令和5年第4回定例会一般質問ダイジェスト版
11月27日に本会議で行った一般質問の答弁を整理しました。正式な答弁については、区議会HP等で公開されるものをご確認ください。
1.行政評価について
Q 事務事業点検方式は事業ひとつひとつが区の施策や政策の方向性にどう効果を発揮しているのか点検をしやすい特徴があるが、現在の行政評価制度が、こうした目的を果たしているかについては、疑問だ。区として行政評価の位置づけをどうとらえているのか。
A 目標と成果による区政運営のPDCAサイクルにおいてCの役割を担うものであり、基本構想で描くまちの姿の実現に向けて区が実施する事業の効果について、事業実績、コスト等により、測定、評価し、必要な改善を行い次年度予算につなげていくものである。
Q これまで事務事業の終期を決めるべきという事を再三申し上げてきた。内部で新規・拡充事業の終了時期を定めているのであれば、予算審査で議会にも示していくべき。また、その終了時期にあわせて、行政評価制度を活用し、次年度予算へ反映すべきでは。
A 新規・拡充事業については、事業期間と目標達成の時期を見定めて事業計画を立てており、国や都の補助事業期間や制度内容を参考に、終了時期を設定する事がある。予算審査における示し方については、工夫したい。評価・検証を行うことについても検討していく。
Q 今後の行政評価制度のあり方については根本的に見直しを検討すべきではないかと考えるがどうか。
A より実効性のある行政評価の実施に向けて、見直しを図っていきたい。
2.次に児童館運営・整備推進計画について
Q 児童館は、区の児童館職員だからこそ蓄積できたノウハウ継承や、現在の利用者ニーズに応えるための改善策も重要。子どもの権利の考え方に基づき計画を進めるべき。どういう理念をもって、今後の児童館の運営・整備を進めていくのか。
A 児童館の機能強化の推進や子ども・保護者のニーズを捉えた運営の改善、福祉的課題への対応強化、専門性を持った職員の育成・配置などを進めていく。その際は、中野区子どもの権利に関する条例に基づき、子どもを中心に捉え、子どもの意見表明や参加の機会を十分に確保することを理念としていく考えである。
Q 来年度からモデル事業をすすめていく。より良い運営にしていくためには、新たな児童館の運営モデルを確立させていくプロセスが重要と考えるが、現在想定しているモデル事業の実施内容、進め方について伺う。
A モデル事業の実施内容は、基幹型、乳幼児機能強化型児童館に移行する各1館において、福祉的な課題への対応や利用者ニーズを捉えた運営改善、幅広い世代が利用しやすいタイムシェア・ゾーニングの見直しなど諸課題への対応策を検討していく。
Q 基幹型については、民間運営への質を担保していく上での存在意義も重要。また、民間のノウハウを基幹型へ波及させるべく、連携をしていく必要もある。こうした相乗効果も期待できるが、民間運営に移行する際は、地域の理解を得ながら、丁寧に進めるべき。
A 基幹型の役割として中学校区内の地域連携や子ども施設の巡回・支援を位置づけており、委託館も含め地域連携の促進を図っていく。民間委託にあたっては、地域に対して丁寧に説明していくとともに移行が円滑に進むよう様々な工夫を検討していく。
Q 今後、建物の改修だけでなく、古くなったおもちゃ、備品類などの更新も重要。子どもにとって、より魅力的なものとなるよう、子どもの意見を聞きながら進めていくべきと考えるがどうか。
A 経年劣化の進んだおもちゃ、備品類も見られるため、これらの更新を進めていく必要があると認識している。更新に当たっては、子どもと子育て家庭の意見を聞きながら進めることにより魅力的な児童館運営を実現していく。
3.新庁舎整備について
Q 区では、新庁舎移転に向けて、最先端の窓口サービスの実現を目指すとしている。ライフイベントで多くの方がお見えになる想定の新庁舎2階、3階の各窓口では、新庁舎の開設当初には多くの手続きの申請書出力ができるようになるものと認識しているが、現在の検討状況は。
