民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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名義:中村延子後援会
2023.02.14

第1回定例会で一般質問を行いました!

本日、本会議にて一般質問を行いました。
質問原稿を以下に記載します。正式な答弁については、議事録の公開をお待ちください。

1.施政方針説明について
(1)新型コロナウイルス感染症対策について
(2)子育て先進区について
(3)中野駅周辺まちづくりについて
(4)令和5年度予算(案)について
(5)男子HPVワクチン任意予防接種費用助成について



質問に先立ち、2月6日に発生したトルコ・シリア地震やその後の余震で犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた皆さんの早期の回復と復興を心からお祈り申し上げます。
令和5年第1回定例会にあたり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りでその他はございません。

1.施政方針説明について
(1)   新型コロナウイルス感染症対策について
1月27日、政府の新型コロナ対策本部は、5月8日に今の2類相当から5類に移行する方針を決定しました。移行前に改めて専門家の意見を聞き、最終的な確認を行うとしています。第8波は徐々に落ち着きを見せていますが、1月だけで国内の死者は1万人を超えました。相変わらず変異株も出現しており、その中でも感染力が強いオミクロン株の亜系統であるXBB系統がアメリカやイギリスでは急増しています。米国カイザーファミリー財団報告の新型コロナ後遺症の最新調査では、成人人口の5%が後遺症からの活動制限があったと報告されており、社会的影響も大きいと考えます。5類に変更となってもウイルスが消えるわけでもなく、こうした状況も踏まえ、状況に応じて感染対策は継続していく必要があると考えますが、区長の見解を求めます。

 本来、感染症法上に5類とされる感染症対策では、緊急事態宣言、入院勧告・指示、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請などの行動制限ができなくなります。隔離のためのホテル療養ももちろんなくなります。更には、入国時の水際対策もできなくなります。また、現在医療費は全額公費負担ですが、5類疾病の場合は一部が自己負担です。当面の間は、公費の継続が示されていますが、段階的に見直される方針です。ワクチン接種については、秋から冬にかけて全世代に接種をする方向で調整され、また子どもに向けては継続される見込みです。一方で、医療機関の対応について政府は、5類移行後は幅広い医療機関で対応できるよう段階的に移行する方針と報道されていますが、果たしてそうなるのか甚だ疑問です。新型インフルエンザ等特別対策措置法第24条第9項によるコロナ病床確保要請や発熱外来開設要請もなくなります。つまり、すぐに発熱外来にかかることも、入院をすることも難しくなる可能性があります。専門家会議では、5類の移行目的は「コロナに偏った医療を正常化する」としているのは、これまで治療延期を余儀なくされていた新型コロナウイルス感染症以外の疾患へと医療体制を戻すためという事であり、コロナ対応の病床は減る事を意味しています。政府がこのように国民に対して、来るはずのない未来を示してしまうのは大きな問題です。正しい情報を区としてもしっかりと広報していく必要があると考えます。見解を求めます。

入院調整について伺います。1月の危機管理・感染症対策調査特別委員会にて、本来5類になれば原則保健所は入院調整を行う根拠がなくなり、医療機関がそれを担う事になるとの答弁でしたが、一方で、現実的には医療機関が入院調整を担う事は難しいだろうとの見解も示されました。病床確保の法的根拠もなくなることから、病床は増えない上に保健所での入院調整がなくなれば、これまでのように必要なかたの入院も難しくなる可能性があるという事です。今後、議論をされ最終決定されると思いますが、現段階での国から示されている入院調整について、区の見解をお示しください。

5類移行されることにより、保健所や区への影響はどのようになっていくのでしょうか。先に述べた通り、入院調整がなくなれば保健所の業務負担はなくなるものと考えます。更には、臨時交付金等も交付がなくなる可能性もあり、財政措置がない中ではコロナによる経済的影響に機動的に対策をすることが困難になるとも考えられます。今考えうる中野区への影響について見解をお示しください。

本来、感染症法上の分類とマスクは関係ありませんが、政府は一緒に取り扱おうとしております。一部報道では、5月19日から始まるG7サミットで自民党内に「記念撮影のときマスク姿では世界に笑われる」との声があるから厚労省はそれまでの移行を目指した、とも言われております。欧米諸国では、ほとんどがマスクを外していると論じる方もいらっしゃいますが、感染拡大が起きていたドイツでは10月から2月2日まで屋内でのマスクの着用が義務化されていました。アメリカ政府でコロナ対策を主導してきたファウチ博士はNHKの単独取材に対し、状況に応じてマスク着用の推奨は継続すべきとも語っています。多くの国が、感染状況に応じてマスク着用を推奨しており、感染状況を鑑みた判断ならともかく感染症法上の分類が変わったからといって変えるべきではありません。政府は3月13日からマスク着用を自己判断とする予定です。5類移行により、発熱外来や医療体制がこれまでの規模を維持できない事が見こせる事を鑑みても、屋内でのマスク着用の推奨に関しては見直すべきではありません。マスク着用について区の見解を伺います。

