように、民間からの資金調達で税金を1円も使わず新庁舎建設を行うとの報道がされた事もあります。渋谷や豊島の事例をどのように評価しているのでしょうか。こういった事例もある中で中野区が201億円のすべてを、税金を使って整備するというのでは、理解がされないのではないでしょうか。直営で実施すると決定した、その判断に至った説明責任は当然求められるものだと考えます。新しい区役所整備基本構想(素案)では、その説明が十分に果たされているとは思えません。また、区は新区役所整備に要する費用の財源として、「現区役所敷地及び現保健所敷地を、最大限有効活用することによって生み出します。整備費の支出については、財源の収入時期に応じて、一時的に起債や基金を活用して対応します。」とありますが、現段階では201億円のうちどれくらいを区役所敷地および保健所敷地の活用で賄えると見込んでいるのでしょうか。また、整備費と財源はセットで提示されるべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。
次に整備スケジュールについてお伺いいたします。
今回の新区役所整備構想(素案)では、これまで示されていた竣工時期が平成32年から平成33年に変更となりました。検討の段階では、工事期間を2年と見積もっていたとのことですが、素案作成の段階で委託業者から工事期間に2年以上時間を要すると話があり、竣工が平成33年になっているとの事で、新区役所整備による中野体育館の使用不可期間も当初の予定通り1年間と変わらない予定と伺いました。
当初は、2020年オリンピック・パラリンピックや西口の整備と併せて整備完了を目指す予定だったと認識していますが、このように工事期間の延長によりそれまでには終わる見込みがない事になりました。オリンピック需要により、資材や労務単価が高騰する中、平成33年竣工にこだわるべきではなく整備スケジュールの再検討をすべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
整備スケジュールと関連して平和の森公園の再整備について伺います。
今回、新区役所整備構想(素案)について区議会へ報告されましたが、新体育館の移転先とされている、平和の森公園の再整備については示されていません。区役所の移転・再整備の必要性やスポーツ施設の再整備は理解するところですが、2つの整備については関連する部分も多い事から、一緒に示されるべきであり、それでなければ区民には理解されません。中野区は平和の森公園再整備の具体的な計画をいつお示しになるのでしょうか、お答えください。
様々な質問をしてきましたが、公共施設の全体のあり方、区役所整備においての資金調達のあり方、整備スケジュール、平和の森公園の1ヘクタールの未利用地、体育館利用の空白期間など、我が会派として懸念をしています。それらの懸念を払拭するような区の努力を求めこの項の質問を終わります。
3.その他
その他の項で1点、「社会保障・税番号制度」いわゆるマイナンバー制度について伺います。社会保障や税に係る各種行政事務の効率化が図られることや、より正確な所得把握が可能となり、社会保障や税の給付と負担の公平化が図られることから、本年10月5日からマイナンバー法が施行され、中野区でも11月9日より通知カードの発送が始まりました。
11月18日には、中野区内でも郵便局が再配達の依頼を受けて勤務先に転送する際に誤って別の方のカードを送ってしまった事が発覚しました。書留に記載された11桁の番号が本来転送するはずの通知カードと下4桁が同じだった事が原因とみているようです。この誤配は、中野区が行ったものではないものの、悪意がある人の手元に渡っていれば情報流出などにもつながりかねない案件です。今回の郵便局の誤配について、各地で類似する誤配が起きている事からも、今後起きないとは言い切れません。再発防止に向け、郵便局とも協議を進めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。今回の誤配のように、人的なミスで個人情報が漏れてしまうケースも想定できます。暗号化されているから情報漏えいはあり得ないというご答弁が区民委員会でも繰り返されていますが、個人情報が万が一漏れてしまった時の想定をしておかなければ本当の意味の危機管理にはなりません。中野区は、マイナンバー制度に対する、個人情報漏えいに対応するマニュアルは作成しているのでしょうか。また、もし未作成なのであれば、今後マニュアル作成をしていくべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
以上ですべての質問を終わります。ありがとうございました。
区長に予算要望を提出しました
11月13日(金)、中野区議会民主党議員団として中野区長へ予算要望を提出してまいりました。
内容は以下になります。
平成28年度中野区予算要望
区財政は、消費税増税や株高傾向などの影響により歳入が増え、平成26年度普通会計決算では各種指標に改善傾向が見られました。しかし、株価の先行きは不透明感を増しており、社会保障費の伸びも続くことが見込まれるため、引き続き財務規律を守っていく必要があります。
一方で、株高傾向・企業収益の改善が個人の可処分所得増に結びつかない状況が続いています。雇用についても、有効求人倍率は改善傾向にあるものの、正社員に限定すると未だ1倍未満であり、非正規雇用比率は4割を超えました。景気回復と言われても、多くの区民には実感が持てないというのが実際のところです。
このような区民の感覚・生活実態を十分に把握しつつ、区民の生活を支える施策、区の持続可能性を高める施策をしっかりと進める必要があります。
こうした観点から、民主党議員団は、下記の事項について平成28年度予算に反映されるよう要望します。
1. 公正・公平な中野を目指して
・特別区民税、国民健康保険料をはじめ、すべての区債権の収納率向上
差押えを基本とした滞納対策
・税金のムダづかいをなくすための事業評価手法の改善
公共サービスのフルコスト計算による事務事業診断
委託事業全般のコストと効果の検証と公開
外部評価委員会の土日や夜間開催
・透明性のある持続可能な区政運営
予算編成過程の透明化
新区役所整備手法の検討内容の公開
・良質な公共サービスの提供
「公共サービス基本法」を踏まえ、契約する民間企業・団体の労働条件の調査
上記の調査から、適正な労働条件確保のため、「公契約条例」の制定
2.子どもを産み育てたい中野を目指して
・妊娠・出産・子育てトータルケア事業の充実
対象者の状況変化に応じた切れ目の無い支援の実施
対象者の声の把握と事業内容改善への活用
・保育園・学童クラブの待機児童の解消と質の向上
研修制度の充実や保育士確保への取組み
休日・一時・病時保育等の多種多様な保育ニーズへの対応
・地域力を活かした子育て支援の充実
生活圏内での乳幼児親子の活動の場の確保
子育て支援に取り組む地域の団体への支援
・公教育の充実
学力向上の取組みの強化(少人数指導・習熟度別指導)
体力向上の取組みの強化(部活動支援・外部指導員の一層の活用)
2学期制の検証
特別教室の冷房化、トイレの洋式化、および老朽化した学校施設全般の改修
国際理解教育の継続および充実(区内大学への留学生との連携など)
学校給食の公会計化の検討
・安心して子育てできる環境作りの推進
学校生活に課題を抱える児童生徒の支援(スクールカウンセラー・ソーシャルスクールワーカーの増員など)
巡回指導の充実をはじめとする手厚い特別支援教育
児童相談所の区への早期移管
子どもの貧困の実態把握と必要な対策の実施
子ども医療費助成制度の検証
少子化の原因を踏まえた出生率向上対策
不妊治療の助成制度創設
3.安全・安心の中野を目指して
・自然災害等に対する脆弱性の克服と地域防災力の向上
密集市街地・狭隘道路の整備、オープンスペースの確保
木造住宅耐震改修助成制度の創設
高齢者・障害者世帯を対象とした耐震シェルターなどの設置費用助成の検討
災害協定締結団体との訓練の実施
災害時の区内在住外国人への情報提供体制の整備
学校現場での防災教育の充実
実効性ある災害時避難行動要支援者への避難支援等の取組みの強化
一時避難所への案内標識の作成設置
避難所機能の充実
被災地復興支援の継続と、支援活動で得られたノウハウの区防災施策への活用
・公的支援を必要とする人を救う仕組みづくり
生活保護の適正支給と受給者への自立支援、就労のためのきめ細かな支援
生活保護の不正受給根絶と医療扶助のチェック徹底
ケースワーカーの負担軽減と現場体制の見直し
・地域包括ケア体制の確立
中学校区単位で基本的な福祉サービスが受けられる体制の整備
地域の人材資源や区内の民間事業者の積極的な発掘・活用
改正介護保険法施行に伴う介護サービスの維持・拡充
すこやか福祉センターを拠点としたアウトリーチによる支援の強化
・がん対策
子宮頸がん検診の細胞診とHPV検査の併用検診の実施
がん検診の受診対象者全員の受診券の送付
子宮頸がん検診および乳がん検診未受診者への受診勧奨事業の継続
受動喫煙防止施策の実施
・メンタルヘルス対策
メンタルヘルスの正しい知識の普及と相談機関の周知
自殺者数の減少傾向がみえない若年層に向けた取組みの強化
4.住んでよかったと思える中野を目指して
・住環境の基盤整備
ファシリティマネージメントの早期策定と、それと連動したデマンド交通の検討
中野駅西口と南北通路デッキ整備の着実な推進
西武新宿線連続立体交差化事業の着実な推進と野方以西への実現
東中野駅東口バリアフリーの着実な推進と実現
住民理解と空白期間を作らない新体育館整備
透明性を確保した新庁舎整備
地域理解を充分に踏まえた学校跡地利活用の取組み
・働く世代が余暇を楽しめる環境整備
街の緑化・美化の推進
キャッチボールができ・動物にもやさしい魅力と特色ある公園整備
図書館の蔵書の充実、学校図書館の地域開放
区民が文化・スポーツに親しめる環境作り
・地域や住民自身の活動の支援
改正NPO法に対応した、新寄付税制への条例改正
区民活動センターのあり方の検討
実効性のある商店会活性化支援
・国際交流の推進
幅広い海外自治体との交流と民間交流の支援
・区民の区政参加促進
投票率向上に向けた取組みの強化
18歳選挙権実現を踏まえた主権者教育の実施
意見交換会・パブリックコメントの活性化
平成26年度決算についての会派見解
9月14日に設置された決算特別委員会は、総括説明の後、4日間の総括質疑、3日間の分科会を経て10月2日に委員会採決が行われました。
民主党議員団としての会派見解は以下になります。
区民の生活実態を踏まえた施策展開を
平成26年度普通会計の歳入歳出決算額合計は、歳入が1323億7712万8千円、歳出が1274億2957万6千円となり、実質単年度収支が44億円となりました。
扶助費は6.5%の増となり、今後も社会保障費の伸びは続く事が予想される為、持続可能な財政運営が求められます。個別の施策では、保育サービス拡充の姿勢、東中野駅前広場整備、子宮頸がん検診未受診者への受診勧奨、被災自治体への支援継続は評価します。主要三債権の収納率向上は評価しますが、公平性と歳入確保の観点からより一層の取組が求められます。また、大規模公園整備の方針は評価しますが、維持管理費等経常経費については抑制策を求めます。
一方、カーボン・オフセット事業は効果に疑問が残ります。体育館移転等平和の森公園の再整備については歴史的経緯を踏まえ区民の理解を得られる計画になるよう要望します。学校設備の改修や中部スポーツコミュニティプラザ利用率の低迷については改善策が求められます。現金管理において不明金が発生した事は区民の区政への信頼を損なうものです。徹底した再発防止を求めます。
景気は回復傾向と言われていますが、区民生活には反映されていません。決算の各種指標には改善傾向が見られますが、区民の生活実態にも目を向け、必要な施策の展開を進めるよう求めます。
第3回定例会・決算特別委員会にて総括質疑を行いました。
9月24日(木)決算特別委員会にて総括質疑を行いました。
取り急ぎ、質問の原稿をペーストします。
1.行政評価について
2.国際交流について
(1)友好都市・姉妹都市交流について
(2)多文化共生について
3.平和を継承する取り組みについて
4.動物愛護について
5.その他
平成27年第3回定例会決算特別委員会において民主党議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通りです。その他はございません。
1.行政評価について
まず、行政評価についてうかがいます。平成26年度中野区一般会計の歳入歳出決算額は、前年度と比較すると歳入で7.8%の増、歳出で6.2%の増となりました。歳出決算総額を性質別にみると、義務的経費は前年度と比較して1.2%の増となり、今後も社会保障費の伸びは続く事が予想されることから、PDCAサイクルによる歳出削減や事業見直しを不断に行って来ている現状ですが、区も「一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況」と分析をされています。そんな状況下、実効性ある行政評価制度は必要不可欠です。
中野区の行政評価は、平成25年度に大きく変更がありました。外部評価に先立ち、内部評価が行われています。内部評価においては、まず主管部が自己評価を行い、その評価に基づき、他部による部間相互評価を実施。さらに、各部長で構成する内部評価委員会による評価を行うことで、評価結果の制度向上に努めている、とのことです。また、外部評価では、それまでは、すべての分野に対して行っていた外部評価を3年ですべてを見ていくという形に変更。そして、また、決算値を含めたものにするため、以前は6~7月に行われていた外部評価委員会を決算認定後に行っています。
平成26年度外部評価は、平成26年10月から平成27年1月まで約4か月をかけ、5部18分野を対象に行われました。内部評価結果に基づき事前に作成した質問票に対する文書回答をもとに、担当係長による事業説明会が行われ、その後部長よび副参事による公開ヒアリングを実施するなど、4回にわたる聞き取りが行われたとの事です。その上で、外部評価委員会で評価を確定されたという手順で行われました。
毎回、「外部評価結果の講評」や「今後の課題」として外部評価委員会からのコメントがあるのですが、何点か気になる点がありましたので、質問をさせていただきます。「今後の課題」のところで、目標の適正化が指摘をされています。これまでも、ほぼ毎年のように指摘をされてきているところかと思います。目標や目標値の設定方法やレベルにばらつきがないよう、政策部門が全体を統括する必要がある、とコメントをされていますが、各分野の目標の適正化はどのように行っていくのか。目標設定は各分野ごとに行ってきていますが、その目標設定が適正かどうかはどのように判断しているのでしょうか。
今回、内部評価では、指標の妥当性を含む指標の目標達成度からア.指標の目標達成度、イ. 目標値の妥当性、ウ. 指標の妥当性と三つにわけ、よりわかりやすく変更されています。これにより、指標や目標値の妥当性がより見やすくなりました。が、見やすくなったからこそ、妥当性がゼロなのに、達成度が6というような、目標達成値の矛盾点もわかりやすくなりました。長年行ってきている行政評価ですが、こうも毎年目標設定を指摘されている、という事はあらためて考えていかなければいけない課題だと認識しなければいけません。9月号の月刊ガバナンス「実効性の伴う自治体計画にするためのヒント」という記事の中で一般社団法人地域開発研究所上席主任研究員の牧瀬稔氏は、設定した指標こそ外部有識者を活用していく意義があるとおっしゃっています。中野区でも、その妥当性を外部有識者や公募区民などに見ていただいていますが、指摘をされても改善されないのでは意味がないと思います。現在は、指標や目標設定は各分野で行われていますが、設定段階から外部評価委員や他部署の方など、外部の目を入れると言う方法もあるとおもいますが、いかがでしょうか。
指標の目標値の中には、行政組織の目線で設定されており、区民目線ではないものも含まれている、との指摘もうけています。組織内部の論理ではなく、区民の目線で目標値を設定するよう、私からも要望を致します。
また、「外部評価結果の活用と検証」のところでは、『外部評価結果には内部評価を含めて多大な時間とエネルギーが費やされている。単なる形式にとどめず、実効性のある評価にするには、評価結果を実際の事業の見直しや改善につなげていくことが重要である。外部評価委員会の意見が事業の改善にどうつながったのか、また、意見が反映されなかった場合その理由はなにかなど、各年度の外部評価の結果を長いスパンで追跡して、検証していくしくみや区民に説明しつづけるためのしくみが必要ではないか』とのコメントがあります。
平成25年度の外部評価委員会にも「一方的な業務説明ないしは業務正当化を図るばかりではなく」と指摘をされたと思いますが、「単なる形式にとどめず」と言われてしまうという事は、外部評価を行っている意味が区政に反映されていないと外部評価委員会が感じてしまっている、形式ばかりで実効性がともなっていないと指摘されているも同然です。
単なる形式であれば、時間とエネルギー、そして経費のムダです。指摘をされているように、実効性のあるものにしていっていただきたいと思いますが、ご担当はこの指摘についてどのように考えていらっしゃいますか。
最後のところで、「また分野や職員によっては良く準備し積極的に取り組む姿勢も見られたが、外部評価全体を通じて、職員のプレゼン力と外部評価委員の意見を積極的に取り入れる姿勢に物足りなさを感じる事があった。職員の外部評価への意欲を高めるとともに、プレゼン力を向上するために、一層の工夫を求めるものである。」とコメントされています。
こういった行政評価の大きな目的のひとつとして、職員の意識改革があると思います。中野区でも、5つの目的のひとつとして掲げています。
外部評価はもう既にスタートしてから12年が経過していますが、それでもなお、外部評価に対する職員の意識が向上しないのは、形式的になってしまっているからではないでしょうか。ただ意識を改革しろ、と言われても改善はされないものです。
また、外部評価は外部の目を入れるという重要な役割を持っており、公開でヒアリングも行われていますが、傍聴者はほとんどおらず、その目的がきちんと果たされているのかは疑問に思う部分もあります。やはり、多くの人たちに見られて評価されることで、改善をしていく気概も生まれると感じます。土日開催は時間的に、と以前答弁されていた経緯もありますが、平成25年度から大きく施策転換されたわけですので、6~7月の限られた日程で行わなければならなかった以前と比べ、時間的制約はなくなったように感じます。土日、もしくは平日の夜のような、もっと多くの区民が傍聴に訪れる事が出来る日程も含めて外部評価委員会を開催してみるべきだと思いますが、ご見解をお聞かせください。
昨年の決算特別委員会の総括質疑で外部評価について質疑をさせていただいた際、平成25年度は外部評価委員会の開催が1月であったのに対し、平成26年度は10月から開催が出来るため、外部評価を参考にし、次々年度ではなく、次年度予算への反映が出来るとの答弁をされていらっしゃいましたが、実際に外部評価委員会の結果を踏まえ、平成27年度予算もしくは施策に反映をする事ができたのでしょうか伺います。
行政評価とのかかわりの中で、関連して質問を致します。中野区では、職員が主体となって業務の改善を行っていく、「おもてなし運動」があります。業務の改善を行っていくのであれば、行政評価の中で言えば「自己評価」を踏まえ、事業効率など改善を行っていくものと同等に感じられますが、「おもてなし運動」は政策室の業務改善分野、行政評価は経営室の行政監理分野に含まれています。業務を改善していく、という意味では業務改善分野も行政監理分野と隣り合った関係であると感じます。ここの部分での組織の在り方についても、是非、今後の検討課題としていただきたいと思います。
また、「おもてなし運動」という業務改善を職員主導で行い、「おもてなし運動発表会」も行われ、また優勝者は全国のカイゼンサミットにも出場するなど、大きな位置づけになっているように感じます。それであれば、どの分野もおもてなし運動で行った改善を行政評価の中に含めるべきだと感じますが、いかがでしょうか。
様々な見直しを行ってきている行政評価ですが、是非、実効性のあるものにしていっていただくようお願いしこの項の質問を終わります。
2.国際交流について
次に国際交流について伺います。まずは国際交流についてのうち、友好都市・姉妹都市交流について伺います。すべての区の事業を実施する意義は、その事業がきちんと区民に還元をされていることだと思います。これまでの一般質問や総括質疑で度々申し上げてきましたが、国際交流を実施する意義のひとつにグローバル人材を育てる教育に役立てるという観点があります。文部科学省でも平成24年からグローバル人材育成事業を始めております。これは、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国のきずなの強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進するものです。もちろん高等教育でこのように推進することもとても大切だと思いますけれども、その基盤をつくるのはもっと小さいころの環境ですし、実際に平成23年度からは小学校での外国語活動も必修化されました。区長も、ここ最近はグローバル人材を育てるための教育について様々な機会に重要性をご発言されているかと思います。人口減少社会の中、また、国際競争力が激しくなるグローバル化社会の中、グローバル人材を育てるという観点は、国力のためには非常に重要だと考えています。また、グローバルな人材を育てる上で大切なことは言語だけではありません。日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、またそれを尊重できるということも大切ではないかと考えます。その意味でも、違う文化を持つ国の方々と交流できる機会をとらえ、推進していく事が、これから世界へ羽ばたいていく子どもたちの力を育てると思っています。
