民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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名義:中村延子後援会
2021.06.02

第2回定例会で一般質問を行いました




令和3年第2回定例会にあたり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。

 

  1. 新型コロナウイルス対策について

中野区では、4月21日に75歳以上高齢者ワクチン接種の予約がスタートし、最初はシステムの不具合により混乱を招いてしまいました。一方で、75歳以上の接種は4月28日に23区最速で開始。医師会のご協力もあり、集団接種と個別接種をあわせた体制が組めたことにより、64歳以下の一般接種も23区最速で開始できる事は高く評価しています。中野区の取り組みは多くのメディアにも取り上げられています。

諸外国ではワクチン接種が進むことにより、屋外でマスクを外せる生活が戻っています。ワクチン接種のオペレーションは日常を取り戻すためにも非常に重要です。希望される区民が、遅滞なく確実にワクチン接種出来る体制づくりに向けて区としてもさらなる取組が必要です。

3月から本格的に医療従事者へのワクチン接種が始まりました。東京都の医療従事者向け接種予約サイトがシステムエラーでしばらく予約ができない状況になかったこともあり、なかなかスムーズには進んでいませんでした。5月31日現在で、一回目接種が92.8%、2回目接種が60.5%と、本来は高齢者接種の前に少なくとも1回目接種が終了しているべきところ、いまだ終了していません。一方で、ワクチンの供給が安定してからは、接種も加速してきています。中野区では、医師会により医療従事者の接種の調整をしていただいていると伺っていますが、区内の医療従事者はどのような状況でしょうか。また、今後始まる集団接種に従事する予定の委託事業者の接種状況もあわせてお答えください。

また、消防の救急隊員の状況はどうなっているのか、中野消防と野方消防の状況は把握しているのか伺います。中野区は医師会の調整の中で、医師会、歯科医師会、薬剤師会の接種調整をしていますが、3師会の接種完了予定について、区はどのように把握しているのか伺います。

4月28日より75歳以上の高齢者を対象としたワクチン接種がスタートしました。5月21日には65歳以上の予約が開始され、今後も順次予約接種が進んでいく予定です。ワクチン接種の準備段階では、いつどのタイミングでワクチンが配分されるのか不明瞭な点もありましたが、ファイザー社に加え、モデルナ社やアストロゼネカ社のワクチンも承認された事は、今後の安定的な供給に期待がもてます。国では、菅総理大臣が、7月末までに高齢者接種を終わらせる宣言をしましたが、自治体の体制によっては難しいところもあると認識しています。中野区では、7月末までに65歳以上高齢者接種は終了できる体制となっているのでしょうか。接種予約ができない高齢者に対する支援も実施していますが、現時点での予約状況はどうなっているのでしょうか。伺います。

次に訪問による接種について伺います。現状では「コスト」や「移送の際に壊れやすいというmRNAワクチンの特徴」「訪問診療の制度の壁」といった理由から、医療関係者からは訪問接種のハードルは高いという声が上がっています。ワクチン接種を希望しても病気や障がいなどの理由により足を運べない方に対して、医師等が訪問して接種ができるよう、訪問診療を行う医療機関等への支援が必要であると考えますが、今後の取組について伺います。

国が設置した大規模接種センターでも接種券が手元にあれば予約接種ができることになり、5月24日からスタートしました。国設置の大規模接種会場では取り扱っているワクチンはモデルナ社のもの、中野区の会場ではファイザー社のものとなっています。2回接種は同じワクチンの接種が必要なため、2回ともに同じ会場での接種が必要になります。こうした点についても、区民に向けたわかりやすい広報が必要です。区の見解を伺います。

65歳以上のワクチン予約が開始され、医師会館での集団接種に加え、15の区民活動センターでの集団接種、タイプ1の医療機関での個別接種については、区の予約システムで受付をしています。現在、区は日に2回、その時点での予約数をホームページ等でお知らせしています。現在は、高齢者のみが予約の対象となっており、電話での予約も割合として多いと考えられますが、64歳以下の一般予約については、HPやSNSなどでの広報がより重要になってくると考えます。

タイプ2の医療機関での個別接種については、区で直接予約状況をすべて把握するのは難しいと考えますが、今後も区が把握できる予約状況のタイムリーな情報提供は区民への安心感にもつながり非常に重要だと考えます。区の見解をお聞かせください。

区民の接種状況については、接種記録システムでの把握ができると認識していますが、どこかの時点で接種率等を把握し、公表する考えがあるのか伺います。新型コロナウイス予防ワクチンに関しては、集団免疫を達成するために必要な接種率等は国から示されていません。ワクチン接種は一義的には国のプロジェクトではありますが、自治体として取り組んでいる上では、ある程度の目標目安は必要だと考えます。区としてワクチン接種をどれだけ進めるべきと考えているのか、お考えを伺います。