こうした医療体制等の変化により、大きく影響を受けると思われるのは、高齢者や困窮者、子どもといった弱い立場にある人たちです。今後の政府の動きを見ながらも、区独自で出来ることも考えていくべきです。見解をお示しください。

子どもについては、オミクロン株の出現以降、重症化率は低いものの、感染拡大が起きると重症化例や死亡例も増えており、その2/3は基礎疾患のない子どもです。また死亡例は、ほとんどの事例で発症から7日以内で急激な経過をたどっています。英国では、XBB1.5が急増している状況下、1月最終週での新型コロナウイルス感染者の人口10万人対重症者数では、65歳~74歳と0歳~4歳が同等レベルになっています。現状、子どもに使える薬はなく、ワクチン接種が推奨されています。
中野区においては生後6か月~4歳については11月9日からワクチン接種が開始しています。3回接種が必要であり、1月25日に3回目を打ち終わる方が最速です。一方で、11月中の接種可能回数は400回前後との答弁があり、対象乳幼児数約11000人に対して非常に少ない数にとどまっていました。徐々に接種可能な医療機関も増えていますが、乳幼児はただでさえ体調変化のため、スケジュールを変更せざるを得ない事も多く、接種しやすい環境にはほど遠い体制となっています。乳幼児接種にあたっては、手間や人員がかかる事、既に大人や小児のワクチン接種を請け負っている事から、乳幼児まで引き受けられない医療機関も多くあると認識しています。当初、最大週1000回分の接種枠を確保できるとしていたことが実現したのか、現状の接種体制についてお示しください。
子どものワクチン接種については、公費で継続される方向が示されています。今こそ、接種体制を整理し、大人の接種体制を縮小してでも、これまで機会の少なかった子どもたちが接種しやすい環境を確保するため、医師会とじゅうぶんに調整していくべきと考えます。区の見解をお示しください。

(2)子育て先進区について
区長は5年前の初当選以降、最重要課題として「子育て先進区」の実現を目指して取り組んできました。国もそれを追うように、今年4月には内閣府に「子ども家庭庁」が設置される予定です。その背景には、昨年1年間の出生数が初めて80万人を割り込むことが確実視されるなど、少子化に歯止めがかからない状況があり、岸田首相は2023年の年頭会見で「異次元の少子化対策」に挑戦すると述べました。さらに2月2日には政府が児童手当の所得制限を撤廃する方向で調整に入ったとの報道がありました。所得制限撤廃は、これまで長年わが党も訴え続けて来たことであり、また第3回定例会では中野区議会から意見書も送付されました。大変歓迎するものですが、振り返れば昨年10月に年収1200万円以上の世帯に対して特例給付を廃止したばかりです。これにはシステムの改修も伴っており、口座情報等は廃棄しています。更には、民主党政権時代に当時の野党である自民党が子ども手当に対し真っ向から反対していた事は私の記憶にも鮮明に残っており、中野区議会でも同様に、子ども手当に対し執拗な質問を繰り返される事もありました。数10年前から叫ばれていた少子化対策ですが、今後どれだけ本気で取り組まれるのか、期待をしていきたいと思っています。東京都では、1月30日に「子ども未来アクション」を策定。また、国に先んじて月5000円の給付をする「018サポート」や、第2子の保育料無料など、来年度予算で数々の少子化対策を打ち出しています。まずは、酒井区長就任からこの5年の子育て先進区実現に向けた取組と成果について伺います。さらに、来年度の取組と期待される効果について伺います。

国や広域自治体である東京都が現金給付や制度により子育て支援を進めていく事は重要です。一方で、区はより地域の実情にあった施策を進めていく必要性があると考えます。今後は、基本計画の後期の取組を具体化し、実施計画として定める予定です。中野区は家が狭小であり、子どもの居場所が少ないという特徴があります。基礎自治体であるからこそ、こうしたニーズをとらえて進めていく事が重要だと考えます。区の見解を伺います。