現在、中野区は、中国北京市西城区と友好都市を、韓国ソウル特別市陽川(ヤンチョン)区と姉妹都市を締結しております。西城区とは国際交流協会の事業で少年野球チームの交流が夏に行われておりました。一昨年、昨年と2年連続で、国家間の情勢不安やPM2.5の影響などにより中止になってしまいました。これまでは、中野区の少年野球チームが西城区へ出向き、野球交流をしていましたが、今年は西城区の子どもたちが中野区へ来ての交流という形で、再開をされました。これは大変喜ばしい事ですし、子どもたちにはとても良い経験になったのではないかと思います。もちろん、中野区国際交流協会や軟式少年野球連盟とも協議の必要があるかと思いますが、今後の西城区との少年野球交流は、今年度と同等な形で継続していくのでしょうか。お聞きします。
もうひとつの都市である、陽川区とは2010年11月に姉妹都市を締結してからいまだ交流の事業が決まっておりません。協議を続けてきていると毎回ご答弁されているのですが、その後、何か進展はあるのでしょうか。お聞きします。
一方、友好都市、姉妹都市ではありませんけれども、ニュージーランドのウェリントンとは、区内中学校に通う子どもたちとウェリントンの中学生が毎年行き来をする交流事業が長年にわたり続けられております。私自身も中野区国際交流協会の評議員として、中野区の子どもたちがウェリントンに行く際は送迎会と帰国報告会、ウェリントンの子どもたちが中野区に来られるときはお別れ会に出席をさせていただいております。交流を通して多くのことを経験してくる子どもたちの姿を見ることができ、本当に充実したプログラムとなっていることを実感しています。本来は、このようなプログラムが増えていく事が大変望ましいのですが、ウェリントンとの交流は長い経緯の中で続いてきた事もあり、新たに同じような交流事業を始める事は中々難しい現状も理解はしています。区は友好都市・姉妹都市交流の中には子ども交流という観点も含まれる、と以前ご答弁されていますが、ヤンチョン区と具体的に交流事業を煮詰めていく上で、是非子どもの交流という観点を念頭に置いていただきたいと思いますが、いかがですか。
いずれにしても、自治体間の国際交流は、一昔前の議員や行政の特権と言われるような区民に歓迎されない交流になっては絶対にいけないと思っています。そう言われないためにも、戦略を持って行わなければいけません。周年行事での区の職員や議会、関係団体などの行き来も、関係を築いていく上で必要だと思っておりますけれども、それだけではなく、きちんと区民へ還元されるよう今後の御努力に期待をしていますが、区のお考えはいかがですか。
友好都市・姉妹都市の締結をしても、具体的な事業が決まらなければ、締結をした意味もなくなってしまいます。ましてや、周年行事だけ行っているのは、まったく区民へ還元されずムダと言われかねません。ヤンチョン区側の事情などがあった事も理解はしていますが、それを踏まえても、そろそろ具体的に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、国際交流の中で中野区内での多文化共生について伺います。その中でまずは外国人支援について伺います。中野四季の都市のオープンに伴い、明治大学や早稲田大学の留学生など、昼夜問わず中野区の外国人人口は増加傾向にあります。2020年の東京オリンピックパラリンピックに向け、東京都内の外国人人口は増加する事が見込まれ、中野区も例外ではないと思います。平成27年度からは窓口での多言語対応が可能になるなど、中野区においても外国人住民の方々への対応も一定程度されてきた事は確かだと思います。
これからの5年間は多くの来街者が予想されますが、多言語化というものが遅れている事は否めません。主要駅や施設の表示、またそこへの案内表示など、日本語を読み書きする事ができない外国人にとっては非常に不都合な現状かと思います。東京都では、オリンピックパラリンピックに向け、多言語対応協議会を立ち上げ、官民一体となり交通機関や道路等における案内表示の標準化に取り組むとしており、平成27年2月19日東京都産業労働局は、「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」を改定しました。これは、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」等を踏まえ、内容をより充実させた東京都版ガイドラインとして指針を改定したものです。これにより、中野区にはどのような影響があるのか教えてください。
2020年に向けて、来街者・観光客への対応というのはとても重要になってくるひとつですが、留学や海外からの赴任により中野区で暮らす外国人の方々の支援も、多文化共生という観点からは重要なところだと思います。以前、住み続ける基盤として「外国人の方々も同じ区民として連携協力をしながら中野という地域社会の中で安心して暮らし続けていけるということが必要であるというふうに考えてございます。基盤と申しましても、具体的に申しますと、例えば日本語の習得や情報リテラシーの向上であるとか、交流の機会の提供であるというふうに考えてございます。」とご答弁されています。
日本語習得に関しては、中野区国際交流協会での多くの日本語ボランティアさんたちがいらっしゃいます。一方で、中野区国際交流協会の知名度がまだまだ足りないという部分もあります。ANICも日本語ボランティアだけにとどまらず、夕涼み会やお料理教室など文化的な交流事業も行っていますが、参加されるのが一定の方々で13000人を超す中野区に住まわれている外国人にこういった情報が届いているとは思えません。総合防災訓練もいつも参加者が少人数にとどまります。せっかくやっている事業ですし、ANICの方々も一生懸命取り組んでいただいています。是非、区としても中野区国際交流協会に関しての広報を徹底していただきたいと思いますが、いかがですか。
最近、よく耳にする事が、オリンピックパラリンピックに向け、様々な中小企業やレストランなどの飲食店が多言語化するために外国人留学生などを雇いたいというニーズがあるのにも関わらず、どこで見つけてきたらいいのかわからない、というような相談を受ける事があります。一方で、以前参加をさせていただいた明治大学国際日本学部の多文化共生フォーラムでは、外国人留学生は仕事をする場所を見つける事が難しいとの提言もありました。需要と供給が存在するはずなのに、マッチングが上手く出来ていない現状があるように思えます。八王子市では、「東京都外国人雇用サービスセンター」や「NPO法人留学協会」、また市内企業の協力を得て、留学生向けに就職支援セミナーを実施しています。日本で就職活動するにあたっての基本的な知識や日本の企業で働く先輩外国人留学生のアドバイスの他、個別相談にも対応しているそうです。8月18日の都政新報に、東京都産業労働局が外国人留学生を中小企業への就職につなげる採用支援に着手すると報じられました。中小企業でも外国人留学生の採用意欲が高まっているものの、卒業後に国内で就職する留学生は25%程度にとどまっており、採用の促進が課題となっている現状から、国内での就職を望む留学生と都内中小企業双方に採用に向けたノウハウを提供することで、お互いの理解を深める事が狙いとのことです。一般社団法人学生支援機構の調査によれば、日本で学ぶ外国人留学生の65%が賃金の高い日本国内での就職を希望しているものの、結果として25%にとどまっているのが現状です。四季の都市のオープンにより、中野区には多くの留学生がいます。また、来街者が増える事を見越し、外国人留学生を採用したい企業も存在します。是非、こういったところに情報提供を行うとともに、中野区が運営する「ぐっJOBなかの」にも「東京外国人雇用サービスセンター」のリンクを貼るなど、対応をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。
学校教育の中でのグローバル人材を育てるための教育について伺います。中野区の小中学校では、四季の都市に来た大学と連携をし、外国人留学生との交流授業を行っている学校があります。平成26年度および27年度、塔の山小学校の5年生で年3回、緑野小学校の6年生が年1回それぞれ明治大学の留学生と交流授業を行っています。小学校での授業は、児童が留学生の出身国について調べ、プレゼンテーションを行い、そのプレゼンテーションについて意見交換を行う事で相互理解につなげるという授業内容と伺っています。また、中野中学校では中学3年生の1コマ、早稲田の留学生と交流授業を行っており、世界情勢全般についての意見交換を行っていると伺っています。
移民が多いわけではなく、またこの島国の日本で、以前よりはグローバル化が進み外国人人口も増えてきているとはいえ、中々このように外国人の方々と交流する機会が乏しい中、非常に有効かつ推進すべき交流授業なのではないかと考えています。協力をしていただける留学生も限られている中、すべての学校でこういった授業を行う事は難しいかと考えます。一方で、現在は大学の教授と学校長のやり取りでこのように連携をして授業が行えていると伺っていますが、学校長はずっと一緒ではなく、別の、それも中野区外の学校への転勤もありえるわけで、継続性を非常に懸念しています。広げていくのは難しいにしても、特色ある学校づくりの一環として、今現在行っている学校では、継続していけるよう区としても取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
多文化共生の観点の中に、諸外国で育ち中野へ帰国した帰国子女の子どもたちへの対応も含まれていると考えます。いでい議員の一般質問でも取り上げられており、重なる部分もありますが、私の観点からも質問をさせていただきます。第三中学校は現在、中野区の帰国生徒重点受け入れ校として平成13年から指定をされています。歴史をたどれば、昭和49年に文部省が指定をした帰国子女教育研究協力校となり、平成12年にその指定から外れてからもそれまでのノウハウから中野区で重点校として指定をされているという経緯があります。日本語の補充教室を行っており、日本語支援として2名の人的配置が行われています。現在、18名の帰国子女生徒が第三中学校に通っているとのことです。帰国子女に特化している学校として、中野区だけにとどまらず、全国でも有名だと伺っています。こういう学校教育施設は、中野区にとっても財産です。一方で、第三中学校は学校再編の対象校であり、第十中学校との統合が決まっています。統合校が出来た際には、今の第三中学校の帰国生徒受け入れ重点校としてのノウハウを引き継ぎ、その機能を備えていくべきだと考えますが、いかがですか。
外国から帰国した生徒がきちんとした支援を受け日本語を学び、日本社会に順応するという事自体がグローバル人材の育成だと考えます。多文化を知っている貴重な人材となりえます。中野区の未来のためにも、こういった学校機能を失うべきではないと改めて申し上げこの項の質問を終わります。
3.平和を継承する取り組みについて
次に平和を継承する取組について伺います。戦後70年を迎えたこの8月、私は長崎県長崎市と広島県広島市、ともに70年前アメリカにより原子力爆弾が落とされた両市に訪れる機会をいただきました。長崎市、広島市ともに原爆資料館や平和祈念館を視察させていただき、改めて原爆の恐ろしさを学び感じ、また改めて核廃絶を目指していかなければいけないと感じました。原爆が落とされた事に対する検証もいまだすべてが解明されたわけではありませんが、先の戦争を忘れる事なく、次の世代へと継承していくことがとても大切です。一方で、戦争を経験した世代の高齢化が進んでいる事も事実です。私たちの世代では、祖父母が戦争を経験している世代ですが、今の子どもたちはおじいちゃんおばあちゃんでも戦後生まれという家庭が多く、戦争を自分事としてとらえる機会は中々ないのも事実です。NHKの20代への調査では、8月6日や9日がどういう日か答えられた方が30%にとどまっているという結果が出ています。平和を継承していくためには、教育の場ももちろんですが、それだけでなく取り組んでいかなければいけないと感じます。
今年度は「平和の語り部派遣事業」として、中野区内の全中学校にて戦争経験や広島での被爆体験などについての講演が行われました。子どもたちにとっては、非常に貴重な体験となったと考えます。一方で高齢化が進む中、「語り部」を担ってくださる方々を探すのにも中々ご苦労されているとの事でした。8月8日、長妻昭衆議院議員が中野サンプラザにて、「戦争体験を聴く会」という会を開き、6名の区内にお住いの戦争体験者からお話を伺いました。戦地だけでなく、様々なお立場で経験された戦争体験をお話くださり、非常に貴重な時間となりました。また、会場にいらした方々の中にも多くの方が戦争を体験されており、焼夷弾を実際に持って来られた方もいらっしゃいました。
中野区内でも東京大空襲など、当時壮絶な体験をされた方が多くいらっしゃいます。こういった語り部事業に貢献していただける人材はまだまだいらっしゃると思いますが、掘り起こしをしていき、是非ご協力をいただけるよう区としても働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
先の戦争は70年前に終戦を迎え、戦争を知っている世代はどんどん少なくなっている事も現状です。長崎市では被爆体験の次世代への継承が急務となっている中、被爆2世・3世などの家族が被ばく継承に重要な役割を果たしていくと考え、家族証言者として活動していく方々を募集し必要な支援を行っていく「語り継ぐ家族の被ばく体験推進事業」を平成26年度から開始しました。広島市では、被爆体験証言者の被爆体験を受け継ぎ伝える伝承者を育成する事業を平成24年度から始めており、3年間の研修を受け、今年度4月から1期生50名が実際に活動を開始されています。広島市では、実際に伝承者のお話を聞く機会もいただきました。長崎市や広島市などの被爆地では、こういった伝承事業がすすめられることにより、平和を次の世代にも伝えていくという強い姿勢で取り組まれています。
先々週末、9月12日土曜日の学校公開授業では、第3中学校で「道徳授業地区公開講座」が開催され、授業公開では生命尊重や国際理解についての公開授業を、講演会ではゲスト講師にシンガーソングライターの佐々木祐滋さんを招き「子どもたちが未来に向かって安心して生きていけるように、生の希望にあふれ、いのちの大切さを実感できる社会の実現をめざしたお話」をしていただいたとのことです。佐々木さんは、広島平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった少女「佐々木禎子」さんの甥っ子にあたる被ばく2世で、現在は中野区に住まわれています。公開講座は地域でも非常に評判が良かったと漏れ聞いていますが、ご担当は公開授業の成果、例えば子どもたちの反応をどのように把握されているでしょうか。
佐々木さんは日本各地でご講演されているだけでなく、最近ではハワイやブラジルなど、諸外国でもご講演をされています。今回、佐々木祐滋さんご本人のつながりで、第三中学校、また実践中野中学でもご講演される事になったそうです。こういった人材が中野区にいらしたということを区は把握されていたのでしょうか。
今回、第3中学校では道徳の時間を使い、この平和に関する公開講座を行ったという事ですが、区内の他の学校で戦後70年という節目に同じように平和継承の授業を行った学校はあったのでしょうか。
平和を継承していく大きな要は教育現場だと思います。先ほども申し上げましたが、今の子どもたちはおじいちゃんおばあちゃん世代も戦後生まれがほとんどの中、先の戦争を自分事としてとらえる機会がほとんどありません。他の学校でも、様々な機会をとらえて、こういった講演会をしてみてはと考えますが、いかがでしょうか。
また、長崎市は被爆伝承の取組の1つとして、「青少年ピースフォーラム」という事業を行っています。これは、平和祈念式典にあわせ、全国の自治体が派遣する平和使節団の青少年と長崎の青少年とが一緒に被爆の実相や平和の尊さを学習し、交流を深める事で平和意識の高揚を図ることを目的として実施しています。ピースフォーラムには各自治体の手あげで参加をされているとのお話でした。東京都内からも港区、新宿区、品川区、板橋区の子どもたちが参加をされています。広島市でも同様の事業が行われており、こちらにも東京都内から新宿区や多摩市などが参加されているそうです。参加費用は各自治体負担とのことではありますが、子どもたちが主体的に学ぶ機会を得られる非常に有効な機会かと思います。派遣する子どもの選考基準を設ける際に、例えば学校で作文発表をして全員が選考過程に参加をするなど、また、学んだ子どもたちが帰京後に他の子どもたちに発信していくなど、アクティブラーニングにもつながると思います。このような事からも、平和尊さを自分事としてとらえる、学べる非常に貴重な体験となりえると思います。是非、中野区も参加を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
繰り返しになりますが、戦後70年が経過し、中野区としても平和を継承していく取り組みをきちんと進めていく事を期待し次の質問に移ります。
4.動物愛護について
次に動物愛護について質問を致します。平成25年9月に改正された動物愛護管理法が施行されました。その内容は3つの柱からなります。一つ目は『終生飼養』について、明文化されました。まず、法の前提として、動物愛護管理法は動物を取り扱う業態側と飼育する飼い主側の両方を対象にしています。ペットの飼い主に対して『終生飼養するという』責任が明文化されました。また、動物取扱業者の責務にも販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されています。そして、自治体(保護センター等)に持ち込まれた犬猫が終生飼養の原則に反する場合『引き取りを拒否できる』旨が明記されました。また、自治体が保護したり引き取った犬猫は飼い主に返還、あるいは新しい飼い主に譲渡する努力が義務付けられました。
ふたつ目は『動物取扱業』のさらなる適正化です。犬猫を取り扱う業の方々は、『犬猫等健康安全計画の提出』をしなければならないと義務付けられました。また、ペットを販売するにあたり、『現物確認及び対面説明を義務付け』となりました。これまでは、インターネット販売でペットを販売し空輸されるという例がありましたが、動物を販売する場合には、一度は必ず対面をしてきちんとペットについて説明する事が法律に明記されました。
3つ目は災害時における動物の適正な飼養及び保管に関する施策を、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に定める事項に追加されました。
また、幼齢動物の引き渡し日齢に関して、法改正前までは、特に動物が販売される具体的な日齢は規定されていませんでした。今回の法改正では、経過措置として、法施行後3年間は生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡し等が禁止されます。その後、生後49日以内に変更になり、次に法で定める日から生後56日以内は禁止となります。
このように、法改正により、生後間もない犬猫の販売禁止や殺処分がなくなることを目指すなどの内容が新たに加えられ、動物を扱う業者であっても飼い主であっても、ペットを一生大切に飼育するという理念が加わりました。ペットを愛する方であれば当たり前のことだと思われがちですが、法改正により、その『理念が法により守られる』ようになりました。
今週、9月20日から26日は動物愛護週間です。中野区では、この動物愛護週間にペット相談会を開催したり、中野駅ガード下ギャラリーでの展示をされたりしていると伺っています。まず、動物の保護に関して、殺処分ゼロを明確に目指していこうと宣言をしている自治体が増えてきている中、中野区でも明確に「殺処分ゼロ」を目指していくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。
動物の殺処分ゼロを目指していく目標の中で、基礎自治体が取り組める施策も中には存在します。さきほど例としてあげた、地域猫への対応、具体的に申し上げると去勢手術助成の制度などになりますが、犬に対しても出来る事があるかと思います。殺処分ゼロを目指していくためには、保護犬の譲渡に対する普及啓発があります。東京都動物愛護管理センターでは、平成24年度で計3604頭の動物が引き取られ2404頭の動物が殺処分されています。平成25年度は計2346頭の動物が引き取られ1312頭の動物が処分されています。一方、犬は殺処分数も平成24年度の200頭弱から平成25年度76頭とここ数年で減ってきています。これは、多くのボランティア団体へ譲渡が殺処分を減らす効果が出て来ています。こうした登録団体が引き取った保護動物はボランティア団体を通じ、最終的な譲渡先へと引き渡されています。
保護犬の譲渡制度を少しでも広めていくという観点から、譲渡犬の登録手数料を免除していくもしくは減免するという政策を打ち出してみたらいかがでしょうか。見解をお聞かせください。
捨て犬や捨て猫の保護および管理等、他の道府県では基礎自治体が保健所にて対応しているところですが、東京都では東京都動物愛護センターにて行われています。東京都では、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指して平成26年4月に動物愛護管理推進計画を策定しました。この計画の中では、区市町村の役割が明記されています。都と連携した動物愛護管理の普及啓発や地域住民に対する直接的な指導等の役割などが期待されており、狂犬病対策、飼い主のいない猫対策、災害時のペット同行避難などについて触れられています。また、動物愛護管理法の中でも、地方公共団体の事務として、動物の愛護と適正な飼養に関し、法の基本原則に則り、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭における教育活動や広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならないとしています。小中学校等、教育現場での動物愛護に関する普及啓発を、中野区ではどのように取り組んでいるのか教えてください。
東京都の動物愛護相談センターでは小学校における動物教室を実施しているそうです。中野区内の小学校で実施しているところはあるのでしょうか。
この東京都の動物教室は、動物愛護推進員さんのご協力の下、連携をしてすすめていると伺っています。現在、中野区には何名の動物愛護推進員さんがいらっしゃるのでしょうか?