現在、国の大規模接種予約と区の接種予約ではシステムが連動していないため、2重の予約も可能です。2重予約でキャンセルが増える可能性もあります。キャンセルが出た時の余剰ワクチンをどう活用していくか、様々な自治体で議論が進んでいます。茨城県水戸市では、幼稚園や保育園の職員をあらかじめリストに登録し、キャンセルが出た際に接種してもらう対応をとることを決定。千代田区は介護サービスや保育や教育関係の職員に活用する方針です。中野区でも、余りワクチンについて保健所の職員等に接種するとしていますが、今後、接種の対象が増えると、おのずと余りワクチンが発生する可能性が増えます。集団接種でも、個別接種でも、対応を考えていく必要があると考えます。5月25日には、厚労省健康局健康課予防接種室から、余剰ワクチンについては「各自治体において、地域の状況を踏まえ、幅広い対象を検討することとし、また、接種券を保有していない者についても対象とするなど、柔軟な対応を検討し、判断すること。」と業務連絡が都道府県、市町村、特別区衛生主管部宛に出されています。

ワクチンが打てない子どもと接する機会の多い職種に接種をすることも有効と考えます。また、時間の制約がある中、区長をはじめとする区の職員への接種も検討すべきです。区長は危機管理体制のトップであり、早い時期の接種は必要と考えます。お考えをお聞かせください。なによりも効率的に早く接種を進めていくための区としての方針が必要と考えますが、見解をお聞かせください。

今後スタートする現役世代の接種率を上げるためには、土日祝日だけではなく、職務時間中などであってもワクチン接種が出来る環境整備が必要です。企業の中には、新型コロナウイルス感染症対策として、勤務時間中のワクチン接種について、特別有給休暇の取得を認めたり、「勤務免除」としたりする動きが現れています。国もまた、こうした「ワクチン休暇」を設けることを経済界に働きかける方針を示しており、全国知事会をはじめ地方自治体においても「ワクチン休暇」を企業に働きかけるよう要望する活動等を行っています。中野区においても企業や国、東京都に対して、働きかけを行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

5月28日、ファイザー社製ワクチンの接種可能年齢に新たに12~15歳が加わったことを受け、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会は31日、公費による接種対象を12歳以上に拡大することを了承しました。本日6月1日から適用されます。区としてどのように取り組んでいくのか伺います。

4月21日に開始予定だった75歳以上高齢者の接種予約がシステムの不具合により予約できない状況が生まれてしまったこと、またシステム修正中に予約ができるようになってしまい、混乱を招いてしまったことに対しては、原因がどこにあったのか分析と総括が必要です。今一度、危機管理体制は機能したのか、検証が必要です。区の見解をお聞かせください。

最後に保健所の体制について伺います。昨年度は、庁内の職員調整により、保健所の体制強化をはかっていました。今年度は派遣により、保健師や看護師などを確保しています。一方で、ワクチン接種担当はこの一大プロジェクトにより、日中には区民からの問い合わせも多く非常に忙しい状況が続いています。高齢者接種が終われば、電話は減っていくと思われますが、対象者は広がっていくため、今後も忙しい状況が続くと予想できます。現在、区のホームページに記載されている電話番号はワクチン担当となっており、コールセンターで解決するような内容でも保健所にかかってしまう状況も生まれています。こうした事の整理なども含めて、ワクチン担当部署の超過勤務時間の抑制など、図っていく必要もあると思います。区の見解をお聞かせください。

現在、国や自治体もワクチン接種に力を注いているところですが、スピード感をもってワクチン接種を進めることができなければ、第5波も予想ができ、対策も必要になります。保健所の新型コロナ対策以外の業務にも支障が出ないようにするためにも、新型コロナ対策に関する十分な人的体制整備が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。

2.区制構造改革について

まず、プログラムの目的について伺います。

財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め持続可能な区政運営を目指すためとしています。この文言や構造改革という名称を聞くと、あたかも行政サービスの縮小化のように聞こえますが、プログラムの中身を見ると戦略IIに「公助の体制強化と共助の促進」があるように、行政の役割の明確化やセーフティーネットの強化にも注力することとしています。このプログラムの目的が正しく伝わるよう区として更に努力する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

構造改革プログラムは、令和3年度から令和5年度までのおおむね3年間を目途に集中的に取り組むこととしています。一方で、収支が均衡する状況まで継続して取り組んでいく必要があるとしており、それは10年間としています。このプログラムは3年間で効果を出すものではなく、10年後を見据えて取り組んでいくのでしょうか。今一度期間についての見解をお示しください。