A 新庁舎では、現庁舎に先行導入した申請書自動交付機に加え、窓口で職員が来庁者に聞き取りを行いながらシステムに入力し申請書作成ができる仕組みの検討を行っている。高齢者や身体の不自由な来庁者が多い窓口や複数書類の作成が必要な窓口において活用するなど、利便性が大きく向上するよう取り組んでいく。
Q 今後は区民が自宅等で事前入力してきた内容を、窓口で受け付けて、効率的に手続きができる仕組みを整備していくことが主流になってくるこのような仕組みは、全庁的に導入が進み、はじめて「書かないサービス」を実現している新庁舎と言えるが、現在の検討状況、今後の見通しについて。
A 来庁者が自宅等で必要な手続きの事前入力や申請ができ、来庁した際には書く負担の軽減や所要時間の短縮につながるといったサービスの展開を検討してきた。今後はロゴフォームなどを活用することで、事前入力した内容を窓口で受け付ける仕組みを全庁的に展開していく。
Q 仕組みの構築後も、定着するまでは書かない仕組みを誘導する方策も必要。優先窓口や特別に配慮が必要な方を丁寧に案内できる仕組み等の検討が必要だがどうか。
A フロア案内人の配置とあわせて、高齢者や身体の不自由な来庁者が多い窓口においては、丁寧に聞き取り申請書の作成補助等を行うことで来庁者が安心して手続きができる仕組みも検討していく。書かない仕組みが定着していくよう、区報・HPの他、パンフレットやリーフレットなど様々な媒体を通じて周知していく。
Q おくやみ窓口は、事前予約する事で必要な手続きをあらかじめ手配できるワンストップサービスを検討していたが、どのような手法で実施する考えか。
A 事前予約された段階でお亡くなりになった方の情報を確認し、庁内各所管とも連携を取りながらご遺族が行う必要のある手続きを特定することで適切な手続きを一括で行うことができる仕組みを検討している。来庁された当日には印字済みの申請書等を用意しておきワンストップ対応を行う事を考えている。
Q 外国人相談窓口は、新庁舎4階に設けるが、具体的に窓口ではどのような対応を行っていくのか。関係機関との連携の検討状況についても併せて伺う。
A 庁内はもとより、他の行政機関を含む相談場所の案内や相談者のニーズに応じた日常生活に係る適切な情報提供などを考えている。英語、中国語の対応が可能な体制による面談および電話相談を行う事を想定しているが、AI翻訳機を活用し最大30言語に対応する予定。
Q 新庁舎1階の多機能トイレについて、設置される予定のユニバーサルベッドの配置については、より使いやすいものにしていくべきと考える。また、開設後も利用する方々から継続的にヒアリングし改善につなげていくべきと考えるがどうか。
A 土日祝日も利用可能な1階多機能トイレの多目的シートは、トイレ内の利用導線等を考慮し、縦型から横型に変更するなど、利用者や介護者が利用しやすい設備となるよう検討していく。現在改定中のUD推進計画には有識者等による評価・点検の仕組みを盛り込む予定であり、移転後も継続的に改善・向上を図っていきたい。
Q 新庁舎3階に設置予定のキッズスペースについて、手続きに来た方だけでなく気軽に立ち寄れる空間づくりが必要だと考える。どのようなコンセプト、内容で設置され、運営していく考えか伺う。
A キッズスペースは、子ども総合窓口に手続きに来た方だけでなく来庁中の子育て世代が気軽に立ち寄れる待合スペースとして準備を進めている。設置するベンチの素材に木材を利用するほか、親子が立ち寄りやすい温かい雰囲気となるような整備に取り組んでおり、設置・運営にあたっても親子にとって居心地のよい場所となるよう工夫したい。
Q 自治体でもおむつ自販機の導入が進んできており、23区では墨田区、世田谷区、北区の公共施設に設置されている。世田谷区と北区はおむつ自販機を誘導する政策判断を行い、自販機設置の際の条件とした。世田谷区では、同時に液体ミルクも自販機設置の条件としている。子育て先進区を目指す中野区としても、子育て支援施策の一環として、区有施設におむつ自販機の設置を政策的に進めていくべきと考えるがどうか。