14名動物愛護推進員さんがいらっしゃるとのことですが、中野区では動物愛護推進委員さんと何か連携して行っている事業はあるのでしょうか。
中野区では、愛犬手帳や愛猫手帳など、独自に作成し配布をしています。東京都で作成したものを保健所に置くだけにとどまる自治体が多い中、独自で作成している事は動物愛護に対する意識が高いと感じます。この愛犬・愛猫手帳ですが、平成21年に初めて作成されました。どのようなところで配布をされているのか、また、中身に関しての改訂はどのようなタイミングで行われているのか教えてください。
改定は2年に1回とのことでしたが、平成26年度は発行部数と配布部数は愛犬・愛猫手帳それぞれいくつになっているのか教えてください。
第2回定例会の一般質問の際に、現在中野区では9759頭の犬が登録されているとの答弁がありました。是非、すべての飼い主に愛犬・愛猫手帳が行きわたるように広報をしていただければと思います。
愛犬・愛猫手帳には災害時の備えについての記述もあります。備えるべき防災用品などが記載されており、とてもわかりやすい作りになっています。一方で、中野区地域防災計画第39次修正の中で、ペットの同行避難が明記されました。この愛犬・愛猫手帳には同行避難に関しての記述がありません。前回の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、避難所へのペットの同行避難は、原則、自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られることや、もし自宅が倒壊・焼失してしまった場合は避難所にて受け入れが出来ることなど、ペットの同行避難については防災の分野になるかとは思いますが、防災分野とも連携をして愛犬・愛猫手帳にも記載すべきだと考えますが、いかがですか。
愛犬の登録に関する記述についてお聞きをいたします。改正された動物愛護管理法では、法施行後3年間は生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡し等が禁止されます。その後、生後49日以内に変更になり、次に法で定める日から生後56日以内は禁止となります。一方で、狂犬病予防法により、犬を飼い始めたら30日以内(生後91日以上)に登録しなければなりません。との記載があります。現在は生後45日以降で犬の販売が出来るわけですが、例えば生後50日の犬を飼った方がいるとします。犬を飼い始めた30日以内に登録をしようとしますが、その子犬は生後80日になるわけですが、狂犬病予防法だと生後91日以上に登録をしなければいけないとなっているので、登録をすべきなのかどうか戸惑いが生じます。これは、国の法律の記述をそのまま愛犬手帳に記載しているのかと思いますが、区が作成したものに書いてある以上、きちんと説明ができるようにしなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。
適正に混乱なく登録をしていただけるよう、これからもご努力いただけるようお願いをして私のすべての総括質疑を終了します。
第2回定例会で一般質問を行いました
本日、中野区議会本会議において、一般質問を行いました。
原稿を以下に転載します。
1.避難所運営について
(1)災害時の妊産婦支援について
(2)ペットの同行避難について
2.災害時の情報受発信について
(1)情報発信について
(2)安否確認メールについて
3.がん対策について
(1)検診受診率向上施策について
(2)受動喫煙防止について
平成27年第2回定例会にあたり、民主党議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告の通りです。その他はございません。
まず避難所運営について伺います。昨年の御嶽山の噴火や、5月に入ってからは箱根山などの火山活動が活発化し、噴火警戒レベルが引上げられています。6月16日と19日には、浅間山が小規模な噴火。5月29日に爆発的な噴火がおきた鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)では6月18日・19日に再び噴火がおき、島民全員が避難生活を強いられています。また、5月24日には埼玉県北部を震源とするマグニチュード5.6、最大震度5弱の地震や、5月30日には小笠原諸島沖を震源とするマグニチュード8.1、最大震度5強の地震が起きました。中野区でも震度4および震度3を観測しました。30年以内に首都直下型地震が起きると言われておりますが、最近の火山活動の活発化や大きな地震の頻度を見ても、いつ起こるかわからない地震や災害への対策は急務です。
その中で、まずは災害時の妊産婦支援についてお聞きを致します。
災害時要援護者として高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦が上げられていますが、妊婦や乳幼児を抱えるお母さんへの対策が十分に検討され、対策がとられているとは言い難い状況です。中野区でも地域防災計画の災害時要援護者として妊産婦の記載はあるものの、具体的な対策はとられていません。平成27年第一回定例会予算総括質疑で我が会派の森議員からの質問に、避難所の対応での男女別々のスペースの確保、乳児の粉乳やおむつの備蓄、二次避難所での対応などがあり、個々の要望については十分な配慮がなされるように取り組みたいとのご答弁がありました。
災害時の妊産婦に対し、具体的に支援体制を整える必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。
過去のデータによれば、被災した母子に適切な処置をしないと乳児の死亡率が高まることが報告されています。妊婦は、けがや病気がなくても妊娠しているというだけでリスクがあり、東日本大震災の際には、特に目立った外傷がなかった妊婦が数日後に流産してしまったケースもあったそうです。また、東北大学の調査によると、被災地で、産後うつ病の女性が増え、専門家によるケアが必要な「産後うつ」が強く疑われる母親は21.5%、「津波被害を受けた」と答えた母親に限ると28.7%、実家も含めて避難が必要だった母親も23.9%にのぼり、「津波被害がなかった」と答えた方々でも、18.1%の疑いがあり、通常よりも高い割合であったことが明らかになりました。妊産婦は、災害弱者の中でも特に災害による影響を受けやすくリスクも高い、そして医療との連携が早期に必要になる存在であるという認識に立った対応が必要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
文京区では、平成24年9月に、区内の跡見学園女子大学と「災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互協力」の協定を締結されました。内容としては、学校施設の一部を母子専用の救護所として提供するというもので、スペースとしては、キャンパス内のワンフロア約1400平米で、150名程度の受け入れが可能、医療スペース、相談スペース、子どもの遊び場スペース、感染症などの隔離スペースなども想定し、平成25年から文京区と大学共同での訓練も実施されています。中野区にも薬学部がある帝京平成大学をはじめ、子どもを専門とする学校など、同様の協定を締結しうる学校が存在します。災害時の妊産婦支援に向け、また2次避難所設置なども含め、中野区でもこのような協定を検討していくべきと考えますが、いかがですか。ご見解をお聞かせください。
次にペットの同行避難について伺います。
中野区地域防災計画第39次修正の中で、ペットの同行避難が明記され、また平成25年6月には環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成し、全国の自治体に配布をしました。中野区内には指定避難所が49か所ありますが、その中でペット同行避難を受け入れている避難所は何か所あるのでしょうか。お答えください。
ここで言われるペットとは、屋外スペースにいても支障がないペットを指し、地域防災計画の中にも「犬や猫、鳥など」と明記をされています。地域によっては多くの方がペットを飼っていらっしゃるところもあります。避難所へのペットの同行避難は、原則、自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られるとはいえ、木密地域などでは避難所で受け入れる事が出来るペットよりも多くの同行避難も考えられます。各避難所での受け入れ可能数は把握しているのでしょうか。また、実際のペット数や避難所へ同行避難が必要になりうるペット数はそれぞれの避難所で把握しているのでしょうか。併せてお答えください。
区の総合防災訓練でもペットの同行避難訓練も行われているところです。情報をきちんと把握しなければ、災害時に混乱をきたす可能性が大きいと考えられます。動物愛護や被災者である飼い主のメンタル面でのサポートなど、ペットの果たす役割も大きい中、情報の把握、区民への啓発を徹底していただくことを要望し次の質問に移ります。
次に、災害時の情報受発信について伺います。
まず災害時の情報発信について伺います。東日本大震災以降、多くの同僚議員から、災害時の情報発信としてSNSを利用すべきとの質問が出ており、中野区はTwitterの利用を平成23年10月末から開始しました。区長は度々答弁で、Twitterからの発信は原則防災や災害に関する情報のみに限るとおっしゃっています。先般、埼玉県北部を震源とした地震では中野区で震度4を観測しました。その際、中野区の公式Twitterでは、何の情報発信もされていません。一方で、地震について一切の発信をしなかったのにも関わらず、5月27日に発令された光化学スモッグ注意報に関しては発信をされています。これまでに中野区公式Twitterで発信された内容を見てみると、光化学スモッグ、台風、大雪などになっています。2012年には、選挙の情報や振り込め詐欺の情報、事業内容の見直しなども発信をされています。最近では、5月27日の前の発信は昨年10月の台風情報となっていますが、5月12日に日本に上陸した台風6号については注意喚起などの発信はされていません。中野区が公式に発信をしているTwitterの発信基準はどうなっているのでしょうか、お答えください。
現在、中野区公式Twitterのプロフィールには、「広報担当」の公式Twitterであり、政策室広報担当が運用をしていると明記をされています。一方で、中野区はTwitter利用を災害時のみとしてきました。これまでのご答弁のように、災害時のみに情報発信するのであれば、防災担当が運用をし、Twitterのアカウント名も「防災担当」にし、プロフィールにもそのように明記するべきではないかと考えますが、ご見解をお聞かせください。
他の近隣自治体は広報担当が運用をしているところが多く、また防災情報以外にも多くの発信をされています。防災情報のみを発信しているにも関わらず、広報担当が運用しているというわかりにくさは、フォロワー離れになりかねないと考えます。本来は、Twitterの性質上、平時から発信をしていない事には、フォロワー数も増えず、必要な時に必要なところに情報が届かない恐れがあります。災害時に備えるため、平時から発信しフォロワー数を増やす対策が必要だと申し添え、次の質問に移ります。
次に安否確認メールについて伺います。
5月30日小笠原諸島沖の地震発生時、災害対応する区職員の一部や区議会議員、一部の医療関係者を対象とした安否確認メールが送信されました。私もメールを受け取った一人です。今回、受け取ったメールは開けたものの、メールに貼られていたリンクを開き、安否確認および参集の可否を登録するページが開けず、登録することが出来ませんでした。実際に大きな地震が起きていたら、必要な機能が果たせず、大きな問題になっていた事が予想されます。今回、安否確認メールが機能しなかった原因はどのように分析されているのでしょうか。また、今後はどのように改善をしていく予定なのか、お答えください。
この安否確認メールは東京都内で震度5強以上の地震が起きた際に発信され、初動体制に必要な職員などを参集する目的で利用されています。今回は、東京都でも小笠原諸島で最大震度5強が観測され、中野区では震度3でした。しかしながら、今後いつ起こるかわからない首都直下地震で、確実にこの機能が果たされるために原因の究明と改善が必要不可欠であり、早急な対応が求められます。
次にがん対策について伺います。
その中で、まず検診受診率向上施策についてお聞きを致します。昭和56年から日本人の死因のトップはがんであり、生涯2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんでお亡くなりになります。最近も多くの芸能人ががんにより亡くなられ話題となりました。我が国では、平成18年にがん対策基本法が成立し施行されてから来年で10年を迎えます。その中で、がんの早期発見のために、がん検診の受診率目標を50%と定めてきましたが、実際はその数字には程遠いのが現状です。早期発見、早期治療のためには、受診率向上が非常に重要です。中野区では、平成26年度から20歳~40歳までの子宮頸がん検診の未受診者に対する受診勧奨を始めました。帝京平成大学の学生と連携し作成した勧奨ハガキを送付したところ、大きな反響があったとのことでした。おそらく受診率向上にも大きな貢献をしたと考えられます。今年度は加えて40歳~60歳を対象とした乳がん検診未受診者に対する受診勧奨を実施する予定となっています。これまでも、度々受診勧奨の効果を訴えてまいりましたが、非常に効果のある施策だと考えます。平成26年度から開始した、この未受診者に対する受診勧奨施策について区の評価を教えてください。
子宮頸がんや乳がんの女性特有のがんのように、個別の受診勧奨は受診率向上には効果が高く、これからも続けていくべき施策だと強く考えています。受診率向上により、がんを早期発見する事は、医療費の抑制にもつながります。一方で、日本人男性のがん罹患が一番多いのは胃がんで、続いて肺がんとなっています。昨年の決算特別委員会総括質疑で質問をした際、検診率向上のために現在受診勧奨を行っているがん検診以外にも広げていくべきと申し上げました。胃がん検診では、ハイリスク検診の導入を、大腸がん検診では、特定健診の際に申し込みを一括して受ける事による簡易化をはかっているところです。引き続き精度の高いがん検診を行っていくべきと考えます。また、受診勧奨施策を広げていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
検診受診率を少しでもあげていく為には、様々なハードルを下げていく事がとても重要です。例えば、検診申し込みの簡略化や、女性特有のがん検診においては、女性医師のいる病院の公表、働く世代が受けやすい土日休日や夜間などの時間帯に受診できる医療施設など、これからも取り組んで行っていただきたいと申し添え、次の質問に移ります。
次にがん対策の中で、受動喫煙防止について伺います。
本年6月1日に厚生労働省主催で「がんサミット」が行われました。その中で塩崎恭久厚生労働大臣は、「がん対策加速化プラン」を年内に策定すると発表をされました。そのがん対策加速化プランの柱のひとつには受動喫煙防止が含まれています。発癌のリスクとして、遺伝や加齢などは制御不可能ですが、制御可能な発癌リスクとしては、喫煙があげられる事は、周知の事実です。非喫煙者と比べると、喫煙者のがん死亡率は、喉頭がんで5.5倍、肺がんで4.8倍、食道がんで3.4倍、となっています。また、非喫煙者でも夫が喫煙している妻の肺がんの危険性は、夫が吸わない場合と比べると、「以前吸っていた」で1.5倍、「1日に20本未満」で1.7倍、夫が一日に20本以上たばこを吸う場合は2.2倍になるなど受動喫煙の場合もデータでも表れているところです。
中野区では、5月31日の世界禁煙デーにあわせ、本庁舎の外壁に「未成年者の喫煙を防止しましょう」という横断幕を提出している他、中野駅前での街頭キャンペーンで関係団体の方々と一緒に啓発用のティッシュを配っていると昨年決算総括質疑でご答弁されていました。中野区においては、たばこ税は貴重な財源であり、税収は平成25年度決算で22億7千万円ありましたが、一方で目に見えない支出も増えていると思われます。国民健康保険におけるたばこが一要因である病気の保険料から、たばこが原因の火事による損失。そして、本人だけではなく周りの人への健康被害まで、多岐に渡ります。国立ガン研究センターによりますと、たばこによる医療費は1.8兆円、社会定期損失は4.3兆円と試算され、一方で、たばこによる税収は2.1兆円となっています。現在のところ、中野区では路上喫煙に関して千代田区のように過料を徴収する条例にはなってはおらず、分煙のあり方や、たばこ税と禁煙推進の相反する事業の同時進行など、今後検討を進めていかなくてはならない課題が山積みであります。しかし、自分で判断をして避けることが可能でも、子どもはそうはいきません。その中でも、少なくとも子どもについては、何らかの対処をしなくてはいけないのではないでしょうか。例えば、子どもたちが日ごろから利用している公園にも、大人たちの喫煙所と化している場所もあります。公園は憩いの場であるという観点からは喫煙できる場所にするべきだという意見もありますが、年齢が低いほど血清ニコチン濃度は高くなる傾向があり、子供は成人よりも高度に環境たばこの煙に曝されていることが示されています。血液以外でも、尿・唾液・毛髪にも、発癌物質を含むたばこ特異的な成分が、非喫煙者からも検出されている、この状況を把握しながら自治体として放置するべきではないと考えます。子どもたちが利用する公園などに関しては、禁煙にするべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
また、喫煙後に子どもを抱っこしたり、会話をする喫煙者の息からも有毒物質が出続けるとも言われています。喫煙した親の服に着いた煙が影響を与える場合もある。このようなことから、喫煙者の親から子への影響があることもわかっています。子どもに対するたばこの害は年々明らかになってきています。中野区では、すこやか福祉センターにて行われている乳幼児健診の際、問診票の中で「家族の中にたばこを吸う人はいるか」という質問があり、はい、との回答があった方に対しては分煙・禁煙指導をしているとのことですが、出産前から保護者への啓発をするべきと考えます。今年から、産前・産後サポート事業が始まっていますが、その中でも子どもの保護者や妊婦に対する禁煙指導にも力を入れていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。
受動喫煙防止を進めるにあたっては、子どもの頃からの予防教育も重要と考えます。現在、中野区の小中学校では、小学校で1~2時間、中学校でも1時間~2時間程度、受動喫煙や喫煙の健康への影響などを学んでいます。諸外国では、教育の中でたばこやアルコールは麻薬と同列に扱われ、中毒性の有無や健康被害などを教育しています。たしかに、アルコールもたばこも合法であり、日本ではいわゆる「麻薬」と呼ばれる薬物とは別物であることは事実ですが、たばこ・アルコールと「麻薬」をわけて教える事により、安易に喫煙を始めてしまう事も事実だと思います。5年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック開催も禁煙を考えるべき契機です。IOCが1988年以来、オリンピック大会における禁煙方針を採択し、また2010年にはWHOと「たばこのないオリンピックをめざす協定」にも調印しています。東京都でも2020年オリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙防止条例を施行する必要性があるとも言われています。こういった状況も踏まえ、小中学校でもこれまで以上に徹底した教育を進めていく必要があると考えますが、ご見解をおきかせください。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
区民委員会の委員長に就任しました!
平成27年5月22日に開かれた第一回臨時会において、議長、副議長や常任委員会、特別委員会の所属など、区議会での人事が決まりました。本会議場での議席は16番と決まり、前から2列目になりました。
私、中村延子は、常任委員会では区民委員会の委員長をつとめることとなりました。また、特別委員会では、少子高齢化対策調査特別委員会に所属します。区民委員会は、税務や国保などを扱う区民サービス管理部および環境部が所管となります。今期はマイナンバー制度の導入など、中野区の大きな課題を扱う委員会になります。1期目よりも大きな責任を担う立場となりますが、これまで通り一生懸命取り組んでいく所存です。
中野区議会議員選挙結果
2015年4月26日執行 中野区議会議員選挙の開票結果
1 ひやま 隆民主党 3,478
2 長沢 和彦日本共産党 3,397
3 山本 たかし民主党 3,370
4 浦野 さとみ日本共産党 2,987
5 いながき じゅん子無所属 2,660
6 来住 和行日本共産党 2,651
7 むとう 有子無所属 2,629
8 いでい 良輔自由民主党 2,611
9 羽鳥 だいすけ日本共産党 2,561
10 北原 ともあき自由民主党 2,518
11 中村 延子民主党 2,513
12 久保 りか公明党 2,492
13 酒井 たくや民主党 2,380
14 市川 みのる自由民主党 2,375
15 高橋 かずちか自由民主党 2,333.155
16 小宮山 たかし無所属 2,162
17 近藤 さえ子無所属 2,091
18 伊藤 正信自由民主党 2,060.062
19 若林 しげお自由民主党 2,049
20 大内 しんご自由民主党 2,014
21 高橋 ちあき自由民主党 1,995.844
22 加藤 たくま自由民主党 1,963
23 森 たかゆき民主党 1,954
24 小杉 一男日本共産党 1,934
25 日野 たかし公明党 1,926
26 内川 和久自由民主党 1,892
27 白井 ひでふみ公明党 1,860
28 伊東 しんじ自由民主党 1,818.937
29 佐野 れいじ自由民主党 1,808
30 甲田 ゆり子公明党 1,801
31 石坂 わたる無所属 1,783
32 南 かつひこ公明党 1,781
33 小林 ひであき公明党 1,776.581
34 細野 かよこ中野・生活者ネットワーク 1,764
35 平山 ひであき公明党 1,746.496
36 木村 広一公明党 1,729
37 内野 大三郎無所属 1,642
38 小林 ぜんいち公明党 1,641.921
39 いさ 哲郎日本共産党 1,569
40 広川 まさのり日本共産党 1,548
41 渡辺 たけし維新の党 1,508
42 篠 国昭自由民主党 1,438
———————————————–
43 ひぐち 和正自由民主党 1,409
44 立石 りお無所属 1,268
45 奥田 けんじ無所属 1,259
46 吉原 宏自由民主党 1,222
47 中川 みあ次世代の党 1,105
48 杉原 こうじ緑の党グリーンズジャパン 1,010
49 後藤 英之維新の党 910
50 大津 つとむ自由民主党 841
51 はが 達也無所属 783
52 石川 直行日本を元気にする会 636
53 井手上 たちひで生活の党と山本太郎となかまたち 617
54 やぎうら 彰無所属 609
55 内山 つばさ無所属 420
56 大島 克之無所属 409
57 ぬくい 正無所属 269
58 タナカ キミアキ無所属 219
59 西野 貞吉無所属 114
2015年4月19日告示予定 中野区議会議員選挙立候補予定者一覧
4月19日告示予定、26日投票、27日開票の中野区議会議員選挙立候補予定者の一覧を載せさせていただきます。
※立候補者説明会に出席された/資料を取りにいらした方の一覧のため、この中に立候補されない方、または他の立候補者が加わる可能性もあります。
【自民党】
(現職)内川和久(②、54)http://njp.gr.jp/profile/uchikawa.html
ひぐち和正(②、61)http://www.jade.dti.ne.jp/~kazumasa/index.html
いでい良輔(③、41)http://njp.gr.jp/profile/idei.html
伊東しんじ(③、57)http://www.njp.gr.jp/ito_shinji/weblog/
佐野れいじ(③、68)http://www.sanoreiji.jp/
北原ともあき(③、69)http://homepage3.nifty.com/kitahara2003/
吉原宏(④、53)http://www.giinjp.com/hiroshi_yoshihara/
大内しんご(④、53)http://njp.gr.jp/profile/oouchi.html
伊藤正信(⑤、51)http://njp.gr.jp/profile/ito-m.html
篠国昭(⑧、74)http://njp.gr.jp/profile/shino.html
市川みのる(⑥、59)http://www.njp.gr.jp/ichikawa/
高橋ちあき(⑤、59)http://www.tchiaki.jp/
高橋かずちか(①、54)http://www.kazuchika.jp/
若林しげお(①、44)http://njp.gr.jp/profile/wakabayashi.html
(新人)加藤拓磨(加藤たくま)(35)http://www.kato-takuma.com/
大津勉(大津つとむ)(60)http://t-otsu.com/
計16名
【公明党】(ご勇退される現職1名)
(現職)久保りか(③、51)http://www.kuborika.jp/
木村広一(①、44)http://www.komei.or.jp/km/nakano-kimura-koichi/
甲田ゆり子(①、45)http://koudayuriko.com/
小林ぜんいち(①、55)http://kobayashizenichi.com/
小林秀明(②、61)http://kobayashi2683.sakura.ne.jp/
白井ひでふみ(②、45)http://www.shirai.ne.jp/
平山英明(②、46)https://www.komei.or.jp/member/detail/13114288
南かつひこ(②、54)http://minami-katsuhiko.com/
(新人)日野たかし(38)http://www.komei.or.jp/km/nakano-hino-takashi/
計9名
【共産党】(ご勇退される現職2名、2011年開票時の当選は7名)
(現職)来住和行(⑤、67)http://www.raiju.net/
長沢和彦(④、52)http://nagasawa.lawmaker.jp/
浦野さとみ(①、34)http://urano.jcp-seven.jp/
(新人)羽鳥だいすけ(28)http://hatori.jcp-seven.jp/
いさ哲郎(43)http://isa.jcp-seven.jp/
広川まさのり(34)http://hirokawa.jcp-seven.jp/
小杉一男(48)http://kosugi.jcp-seven.jp/
計7名
【民主党】(ご勇退される現職1名)
(現職)酒井たくや(③、41)http://sakaitakuya.blog94.fc2.com/
森たかゆき(②、32)http://mori-takayuki.jp/
中村延子(①、33)http://www.nakamuranobuko.jp
(新人)ひやま隆(30)http://hiyama.tv/
山本たかし(35)http://takashiyamamoto.jp/
計5名
【維新の党】
(現職)後藤英之(①、43)http://www.act-ion.jp/goto/
(新人)渡辺たけし(42)
計2名
【日本を元気にする会】
(現職)石川直行(①)
【中野生活者ネット】
(新人)細野かよこ(52)http://hosono.seikatsusha.me/
【次世代の党】
(新人)中川みあ(50)http://mianippon.wix.com/home
【生活の党】
(新人)井手上たちひで(58)http://www.idenoue.com/
【緑の党】
(新人)杉原こうじ(49)http://www.sugihara-koji.net/
無所属(ご勇退される現職1名)
(現職)むとう有子(⑤、59)http://www.geocities.jp/yuukomutoh/
近藤さえ子(③)http://www.koeda-net.com/
奥田けんじ(③、40)http://okudakenji.com/
いながきじゅん子(②、44)http://www.arigatou-nakano.com/
石坂わたる(①、38)http://ishizakawataru.net/
小宮山たかし(①、44)http://nakano1188.blog10.fc2.com/
(新人)内野大三郎(自民党系、44)http://www.daizaburo.jp/
はが達也(26)http://haga-tatsuya.jp/
立石りお(28)http://riotateishi.com/
やぎうら彰(38)http://www.yagie.net/
内山つばさ(33)http://uchiyama-tsubasa.jp/
西野貞吉 (78)
川崎ゆたか(41)
大島かつゆき(57)http://www2.hp-ez.com/hp/nakanoku-oosima/page8
タナカキミアキ(47)
ぬくい正(52)
清水彩実(32)
南しゅんすけ(30)
総計62名(定数42)
渋谷区のパートナーシップ条例の委員会採決を傍聴
テレビなどでも話題になっている、同性カップルにも結婚相当の証明書を発行する、渋谷区の「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」の委員会審議を傍聴してきました。
少しだけご報告。条例は自民→反対、公明 共産 民主 無所属→賛成でした。
自民党の反対討論では、議会軽視や憲法との整合性、教育現場での過度な教育が行われる懸念などが述べられました。
一方、賛成した公明 共産 民主はともに、人権を扱う条例案なのにもかかわらず、関係団体への説明が後手だったり、丁寧さに欠ける事が指摘をされました。
委員会採決の後、付帯意見の決議も自民党以外の賛成多数で可決されました。
付帯決議は、
一、男女平等・多様性社会推進行動計画の策定にあたっては、区民と事業者に対して講演、説明会を開き、条例の理念を徹底するよう努められたい。
一、「診断後」、「治療中」である性別変更前の性同一性障害者へ特段の配慮を講じるよう努められたい。
一、パートナーシップ証明発行の区規則策定にあたっては、運用前に少なくとも2回以上、委員会に報告するよう努められたい。
一、パートナーシップ証明発行の区規則においては、丁寧に、公平に、かつ厳格に運用するよう努められたい。
一、相談及び苦情への対応にあたっての関係者名等の公表は避けるよう努められたい。
一、男女平等と多様性を尊重する社会を推進するための拠点施設につきては、渋谷女性センターアイリスの運営委員会を継続するとともに体制を拡充し、これまでの女性団体等の活動が後退することのないよう努められたい。
31日の最終本会議で採決を行い、可決されれば4月1日から施行される予定です。
区の公共工事入札で、談合が疑われる事案があったことが発覚
先週、3月13日(金)はこの任期中では最後となる定例会の最終日でした。
通常、定例会最終日は、それまで審査してきた議案(条例)や各会派から提案される意見書などの議決が行われます。ところが、今回は最終日になって総務委員会で審査するべき議案が2本追加提出されました。
その内容は、中野区立第四中学校の校舎耐震補強工事工事請負契約についてと南中野区民活動センター等新築工事請負契約についてで、いずれも区が発注する公共工事の入札に関わるものです。通常であれば、このような議案は予算の議決の日の本会議で上程され、委員会に付託され審査されます。このタイミングで追加提出されたのにはビックリするような理由があることが判明しました。
入札に参加したA社とB社が作成した区への資料の中に、全く同じものが含まれていたというのです。区としては、そのことに気付いた後、入札に不正の疑いがあることから一度入札を無効にし改めて入札をやり直したそうです。この事から、通常のスケジュールでの議案提出が間に合わなかったと説明がありました。
それぞれの会社がそれぞれ作成した資料が全く同じものになるということは普通では考えられません。区の担当者は結局最後までこの言葉を使いませんでしたが、談合があったことを強く疑わせるものです。今後、この件は入札監視委員会に報告され審査が行われることになります。
区の対応は果たして正しかったのでしょうか。区は3月に開かれる入札委員会にこの事案を報告するとのことですが、この委員会は入札監視委員会の定例の会議です。談合を疑わせるような重大な事案があったのであれば、緊急に会議を開催し迅速に次の対応を進める事も出来たと思います。区が今回の件をどれだけ重く受け止めているのかにも不安が残る対応だったように感じます。
我が会派はこれまでの議会の中で、随意契約のあり方の見直し、総合評価方式で選出した事業者の選出理由の明確化、応募事業者の提出書類の情報公開など、より開かれた入札制度の実現を様々な形で求めてきました。このような事案が起きてしまったという事は、これからも重要な課題としてこの問題に取り組まないといけないと強く感じています。今回の件を受けて区はこの事業者に対し「中野区が実施する入札への1ヶ月の参加禁止」という罰則のみを課しています。これで再発防止策がとられたとは思えませんし、不正抑止のためにはより重い罰則を課せるよう検討するべきなのかもしれません。
いずれにしても任期の最後の最後になってこうした入札制度への信頼が揺らぐような事件が起こってしまったことを大変残念に思います。
政務活動費の領収書1円添付義務付けが決定!
23区で唯一、政務活動費の領収書添付が1円以上ではなく1万円以上だった我が中野区。
この間、自民党、公明党、共産党、民主党各会派のメンバーからなる議会運営改善検討会にて、改選後の平成27年5月1日より1円からの領収書添付を義務付け、透明性をはかる事になりました!!使途基準なども含め、多くの議論を経て達成でき、嬉しく思います。
決算特別委員会にて総括質疑を行いました!