(仮称)構造改革推進アドバイザー会議については、構造改革の推進にあたり、専門的な立場から必要な意見または助言を得ることを目的として設置するとしています。また、行政評価制度の視点や評価結果の反映などについても助言を受けるものとしています。外部人材の登用自体には意義があると考えます。また、行政評価制度に外部の目を入れる取り組みとして、この会議体を活用する事は評価します。ただし、構造改革プログラムという区政の大きな方向性に関わる外部人材については、将来的にはより責任のある形での登用が必要だと考えます。見解をお聞かせください。

構造改革プログラムの取り組み検証にあたっては、行政評価における事業の効果測定を活用するとしています。昨年度から行政評価制度を事務事業点検とした事は評価しています。一方で、現在の行政評価制度では、内部評価で行った事業評価が政策施策へのPDCAにはつながっていない状況です。現在の制度を進化させれば、まさに区が目指している構造改革につながるのではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。(仮称)中野区構造改革推進アドバイザー会議には、行政評価の在り方についてもヒアリングすることとしていますが、継続的に評価見直しができる仕組みの構築が急務だと考えます。現在の評価制度における自己点検は公表されるものではなく、実効性があるのか疑問を持っています。外部評価制度については、今年度予算の関係で見直されています。区が行っているすべての事務事業を定期的なサイクルで点検できる仕組みを構築すること、また、その評価が区の施策や政策につながっていく仕組みの構築が必要だと考えます。実効性のある取り組みにするには、外部の目を入れることも大切だと考えます。区の見解をお示しください。

戦略I「デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的に行政運営」を掲げたように、この構造改革プログラムを進めていくにあたっては、デジタルシフトに注力するべきだと考えます。RPAやAIで生み出される事務の効率化は最優先で取り組むべき課題です。この数年間で、先行投資し、長期的な財政負担の軽減や業務効率化を進めることが重要です。RPAやAIを導入している保育園入園業務では8500時間の削減効果が見込まれます。これは、4人分の職員の削減効果にあたります。こうした取り組みを加速して進めていくべきです。区の考えをお聞かせください。

戦略IIIでは、「施設の在り方検討と適正な配置・管理」を掲げています。

現在、施設整備計画について議論が続いていますが、施設の再編や在り方検討は、行財政運営にも影響が大きく非常に重要な課題です。今後取得する土地や床、また未利用の施設などについては、最大限に活用することが重要です。

5月11日に行われた、中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会での勉強会では、新たに区が区役所・サンプラザ跡施設の権利変換により取得する権利床は13,000㎡とのことでした。この権利床や、中野駅南口での再開発において取得する権利床については、貸付なども検討し財源確保を目的とした資産活用する必要があります。旧商工会館については、現行計画では売却予定となっており、森議員の総括質疑でその売却益は約12億1000万円と答弁されました。区は用地の利活用により財政負担を軽減としていますが、それだけでは不十分であり、相応の成果を出す必要があります。区の見解をお聞かせください。

戦略IV「組織体制の最適化」では、適正な定数管理を行っていく必要があると記載があります。2月の総務委員会には、「職員の定数について」の報告があり、令和4年度に改めて検証を行い、令和5年度から条例定数を2100人に引き上げることを方針として、中野区職員定数管理計画を策定することとする、としています。令和4年には児童相談所が移管され、80名もの体制になります。また、生活保護のケースワーカーも足りていない状況です。

行政需要が多様化している中で、2000人体制のまま突き進むことは、行政サービスの低下にもつながりかねません。以前わが会派の酒井議員からも質問を致しましたが、財調算定の中でも人件費は見られています。今後の職員定数について区としてどう考えていくのか、伺います。

3.基本計画および区有施設整備計画について

5月13日に行われた総務委員会に、両計画の検討状況について報告がありました。この報告の中で、「議会の意見及び意見交換会における区民意見等を踏まえ、区として検討を行い、素案の内容を一部見直し、改めて意見交換会等を実施する必要があると判断したことから、改定素案を作成するものとする。」としました。この意見交換会を実施する時間が必要であり、これに伴い策定時期を令和3年8月から10月に変更されるとのことでした。変更点に対する区民の意見を聞き反映することは大切ですが、計画策定の遅れにより、施策を進められなくなることを懸念しています。10月策定でも影響はないのか、区の見解をお聞かせください。