A 飲料とともにおむつを販売できる自動販売機は、乳幼児親子が多く訪れる施設、スペースに設置できれば子育て支援策として効果が見込める。今後、多くの乳幼児親子が訪れる施設等については、実施手法も含めて検討していきたい。
Q 中野駅周辺はおむつを扱っている店舗が極端に少なく、緊急事態に購入する事が難しい。新庁舎1階は、土日祝日も区民が利用できることから、おむつ自販機の設置を検討すべきと考えるがどうか。
A 新庁舎1階には自販機コーナーの整備予定がないが、いただいたご意見を踏まえ多くの乳幼児親子が外出しやすくなるよう、おむつ自販機の設置場所や設置方法について検討していきたい。
4.健康施策について
(1)がん対策について
Q HPVワクチンのキャッチアップ接種は、来年度が3か年の最終年度であり、3回接種を終えるためには、2024年9月末までに1回目接種の必要がある。中野区でもキャッチアップ世代に対して、効果的な接種率向上に向けた取組を実施すべきと考えるがどうか。
A 医師会との連携を図るなど、キャッチアップ世代の接種率向上に向け、接種勧奨を進めていく。
Q 20歳を過ぎたら子宮頚がん検診を受けていただく事も2次予防、早期発見には必要だが、区の検診受診率は20%を切っており深刻な状況。医療機関の女性医師の有無の公表など、これまで受診していただけていない対象者のハードルを下げる取り組みの実施が必要と考えるがどうか。
A 検診受診率の向上は重要な課題であると認識しており、行動変容を促す受診勧奨など工夫しながら取り組んでいく。医療機関の女性医師の有無の公表については今後関係者と調整しながら検討する。
Q AYA世代は保険未加入者も多く、経済的に困窮するリスクも高い。40歳未満では介護保険制度が利用できず、制度の狭間となっている。ターミナル期に対応した訪問診療・看護・介護ステーション等との連携や支援について必要だと考えるが区の見解は。
A AYA世代のがん患者については、学齢期から成人期にかけてライフステージが変化する年代で、一人ひとりのニーズにあわせた支援が必要であると認識している。訪問診療などの医療従事者や介護事業者などで構成された地域包括ケア推進会議の在宅療養推進部会において、課題の共有と支援のあり方について検討していく。
Q がん治療による外見の変化が、治療や就労への意欲の低下につながることもある。抗がん剤治療などにより髪の毛が抜けてしまう方や、乳がん治療で乳房切除を行う方に対し、中野区でもウィッグや補正下着の購入費の助成を行う必要があると考えるがどうか。
A 区でもがん治療に伴う外見の変化についての相談が寄せられており、支援が必要であると認識している。がん患者に対するウィッグ、胸部補正用具等アピアランスケア事業を令和6年度から開始できるよう検討を進めている。
(2)性教育について
Q 中野区では昨年度から保護者向けの性教育をテーマにした講演会も行っている。オンライン開催で、アーカイブ配信をしたこともあり、130名もの方が登録し視聴された。来年度以降も性教育をテーマとした講演会を継続して実施していくべきと考えるがどうか。
A 現在改定中の男女共同参画基本計画には「性に関する知識の普及啓発のための取組」を盛り込むことを考えている。この中で、広く区民を対象とし、性教育をテーマとした講演会の実施についても検討してまいりたい。
(3)不妊治療に対する支援について
Q 不妊治療が保険適用となり、窓口での支払いが少額になった。これにより、新規参入者が大幅に増え、少子化対策にもつながると考える。一方、保険適用外治療の中には、これまでの助成制度の仕組みでは対象とされていたものもあり、カップルの負担になっている。中野区でも、不妊治療保険適用外の先進医療に対する支援を新たに始めるべきと考えるがどうか。
A 区では、少子化対策および子育て支援策として、不妊専門相談や不妊検査に係る費用の助成等を行っているところであり、妊娠を望む方、不妊に悩む方を応援する取組を行っている。保険適用外の先進医療への費用助成は重要なことだと考えており、現在事業実施について検討している。
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