昨日、平成26年度第三回定例会の決算特別委員会にて総括質疑を行いました。
取り急ぎ、私の質問原稿だけブログにアップさせていただきます。
答弁は後ほどアップさせていただきます。
「平成26年第3回定例会決算特別委員会にて民主党議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通り、1つめに行政評価について、2つめにがん対策について伺います。その他で1点、感染症対策について伺います。
はじめに、行政評価について伺います。その中で、1つ目に外部評価について伺います。平成25年度各会計の歳入、歳出決算額合計は、歳入が1827億9292万7000円、歳出が1793億1753万5000円といずれも前年度と比較して増となりました。また、中野区は平成12年度から試行による行政評価を開始し、平成14年度から外部評価をこの行政評価制度に取り入れています。行政評価の目的は、目標と成果による区政運営の考え方に基づき、区の仕事の成果や効率性などを区民の視点で評価し、事業の見直しへつなげる行政評価を継続して行っていくこと。そして5つの目的として、1.仕事の目的を明確にする(区の仕事の目的・目標を、数値により客観的に明らかにする)2. 仕事の成果を管理する(仕事の必要性・有効性・効率性などを管理する。)3. 区の仕事を十分に説明する(客観的に評価して結果を公表し、行政運営の透明性を高める。)4. 経営(マネジメント)サイクルの確立(評価を基に目標や事業の見直しを行い、成果を高める。)5 .職員の意識改革(成果目標を明確にして職員の意識向上を図る。)としています。
この行政評価制度も毎年、PDCAサイクルの中で評価・変更されてきていますが、中野区は昨年、平成25年から外部評価のシステムを大きく変更されました。復習になりますが、昨年からどのように変更したのか教えてください。
今までは8月に行っていた外部評価を1月に実施し、これまでよりも時間に余裕を持ったスケジュールになりました。これは、平成25年度からは決算値も含めた評価を行ったという事ですが、どのように予算に反映していく方針か教えてください。
平成26年第一回定例会予算総括質疑の森議員の質疑の中で、外部評価委員の公開ヒアリングに先立ち、分野ごとに事業説明会を実施し、その中で施策ごとに事業概要や事業実績に関する確認や質疑を行ったと答弁がありました。どこからどこまでを公開にし、どこまでを外部評価という公開の場で行うかという判断は、どのように決定したのでしょうか?
平成25年度外部評価の大きな変化の1つが、3年間で全分野の外部評価をするというところかと思います。今までは、分野での自己評価の後、すべての分野を外部評価委員の方々に評価していただくという手順を踏んでいたのを、昨年からは自己評価後に内部で評価をする。そして、全分野を3年にわけ1/3ずつ外部評価委員会に評価していただくとなりました。中野区の行政評価の中で、内部評価と外部評価の位置づけはどうなっているのでしょうか。どうしても時差が出来てしまうため、内部評価と外部評価で評価に違いが出てしまう可能性もあります。あくまでも内部評価が中心なのでしょうか?そのすみわけを教えてください。
外部評価の総括と今後の課題のところで「プレゼンテーション面で行政担当者に不慣れな点が多々あったことは否めない」「貴重な区民との対話の機会と捉え、効果的なプレゼンテーションを心がけてもらいたい。そして、一方的な業務説明ないしは業務の正当化を図るばかりではなく、外部評価委員との対話を通じて、業務改善のためのヒントを得ようとする積極的な姿勢、取り組みを期待したい」とのコメントがあります。これまで平成25年度の外部評価は11回目を迎えましたが、そもそも外部の目を入れ、評価をしていただくという事は、業務改善のためではないのでしょうか?正当化をはかるばかりではなく、と言われてしまう事は、行政評価への形骸化では、と感じてしまうのですが、いかがでしょうか。
また、区は区民への行政評価を広く知ってもらうために、行政評価のパネル展や過去にはフォーラム等を行っていますが、もちろんそれも大切ではありますが、まずは職員に対し行政評価への重要性を理解するようつめるべきではないでしょうか?見解をお聞かせください。
外部評価結果の中で、唯一C判定をされているのが経営室の「経営分野」になります。その要因は、評価項目の3つ(1.成果指標の目標達成度(成果指標の妥当性を含む)、2.事業実績、3.事業執行の効率性)のうち、1.成果指標の目標達成度「5.7」だと見受けられます。「外部評価結果の主な判断理由・根拠」を見ると、「分野の目標達成度は平均85%を超えており、おおむね良好と言える。しかし、区政目標における「成果指標値」が向上した割合は、経営分野だけでコントロールできるものではないので、成果指標として妥当ではない。また、秘書業務やサンプラザ事業などの施策で成果指標が設定されていないことは適切でない」とされています。また、1年前を振り返り、平成24年度内部評価の資料を見ると、内部評価での同じ項目「成果指標の目標達成度」は「5.6」で、評価結果の主な判断理由・根拠には「分野3成果指標の平均達成率から目標達成度は7点とした。成果指標のうち、区政目標における成果指標の向上率は定量的に把握できるものではなく、より適切な成果指標を検討すべきである。また秘書、サンプラザ事業の2施策でも、成果指標を設定すべきである。(成果指標の妥当性0.8)」とされています。内部評価、外部評価ともに同じような指摘をうけています。この指摘をされている、「区政目標における成果指標の向上率は定量的に把握できるものではなく、より適切な成果指標を検討すべきである。」という部分ですが、分野によっては指標が定量的に把握を出来ないものも出て来て仕方がないと私は考えています。ただ、外部評価委員から指摘を受けたわけですので、きちんと説明はあるべきだと考えます。平成26年度の成果指標にはどのように反映されているのでしょうか。
今、経営分野を例にあげましたが、今年度の評価について、設定された目標値に対する疑問が多く出されています。目標値設定の根拠を評価表に明示するとともに、暦年の目標値についても評価表に記載することが望ましいとの提案が全体会でされたとのことですが、これに関してご担当として今後どのように取り組んでいくつもりか、お聞かせください。
次に、平成25年度の内部評価についてお伺いを致します。
昨年から新たな行政評価制度として内部評価を取り入れています。内部評価においては、まず主管部が自己評価を行い、その評価結果に基づき、他部による部間相互評価を実施。さらに、各部長で構成する内部評価委員会による評価を行ったとの事です。今年度の内部評価ですが、行政監理分野としてPDCAサイクルの中で、制度として前年から何か変更点はあったのか教えてください。
内部評価の結果の表し方として、総合評価点が9~10点はA、7~8点台はB、4~6点台はCとなり、主要施策の成果(別冊)各分野の行政評価結果を見ますと、Aが3分野、Bが36分野、Cが6分野となっています。C評価の6分野を見てみると、情報改善分野、産業都市振興分野、地域活動推進分野、子ども教育経営分野、学習スポーツ分野、地球温暖化対策分野がここに含まれています。その内、学習スポーツ分野以外の5分野はいずれも、「指標の目標達成度」が低いために全体の評価を下げてしまっている結果となっています。その中でも、10点満点の半分を切る5点以下となった分野を取り上げたいと思います。
まず、情報改善分野は平成24年度の内部評価では、この「指標の目標達成度」で「8」を獲得している中、平成25年度の内部評価では「4.8」と大幅に点数をさげています。主な判断理由を見てみると、平成24年度には、「目標達成度は平均すると100%を超えている。(目標の達成度 10点)分野の成果指標は研修受講のみで、全体最適化やシステム変更等に関する指標が設定されておらず、分野全体を表す指標の設定が必要である。(成果指標の妥当性 0.8)」となっています。一方、平成25年度内部評価では、「指標の達成度は分野及び施策全体で平均87.4%であることから、達成度評価は6とした。研修受講に関するものや見直しによる財政効果額など、必ずしも目指す状態を表していない指標、一概に経年比較できない指標も見受けられるため、妥当性は0.8とした」となっており、4.8とかなり低い結果になっています。この評価結果をご担当さんはどのように感じておられるか、また、今後この評価を受けてどのように取り組んでいくのかお答えください。
次に産業都市振興分野ですが、平成24年度「5.6」だったものが平成25年度内部評価で「4.8」となっています。平成24年度の主な判断理由を見ると「目標達成度は、分野目標に対する指標に加え、施策指標の中で打合せ回数や事業件数など、施策目標の成果指標として適切でないと判断したものを除き、各指標の達成度を平均化して 7点と判断した。数値が把握できない指標を分野目標に設定するなど、不適切な指標が見受けられるため、成果指標の妥当性は 0.8とした。」と書かれています。平成25年度の主な判断理由は「分野・施策の10指標のうち、数値化できた指標は5項目であり、そのうち2項目は目標を達成した。数値化できた項目を全体的に評価して6点とした。一方指標の達成度を示すことができない指標もあることから妥当性は0.8とした」となっており、こちらもまた低い結果の「4.8」をつけられました。この評価結果をご担当さんはどのように感じておられるか、また、今後この評価を受けてどのように取り組んでいくのかお答えください。
外部評価のところでも取り上げましたが、この成果指標が妥当であるとかないとか、それぞれの評価の中で、様々な指摘を受けています。もちろん、PDCAサイクルの中で指摘を受けた部分に関しては改善していく必要はありますが、この成果指標が毎年コロコロ変わってしまうと、毎年の事業実績を判断できなくなっていまいます。一方で、成果指標が妥当でない場合、事業実績自体をはかる事が出来ません。毎年、この「成果指標が妥当ではない」議論を目の当たりにする中、チェックの後のアクションが取られているのか本当に心配です。今後、区としてこの問題をどのように解決していくのかお聞かせください。
一番指標の目標達成度が低かった分野は地域活動推進分野でした。平成25年度の評価結果はそこだけみると「4.0」。総合評価点でも5.5と、全45分野の中で唯一6点を切り、一番低い評価結果となっています。平成24年度の総合評価「6.7」も決して良い結果ではありませんが、そこからも大きく点数を下げています。評価結果の主な判断理由・根拠ですが、指標の目標達成度に関しては「分野の成果指標がすべて前年度実績より低下しており、特に「地域住民相互で見守りや支え合いの活動をしている割合」指標は、3年連続低下が続いている。」と指摘をされています。また、事業実績のところでも「緊急連絡カードの発行枚数等、実績が上昇しているものもあるが、分野の成果指標は低下しており、事業が分野目標を達成するために効果的な取り組みとなっていない」と書かれてしまっています。区長の肝いり施策としてスタートしたはずの「地域支え合い推進分野」が非常に低い評価を受けている事を危惧している。
まず、地域住民相互で見守りや支え合いの活動をしている割合が3年連続で低下している事に関して、またこの低い評価結果をご担当さんとしてどのようにとらえているのかお聞かせください。
総括質疑の初日に我が会派の佐伯委員からも指摘をさせていただきましたが、日本では高齢化がどんどん進み支えられる人が増える中、中野区で行っている「地域支え合い推進」が必要だという事は共通認識だと思うが、どうやって担い手を確保していくのでしょうか。一般質問我が会派の森議員が取り上げましたが、2013年中野区区民意識・実態調査報告書の「定住理由」で「子育て・教育環境がよいから」をあげた方は2.5%のみ。一方、「転出理由」の14.1%が「子育て・教育環境がよくないから」と答えています。区から何かをしてもらったという実感、満足感があり、そこで初めて区のため、地域のために何かをしようとする方がほとんどだと思います。子育て環境でこのようなアンケート結果が出る中、若い世代はどんどん離れてしってしまうのではないかと感じます。ここに関してはしっかりとビジョンを持って取り組んでいただきたいと要望しておきます。
さらに、今後、災害時要支援者名簿や行動計画の作成がこの分野に加わってくる中、支える側の町会自治会の方々、もっと言えば、すこやかの職員さん達の疲弊がとても気になっています。一人一人の負担が大きくなっていく中、本当に乗り越えていけるのか区の考えを教えてください。
一方、A評価となった事業は3事業:住民情報システム分野、保険医療分野、選挙管理委員会事務局。選挙管理委員会事務局の評価は3つの評価項目すべてで9.0を獲得し、総合評価も9.0になっています。分野の目標は、1.選挙が公正に誤りなく、かつ効率よく行われるとともに、区民が投票しやすい環境が整っている。2.区民が高い政治意識を持ち、自由な意思で積極的に投票に参加している。という2点です。1の目標に関しては確かに高い実効性を発揮していますが、2の目標に関しては少し疑問に思う点があります。
平成25年参議院選挙は53.07%、平成22年は54.54%。都知事選挙は平成26年46.70、平成24年12月は61.80%。また、平成25年度の都議会議員選挙の投票率は43.10でした。1つ前の平成21年の都議会議員選挙の投票率54.01%と比べると約11%も投票率が下がっています。確かに、天気や顔ぶれ、マスメディアの報道など、多くの外的要因が投票率を左右する事も確かではあります。以前、外部評価で指摘を受けた事から、「投票率の推移」を成果指標から省いた事も記憶してはいますが、2の目標に対しての指標が見受けられません。「区民が高い政治意識を持ち、自由な意思で積極的に投票に参加している」事がわかる指標は、投票率そのものだと思います。むしろ、それ以外にはかる術がないと思います。選挙管理委員会事務局がどれだけ努力しても、成果があがらない事もあるかと思いますが、達成できる、できないにかかわらず、やはり指標として設けるべきと考えます。例えば、23区平均と比べて高い投票率を推移するなど、絶対的な数字ではなく相対的な数字を目標に掲げる事も可能だと思います。いかがですか?
続いて、「主要施策の成果別冊」の33ページ、広報分野の中で平成25年度からの新規事業としてFacebookページの活用があります。分野の成果に対する自己評価の中にも記載がありますが、中野の魅力発信のために25年4月からフェイスブックの掲載を開始し、約1500人の読者を獲得することにより身近な区政情報等を届ける事ができた、と書かれています。区のホームページへの誘導が基本だとは思いますが、若い世代が多く利用しているSNSで発信する事は、普段あまり区政に関心を持ってもらえない層にアウトプットをするという事につながると思います。私も「いいね!」を押し、フォローさせていただいていますが、とても充実した内容になっていると感じています。ご担当さんのご努力だと思いますし、今後ももっとよりよいものにしていっていただければと思います。そこで伺います。現在のページの「いいね!」数、各投稿に対するいいね!数の平均、各投稿のリーチ数を教えてください。
次に、今後のページへのいいね!数の目標があれば教えてください。
また、運営の課題点などはありますか。
FBページは有料広告が出せるという事で、企業やブランドのページ利用が促進されてきました。例えば、集客したいイベントに関する情報や、区にとってとても重要な情報を発信する際などの広告の利用についても検討してみるべきと考えます。「中野区にお住いの方限定」で広告を出すことも可能です。もっと言えば、年齢層を絞る事も可能なため、見てもらいたい層限定にリーチする事も可能です。是非、利活用を考えてみてはいかがでしょうか。
区報、ホームページとも違う層への広報として、FBは一定の情報発信が出来るツールであるため、区政に興味を持ちにくい層への新しいものとしてこれからも引き続き活用していっていただきたいと思います。
さまざまな分野や施策の評価について触れてきましたが、内部評価にしろ、外部評価にしろ、他の手法にしても、行政評価を行い改善していくことはとても重要だと考えています。ただ、形骸化されてしまっていたり、やっていても仕方がない、改善されない事には、やっている意味もなければそれこそが予算の無駄につながってしまいます。また、さきほども例にあげましたが、「中野区区民意識・実態調査報告書」の結果は普通に暮らしている区民が区政に対してどのように考えているかが見えるものになっています。外部評価で評価をされる学識経験者や区政に積極的に携わっていただいている公募区民とはまた違う目線でいらっしゃると思います。せっかくお金をかけて大々的な意識調査をしているのであれば、内部評価や外部評価とあわせて、こういった調査結果も取り入れていっていただきたいと思います。中野区が行っている行政評価が自浄作用を発揮し、わかりやすい、効果が見えやすい制度になっていくことを期待し次の質問にうつります。
続いてがん対策について伺います。
私が生まれた1981年から日本における死因の1位はがん、2位は心疾患、3位は脳血管疾患となっており、厚生労働省が発表した世代別の死亡原因を見てみると、ゼロ歳~4歳は先天性の異常、5歳~9歳は不慮の事故、10歳~14歳ががん、15歳~39歳までが自殺、40歳~89歳までががん、90歳~99歳までが心疾患、100歳以上が老衰と各年齢層で死因に違いが見られました。また、女性に限ってみると、20代~30代は子宮頸がんが非常に多くなっており、40代~は乳がんが死亡原因のトップになっています。
我が国では、平成18年6月にがん対策基本法が成立し、平成19年4月施行されました。その年の6月にがん対策推進基本計画が閣議決定されました。平成21年7月には、厚生労働省にて「がん検診50%推進本部」が設置されました。平成24年6月には、がん対策推進基本計画の見直しが閣議決定されています。がんは今から国をあげて取り組んでいかなければ、団塊の世代が75歳を迎える2025年問題には到底対応できなくなってしまう、大変重要な課題だと考えています。
今月9月はがん征圧月間となっており、また来月10月は乳がん検診の早期受診を推進することなどを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーン、ピンクリボン月間です。中野区では、9月のがん征圧月間にあわせ、9月4日に子宮がんに関するミニ講座を開催。講師には、今年4月にがん協定を締結した新渡戸文化短期大学臨床検査学科の尾形教授にお願いをされました。この「子宮がんに関するミニ講座」にはどれくらいの方が参加されたのでしょうか。このような協定に基づいた取り組みは今後も続けていくのかあわせてお聞かせください。また、このミニ講座の他に、がん征圧月間の中で、区としてどのような取り組みをしているのか教えてください。
また、10月のピンクリボン月間ではどのような取り組みをする予定か教えてください。
ピンクリボン月間では、大きな建物にピンクのリボンを装飾したり、東京タワーのライトアップがピンク色になったり、全国的にも様々な啓発活動が行われますが、是非中野区も一層の啓発につとめていただきたいと思います。
中野区では、平成24年度事業見直しにより、平成25年度のがん検診の見直しが行われました。その中には胃がんペプシノゲン検査を廃止し、ハイリスク審査の導入。肺がん検診廃止、そして大腸がん検診の受診手続きの簡略化が行われました。まず胃がんハイリスク審査の導入の目的を教えてください。次に、肺がん検診廃止の理由を教えてください。また、大腸がん検診の受診手続きの簡略化をされたとの事ですが、どのように簡略化されたのか、また受診率の向上にはつながったのか教えてください。
現在、中野区で行われているがん検診は、乳がん検診、子宮頸がん検診、胃がん検診、大腸がん検診です。Q まず、乳がん検診ですが、H24年度の受診率は22.8%だったのに対し、H25年度は20.4%と受診率が下がってしまいました。この受診率がさがった原因を区としてはどのように分析しているのでしょうか。
次に、子宮頸がん検診も受診率が下がっています。H24年度に21.3%だった受診率がH25年度は20.3%になってしまいました。子宮頸がん検診の受診率がさがった理由はどのようにお考えでしょうか。お答えください。大腸がん検診はH24年度受診率が21.6%だったのに対し、H25年度には29.1%と大幅にあがっています。さきほど事業見直しで申込み手続きの簡略化があげられましたが、それが原因と考えてよろしいでしょうか。もし他にも理由で考えられることがあれば教えてください。次に、胃がん検診ですが、H24年度の受診率は3.6%だったものがH25年度は4.2%と受診率が微増しています。受診率があがった原因はどのようにお考えでしょうか。微増とはいえ、日本人の死因ががんの方のうち、一番多いのがこの胃がんになります。それにも拘わらず、4.2%と他のがん検診に比べても低受診率が続いている理由はどのようにお考えでしょうか。区の見解を教えてください。
さまざまな取り組みをしていただいている事は重々承知していますが、今並べた受診率を見ても、国が掲げるがん検診受診率50%の目標には到底及ばない状況です。今後もさらに努力をお願いします。
検診率向上はとても重要な予防策でもありますが、見落としがちなのは、検診を受診された方で要精密検査と診断された方がきちんと精密検査を受けていただく事です。検診の診断結果で「要精密検査」と診断された方の中には、病気が発覚することを恐れ、逆に精密検査を受けないという選択をしてしまう方も多くいらっしゃいます。でも、当たり前のことですが、要精密検査が出た方にこそ、病気の早期発見をしていただき、もしがんが見つかった場合は早期に治療に取り掛かっていただく必要があります。
現在、中野区では、要精密検査と診断された方が確実に精密検査を受診する体制を築くために何か実施している事はあるのでしょうか。また、精密検査を受けた方の結果は把握されているのでしょうか。お答えください。
次に精度の高い検診についてお伺いします。
子宮頸がん検診の細胞検査では、従来綿棒を使用し採取をされてきましたが、綿棒採取だと細胞数が少なく精度が低いとされてきました。中野区では、数年前から綿棒採取とベセスダブラシの併用としてきましたが、現在区内で行われている検診ではベセスダ式にすべて移行されたのでしょうか。教えてください。検診率は中々あがらず、20%前後の方々のみ検診を受けている事は事実ですが、せっかく受診をされている方の検診精度は高いものであるべきと考えています。全て移行されたという事で、安心しました。
次に、細胞診とHPVのウィルス検査との併用検診について伺います。平成25年から国ではモデル的に併用検診を全国の34自治体で実施しています。国よりも先進的に併用検診をスタートさせていた島根県出雲市のデータでは、初期的には費用が大きくなるものの、HPV検査で陰性が出た場合、現在隔年で行っている子宮頸がん検診を3年ごとに伸ばすことが出来るため、長期的にみると自治体の財政負担も軽減されるとされています。もちろん、女性も検診頻度を少なく出来るため、精神的負担を軽くできることからも、併用検診はとてもメリットが大きいものだと感じています。国のモデル事業が終わり、検証後に自治体への通知が来る事になるかと思います。将来的にガイドラインに入った時のために体制を整えておくべきだと考えますが、区の現状を教えてください。
今年度、中野区では子宮頸がん検診20歳~40歳の未受診者に対し、はがきにて受診勧奨を行っています。私自身は区役所の検診で受けていますが、中野区の検診に登録していないため、私のところにも届きました。今回、帝京平成大学の学生さんにご協力をいただき、この勧奨はがきを作成されたとの事ですが、とても見やすく、かつ、必要な内容がすべて盛り込まれており、とても素晴らしい出来になっていると感じました。これにより、平成25年度はさがってしまった受診率が平成26年度に大幅にアップしてもらえる事を期待しているのですが、今までに区に対してあった問い合わせ件数を教えてください。
また、ご担当として、この未受診者に対する受診勧奨ハガキは検診率向上につながると思いますし、ご意見をお聞かせください。
今回は20歳~40歳の未受診者に対する受診勧奨でしたが、こういったスポット的な受診勧奨はとても効果があると考えます。子宮頸がん検診での継続も含めて、他の検診でも実施してみてもいいのではないかと感じますが、いかがでしょうか。
制御不可能な発癌リスクとして、遺伝、加齢、などがあげられる一方、制御可能な発癌リスクとしては喫煙があげられます。喫煙者の中には、ニコチン依存症に陥っている方がおり、中々禁煙をしようとしてもニコチンへの依存と習慣依存により、自らの意思でやめる事が出来ない事も多いのが現状です。最近は、禁煙外来も多く存在しNRT(ニコチンリプレイスメントテラピー)例えばニコチンガム、パッチ、内服薬を利用し禁煙治療を行う方もいらっしゃいます。現在、喫煙に関する区民への情報提供はどのような形で取り組まれているのでしょうか。
また2020年東京オリンピック・パラリンピック開催も喫煙を考えるべき契機になりえます。IOCは1988年以来、オリンピック大会における禁煙方針を採択し、会場の禁煙化をはかってきました。2010年7月にはWHOと「タバコのないオリンピックをめざす協定」にも調印しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいても、北京やソチと同様に、オリンピック開催までに「受動喫煙防止条例」を施行する必要性があるとも言われています。6年後も見据え、小中学校での教育や区民への周知など、徹底していっていただきたいと思います。
がん対策基本法の制定もあり、全国ではがん対策に力を入れる自治体が出て来ています。そういった背景もあり、自治体によってがんの現状には大きな格差がある、と東京大学公共政策大学院の埴岡(はにおか)健一客員教授はおっしゃっています。まず、がんの死亡率に大きな差があり、さらに専門的医療スタッフなど医療資源についても地域格差があります。現在、32道府県でがん対策推進条例が制定されており、残念ながら東京都を含む15都県はいまだ未制定です。平成24年に見直しが閣議決定された「がん対策推進基本計画」の第5「がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」の中には、「都道府県による都道府県計画の策定」も含まれております。まず、都道府県でがん死亡率の格差がある事を、担当としてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。教えてください。
東京都では、都議会民主党ががん対策推進条例を議員提案したものの、廃案になった経緯がありますが、東京都内でも豊島区と日野市ががん対策推進条例を制定。現在、世田谷区でも検討がされているとのことです。その他にも、公表出来る段階ではなくとも、制定に向けて検討中の自治体もあると漏れ聞いています。高齢化社会を迎えていく中で、予防医療の観点からもがん対策は喫緊の課題だと考えます。Q 中野区でも制定に向けて検討をしていくべきではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。
豊島区では小学校6年生、中学校3年生に年間1時間ずつ「がんに関する教育」を行っている。これは、健康教育の一環として、がんの仕組みやがん予防に関する正しい知識を学ぶこと。また、児童・生徒の教育だけでなく、家族でがんの予防について考え、家族全員が意識を高められるようにする事を目標に行われています。国でもがん対策推進基本計画の中の目標で「がん教育・普及啓発」をあげており、子どもに対するがん教育の在り方を検討し、健康教育の中でがん教育を推進するとあります。将来への予防という観点からも、中野区でも実施してみるべきと考えるが、いかがでしょうか?