次に学校給食について。昨年9月に来年度の学校給食費の無償化を発表した葛飾区を皮切りに、北区、台東区、足立区、品川区、荒川区、世田谷区、中央区と23区中8区に広がっています。これまでの議会答弁では、研究するにとどまっていますが、今後も広がりを見せる可能性がある中、中野区も改めて学校給食費の無償化について検討をするべきと考えますがいかがでしょうか。区長のお考えをお示しください。

国の異次元の少子化対策の2つめの柱である産前産後の伴走型支援について伺います。妊娠届時、妊娠8か月時点、産後の3回の面談を受けた方に10万円分をお渡しするもので、区の負担が1/6発生します。これまで、東京都の「東京ママパパ応援事業」や「出産・子育て応援事業」を活用し、区の負担なしでかんがるー面接時に1万円分、出産後に10万円分を、ファーストバースデー事業で1万円分をお渡ししていました。都のプレス発表では、東京都が付する条件を実施することにより、区の財政負担なく、妊娠届出時に6万円分、出産後に10万円分、1・2歳前後に6万円分をお渡しすることとしています。こうした面談は、ハイリスク妊婦への継続的支援や虐待防止に大きく寄与すると認識しており重要な取組です。一方で、何度も面談が必要になると、ただでさえ動くのが大変な産前産後に大きな負担となります。これらの面談をかんがるー面接や、こんにちは赤ちゃん事業など、既に実施している機会をとらえて、更なる妊産婦への負担がないよう実施すべきと考えますが、区の見解をお示しください。

自民党の大家さとし議員の賃金上昇やキャリアアップに向けた産休・育休中のリスキリングに関する国会質問に対し、岸田総理が後押しをする旨答弁した事で大きな批判を受けました。特に産休は、母体保護の観点から制度化されており、その時期のリスキリングを総理大臣が後押しするという答弁は到底受け入れられません。育休中に関しても、リスキリングが出来る方は、預けられる環境や経済状況、さらには体力を兼ね備えた方のみです。まずは産後ケアや預かり等の環境整備を整える事が第一です。それがないのにも関わらず、出来る人たちだけに支援をしていく事は、出来ない人たちを更に追い詰める可能性すらあります。区としては、子どもを預けやすい環境を整えていく事が重要です。現在行っている一時保育や一時預かりの登録や申し込みの改善、さらには預け先の拡充など預けやすい環境整備を進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

令和4年度から区のHPの改定作業が進んでおり、令和5年度も引き続き取り組むこととなっています。現在は、特に子育ての情報が関連情報でもまとまっておらず、欲しい情報にたどり着けず複雑です。若い職員が増え、子育て世代も必然と増えていると聞いています。HP改定にあたっては、職員も含めた子育て世代の意見をじゅうぶんに踏まえた作りにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。さらには、来年度子育てハンドブック「おひるね」の改訂が主な取り組みで報告されています。単なる更新ではなく、実際に手に取っていただけるような子育てハンドブックとなるよう、産前産後の担当も含めたプロジェクトチームを作り改訂作業にあたるべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、改訂中のHPとの相互性や将来的なアプリ導入も検討していくべきです。区の見解をお聞かせください。

(3)中野駅周辺まちづくりについて
新北口駅前エリア再整備事業について、権利床について絞って伺います。第4回定例会に「中野駅新北口駅前エリアの再整備について」が報告されました。その中で、従前資産が当初の550億円から640億円に変更になり、増額分に関してはすべて権利床で所有という判断をされたとの事でした。区有施設整備計画では、権利床について「行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図ります。」としていましたが、増えた床については、これまで所有するとしていた事務所床の他に「公益性の観点」として展望フロア、バンケット等、子どもの遊び場を所有し、具体的な面積等が示されました。また、転出補償金については、MN21の清算や新庁舎整備および移転費用としてかかる約400億円を確保するとのことでした。
委員会質疑の中では、事業者が展望フロアを持つ場合、事業性、採算性の観点から、それほど大きくない規模になってしまう可能がある事から区が権利床として3900㎡を所有するとの事でした。エレベーターホールを除いた最上階の面積は約3600㎡で、これは現在の中野サンプラザ13階コスモルームの約10倍にもなります。区はマスターリースでの運営を考えているとの事でしたが、果たしてうまくいくのでしょうか。
「事業の採算性」を盾に、将来的なリスクを区が負う必要性はどこにあるのか。行政が所有することによって一番価値が高い最上階が魅力的ではなくなるリスクすらあるとも考えます。改めて展望フロアについては、民間事業者での所有・運営を求めていくべきと考えますが、見解をお示しください。
バンケットについては、事業提案時は事業者側で持つ事になっていました。こうした背景から、バンケットも事業者側に所有していただくべきだと考えます。第4回定例会の一般質問で森議員から権利床の持ち方については、100パターンをも想定し最適な持ち方を検討するべきと指摘をしましたが、どれだけの検討を進めて来たのでしょうか。プロポーザルの条件である、民設民営のホールについて変更は難しいと考えますが、例えばホールの規模の変更は余地がないのか。すでに容積率は900%から1000%と大きく提案内容から変わっている中で、事業の採算性を確立するために、あらゆるシミュレーションを行いながら、区の将来的リスクを回避するべきと考えます。
従前資産の増額分については、こうしたリスクを長期にわたって抱えるのではなく、転出補償金として確保する選択肢も検討すべきです。最後の最後まで、事業者側と協議を進め、区が、すなわち区民が将来的なリスクを負わないあり方を模索すべきと考えます。見解をお示しください。

(4)令和5年度予算(案)について
昨年8月に区は「新たな財政運営の考え方」を定め、変更後初めてこの考え方に基づいて令和5年度予算編成を行い、一般会計は1956億円余、過去最大となりました。新庁舎整備にかかる経費や平和の森小学校用地の購入費用を含めた学校施設整備費が増大している事も要因のひとつです。一方で、それを除いても規模は膨らんでいるように見えます。この間、物価高騰が進んでいます。光熱費や施設整備費に大きな影響を与えていることが予想できます。また、令和5年度からは公契約条例が適用され人件費の増額も予想されます。これらによる影響はどの程度見込んでいるのか伺います。また、今後の財政フレームへの影響について伺います。

 1月20日号の都政新報には、東京都が財政調整制度の配分割合を現在の55.1から元の55.0に戻すと主張されているという記事があり、大変驚きました。財調制度の配分見直しは、令和2年度当初で児童相談所の運営に関する都区の連携・協力を一層円滑に進めていく観点から変更となりました。令和2年度からは先行3区が児童相談所を設置、現在は7区に広がっています。一方で、今回東京都は区立児童相談所の設置は都区の役割分担の大幅な変更に該当しないと考えているとの立場で、その根拠として、設置区数が7区のみであり、他の16区では都児相が役割を担っていること。また、特別区の求めに応じてサテライトオフィスの設置を進めている事や、本来設置区が担う業務の児童自立支援施設を区は設置していない、の4点をあげたとあります。児童相談所設置7区には相当な事務負担が生じている事には目もくれず、さらに4番目としてあげた児童自立支援施設については、区は負担金を支払っており、まったく根拠とならず、こうした東京都の姿勢は非常に残念です。現在の協議状況と今後の見込みについて伺います。今後も区長を筆頭に妥協をすることのない厳しい姿勢で取り組んでいくべきと考えますが、区の見解を求めます。

(5)男子HPVワクチン任意予防接種費用助成について
本事業は、青森県平川市、北海道余市町に続き全国で3番目の取組であり、人口5万人以上の自治体では全国初の取組です。1月の厚生委員会で初めて議会報告された後、非常に大きな反響があり、来年度予算の目玉の一つとも思っています。HPVに感染する事を防ぐためには女性だけでなく男性もワクチンを接種する事でピンポン感染を防ぐ効果もあり、公衆衛生上大変有用です。所信表明では、「男性の性感染症等を防止するため」と述べられましたが、性感染症である尖圭コンジローマだけではなく、中咽頭がん、肛門がん、直腸がんなどを防ぎ男性自身の命をも守ることに繋がるというメッセージを伝える必要があると考えます。対象者にお知らせをお送りする際は、こうした情報を載せるべきです。区の見解をお示しください。
国では4価HPVワクチンのみが男子接種への承認を受けており、医薬品副作用被害救済制度にも適用されると考えますが、万が一重篤な副反応が起きた場合の対応について、区の見解をお示しください。
現在、女子のHPVワクチンは9年ぶりに積極的勧奨が再開されたものの、接種率はまだ低迷しています。今回、男子HPVワクチン接種費用助成を実施される事により、女子の接種率向上の起爆剤となりうるとも考えます。接種率の高い国では、子宮頸がんやHPV関連ガンの撲滅も見えてきています。接種率を上げることは急務です。今回の事業の接種率への効果について、区の見解をお聞きし、質問を終わります。