色々な角度から、がん対策に関して質問をしてきましたが、子宮頸がんのHPVとの併用検診や、がん教育、都道府県との連携など、国でも今後様々な動きも出てくる事が予想されます。冒頭にも述べましたが、がんは今から国をあげて取り組んでいかなければ、2025年問題には到底対応できなくなってしまう、大変重要な課題です。今回、子宮頸がんの未受診者に対する受診勧奨もとても上手く進んでいると感じています。こういった成功事例も参考に今後も一層努力をしていただきたいと申し上げ、この質問を終わります。ありがとうございました。」
第2回定例会本会議一般質問を致しました
ブログがおそろかになってしまい、申し訳ございませんでしたm(_ _)m
6月26日から中野区議会第2回定例会がスタートし、7月1日に一般質問を行いました。
取り急ぎ、質疑内容をアップ致します。
1.男女共同参画施策について
(1)ワーク・ライフ・バランスについて
(2)少子化対策について
(3)女性の健康施策について
2.その他
(1)グローバル人材を育てるための教育について
(2)その他
平成26年第2回定例会にあたり、民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。質問は通告の通りですが、その他の2つめとして粗大ごみ収集のネット申し込みシステムについてお伺いいたします。
まず、はじめに男女共同参画施策についてお尋ねを致します。先週、6月23日~29日までの1週間は「男女共同参画週間」でした。中野区では、男女がともに生き生き平等に暮らし、参画してつくる男女共同参画社会をめざし、平成19年に男女共同参画基本計画を策定、5年経過した平成24年に社会情勢の変化や10か年計画第二次との整合性を図る必要が生じた事で、計画の見直しを行い、男女共同参画基本計画2012を策定しています。中野区が目指す、全員参加型社会を作って行くためには、区民一人ひとりの「仕事と生活の調和」、ワーク・ライフ・バランス、が必要不可欠になります。ワーク・ライフ・バランスを実現した社会の定義は、「国民一人一人がやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」です。その社会の実現のために、行政はあらゆる障害を排除していくよう、努力をしていかなければいけないと思います。我が国では、法制度等の整備は一定程度進んだものの、休暇の取得率、いわゆるM字カーブやガラスの天井問題もいまだ解決をしていません。制度があっても中々変わらない現状に対しては、トップの強い決断が必要であり、意識・風土改革を進めることが必要です。このような状況を踏まえ、中野区においても、企業における女性の活躍を進めるとともに、女性も男性も仕事と家庭生活との両立が可能な社会の実現に向け、一層の取り組みが求められていると考えますが、区の見解を伺います。
平成19年に「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」において決定された「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」では、「企業と働くもの」、「国民」、「国」、「地方公共団体」のそれぞれの役割が明示され、この中で地方公共団体の役割として、「仕事と生活の調和の現状や必要性は地域によって異なることから、その推進に際しては、地方公共団体が自らの創意工夫のもとに、地域の実情に応じた展開を図る」こととされています。これに基づき、全国各地でさまざまな取り組みがされています。お隣の新宿区では、「ワーク・ライフ・バランス推進企業認定」を行っています。これは、ワーク・ライフ・バランスや男女雇用機会均等を推進している企業を認定し、取組事例を紹介し、また、意欲はあるけれども認定にいたらない企業に対しては、コンサルタントの派遣等を行い、取り組みを支援する事業を行っています。品川区では、中小企業2社にコンサルを派遣し、6か月かけモデル企業の現状を把握し、ワーク・ライフ・バランス導入の計画、運用のサポートを実施。また、ワーク・ライフ・バランス導入マニュアルを作成し、他の中小企業に普及を図り、合わせて3回の講座を開催する事業をしています。このほか、様々な自治体で啓発事業、講演会、事例調査等々が行われています。中野区でも啓発事業等は行われていますが、このようなもう一歩踏み込んだワーク・ライフ・バランス推進に関わる事業を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、ワーク・ライフ・バランスの観点からも、希望する女性が仕事を続けるためには、会社が妊娠、出産を温かく見守る環境づくりも必要です。例えば、マタニティ・ハラスメント、いわゆるマタハラを、妊娠、出産での解雇、雇い止め、精神的、肉体的なハラスメントと定義して行った連合の調査では、4人に一人が経験したとの結果が出ています。また、妊娠、出産による解雇などに関する労働局への相談は、H16年度の875件から、H23年度、3429件へと、4倍にふえています。そこで、このような実態に対する区の認識をお伺いいたします。産みたいと願う人がいつでも産める社会にしていく事が、今後の女性のキャリア・モデルを変えていくことになりますし、本当の意味でのワーク・ライフ・バランスの推進と呼べる事になると思いますが、区の見解をお聞かせください。
職場での、3大ハラスメントは、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティー・ハラスメントと言われています。非常に残念な事に、6月18日の東京都議会の本会議一般質問にて、女性都議の一般質問の際に、セクハラと取れる不規則発言、いわゆる野次が投げかけられました。これは、品位を欠くというだけのものではなく、国際的にも日本の性差別に対する意識の低さを露呈する結果になってしまいました。オリンピック・パラリンピックを6年後に控える東京で、このような事が起きてしまった事は大変遺憾であり、国際社会への信頼回復が急務です。ワーク・ライフ・バランスの観点からも、セクハラを根絶していく姿勢が必要です。これは議会で起きた事ではありますが、日本の社会の根深い性差別意識を変えていくには、社会全体で取り組まなければいけない課題だと考えます。区の見解をお聞かせください。
この項の2つめとして、少子化対策についてお伺いを致します。
平成26年5月8日の日本創成会議人口減少問題検討分科会「ストップ少子化・地方元気戦略」にて、このまま人口減少が進み、かつ、大都市への人口移動が収束しなければ、2040年には、再生産力の指標となる20歳~39歳の若年女性が全体の市町村の49.8%にのぼる896市町村で5割以上が減少することとなり、将来的には市町村として消滅するおそれが高いとの指摘がされました。東京都23区でも豊島区がこれに該当し、消滅の可能性があると報告されています。まず、中野区では、どのような傾向になっているのか教えてください。
もし、現在の人口減少傾向が続けば、2060年には人口が約8700万人まで減少するという検証結果も出ています。また、2030年に合計特殊出生率が2.1程度に回復する場合においても、2090年代まで人口減少が続きます。少子化対策は急務であり、当面は人口減少が続く事から、人口減少に対応した経済社会づくりが必要になってきます。一方、国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」での平均理想子ども数と平均予定子ども数の推移を見ると、夫婦の理想とする子どもの数、予定する子どもの数はともに2人以上を保っているのに対し、実際には平均現存子ども数が2人未満となっており、希望と現実にギャップが存在している事がわかります。5月末に、民主党少子化・人口減少問題検討チームの「少子化・人口減少問題に関する意見交換会」に出席させていただき、NPO法人ピルコンおよび国際医学生連盟の方々と意見交換をする機会をいただきました。若い世代の意識で子どもを早くに持たない理由で最も多かったのは、漠然とした不安でした。その不安を取り除いていくのが制度であり、保育施設の拡充など、これまでも進められてきています。
一方、国では、安倍内閣で女性の力の活用や社会参画の促進が日本の強い経済を取り戻すために不可欠との認識に基づき、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝けるような国づくりを目指している、としています。女性の誰もがスーパーウーマンなわけでもなく、女性だけが、家事や育児を行いながら、社会でも活躍するという事は不可能です。少子化対策においては、男性の育児参加が必要不可欠になってきています。そこで、いくつかお尋ねいたします。男性にも、育児休業取得する権利がありますが、平成24年度において1.89%とかなり低い水準にとどまっています。女性の育児休業取得率が83.6%であるのに比べると、大きな差があります。また、取得期間も約4割が5日未満と非常に短くなっています。
まずは、区役所で働く職員の育休取得状況を教えてください。同時に、男性職員の育休取得の状況もあわせてお答えください。
現在、男性の労働者が育休を取る制度は整っているものの、育休取得の日数は「1~5日」が4割、「5日~2週間」が2割など、2週間未満が6割を占めています。雇用保険から月に20日以上育休取得する「育児休業給付金」を受給した男性はわずか0.38%しかいませんでした。これは男性社員が育児休業を取得したり、育児のための短時間勤務やフレックス勤務することを妨げる行為「パタニティ・ハラスメント」も生じており、制度ではなく風土の問題が原因と言えます。この風土を変えていかなければいけないと考えますが、区の見解を教えてください。
次に女性の健康施策についてお伺いを致します。
近年は社会保障費の増加が深刻化しており、健康寿命と平均寿命の差は、女性では12.68年もあり、健康な生活が妨げられ、医療費・介護費の負担になっています。これらの課題について、労働環境の改革やワークライフバランスの実現には着手がされ、医療・介護制度についても改革が進められてきていますが、ひとりひとりの女性が社会参画できるための基盤である女性の健康についての対策は遅れています。女性の健康については、これまで個別の法律や制度によって対応はされてきましたが、包括的な法制度がなく、性差を踏まえた包括的な健康支援はいまだ不十分と言えます。女性の健康問題には、働く世代に多い子宮内膜症や不妊、産前産後の心身のケア、思春期の健康、虐待や性暴力、女性のがん検診やがん予防、更年期、老年期の認知症や骨粗鬆症予防などが含まれ、かつこれらはひとりの女性の一生涯の健康問題としてつながっているため、継続的で包括的な支援が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。現代の女性の生涯の月経回数は500回と、戦前の女性(50回)に比べ、約10倍にもなると言われています。つまり、現代の女性はそれだけホルモンと付き合っていかなければいけません。さらに、食事の欧米化、様々な添加物、大気汚染など、体を取り巻く環境が大きく変化しています。くわえて、先行きの見えない社会的・経済的不安や育児・仕事に関する精神的ストレスなど、現代の女性は目に見えない多くのものと戦いながら、社会参画していかなければいけません。もちろんセルフマネジメントも必要ですが、それぞれのステージでの制度的な支援も求められています。
先の国会へ、「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」が議員立法として提案され、継続審議となっています。法律案の中には国及び地方公共団体が講ずべき施策等が盛り込まれており、この法案が通った場合、基礎自治体である中野区にも少なからず影響が出てきます。今後、国の動きを注視し、必要に応じ整備を進めていただきたいとお願いを致します。
次に、女性の健康施策の中で、子宮頸がん対策についてお聞き致します。
毎年4月9日は「子宮の日」とされ、毎年4月には様々な子宮頸がん検診への啓発活動が全国的に行われています。中野区でもJR中野駅北口にて、東京細胞検査士会の方々がリーフレットを配布するなど、啓発活動を行いました。区も検診率向上のため色々な取り組みをしてきていますし、様々な民間団体も取り組んできているところですが、検診率は中々あがりません。毎年4月中旬、20代~30代の若者が集まる日本最大級の環境イベントであるアースデー東京が代々木公園にて行われ、子宮頸がん予防啓発もブースを出し行われています。今年は受診率向上の啓発イベントだけでなく、その場に検診バスを呼び、検診事業も行われました。このバス検診では、20代は細胞診のみ、30歳以上は細胞診とHPV検査の併用検診を行いました。2日間で137人が受診し、そのうち細胞診のみが48人、併用検診は89人受診をしました。受診者のうち、細胞診で異常なしが116名、なんらかの異常が見つかった方が21名。HPV判定は対象者89名のうち、陽性が8名でした。子宮頸がん検診自体が初めての方は58名おり、頸部細胞診所見は52名が異常なし、LSIL(軽度異形成)が1名、カンジダが5名でした。アンケートの結果を見ると、「行こうと思っていたけれど、中々行く機会がなくちょうど良かった」という受診動機の回答が多く、子宮頸がん検診に対して全く無知という事ではなく、ちょっとしたきっかけが必要だったのではないかと予想が出来ます。こういった、「きっかけ」作りをする事で、今まで行こうとは思いつつも検診を受診して来なかった世代への環境を作ってあげる事も必要だと考えます。中野区にも年間を通し、区民の方々が集う大きなイベントはいくつかあります。中野区では現在集団検診は行っていませんが、このようなイベント型バス検診の導入を検討してみてはいかがでしょうか。区の見解をお聞きし次の質問にうつります。
次に、その他の1つ目として、グローバル人材を育てるための教育についてお伺いいたします。区長は所信表明の中で、学校教育の中で、グローバル人材としての資質の強化育成に努めると述べられています。以前も一般質問で述べさせていただきましたが、近年、グローバル化が急激に進み、民間企業では、外国人労働者が働くことや日本企業が海外に支社を持つのが当たり前の状況になってきています。日本で働くにしても、これからの世代は、世界との競争がさらに激しくなっていくと思います。グローバル人材を育てる上で、1つは言語を習得するというところ、そしてもう1つは日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、またそれを尊重できるということも大切ではないかと考えます。
一方で、今までの中野区の教育の中では、中々外国人の方々と触れ合う機会がなかったように思います。中野区国際交流協会の事業として、友好都市である中国北京市西城区との野球交流がありますが、2年連続で国家間の情勢や環境などの影響により子どもたちが集まらず中止になっています。姉妹都市である韓国ソウル市ヤンチョン区とはいまだ交流内容が決まっていない状況です。唯一、中野・ウェリントン子ども交流事業で、中野区とウェリントンの中学生が年に1回行き来をしている事業があります。今年は中野区の中学生がウェリントンへ行く予定になっていると伺っています。しかし、訪問団に参加できる子どもも、ホームステイの受け入れをする子どもたちも限定的です。
こう言った、子どもの頃に外国人との交流を持つ、という事業はグローバル人材を育てる上で、非常に価値のある経験になりますし、多様性の理解や、外国文化に触れる事により自国の文化を学ぼうとする意欲にもつながります。昨年の明治大学、帝京平成大学、今年の早稲田大学国際コミュニティープラザの四季の都市への進出などにより、中野駅周辺および中野区内の外国人人口は昼夜問わず増加しています。これまでも度々質疑の中で、この大学に通う外国人留学生の人材を教育現場に活かすことを提案してきました。現在、中野区の小学校では、今年2月14日に緑野小学校で、明治大学国際日本学部の留学生7名が訪問し交流事業を実施。また、塔山小学校では、6月2日、14日に明治大学の留学生12名が生徒との交流をしています。7月7日には第3回目が行われるとも伺っています。また今年の3月からは、明治大学国際日本学部の学生ボランティアが、四季の都市周辺に暮らす外国籍の子どもや帰国子女の小学校4年~6年生を対象に学習支援を行う「なかのハウス」を明治大学キャンパス内の教室で行っていると伺っています。
大学の誘致により、外国人留学生という財産が中野区に増え、それを子どもたちの教育に活かせるという事は、グローバル人材を育てるための教育につながります。人材に限りがある事も重々承知しておりますが、是非、この2つの小学校や中野駅周辺の子どもたち限定的になるのでなく、出来るだけ多くの子どもたちにこういった経験をさせてあげる事が出来るよう、区としてもマネージしていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。
その他の2つめに、粗大ごみ収集のインターネット申込みについてお伺いいたします。
区のホームページから行う事が出来る粗大ごみのインターネット申し込みは、動作確認済みブラウザがInternet Explorer6~11のみとなっています。調査会社Stat Counterのデータによると、日本国内のIEシェアは本年3月時点で約50%と、最も使われているブラウザです。しかしながら、その分、脆弱性を悪用したサイバー攻撃の対象にされやすく、本年だけでも複数回の脆弱性報告があがっています。明らかになった脆弱性へのマイクロソフト社の対応についても、5月に対応するはずのものが6月までずれ込むなど、決して万全とは言えません。こうしたことから、IEは「もっとも危険なWebブラウザ」とも言われており、利用を敬遠する方も多くいます。近年急速に普及しているスマートフォンやタブレット端末を含めると、利用されているブラウザは更に多様化してきています。区が提供するサービスが専門家から「もっとも危険」ともいわれるブラウザにしか対応していないのは問題だと考えます。シェア上位3位くらいまでのブラウザに対応させるべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。
第1回定例会が閉会致しました。
2月17日から始まった中野区議会平成26年第1回定例会がさきほど閉会致しました。
区長の4選目出馬表明を含んだ所信表明からスタートし、予算審議
賛成は議長を除く自民党(若林しげお、高橋かずちか、内川和久、
反対は、共産党(浦野さとみ、金子洋、長沢和彦、かせ次郎、来住
みんなの党(後藤英之、石川直之各議員)は退席しました。
私たち、民主党議員団はこれに関し、反対の討論を酒井たくや幹事長が行いました。
討論の内容は以下になります。
「上程中の第27号議案 中野区自治基本条例の一部を改正する条例に民主党議員団の立場から反対の討論を致します。
この議案は、自治基本条例の7条の第2項 活力ある区政運営を実現するため、区長の職にある者は、連続して3期を、超えて在任しないよう努めるものとする。第3項 前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない。
この2項3項を削る、いわゆる、区長の任期を3期12年を超えないよう努めるとする多選自粛の部分を削除するモノであります。
中野区自治基本条例は、区民の参加により区政を運営していくことを定めるとともに、区民の最大の幸福を実現するための区民、区議会、区長のそれぞれの役割を定め、平成17年4月に制定されました。制定までには、多くの参加と時間が費やされ、庁内の職員プロジェクトチーム、有識者・公募区民による審議会、区民との意見交換会やパブリックコメント、そして、区議会の慎重な議論を経て成立に至りました。このような自治の基本原則を定めた条例は普遍的なモノであります。6月に区長選を控えての、区長の任期に関わる部分の条例変更は自身の選挙のためとしか取られず、到底 区民の理解を得られるモノではありません。これまで費やした時間や議論、自治の基本原則とは一体、何だったのでしょうか。
これより幾つかの問題点を指摘します。
まずは手順・手続きについて
今回の条例変更の考えは唐突に示され、区民への周知・意見交換会・パブリックコメントが行われませんでした。第7条の区長の在任期間の項を変更するなら、意見交換会・パブリックコメントの手続きが必要であると我が会派の佐伯議員が25年の第3回定例会 決算特別委員会 総括質疑においても指摘しました。自治基本条例 第14条 区民参加の手続き 第1項の3には ア 区政運営に関する基本的な方針を定めることを内容とするもの イ 広く区民に義務を課し、又は権利を制限するものに係る改正に関しては原則として、意見交換会及びパブリック・コメント手続を経るものとしております。
我々は区長の在任期間に関する条例は、これらに大きく関わるモノであり、意見交換会やパブリックコメントは必要であると考えます。今提案により、自治基本条例において保障された一つの区民参加の手続きが軽視されたことは問題であります。昨年の決算特別委員会の総括質疑では、一度この条項の改廃にはパブリックコメントは必要であると答弁しながら、翌日になって「パブリックコメント」は必要なしと答弁訂正がなされました。その背景には今回の様なタイミングでの条例変更提案の意図があったのではないかとすら考えます。もし、この条項の改廃の考えがあったならば、早い段階で提案の意思を示せば本会議一般質問、予算特別委員会でも議論が出来た訳でありますし、議会中継や区議会だよりなど区民への情報提供も大きく変わっていたはずです。事が大きくならないよう、少しでも情報が広まらないような条例提案にも見受けられます。
次に多選の弊害についてでありますが
首長は人事権・予算編成権・許認可権等、総理大臣よりも権限が多く、大統領に近い権限を持つと言われます。権力が長期集中する所には腐敗が生じるという考えから、国政の場においても、遡ると、幾つかの主要政党においても多選を禁止する議員提出議案が出されております。法案化には至っておりませんが、大勢が首長の多選の弊害を認識し、権力が長期集中化しないような、何らかの方策が必要であるとの見解です。
一般的に多選の弊害といわれているのは、次のような6点があります。
(1) 独善的傾向が生まれ、助言を聞かない等の政治の独走化を招く。
(2) 人事の偏向化を招き、職員任用における成績主義に歪みを招く。
(3) マンネリズム化等による職員の士気の沈滞。
(4) 議会との関係に緊張感を欠き、議会とのチェックアンドバランスが保てない。
(5) 長期にわたって政策がかたより、財源の効率的使用を阻害する。
(6) 日常の行政執行が事実上の選挙運動的効果を持ち、それが積み重ねられ る結果、公正な選挙が期待できなくなり、有能な新人の立候補が事実上困難になる。
というモノで、我々会派もそのようなことから、多選を制限する条例は必要であると考えます。
同様の条例を持つ自治体では、その首長ご自身の任期のみを定めているにも関わらず、当区では自治の基本原則である自治基本条例の中に盛り込み、恒久的なもとしている点も大変に評価するモノでありましたが、今回の条例変更により、今後、多選を積み重ねることが出来る土壌が生まれることは、中野の未来に大きな影響を与えるものです。中野の自治・地方分権を大きく後退させる7条の2項3項を削るべきではありません。
次に議会の姿勢について
平成17年の自治基本条例が制定された当時の総務委員会での審査においてはこの第7条の2項3項を削る修正案が提案されましたが、賛成少数で修正案は否決されました。すなわち議会の大勢が7条の2項3項を削るべきではなく、活力ある区政運営を実現するため、多選を制限する必要があるという判断をし、姿勢を示しました。今回の条例提案は当時と同じように7条の2項3項を削るモノであり、一転してこれを認めることが出来るのでしょうか。二元代表制のチェック機能を果たすべく、しっかりと議会がブレーキを踏む必要があと考えます。
最後に区長の政治姿勢について
中野の自治の基本原則である、中野区自治基本条例が簡単に変更されることは大問題であります。自治基本条例の制定に際しての区長の在任期間に対するパブリックコメントでは、任期を定めるべきではないという意見や、自治基本条例に盛り込むべきではなく、別途条例を定めるべきという声に区側は「特定の者がこの権限の集中する区長の職に長期にわたり在任することは、自治の理念に照らして好ましくはないと考えます。」との立場を示しています。多選は中野の自治の理念に照らすと好ましくないという事が区としての考えだったはずです。今回中野の自治の理念を変更しようとする重大な提案にも関わらず、庁内で十分な議論が行われた形跡も見えず、手続きが不透明であまりにも乱暴です。まさに多選の弊害である独善的傾向が際立ったモノであります。
また、区長は、日頃から、自治基本条例は中野の自治の基本原則であると仰っており、庁内職員もそのように認識されております。策定する時はPTを作り時間と議論を積み重ねたにも関わらず、どう考えても自身の選挙のために自治の基本原則を拙速に変更する姿勢を現場職員はどのように感じられるのか。これでは庁内が閉塞感に包まれてしいます。
区長は区長の任期は二期8年と訴えられ初当選されました。初当選後の所信表明において「区長という職は、重い責任と権限を伴うものであり、一人の人間が長い間その職にあり続けた場合は、惰性に流れたり、政策に片寄りやゆがみができてくるなど弊害を生じることになると認識をしています。私は、区長の任期は2期8年を限度とすべきであると考えています」と述べられました。このような、区長の姿勢や思い、街頭での訴えに区民は共感し、そして応援頂いたことにより厳しい選挙戦に薄氷を踏む勝利を収めることが出来たのではないでしょうか。更に3選目の出馬に至っては、自治基本条例に定める、区長の任期は3期12年を超えないよう努める多選自粛条例が成立したことに立候補の理解を得られたと2期8年の公約を破り立候補し当選されました。
そして今回4選目の出馬のために、区長の任期を3期12年とするよう努める条項を削除するという姿勢。自身のご都合により、中野の自治の基本原則である条例を作ったり変更することは断じて許されるものではありません。まさに多選の弊害である政治の独走化の象徴であります。
提案の手順・手続き、改正の内容、区長の政治姿勢を到底認める事は出来ません。区長は今回の一連の行動について、記者会見等で「けじめ」という言葉を使われました。しかし本当のけじめとは、自らが作った条例を破らんがために、その条項を削除することではなく、しっかりと条例を守り、潔く身を引き、後身に道を譲ることこそ「本当のけじめ」であることを申し上げ反対の討論と致します。」
中野区自治基本条例の多選自粛規定を削除する条例が提出されました。
3月12日の本会議で、とんでもない条例が区議会に提案されました。
「中野区自治基本条例の一部を改正する条例」で、中身は第7条の2項および3項を削除するというものです。
「第7条 区長は、区民の信託にこたえ、区の代表者として、公正
2項 活力ある区政運営を実現するため、区長の職にある者は、連
3項 前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈してはなら
提案理由は、区長の在任期間にかかる規定を削る必要があるため。はい、まったく理由になってません・・・。自ら策定した多選自粛の規定を区長自ら削除する前代未聞の条例改正です。田中大輔中野区長は、区議会定例会の初日、6月に行われる区長選挙で4期目の出馬を表明しています。12年前の最初の選挙の際、公約は2期8年。それを破った口実はご自身が制定した3期12年の多選自粛規定を含んだ自治基本条例。4期目に出たくなっちゃったから、自治基本条例の多選自粛規定を削除する条例改正案を区議会に出してくる。これをどうしたら肯定出来るんでしょう???こんな事を、中野区民は絶対に許しちゃいけない。この条例改正案を否定できない区議会なんて、議会としての役割を放棄していると言える、と私は思います。中野区民のみなさん、怒ってください。
この間、各報道機関が報道したリンクを貼ります。参考にしてください。
3月11日(火)
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031102000113.html
3月12日(水)
NHK
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20140312/5884851.html
3月13日(木)
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140313/CK2014031302000114.html
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140312/tky14031222150004-n1.htm
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20140313-OYT8T00024.htm?from=tw
3月15日(土)
朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG3G5SZ6G3GUTIL03B.html
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20140315-OYT8T00059.htm?from=tw
毎日新聞
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20140315ddlk13010135000c.html
2月28日予算総括質疑⑤その他(光熱水費について)
1.平成26年度予算について
2.施設の整備について
3.女性特有のがん対策について
4.国際交流について
5.その他
(中村延子)最後にその他の項目で、1点、区有施設の光熱水費について伺いたいと思います。
昨年第一回定例会の本会議一般質問で、コンサルタント会社を利用したガスの削減について提案をさせていただきました。その際、経営室長から、そのためには新たな費用を要することもありまして、供給事業者と協議を重ね、独自に経費の節減に今後とも努めていきたいと考えております、とご答弁されています。その後、予算特別委員会総務分科会で我が会派の森議員から、その件について再度質問をした際、「基本的には埋められるというふうに思っております。コンサルタント事業者の方にしても、さまざまなガス供給事業者の割引の仕組みを調べ上げた上で、そのエネルギーのユーザー側の使用データをもとにベストマッチングを考えていくんだと思うんですけども、それは同じように区の職員としても、事業者側のいろいろな料金設定を十分知った上で、中野区としての消費量、これを見きわめてベストマッチングを考えていく。それは十分可能だというふうに考えています。」とご答弁されています。
今回、総務73で「主な施設のガス料金の決算額および使用量」という資料を出していただきました。ありがとうございました。この資料を見ると、どの施設も毎年使用量は減っているのにも関わらず、ガス料金は増えています。こうやって使用量そのものを減らしても、ガス料金そのものが高くなってしまえば、経費として出ていくお金は増えてしまいます。
ご努力をされていないとは思いませんし、実際に使用量は減っているわけですから、そのご努力には評価をするところでありますが、ガス料金が年々あがる中、それだけでは実際の光熱水費の削減にはつながらないというところもこの表を見てわかるところだと思います。
昨年この提案をしてから1年しか経過をしていないので、その後のご努力が次の決算値に反映されるのかもしれませんが、一番大切なのは、供給業者と使用者だけではなく、そこに第三者の目が入るという事がとても大切だと思います。民間コンサルを入れ、削減した額の一部をお支払するのは、最初だけです。その後何年も同じ額削減が出来るわけですから、区にとって利益しかないと思います。もう一度、契約の見直しによる削減を、民間活力を利用し行う事を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
(施設担当)区は現在、区庁舎をはじめ一部の学校施設に、ガスの最大時間使用量を把握する計器を取り付けております。実態を調査しているところでございまして、近々この結果を見まして、東京ガスとの契約見直しを行っていきたいと考えております。多分、削減が可能であろうというふうに踏んでおるところでございます。
(中村延子)実態調査をされており、また契約の見直しも行っていくと言うことなんですが、先ほども申し上げましたが一番大切なのは第三者の目が入って、それが本当にガス業者が言っている金額でうんと言われなければいけなくならないということだと思っておりますので、これは要望としておきます。
2月28日予算総括質疑④国際交流について
1.平成26年度予算について
2.施設の整備について
3.女性特有のがん対策について
4.国際交流について
5.その他
(中村延子)次に国際交流についてお尋ねをいたします。
まず初めに自治体間の友好都市・姉妹都市交流についてお伺いを致します。すべての区の事業の実施する意義は、その事業がきちんと区民に還元されることだと思います。国際交流を実施する意義は、大きく2つにわけることが出来るのではないかと考えます。1つはグローバル人材を育てる教育に役立てる、という観点です。もう1つは災害時の相互援助という観点です。
文部科学省でも平成24年から「グローバル人材育成事業」を始めています。これは、若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進する。もちろん高等教育でこのように推進する事もとても大切ですが、その基盤を作るのはもっと小さいころからの環境ですし、実際に平成23年度からは小学校での外国語活動も必修化されました。また、グローバルな人材を育てる上で大切な事は言語だけではありません。日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違う物の見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、またそれを尊重できるという事も大切ではないかと考えます。先週、「アンネの日記」が東京都内3つの市と中野区を含む5つの区の図書館で300冊以上が破られるという事件が起きました。一昨日の答弁で中野区内では5か所の図書館で54冊が被害にあったとのことでした。犯人はまだ捕まっていませんので、どのような目的で行われたことなのかは不明ですが、このような事件が起きてしまった事は国際社会における日本の恥でありますし、一層、人種差別を許さない姿勢や、表現の自由、多様性を大切にする心を育てていかなければいけないと感じしました。これこそがグローバル人材の教育だと思います。ただ、ふつうに暮らしている環境の中では、違う文化の方々と触れ合う機会が少ないのも現状です。
現在、中野区は中国北京市西城区と友好都市を、韓国ソウル特別市ヤンチョン区と姉妹都市を締結しています。西城区とは国際交流協会の事業で、少年野球チームの交流が夏に行われていますが、昨年度は国家間の情勢不安やPM2.5の影響もあり中止になっています。ヤンチョン区とは、2010年11月に締結してからいまだ交流の事業が決まっていません。一方、友好都市・姉妹都市ではありませんが、ニュージーランドのウェリントンとは、区内中学校に通う子どもたちとウェリントンの中学生が毎年行き来する交流事業が長年に渡り、続けられています。私自身も中野区国際交流協会の評議員として、中野区の子どもたちがウェリントンに行く際には、送迎会と帰国報告会、ウェリントンの子どもたちが中野区に来られる時はお別れ会に毎回出席させていただいています。交流を通して、多くの事を経験している子どもたちの姿を見ることが出来、本当に充実したプログラムとなっていることを実感しているところでもあります。まず、この友好都市・姉妹都市の自治体交流には、子どもたちの交流という観点を中野区は持っているのかお尋ねいたします。
(企画担当)友好都市である北京市西城区との交流におきましては、先ほどご紹介がありました中野区国際交流協会が少年野球を通じて両都市の子どもたちによる民間交流を既に行っているところでございます。一方、ソウル市特別区ヤンチョン区との交流につきましては、2010年に姉妹都市の締結をいたしまして行政交流の積み重ねをしながら、次なる段階として、民間交流をどのような形で行っていくか協議し模索をしているところでございます。友好都市交流の目的といたしましては、市民・区民の間での交流を活性化させることにあるというふうに考えてございます。その中には子どもたちの交流も入っているというふうに考えてございます。
(中村延子)今後、ヤンチョン区とは具体的にどのような交流を図っていくのか検討・調整をされると、これまでの質疑の中でご答弁されていますが、ウェリントンと行っているような子どもたちの交流事業を含め考えていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
(企画担当)姉妹都市間の交流は、行政交流にとどまらず、区民同士の交流へと発展していくことが望ましいというふうに考えてございます。ヤンチョン区とは今後も協議を重ねまして、子どもも含めた民間交流の在り方を探りまして、具体化していきたいというふうに考えております。
(中村延子)区長の施政方針説明の中で、「冷戦後のアメリカ一極集中型の世界から、中国の台頭によって、世界は新たな形になろうとしています。軍備を拡大する一方で、尖閣諸島や南シナ海など、膨張主義的な動きを繰り返す中国は、東アジアで新たな緊張要因をつくりだしています。日本への反発を強める一方、中国に急接近する韓国の動きも、新たな東アジア情勢を象徴していると言えます。このような中で、日本にとっては、米国との同盟関係を強化することが重要です。また、他のアジア諸国やロシアなど多様な国々と、さらに交流を深めていくことも重要になっています。」とおっしゃられています。区長が述べられた中で、緊張を作っている2つの国家は、中野区が姉妹都市・友好都市を持つ国でもあります。こういった国家間の情勢に影響されない友好関係を築いていくことこそ、友好都市や姉妹都市を締結した意義でもあります。ところが、西城区との交流はそれに影響され、周年行事が延期になりました。私も、あの状況であれば致し方ないと思いますが、それであればそういった影響を受けにくい新たな都市との交流も検討すべきだと考えます。今後の展望をお聞かせください。
(企画担当)国の立場や慣例等によりまして影響を受けてしまうこともやむを得ない場合があるというふうに考えてございますが、本来自治体間の交流というのは国家間の情勢に左右される、それとは別にあるべきであるというふうに考えてございます。現在交流のある自治体との関係を着実に進展させるということはもちろんでございますけれども、新たな自治体との交流の機会があれば、その時点でどのような関係づくりをしていくのかということについても検討していきたいと考えております。
(中村延子)自治体間交流で大切な視点2つ目は、東日本大震災以降特に意識をされている災害時の相互援助という観点です。中野区は山梨県甲州市、長野県中野市、福島県田村市と災害協定を結んでいるところですが、さらに大規模な災害が発生した場合は、その協力体制の相手方は国外に求めなければいけません。国という大規模な枠組みで集約する震災時のあらゆる対応よりも、友好都市間でのピンポイントの支援が、スピード、量、質において効果的だということは明らかです。さらに、一番重要な発生後、数時間の初動を考えれば、アジア近隣諸国こそが頼りになり、頼りにされる相手です。中野区は友好都市・姉妹都市ともにアジアの近隣国の都市との締結をしています。先日の一般質問で同僚議員からも災害協定に向けた質疑がありました。その中で、情報交換からはじめてゆく、というご答弁がありましたが、災害はいつ起こるかわかりません。スピード感を持って対応をいただきたいと思いますが、いかがですか。
(企画担当)これにつきましては、国外の都市との協定となりますため、防災・減災の観点から情報交換を進めるなど、できるところから積み上げていくということが必要であるというふうに考えてございます。
(中村延子)いずれにしても、自治体間の国際交流は一昔前の議員や行政の特権と言われるような、区民に還元されない交流になっては絶対にいけません。そう言われないためにも、戦略を持って行わなければいけません。周年行事での区の職員や議会、関係団体などの行き来も、関係を築いていく上で、必要かとは思いますが、それだけではなく、きちんと区民へ還元されるよう今後のご努力を期待しています。
次に、中野区内での国際交流についてお伺いいたします。近年、多くの外国人が日本に住まわれており、平成26年1月現在、東京では394410人、中野区では10949人の外国人が住んでいらっしゃいます。東京のような大都市では、「多文化、多民族」の共生という観点も常に持っていなければいけないと思います。
昨年12月4日に明治大学国際日本学部主催で行われた多文化共生フォーラムを拝見いたしました。その中で、さまざまな提言が中野区に対してされました。行政に出来ること、出来ないことも共にある、と感じましたが、中野区在住の外国人が抱える生活上の問題点で一番多いのが生活費、2番目に多いのが住まい、とのことでした。多くの諸外国に比べ日本の物価はかなり高い状況にあります。アルバイトも外国人というだけで、中々見つからないという現状もあります。四季の都市に入ってきた大学に留学するくらいですから、外国人留学生は優秀な学生だと認識します。こういった現状も踏まえ、四季の都市に入って来た大学と連携し外国人留学生を英語活動のALTとして活用するという考えはありますか。
(指導室長)現在区立中学校におきましては、英語科の中で必要に応じてALTを活用した授業を行っています。このALTですが、教科の目標を達成するために一定の質を保つ必要がありますので、中学校では派遣業務委託によってALTを活用しています。一方、小学校では教科ではなく英語活動の一環として、主にコミュニケーション能力の育成や異文化理解を目指しております。ALTにつきましては、学校の実態に応じて校長が適切と認められる人物に依頼をしているところです。しかしながら、小学校におきましても英語を教科として指導するような国の動きもございますので、ALTの小学校配置につきましては、今後外国人留学生も含めて、国の動向を踏まえつつ考慮していきたいと考えてございます。
(中村延子)昨年の質疑でもやらせていただきましたが、小学校の校長先生とお話した時に、中々人材を見つけることが出来ないと苦労されている部分もあると伺っていますので、是非よろしくお願い致します。
この多文化共生フォーラムでとられたアンケートの中で、中野区在住の外国人が何を中野に求めているか、というところで一番多かったのは地域の日本人との交流機会、との回答でした。地域とのつながりが出来ることにより、その後、地域貢献まで発展してくれる可能性を秘めていると思いますので是非ご検討いただきたいと思います。この多文化共生フォーラムの中で、外国人が日本にやってきて定住するまでのフェーズで第一段階が移住、第二段階が暮らし始め、第三段階が定着、第四段階が地域へ貢献と説明がありました。それを踏まえ、提言をされた後、区長は「外国から来た人々が中野区で第四段階までスムーズに生活が出来る基盤を作っていかなければいけないところに来ている」と発言されていました。その基盤というのは具体的にどのようなお考えなのでしょうか?お答えください。
(企画担当)外国人の方々も同じ区民として連携協力をしながら中野という地域社会の中で安心して暮らし続けていけるということが必要であるというふうに考えてございます。基盤と申しましても、具体的に申しますと、例えば日本語の習得や情報リテラシーの向上であるとか、交流の機会の提供であるというふうに考えてございます。
(中村延子)多文化共生フォーラムの中でも、外国語版区報の回数が他自治体に比べて少ないとか、中野区国際交流協会の存在をほとんどの方が知らないなどの広報の不足、また私も昨年第3回定例会で指摘をさせていただいた防災マップの更新遅れ、など、外国人の方々が中野区で生活するうえで、必要な情報が手に届いていないというところは、今後対策をとっていただきたいと思います。
一方、1月31日の中野駅周辺地区等整備特別委員会において報告された「区役所・サンプラザ地区再整備基本構想(素案)について」の中で、何度もグローバル化推進という言葉が使われています。先の一般質問でも、後藤議員の質問への答弁で、四季の都市には外国人留学生が多いことが基盤としていかせる、というお答えがありました。どのように生かしていくのか教えてください。
(企画担当)近くオープンいたします早稲田大学国際学生寮には870人の定員のうち、約半数は外国人留学生でしめられておりまして、今度の春でございますが、第一弾として約200人の留学生が入寮するというふうに聞いてございます。また、明治大学中野キャンパスの留学生は、大学と大学院をあわせて約270人在籍しているというふうに聞いておりまして、国際学生寮の寮生とあわせれば、昼夜、夜間を問わず多くの留学生が中野に滞在するということになるかと思います。既に明治大学や帝京平成大学の学生が地域の交流やボランティアに参加するという事例も出て来てございます。外国人留学生についてもそういった活動に参加いたしまして、母国語をいかした子どもたちの語学教育や例えば通訳のボランティアなど、地域貢献に携わることも考えられます。そのような力をいかせるように進めてまいりたいと考えております。
(中村延子)2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まり、今後東京へは多くの外国人が来街される事が予想されます。先週末閉幕したソチ五輪では、現地で英語がまったく通じず「Water」水すら通じない場面もあったと報道がされています。東京はそこまでではないにしろ、基本的に英語は通じず、国際オリンピック委員会も言葉の問題が大きな課題になる、と警鐘をならしています。
色々な方向で多文化共生、中野区内での国際化・国際交流について質問をしてきましたが、ここで申し上げたいのは、中野区は外国人の来街者、いわゆる観光客を増やしたいのか、もしくは中野区に住む外国人を増やしたいのか、どちらなのかというところです。観光客向けと居住者向けでは基盤の作り方がまったく変わってくると思います。「グローバル化推進」というとてつもなく大きな言葉でくくるのではなく、きちんと方向性を見定めて身の丈にあった、また誰もが共存し暮らせる中野区になるようそのための基盤整備を進めていただきたいと思います。
2月28日予算総括質疑③子宮頸がんについて
1.平成26年度予算について
2.施設の整備について
3.女性特有のがん対策について
4.国際交流について
5.その他
(中村延子)次に女性特有のがん対策についてお伺いいたします。
昨年の第4回定例会の厚生委員会でがん検診の見直しが報告されました。これは、国が実施していた「がん検診推進事業」で、子宮頸がん検診で20歳~40歳の5歳刻み、乳がん検診で40歳~60歳の5歳刻みの女性に検診受診の無料クーポンを配布していた事業です。平成26年度からこの無料クーポン事業が大幅に縮小され、「女性特有のがん検診事業」子宮頸がんで20歳のみ、乳がんで40歳のみとなりました。昨年12月頭にNHKが「無料クーポンの未受診者に対し、受診券の再発行をする」というニュースが流れましたが、この件に関して国からは何らかの通知はあるのでしょうか。
(健康推進担当)国からの正式な通知はまだございません。国の動向につきましては、1月下旬に東京都を通じて案が示されたところでございまして、平成26年度の補正予算による事業と致しまして、一定年齢の者に対する受診勧奨の実施や無料クーポン券の配布を行うというものでございます。
(中村延子)また、平成26年度予算の中で新規事業に20歳から40歳の女性で、子宮頸がんの検診未受診者に対し、受診勧奨を行うという事業が組み込まれました。これまで子宮頸がん対策を取り上げる中で、受診勧奨や再勧奨については、取り組んでいただくよう要望していましたので、本当に心から歓迎を致します。担当さんのご努力のたまものだと思っています。以前からも述べて来ましたが、子宮頸がんは細胞の異形成や前がん病変までに発見できれば、子宮の一部を切除することで治り子宮を温存が出来ます。その後の妊娠・出産も可能です。でも異形成や前がん病変までは、検診でしか見つけられません。子宮頸がんは発症のピークが30代にあります。まだ妊娠、出産を終えていない女性が子宮摘出を余儀なくされたり、まだ小さい子どもを残して命を落としたりといったとても悲しいケースが後を絶ちません。すべての方が、子宮頸がん予防について正しい知識を持ち、また検診の受診率が向上すれば、こんな悲しい事態を避ける事が出来ます。各種がん検診は死亡率の減少を目的にしていますが、子宮頸がんに関しては「子宮を温存する」という観点を忘れてはいけないと考えます。
そんな中、中野区の子宮頸がん検診受診率は平成24年度決算値で21.3%とかなり低いものとなっています。確かにこれは区民検診として子宮頸がん検診を受診した人の割合のため、職場等で受診している人は除かれています。仮に職場等で受診した人を含めたとしても35%に満たない数字です。欧米諸国の60~80%にはおよそ及ばない低い水準となっています。
今回行われるこの未受診者への受診勧奨ですが、どのような方法で行う予定か教えてください。また対象者が何人くらいになるのか教えてください。
(健康推進担当)区内に居住する20歳から40歳の女性区民のうち、区の子宮頸がん検診の未受診者およそ46700人に対して、はがきによる受診勧奨を行うことを想定してございます。
(中村延子)20歳から40歳ということなので、単身者も多く電話での受診勧奨は中々難しい中、はがきで勧奨をする、ということですが、手元に届いた時に目を引くものでないと意味がないと思います。小さい文字だけで、絵も図もないようなはがきでは、受け取った瞬間ゴミ箱に行きかねないと思います。何よりも、読んでもらわないと、そして検診に行こうと思ってもらわないと、予算をかけて実施する意味がなくなってしまいます。
奥多摩町では、若者に知られているキャラクター、Post Petを採用し、見てもらえる工夫をしています。ちなみに、Post Petの「モモ」は東京都乳がん検診普及啓発事業における公式キャラクターです。大阪府東大阪市や埼玉県川口市では、行政検診の「お得感」を全面に打ち出して目を引く工夫をしています。自己負担額のみの提示だと、その金額で受けられることが当たりまえのように見えますが、元々の金額を提示することで、自治体検診がどれだけお得なのかわかりやすく示すことができます。豊島区では、女子大生の子宮頸がん啓発グループ「リボンムーブメント」と連携し、検診デビューとなる20歳に向けて、同年代の女子大生が手書きのメッセージを送っています。
中野区でも、ただの受診勧奨ハガキではなく、今並べた各自治体のようにより受けてもらえる工夫を凝らした受診勧奨ハガキを送付すべきと考えますが、ご見解を教えてください。もし今どのようなものにするか、検討状況があれば、あわせて教えてください。
(健康推進担当)受診勧奨の実施にあたりましては、特に若い女性の視点からの勧奨ということが、非常に重要と考えてございます。帝京平成大学の学生にはがきのレイアウトなどの協力を依頼するといったことを予定してございます。
(中村延子)また、この事業は平成26年度のみの新規事業なのか、もしくはこれから恒久的に継続していく事業なのか教えてください。
(健康推進担当)平成26年度の受診勧奨にいたしましては、20歳から40歳の女性区民に対する子宮頸がん検診の受診勧奨を予定していますが、その後の実施方法につきましては、国の動向などを見ながら今後検討していきたいと考えてございます。
(中村延子)「NPO法人 子宮頸がんを考える市民の会」が昨年「全国主要都市 子宮頸がん予防対策実態調査報告書」を作成しました。自治体による行政検診は料金・受診期間・申し込み方法などに様々なローカルルールが存在し、必ずしも受診者の目線に立った対応がとられているとはいけない現状を踏まえ、主な自治体における子宮頸がん予防対策の取り組みを調査し、その違いを可視化することを試み、行われました。対象とされた自治体は全国主要都市50区市(これは全国で女性人口が多い上位50区市)と東京都52市区町です。この中で、子宮頸がん予防対策の総合評価結果が発表されており、「大変優れている」、「すぐれている」、「一部改善が必要」、「かなり改善が必要」、「不十分」の5段階で評価されています。悲しくも、中野区は東京都52市区のうち12市区と並び「不十分」の最低ランクに評価されてしまいました。この調査は毎年行っていくとのことですので、26年度予算に組み込まれた受診勧奨が加わることにより、少しは評価があがるものと思われますが、担当さんとしてこの評価結果をどのように受け止められているかお聞かせください。
(健康推進担当)現段階では、今委員にお示しいただいた調査報告書の内容は把握しておりません。そのため、どのような基準をもとに総合評価を行っているか不明でございます。区といたしましては平成25年度より受診期間の延長などを実現したところでございまして、今後も区民検診の受診率向上にむけて、努力してまいりたいと考えてございます。
(中村延子)中野区には20代30代の人口が多く住まわれています。人口の30%以上もしめているところです。女性だけのものととらえる事なく、力を入れていっていただきたいと思います。
先ほども申し上げた通り、平成26年度からは無料クーポン事業が大幅に縮小され、子宮頸がん検診では20歳のみ、乳がん検診では40歳のみとなります。昨年12月の厚生委員会で20歳の無料クーポンでの検診受診率を確認したところ、なんと7.8%というとてもとても低い水準となっている事がわかりました。無料クーポンの再発行というニュースがありますが、さきほどご答弁いただいたように、いまだ不透明な状況です。20歳を迎える際に、予防啓発をしなければいけないと考えます。
今年1月13日に中野サンプラザで行われた中野区成人のつどいに出席させていただきました。新成人のみなさんには、様々な啓発グッズが配られました。中には東京都消費生活総合センターの悪質商法に気をつけろ!とか、鷺宮商店街のタウンナビ「さぎプレ」、「こころといのちの相談窓口」の案内やHIVエイズの基礎知識という冊子、はたちの献血キャンペーン記念品引換券、「妊娠がわかって色々悩んでるあなたへ」というすこやか福祉センターの連絡先一覧が書かれたものなどが入っていました。ここに子宮頸がん検診啓発グッズを入れてはいかがでしょうか。
(健康推進担当)「成人のつどい」で配布している啓発グッズですが、現在増加傾向にあると聞いております。今後、若い世代に対する子宮頸がん検診の効果的な啓発方法につきましては、そういったことも含めて検討していきたいというふうに考えております。
(中村延子)先ほどご紹介した、女子大生の啓発グループ・リボンムーブメントは2013年さいたま市とタイアップして映像を作成し、成人式で放映しています。リボンムーブメント以外にもさまざまな予防啓発団体が存在します。こういったところと連携し、一層の予防啓発に努めていただきたいと考えます。また、昨年4月からは明治大学と帝京平成大学が、今年4月には早稲田大学の国際コミュニティープラザが中野四季の都市にやってきます。その他にも、様々な専門学校が区内には多く存在します。こういった学校と連携を図る事も、とても大切だと考えますが、区の見解をお聞かせください。
(健康推進担当)子宮頸がん検診の、特に受診率の低い20代、30代の区民に対する受診勧奨につきましては、若い女性の観点からの受診勧奨は欠かせないものと考えてございます。今回の受診勧奨をきっかけにさまざまな教育機関や関係機関とも連携をとりながら受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。
(中村延子)今回、未受診者への受診勧奨の予算措置がされたことは本当に大きなステップと言えます。命を守るだけでなく、将来生まれてくることが出来る命を育てる事ができる子宮を守る施策だと考えますので、是非この流れを止めることなく今後とも推進していただきたいと思っています。
2月28日予算総括質疑②施設の整備について
1.平成26年度予算について
2.施設の整備について
3.女性特有のがん対策について
4.国際交流について
5.その他
(中村延子)続きまして、施設整備について質疑をさせていただきます。昨日の質疑と少し重なる部分がありますが、私なりの観点で質問をしたいと思います。2月6日の建設委員会で、今後の大規模公園整備について報告があり、その中で「(仮称)本町2丁目公園」と「(仮称)弥生町6丁目公園」についての説明があったと聞いています。
今回、本町2丁目の用地を公園にする、というお話は、私だけかもしれませんが、昨年まで建設委員会に身を置いていましたが、一度もそんな報告はなかったと思いますし、かなり唐突な感が否めません。なぜこのお話がこんなに急に出てきたのか、また本町2丁目用地を公園整備にあてる、という方針はどのように決まったのか教えてください。
(都市基盤整備担当)公園整備の用地につきましては、平成19年12月21日に本町2丁目地区都市基盤事業用地といたしまして、中野区土地開発公社が国家公務員協会連合会より取得したものでございます。当初は民設地とあわせて取得をし、国費・都費を活用いたしまして整備できる面積の1ヘクタール以上を確保する計画でございましたけれども、民設地のエリアが得られませんでしたので、平成21年度に暫定整備工事を行いまして平成22年度より暫定解放を行っているところでございます。また東京都が平成25年11月に都市計画公園として認定されれば、交付金の対象となる都市計画交付金の運用方針を見直したことから仮称弥生町6丁目公園などと組み合わせまして、都市再生整備計画と位置付けまして国費の活用もできることから、今回の整備に至ったものでございます。また本町2丁目公園用地につきます方針につきましては平成21年に、本町2丁目3丁目まちづくりをすすめていく中で、防災機能を有する緑豊かな公園ということで、計画されていたものでございます。
(中村延子)長年塩漬けになっていた土地であるということですが、中野区内にはほかにも同じく長年土地開発公社で購入しながらも、さまざまな理由で手がつけられていない土地がどれだけあるのか教えてください。また、そのような土地はどのような方針で整備していくのか教えてください。
(経理担当)中野区土地開発公社が取得し10年以上ということで保有しているということでお答えいたします。中野駅北口広場整備事業用地2か所を平成6年と平成10年に、中野駅南口市街地整備事業用地1か所を平成6年に取得してございます。
(中野駅周辺地区整備担当)今答弁がありました、用地の整備方針についてお答え致します。中野駅北側の公舎用地については中野駅地区整備事業の中で、南側の公舎用地については中野2丁目再開発の中でそれぞれ活用していく予定となってございます。
(中村延子)昨年7月の総務委員会で、「国家公務員宿舎跡地利活用方針」というものが所管事項の報告で説明され、その中の「区の利活用の基本的な考え方」では、国家公務員宿舎の廃止・移転の機会を捉え、跡地の利活用が可能なものについては都市再生の推進に資するよう戦略的な活用を図ると述べています。合計11か所の跡地について記述がありますが、その中で弥生町6丁目にある「弥生寮等」の12,665.22㎡に関しては、活用策として「公園として整備し、広域避難場所としての防災機能の確保等を図るとともに、清掃車庫の移転先として活用する」とされています。
弥生町6丁目の国家公務員宿舎跡地は、長い間廃墟となっており、神田川を挟んで東京メトロの車庫がある事もあり、周辺はかなり静かで薄暗い場所です。夜、近くを歩いた事もあるのですが、少し恐怖感を覚えるほどです。現存の建物を壊し、見通しが良くなる事は地域の人間としても歓迎します。ところが、あの土地は大きな段差があり、傾斜もかなり急な場所となっています。本会議一般質問でも、区長の答弁で「傾斜を活かした公園づくり」をされると発言されておりますが、どうやって傾斜を活かした公園づくりをするのか具体的に全く見えてきません。段々畑ならぬ段々公園を作るおつもりなのでしょうか。具体的に、「傾斜を活かした公園づくり」とはどのようなものをイメージしてらっしゃるのかお答えください。
(都市基盤整備担当)来年度につきましては、清掃車庫も含めまして施設基本計画を策定していく中で具体的にどのような公園を整備していくか決めていくことになります。また、基本的な公園の整備イメージというところでございますけれども、まず1点目が崖地をスロープ化し敷地全体を園路でつなぎまして、一体的に利用できるようにしていきたい。また2点目としては、傾斜をいかし、例えばソリですとか、滑り台、そういった遊びそれからアスレチックを取り入れる、3点目としては軽スポーツができるような広場の整備、そして4点目としては芝生、樹木を配置し緑豊かな交流の場となるような公園、それから広域避難場所の指定のされている位置に配備されますので、災害活動拠点となる公共スペースを確保する、こういったイメージを現在は持っているというものでございます。
(中村延子)弥生町6丁目用地の整備では大規模公園の整備の他に、清掃車庫を新たに設置するとの方針です。清掃車庫の場所については、今まで様々な経緯があったと伺っています。10か年計画第2次では、清掃車庫の移転地は区役所の移転用地となっています。
ご答弁でも清掃車庫の早期移転が必要不可欠と区長はおっしゃっていました。もちろん、現在の清掃車庫の場所から新たな場所に移動しなければ、中野駅周辺の第2期整備に支障をきたすことになりますし、弥生町6丁目に持ってくるな、ということでは決してありません。ただ、もともと南側にお住いの区民は、中野駅に行くよりも新宿へ出る方が便利なため、中野駅周辺の再開発の恩恵はほとんど受けていないわけです。これまでも、中野駅周辺ばかり、という声を地域で聞いてきました。中野駅周辺の再開発が遅れるから、弥生町6丁目に清掃車庫を持ってくることを認めろと言われても納得が出来ないのも現状だということを職員の方々には理解をしていただきたいと思います。その上で、近隣住民の方々へはしっかりと丁寧に対応をしていっていただきたいと思いますが、いかがですか。
(ごみゼロ推進担当)お答えいたします。清掃車庫につきましては、今後の計画の進捗に応じ、近隣のみなさまに情報提供をすすめ、意見交換の場を設けまして、近隣のみなさまのご理解がえられるよう、丁寧な対応をはかってまいりたいと思います。
(中村延子)今回、(仮称)本町2丁目公園と(仮称)弥生町6丁目公園の整備方針が出てきたわけですが、今までの公園整備、例えば(仮称)南部防災公園や(仮称)本町5丁目公園の時よりも急で突然出てきた感が否めません。確かに、青梅街道より南の地域では、公園面積が一人当たり0.4㎡、南部防災公園、本町5丁目公園、本町2丁目公園、弥生町6丁目公園の整備後でも0.96㎡とそれでもそこまで多くはないという現状ではあります。一方で、東中野4丁目5丁目地域では公園面積が0.17㎡と非常に少ないのにも関わらず、東中野小学校跡地は売却してしまう、という矛盾も出て来ています。これから学校再編によって、統廃合しなくなってしまう学校も出て来る予定です。
すべての区有施設の在り方、施設配置の在り方を検討したうえで、どの地域にどの施設が必要かきちんと検証し計画をたてるべきと考えますが、いかがでしょうか。
(企画担当)今後の区有施設の在り方につきましては、地域や区全体の中長期的な視点から方針を定めて対応していく必要があると考えてございます。施設の再配置や改修、長寿命化などにつきまして、早期に検討してまいりたいと考えております。
(中村延子)このように急に公園を整備するという方針が出てきたり、一方売却をしないと言っていた施設を売却すると決定したり、その時その時の場当たり的な対応にどうしても見えてしまい、きちんとした計画に沿っていないように感じられます。こういう場当たり的な対応を繰り返していると計画があっても、きちんと遂行されるのか、信用が出来なくなってしまいます。これでは区民の納得は得られないと思いますので、きちんと学校跡地を含めた施設整備計画・方針を出していただきたいと要望をしておきます。
2月28日予算総括質疑に立ちました!①
2月28日に、民主党議員団を代表して予算特別委員会にて総括質疑を致しました。
文字起こしができ次第順に項目ごとに質問および答弁をアップさせていただきます。
1.平成26年度予算について
2.施設の整備について
3.女性特有のがん対策について
4.国際交流について
5.その他
(中村延子)平成26年第一回定例会予算特別委員会において民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告の通り、1.平成26年度当初予算について、2.施設の整備について、3.女性特有のがん対策について、4.国際交流について、5.その他で光熱水費についてお伺いを致します。どうぞよろしくお願い致します。
はじめに、平成26年度当初予算についてお伺いを致します。
平成26年度一般会計当初予算は1206億8700万円と平成25年度当初予算に比べ36億4600万円増となりました。本会議一般質問でも話がありましたが、本年は6月に区長選挙が予定をされています。多選自粛についてはさまざま私も思いがありますけれども、我が会派の先輩議員3名全員が質疑を致しましたのでここでは触れません。他の自治体では、首町の選挙が行われる年の予算は骨格予算とするところも多くあります。昨年ですと、4月に市長の改選があった小平市で、改選前に骨格予算を通しています。予算特別委員会の冒頭で小平市長は「平成25年度予算におきましては、定例会初日に述べさせていただきましたとおり、年度当初に市長選挙が予定されておりますことから、4月以降の市長が新たな施策を実現する財源的な余地を残し、同時に市民生活にできるだけ影響が生じない形で、いわゆる骨格予算として編成をさせていただきました。このため、本予算案につきましては、4月当初から継続して実施していく事業等が中心となっており、着手のおくれなどにより支障を来すことのないよう編成をさせていただきました。」と述べられています。
小平市長は選挙にも立候補され、再選を果たされていますが、選挙があることを考慮し、選挙で別の方が当選する可能性を見越したうえでの紳士的かつ選挙結果を尊重した対応だと感じます。一方、中野区では6月に新しい区長が当選する可能性がありながら、その前に再び組織にも手を加えるなど、あたかも6月からも引き続き現区長が中野区政を手放さない、ご自身で背負っていくような姿勢が垣間見えます。組織にしても本来ならば再選されてから手を加えるべきかと考えます。予算にも同じことが言えます。もし選挙で新しい候補者が当選した場合、施策的な方向転換も考えられます。そういった意味でも、施策的なものは含めない骨格予算にすることが、選挙を迎える自治体としてあるべき姿ではないかと考えます。まず、今回なぜ骨格予算ではなく、本格予算を組むことになったのか教えてください。
(予算担当)当初予算を組むことになりますと、事業に一時的な停滞を招くことになりまして少なからず区民生活に影響を及ぼすことになるという風に思ってございます。こうした事態は避けなければならないという風に考えてございます。区では様々な事業につきまして、毎年度の予算編成の中でその編成過程を事前に明らかにするため、区民生活に影響のある主な取り組みを公表しまして議会に報告するとともに区民との意見交換を重ねさらに議会の審議をいただくといった開かれた予算編成を行ってきてございます。26年度予算でこうした考え方に基づきまして継続性をもって着実に予算を編成することが、区民生活にとって欠かすことの出来ない事業を滞ることなく計画的かつ安定的に実施することになるという風に考えてございます。このことが区民にとっても最も大事なことだと考えて取り組んでいます。
(中村延子)選挙は民主主義の根幹です。選挙結果を踏まえたうえで、施策の予算措置や施策のスムーズな遂行のための組織改正は妥当だと考えますが、選挙直前のこの時期にこのような対応は、これでは民意を軽視しているのではないかとすら感じます。もし新たな区長が誕生した際、その新区長が施策の方向性を変え予算措置が必要になった場合、補正予算として組み替えるという考えでよろしいのでしょうか。
(予算担当)その時の区長の考え方によると言う風に考えてございます。
(中村延子)本格予算をこの段階で組み、例えば新たな区長が誕生した6月後に補正予算を組むと更に財政規模は膨らんでしまいます。すでに財政の非常事態という言葉を使いながら、財政規模は4年連続して大きくなっています。せめて、年度当初につけなければ問題が生じる部分と、区長選挙後の予算づけても問題のない部分をわけて示すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。
(予算担当)繰り返しになりますが、継続性をもって着実に予算を編成することが、区民生活にとって欠かせない事業を滞ることなく安定的に実施することになるという風に考えてございます。このことが区民にとって最も重要なことであるという風に考えてございまして、現在ご提案している予算が区民にとって最善な予算だとこのように考えてございます。
(中村延子)いずれにしても、この時期に組織をいじり、予算措置もしてしまう、というのは首町による行政の私物化と見られかねない対応と指摘を致しまして次の質問に移ります。
平成26年第一回定例会が始まりました。
本日、2月17日から中野区議会平成26年第一回定例会が始まりました。
この定例会では、議案や所管事項の報告の他、平成26年度予算案も審議されます。
また、この定例会は6月1日告示の中野区長選挙前、最後の定例会になります。
本日、区議会で区長が所信表明を行いましたが、その中で、なんと!4期目の選挙に出馬をするとの決意を表明されました。
田中大輔区長は、12年前の初当選の選挙で、「2期8年」という公約のもと当選されました。たった500票差の当選でした。
その後、中野区自治基本条例を制定し、その中の第7条2項で、「活力ある区政運営を実現するため、区長の職にある者は、連続して3期(各任期における在任期間が4年に満たない場合もこれを1期とする。)を超えて在任しないよう努めるものとする。」と定めています。つまり、3期12年で立候補を自粛するべきという内容になっています。
まず、ご自身の公約は4年前に破られています。さらに、ご自身で制定した条例を「熟慮した結果」破られる、というのはハチャメチャです。コンプライアンスを守れない区長に「責任」なんていう言葉を使っていただきたくないですし、そもそも熟慮しないために多選自粛条例を制定したはずです。もし選挙に出られるというのであれば、条例の第7条2項を改正すべきです。
12年前というと、多くの自治体で多選自粛の議論がされ、全国の多くの自治体で条例が制定されています。
全国初のこんなとんでもない事態は許されるべきではないですし、とんでもない前例を作ってはいけないと考えます。
この件に関しては、19日および20日の本会議で民主党議員団を代表して酒井たくや幹事長と佐伯利昭区議が一般質問で取り上げる予定です。他会派の議員も取り上げられることが予想されます。是非、ご注目ください。
下記、本日区長が述べられた所信表明から抜粋させていただきます。
「しかし、今申し上げたことも含め、手がけてきた事業や構想は多くが道半ばであることも確かであります。新たな時代とともにさまざまな課題も出てきています。
大きく時代が変化し、官民挙げて持続可能な社会をつくるための大きな仕事に取り組まなければならない時代にあって、自治体もまた、立ち止まったり、後戻りすることは許されない現状であります。
私は3期目の任期の終わりが近づく中、これまで出来たこと、出来なかったこと、そして今後も取り組まなければならないことを熟慮いたしました。中野区自治基本条例の多選自粛規定についても深く考えたところです。立候補の自由を制限するものでないとの明文の規定があるとはいえ、3期を超えて在任しないよう努力するべきとの規定は重いものがあります。
また、一方で共に区政を支えてきてくれた多くの区民の皆さまからいただいた、区政の歩みを止めるべきでない、道半ばの仕事は責任を持って全うするべきとのご要請もまた、私にとって重いものでありました。
さまざまに考慮をした結果として、私は引き続き区政に責任を果たすべきであるとの思いに立ち至りました。いずれにしても区民が決することであり、区政に強い思いと責任を感じている私としては、何よりも仕事を優先して行動をするのが最も誠実な道であると考えたところです。」
H25年第4回定例会が閉会しました
11月22日からスタートした中野区議会平成25年第4回定例会は、本日閉会をいたしました。
最終日の今日は、議案の採決の他、議会の同意案件として教育長の
自治体の教育行政のトップである教育長は区長が任命し議会が同意
基本的に人事はよほどの事がない限り、同意をしています。ただ、
子どもたちに社会の秩序や規範を教えなければならない教育行政の
平成26年度予算要望
昨日10月31日(木)、中野区議会民主党議員団は区長へ平成26年度予算要望をさせていただきました。
予算要望の内容は以下になります。
平成26年度中野区予算要望
景気は回復基調にあるといわれてますが、現場では未だ実感する事が中々出来ない状況であります。先行きは不透明な中、来年4月の消費税増税による住民への影響は、大変に大きなモノであることは容易に予想されます。
少子高齢社会の今、自治体間にも競争の時代がやって来ます。引き続き、区民との信頼関係を深め、区民が中野を愛し、住んで良かったと誇れるような自治体づくりを進めなければなりません。中野区が選ばれる自治体となることにより、勤労納税世代の定住が進み、安定的な歳入確保にも繋がります。
数多くの区有施設が老朽化し、更新の時期を間もなく迎えようとしている中、行政サービス全体のあり方を総点検し、持続可能な区政運営を行える基盤を構築するよう求めます。
こうした観点から、中野区議会民主党議員団は、下記の事項について平成26年度予算に反映されるよう要望します。
1. 公正・公平な中野を目指して
・住民税、国民健康保険料をはじめ、区が徴収すべきすべての区債権の収入率向上の取組を行うこと
差押を基本とした滞納対策 滞納処理状況の一層の公開
・事業評価手法の改善により、ムダづかいをなくすこと
公共サービスのフルコスト計算による事務事業診断
委託事業全般のコストと効果の検証と公開
・本当の弱者を救う仕組みづくりをすること
働ける世代への就労支援
生活保護の不正受給根絶と医療扶助のチェックの徹底
・良質な公共サービスの提供
「公共サービス基本法」を踏まえ、契約する民間企業・団体の労働条件の調査
上記の調査から、適正な労働条件確保のため、「公契約条例」の制定
・透明性のある持続可能な区政運営を行うこと
予算編成過程の透明化
区役所移転計画・公共施設マネジメント計画の早期策定
・歳入確保への取り組み
特定財源確保の努力
具体的には社会資本整備総合交付金・totoサッカーくじ助成金の積極活用等
2. 子どもを産み育てたい中野を目指して
・保育環境の整備について
認可・認証保育園誘致等、家庭福祉員の増員による待機児の解消
延長、休日保育等による多種多様な保育ニーズへの対応
保育士確保への支援
・幼児教育の充実を図ること
私立幼稚園入園料保護者補助金の増額
私立幼稚園就園奨励補助金の継続
私立幼稚園防災用品緊急整備費の補助
・魅力ある公立小・中学校を創出すること
オリンピック選手が育成できるような環境整備・スポーツ振興
子どもたちの個性を伸ばす教育の充実
中学校部活外部指導員、謝礼金の大幅増額
中学2年生の宿泊行事の復活
特別教室の冷房化
いじめ・体罰への対応強化
・地域力を活かした子育て支援を充実させること
乳幼児親子の地域での居場所の確保
・学校給食食材の放射能測定をおこなうこと
3. 安全・安心の中野を目指して
・自然災害に負けないまちづくりと、いざという時の対策を確立すること
密集状態の解消、生活道路の整備、オープンスペースの確保
帰宅困難者支援対策
災害協定締結団体との訓練の実施
災害時外国人への情報提供体制の整備
学校現場での防災教育の充実
災害時要援護者名簿と地域支えあい見守り対象者名簿の整理
・警察・消防・地域との連携による防犯、防災対策の充実を図ること
地域防犯・防災組織への支援
青色パトロールカーの民間委託化
4. 住んでよかったと思える中野を目指して
・働きざかり世代が満足できる取組を進めること
スポーツ施設の充実、妙正寺公園運動広場の整備促進
図書館の蔵書の充実、学校図書館の地域開放
・地域や住民自身の活動を支援すること
改正NPO法に対応した、新寄付税制への条例改正
区民活動センターの職員体制の見直し 1・8名⇒2名へ
・CO2削減で深呼吸のできるまちづくりを進めること
省エネ機器の区施設への導入 家庭での省エネ機器購入補助
廃棄物収集指導班の人員確保
・国際交流の推進
幅広い海外自治体との交流と民間交流の支援
・がん対策
子宮頸がん検診の細胞診とHPV検査の併用検診の実施
子宮頸がん検診無料対象者への検診の継続
がん検診の受診対象者全員の受診券の送付
・メンタルヘルス対策
メンタルヘルスの正しい知識の普及と相談機関の周知
・住民理解のもとでの東中野小学校跡地の早期整備
行政視察および会派視察へ行ってきました。
10月24日&25日に中野区議会厚生委員会の行政視察へ、29日&30日に中野区議会民主党議員団で会派視察へ行ってきました。
厚生委員会の行政視察では山形県天童市と山形市へ行ってきました。
天童市にて「スポーツ振興基本計画」と「総合型地域スポーツクラブの推進」についてお話をうかがい、天童市スポーツセンターの見学をさせていただきました。
天童市にはモンテディオ山形(サッカーJ1)、楽天二軍、パイオニアレッドウィングス(バレーボールVプレミアリーグ)の本拠地があり、スポーツによる地域づくりホームタウンスポーツの推進にも力を入れているとのことでした。
山形市では山形市市民活動支援センターにて市民活動との共創指針についてお話をうかがい、その後センター内を見学させていただきました。
会派視察では、金沢市と福井市へ。
金沢市では金沢市教育プラザ内子ども総合相談センターにて、金沢市児童相談所の移管についてお話を伺い、その後センター内を見学させていただきました。23区でも都から移管する議論がある中、所長さんがバイタリティー溢れる方で、とても有意義な視察になりました。
福井市では、「福井市行財政改革指針について」と「地縁団体の法人化について」お話をうかがいました。
本会議で一般質問を致しました
9月10日から中野区議会平成25年度第3回定例会が始まりました。
会期は、10月11日までになります。
10日から12日まで本会議が行われ、私も一般質問で登壇をさせていただきました。
1.不登校対策について
2.危機管理について
3.災害対策について
(1)防災教育について
(2)外国人への情報提供について
私の質問は下記になります。長いです。
答弁はまた後日アップさせていただきます。
「まず、はじめに不登校対策についてお伺いをいたします。
中野区教育ビジョンの教育理念は「一人ひとりの可能性を伸ばし、未来を切り拓く力を育む」とあります。目指す人間像としては、生命を尊重しやさしさ思いやりの心を持つ人、コミュニケーション能力を高め豊かな人間関係を作る人、自ら考え創意工夫し課題を解決する人、自らの健康や体力の増進を図る人、となっています。
どんな子どもたちでも、個性を生かしのばしていくこと。そして大人になり、日本や東京や中野にとって必要な人材として成長していくために、公教育は非常に大切なものだと考えています。だからこそ、どんな状況の児童・生徒に対しても、できる限りの環境を整え、彼らにあった指導のもと、彼らの長所を引き出すことが求められていると考えています。
今年4月、兵庫県川西市で行われている子どもの人権オンブズパーソンという事業を視察してきました。公的第3者機関であり、大学教授や弁護士など、専門知識をもったチームでオンブズパーソンは構成されています。そのほか、相談専門員を置き、子供たちが抱えている問題の相談、調査、また調整、そして啓発といった活動を行い、一定の成果をあげているとのことでした。中野区でも、さまざまな子どもたちの健全育成の事業を行っています。中野区が不登校児童・生徒の未然防止策でどのような取り組みをしているか教えてください。
様々な未然防止の対策が取られていたとしても、不登校の児童・生徒の数を解消するのは中々難しく、平成23年度には小学校で31名、中学校で98名の児童・生徒が不登校だったとの報告を受けています。そこで伺います。ここで言われる「不登校」の定義を教えてください。
中野区教育委員会の事業の中に教育相談室「フリーステップルーム」があります。フリーステップルームは、適応指導教室で不登校児童・生徒の居場所で、学校への復帰に向けて教科学習をする場所です。ここで生徒たちは、コミュニケーション能力を育てるきっかけづくりとして、小集団活動や体験活動、行事などに取り組みます。また、相談員のカウンセリングを通して子どもたちを励ましながら、社会的自立を目指す施設です。対象者は中野区立の小学校・中学校に在籍する小学校5年生~中学校3年生までの不登校児童・生徒です。
先週、9月4日に中野2丁目にある南部教育相談室、南部フリーステップルームを見学させていただきました。在籍しているクラスメートに通級している姿を見られることを恐怖に感じる生徒が多いこともあり、開室時間を9:00にし、学校に通っている生徒たちと通学時間が重ならないようにするなど子どもたちがまずは安心して通級できる配慮がされています。また、夏休みや冬休みなど、学校が閉まっている時期もフリーステップルームは開室しています。これは、不登校の児童・生徒には地域での居場所がないことが多いため、居場所づくりとして行っていると相談員の先生に伺いました。現在、北部と南部あわせて何名の児童・生徒がフリーステップルームに通っているか教えてください。また、ここから小中学校への復帰率はどれくらいなのでしょうか。伺います。
このように、学校復帰への準備としてフリーステップルームでは様々なケアをしています。しかしながら、児童・生徒の在籍は学校であり、クラスです。学校・フリーステップルームなどの関係機関・保護者の皆さんが共通の認識を持ち、連携をして子どもたちを育てる体制を整えていくということが非常に重要だと考えます。フリーステップルームに入級する手続きとして、まずはその生徒の在籍する学校からの申し込みが必要になります。この事からも、学校や担任の先生が児童・生徒を継続して見守り続けなければいけません。そのためには、先生方の意識向上が必要不可欠です。現在、学校の先生の意識向上のための研修などはあるのでしょうか?担任の先生の意識の違いによって児童・生徒の復帰率にも差が出てしまう懸念があります。そうならないためにも、先生たちへの一定の指導が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。フリーステップルームの相談員の先生にお話を伺ったところ、通いだすまでの期間が3か月以内の子どもは大体半年以内で学校への復帰ができるようになるとお話されていました。傾向として、フリーステップルームに通いだすまでの期間が短ければ短いほど、学校への復帰も早いそうです。逆に不登校の期間が長く引きこもっている期間が長ければ長いほど復帰には時間がかかるとのことでした。不登校になった児童・生徒への初期対応はどのようにされているのでしょうか。担任の先生の児童・生徒への対応が迅速に行われることが必要不可欠だと思いますが、現状を教えてください。また、フリーステップルームは小学校5年生からが対象になります。しかしながら、不登校児童は1年生から4年生までにも存在すると思います。4年生までの児童へのアプローチはどのようにされているのでしょうか?お答えください。不登校まではいかずとも、不登校気味いわゆる予備軍の児童・生徒も中にはいらっしゃると思います。不登校の主となる理由を把握していらっしゃいますか。最悪の場合、不登校により学力低下や非行でさらに学校に行かなくなるという負の連鎖が起きる可能性もあり、そのような子どもたちを狙っている大人も残念ながら存在します。こうした人たちから子どもたちを守るためにもしっかりと情報を把握し、対応をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
続いて、危機管理についてお伺いいたします。
今日は9月11日です。12年前に起きました、アメリカ同時多発テロの発生した日です。当時、アメリカで在学していた私にとっては東日本大震災と同じくらい、忘れられない、そして忘れてはいけない日となりました。度重なるテロの影響もあり、世界各国ではセキュリティー対策はその後何度も見直され強化されています。
一方、大量殺傷というテロとは種別が異なるかもしれませんが、地方自治体への暴力行為が様々な要因により行われてきており、後を絶ちません。平成23年9月には高松市役所で、生活保護を減額された女性がガソリンをかぶりライターで火をつけようとする事件が起きました。あわや、来庁者を巻き込んだ大惨事に発展する恐れもありました。大阪市西成区の役所では、2012年8月生活保護受給者の女性が保護費の返還を求められたことに激高し、千枚通しで職員を刺す殺人未遂事件がありました。大阪市鶴見区では、長時間カウンターで待たされた事が原因で、のこぎりを振り回した男が逮捕される事件も起きています。暴力が高じて職員が殺害されてしまうという最悪のケースも起きています。栃木県鹿沼市では、平成13年10月、市と業者の癒着関係を断ち切った職員に対し、一方的な恨みを募らせた廃棄物処理業者の男らが、この職員を帰宅途中に拉致し、殺害するという事件が起きています。
このように、行政への不満や逆恨みから暴力行為が行われ、職員は危険と隣り合わせでお仕事をされています。大きなニュースになりました、7月12日に宝塚市で起きた火炎瓶事件も同じ事例です。この宝塚市役所の事件を受けて、8月26日に税務分野で危機管理訓練が行われました。私も訓練を見学させていただきましたが、犯人役の警察の方の演技がとてもうまく、さながらの訓練だったと思います。今回は税務分野が対象でしたが、そのほかの部署へこの訓練が行われる旨の周知はされたのでしょうか。どの分野でもお客様≒区民と関わるところでは、いつ何時このような事件が起きるかわからず、危機管理を徹底しなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。また、全庁的に危機管理の当事者意識を持つべきだと考えます。今回の税務分野での訓練を受け、税務分野が学んだ教訓やポイントを全庁的に共有するために周知する予定はあるのでしょうか。お聞かせください。中野区では、危機管理ガイドラインを定めており、想定する危機を8種類にわけていると、今年の第1回定例会予算特別委員会で答弁されています。その中には、①大地震や豪雨などの自然災害、②大規模火災や鉄道事故などの重大事故、③武力行為事態、④緊急対処事態、⑤暴動等の重大事件、⑥中毒等の健康被害、⑦行政運営上の事件・事故、⑧その他勤務時間外の職員の不祥事と分類されています。今回の訓練の対象となったケースは⑦の行政運営上の事件や事故にあたります。このような不当要求行為への全庁的な対応マニュアルは存在するとのことですが、この訓練の実績を受けて新たに更新をすべきと考えますが、いかがでしょうか。平成20年度決算特別委員会総括質疑でも我が会派の佐伯議員から同じ質問が出ていますが、不当要求行為に屈するということは区に入るべきお金が入らなかったり、出さなくてもいいお金を出さなくてはいけなくなります。これは最大の税金の無駄遣いであり、また職員の方々への精神的負担にもなります。もし職員の方が、不当要求行為が原因で精神的な疾患に陥れば、区の損失につながり、区民にとっては二重三重の損失になります。そういった意味でも、区として統一した対応を考えるべき時に来ていると考えますが、いかがでしょうか。また、人数や人員構成が異なる違う部署では、不当要求行為に対する対応も変わってきます。マニュアルだけではなかなか実感が持てないですし、すぐに対応ができるとも思えません。先日の税務分野での訓練の際も、事前に警察の方から「さすまた」など道具の使用方法を説明されたのにも関わらず、訓練中にはうまく使いこなせず、これが訓練ではなく本当の場面であれば3人の方が殉職してしまうという状態でした。実際に訓練をしなければ、実践するのは難しいと考えます。すべての部署というのは、なかなか時間的にも難しいのかもしれませんが、そのほかの区民と直接接する部署でも危機管理訓練を実施すべきと思いますがいかがでしょうか。区民の安全と安心を脅かす事態を未然に防止し、また被害を最小限に食い止める対策を構築することはとても重要です。中野区はそのような不当要求行為には屈さないという姿勢を示していただきたいとお願いをし、次の質問に移ります。
次に災害対策についてお伺いをいたします。その中でまず防災教育についてお聞きいたします。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、様々な形で防災教育の見直しが行われてきました。先月30日、仙台市の上杉山通(かみすぎやまどおり)小学校へ防災教育の視察へ行ってまいりました。阪神淡路大震災から東日本大震災までの間、平日学校のある時間帯に起きた負傷者50名以上の地震は14%しかなかったそうです。まずは、学校にいなくても自分自身を守れる防災教育が必要と考え、仙台市では現在防災教育の見直しが行われてきているそうです。また、大震災前から、「何かあったとき、地域に残って頼りになるのは中学生しかない」という声はあったそうですが、震災後、避難所や地域における児童生徒の予想以上の力に驚かされた大人たちも多かったそうです。彼らの姿を今後の教育活動に生かし、災害時に他者や地域のために協力し助け合う力や心の育成を一層充実させていく必要があると震災から見えた課題としてあげています。
中野区でも、中学生の防災隊が消防団合同訓練や、総合防災訓練などに参加をしています。区立中学では消防署による救命講習を受講しており、今回の東日本大震災のように大人が少ない時間帯に地域にいる中学生は大きな人材です。学校独自の防災対応組織をしている中学校が平成23年度には11校中3校だったところ、現在は9校にまで増えていることは高く評価いたします。今後すべての中学校へ広げていただき、もっと多くの中学生に地域の防災訓練へ参加をしてもらうべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
8月24日と25日に区立中野中学校で、宿泊防災訓練が行われたと伺いました。救護訓練、消火器訓練、軽架搬ポンプ訓練、炊き出しや講演会など多岐に渡ったお泊り訓練だったと伺っています。生徒や先生方の他に、区の防災担当職員、中野消防署の職員の方、町会の役員さん、消防団、日赤の救護班の方など多くの方が参加をされたそうです。このような宿泊訓練が行われたことは、とても画期的なことだと思いますし、中野中学校だけではなくすべての中学校でも取り入れるべきと考えますがいかがでしょうか。地域の方々や関係機関の協力なくしては、実施できるものではないため、中々難しいところもあるかもしれませんが、区が全面的にサポートをし実施すべきと考えます。見解をお聞かせください。
続いて、外国人への情報提供についてお伺いいたします。
日本には大変多くの外国人もお住まいになっています。とりわけ、東京の23区には多くの外国人人口があり、中野区でも本年予算特別委員会で出していただいた資料によると、外国人住民登録者数は10675人にも上ります。様々な国からいらしていますが、その中でも中国系、韓国系の方、そして英語圏からいらしている方がとても多くいらっしゃいます。
東日本大震災以降、地域防災計画が見直されてきました。その中でも、災害弱者と呼ばれる高齢者、障がい者、女性や子どもへの配慮が今まで以上に取り込まれることになりました。一方、こんなにも多くの外国人が住んでいるにもかかわらず、外国人への情報提供については一行触れられているだけにとどまります。区では、中野区国際交流協会の事業として、総合防災訓練への参加がありますが、昨年度参加された方は通訳ボランティアの方が15名です。長年お住まいになっている方ならば、日本語も理解できると思いますが、いざという時に何が起きたのかわからない、情報もないでは、パニックを起こしかねません。私がシアトル近郊の高校に在籍をしていた2001年2月、シアトル近郊でマグニチュード6.8の大きな地震が発生しました。シアトルで大きな地震が起きる事は大変に珍しく、冷静に行動が出来たのは日本人の生徒のみでした。先生たちを含めたその他の人々は泣き叫んで走り出したり、怒鳴ったり、大変なパニック状態に陥っていたことを思い出します。世界には日本のように地震が頻繁に発生する国はとても珍しく、地震を経験したことがなく日本にやってくる外国人は多く存在すると思います。彼らが災害時にパニックを起こしてしまっては、避難所運営にも支障が出かねないと考えます。中野区国際交流協会に頼るだけではなく、区として外国人のために正確な情報提供を行う体制づくりを迅速に進める必要があると思いますが、見解をお聞かせください。
現在、本庁舎の総合窓口に英語版、中国語版、韓国語版の防災マップが置かれています。この中には、災害発生時にどのような行動をとるべきか、などがそれぞれの言語で書かれています。ところが、私がいただいたものは2008年7月版で5年も前のアウトデートな防災マップでした。ただでさえ、情報弱者の外国人へお渡しするものです。きちんとした最新情報が手元にわたるようにすべきと考えます。2013年版は作られているのでしょうか。もし作られているのであれば、古いものと一緒に陳列するのではなく、すべて最新のものにすべきと考えますが、いかがでしょうか。来年4月には早稲田大学の国際コミュニティープラザが完成し、多くの外国人留学生が中野区に住まわれる予定です。また2020年東京オリンピック開催も決まり、多くの外国人が来日される事も予想されます。きちんとした体制を作って迎えるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。」
山陰地方に視察へ行って来ました。
3月25日~3月27日の3日間、会派で山陰地方へ視察に行って来ました。
初日は、松江市へ。
松江市ではRUBYというコンピューター言語を使った産業振興についてお話を伺ってきました。
RUBYを作った方が松江にお住まいという所もあり、これを使って産業振興をしようと思い至り、松江駅前にSEの方々が使えるスペースを提供。交通アクセスも便利なところに拠点を置くことにより、外から来るエンジニアたちが松江に来て情報交換をするようになったそうです。現在では、中学や高校、大学や高専などでも人材育成が行われており、関連会社が人材を求めて支社を松江に置いたり、ぞくぞくと成功例が見られるとの事。
何よりも担当の職員さんがとても熱意をもって取り組まれている事にとても感動しました。
2日目は、鳥取県境港市へ。
境港市では、みんなでまちづくり条例と親の代理お見合い交流会についてお話を伺いました。
その後、水木しげるロードへ。
鬼太郎の銅像とツーショット!
平日なのに、たくさんの方が歩いていらっしゃいました。
人口は35000人に対し、観光客は37万人だそうです。
最終日は岡山市へ。
岡山ではインターネット公売についてと発達障害支援センター「ひか☆りんく」の事業をご説明いただきました。
インターネット公売は一定の実績はあるものの、保管場所や売れ残ってしまう事もあったり様々ご苦労もあるようでした。
「ひか☆りんく」は現地の視察もさせていただきました。
本会議において、H25年度当初予算について討論に立ちました
2月22日から始まった予算特別委員会は3月8日で終了し、本日本会議にて採決が行われました。
会派内でも様々な議論がありましたが、私たち民主党議員団は当初予算に賛成をさせていただきました。
理由などについて本日の本会議において討論を致しましたので、内容を記載させていただきます。
——————————
上程中の第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算につきまして、民主党議員団の立場から賛成の討論をいたします。
平成25年度一般会計予算は、特別区税、特別区交付金ともに前年度に比べ増額となりました。しかし、社会保障関連費の増加が続いていることや、今後必要となる老朽化した区有施設の更新、耐震経費等を考慮すると、区財政は依然として厳しい状況にあります。
こうした中、将来の負担に備えた着実な基金の積み立てや、広告の活用等で少しでも収入増を図ろうとする姿勢がみられること、また、個別の施策では、被災地支援の継続、国民健康保険分野への滞納支援システム導入、鷺の宮調節池上部多目的広場整備などについては評価します。
また、保育事業については、昨年度国家公務員宿舎を活用した家庭福祉員事業を開始したのに続き、区有地への民間保育所の整備や、保育園分園の開設、定員拡大に向けた区立保育園民営化の準備などの努力は歓迎しますが、なかなか問題の根本解決には至りません。今後東京都が進める東京スマート保育の活用なども視野に、更なる対策も期待します。
一方、区が進めようとしている区立小中学校の再編計画では、統合と通学区域の見直しにより、学校設置基準を満たしていない学校が複数できることは問題です。また、再編対象校及び、建築後50年を経過している小中学校の建物の調査の執行にあたっては、その必要性を慎重に判断するべきです。大幅な遅れが予想される東中野小学校跡地に関しては、地元の歴史や経緯を踏まえ、早急に整備されることを要望致します。
また昨年策定された中野区産業振興ビジョン、都市観光ビジョンの実現にあたっては、民の力を最大限に活用し、区のやるべきことの範囲は、「小さな区役所」の方針に立ち戻って、厳しく見定める必要があることを指摘しておきます。
毎年厳しい事業見直しを行い、真に区民に必要な施策の選別を行うことは重要です。しかし、その財政効果にも限度があります。増大する行政需要に対応し、真の住民自治を実現するためには、地方分権改革は必須のものです。基礎的自治体の立場からその必要性を強く訴え続けていくことを要望し、賛成の討論とします。
一般質問に立ちました
平成25年中野区議会第一回定例会が2月15日からスタートしました。
15日は区長の所信表明があり、19日から一般質問が始まりました。
私も本日、一般質問に立たせていただきました。
質問内容は以下になります。
1.区有施設の光熱水費について
2.子宮頸がん対策について
3.おもてなし運動について
答弁は非常に良いものも、後ろ向きなものもありました。
詳しい内容はまた後日ご報告させていただきます。
第一回定例会では平成25年度の予算を取り扱います。
区民のみなさまの生活を守るため、しっかりと審議をしたいと思います。
第4回定例会が閉会しました
12月3日から始まっていた第4回定例会が本日閉会しました。
今定例会は、バッチリ衆議院選挙とかぶってしまった事もあり、大幅に日程が変更されました。
先輩議員も初めての体験という「休会」の決議をし、12月8日~12月17日は議会を休会。
18日から再開され、本日全ての日程が終了しました。
今回出てきた議案等で大きなものはなかったと思いますが、一般質問でも多くの議員が取り上げた中野区のホットな話題は学校再編です。先の第3回定例会に素案が出て来たこともあり、また11月にはすべての地域で説明会が行われました。今定例会の子ども文教委員会では、学校再編の考え方に関しての陳情も取扱い、本日の本会議でも採択されました。中野区や教育委員会には、今後地域の声を十分に聞いて魅力ある学校づくりを進めていただきたいと心から願います。
私が所属している建設委員会には、東京メトロ新中野駅の改名に関する陳情が出てきました。
これは、現在の「新中野駅」を昔から地域に馴染みのある「鍋屋横町駅」として欲しいとの陳情です。
駅名変更をする場合、国土交通省へ届け出た後、システム改修などお金と手間がかかる作業が必要になるそうです。
まだ審議をする必要がある、という事から今定例会では継続審議となりました。
みなさん、新中野駅の改名についてどう思われますか?ご意見があれば下記メールアドレスまでお聞かせください。
n@nakamuranobuko.jp
さて、今年も残すところあと10日です。
選挙選挙で年末の準備が全くできていない私…。
寒い日が続くのでご自愛ください!^^
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