 次に新たな機能を備えた児童館について伺います。

中野区では、小学生の放課後の居場所として、各小学校にキッズプラザを設置し、学童クラブも併設することで安心安全な居場所を学校内に確保し、同時に学童保育の需要にこたえてきました。前区政では、キッズプラザが出来た地域の児童館を順次廃止してきましたが、酒井区長が公約にしてきた、児童館を残していくという方針のもと、令和元年第3回定例会で児童館は中学校区に1館という配置を決定していました。児童館は、乳幼児親子の居場所ともなっており、また高学年など学校内で放課後を過ごさない子どもたち等の居場所ともなっています。

第一回定例会の子ども文教委員会に「地域子ども施設整備の考え方について」の報告がありました。これまでの遊び場機能、中高生の活動・交流機能、乳幼児親子の支援に加えて、子育て支援拠点機能、地域の見守り機能、地域子育て支援ネットワーク機能、学童クラブ移転後スペースの活用として子ども食堂や自習室等があげられました。まず、機能強化について伺います。子ども版地域包括ケア体制を構築していく上でも児童館の役割は大きく、こうした機能強化が「子育て先進区」の実現に向けた取り組みにつながります。児童館の意義を区としてどう考えているのか、伺います。

区政構造改革の中では、児童館運営の在り方について議論が進んでいると理解していますが、公共の担う役割についての議論があったうえでの検討が必要だと考えます。児童館の役割を果たすためには、安定的な事業経営、公共性・継続性、各団体の調整にあたり公平である事として、現段階で運営主体は公設であることが望まれます。見解を伺います。

また、現在すべての児童館が日曜・月曜休みとなっていますが、休館日の柔軟な運営も求められています。一部の児童館休館日をずらすなどの工夫も求められます。区の見解を伺います。

これらの取り組みを実現していくためには、人材育成や職員体制の構築が必要です。10年後には児童館職員は半分以上が定年を迎えます。児童相談所やすこやか福祉センターなどの福祉職と一体に考える事も可能だと考えます。職員定数ありきの議論ではなく、児童館がどうあるべきかと議論し、そのために職員採用をどうしていかなければいけないのか、十分な検討が必要です。区の見解をお聞かせください。

3月の委員会資料には、今後5年間の児童館・キッズプラザ及び学童クラブの転換について具体的な館名が示されました。今年度末には、3館が学童クラブ施設に用途変更され、1館が閉館となります。

3月の報告では、学童クラブ施設として活用する館については、あわせて乳幼児親子の居場所である子育てひろば事業を行うと記載されました。契約の問題等解決すべき課題がある児童館もありますが、学童クラブが専用で使うのではなく、乳幼児の居場所として継続して使用ができることなど、地域への丁寧な説明が必要だと考えます。また、今年度予算で新規事業として計上された、区有施設での一時預かり事業ですが、検証の上、学童クラブ施設となる児童館でも子育て広場と一緒に導入を検討すべきと考えます。区の見解をお示しください。

区はこれまで、区有施設整備計画の中で今後の児童館の展開については、5年後までを示してきました。これまでも、学校再編計画や施設整備計画を策定する際に判断材料とした人口推計と現状は大きな乖離があり、桃花小学校や平和の森小学校では児童数が大きく増えており、今後は美鳩小学校でも児童数の増が見込まれます。今回の児童館の展開は、学童クラブ施設も含めて議論が必要なため、その在り方に関して現段階で判断がつかないところもあります。こうした過去の経験もある中で、10年後の展開の示し方については、慎重であるべきと申し上げてきました。今後、10年後の配置を示す際には、未利用地活用や跡施設の利用について、丁寧な記述をすべきと考えます。区の見解を伺います。

現在はまだ閉館する館の次の活用策が明確には示されていません。これまで児童館を使って活動をされていた方々へ活動継続支援はもとより、その後の活用策が示されるまでの期間、暫定的に利用ができるよう調整すべきと考えますが、いかがでしょうか。

跡地活用については、その地域の区民の関心は非常に高く、特にすぐに閉館となる施設については、本来であれば記載すべきと考えます。活用策は、庁内だけの調整にとどまらない部分もあることは理解しますが、できる限り明確に記載していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

4.女性施策について

新型コロナウイルス感染症の拡大により、若年女性の貧困、虐待、自殺、妊娠等の課題が浮き彫りになりました。コロナ禍で急にこの状況が生まれたのではなく、弱い立場の人々により強く影響が出たことによるものです。改めて、女性が真に安心して暮らしていける社会づくりを進めていく必要があります。

現在中野区の組織は、男女共同参画は企画に、女性相談は生活援護に、妊娠出産はすこやかに、子育て支援は子ども教育部にありますが、包括的に女性政策をつかさどる部署がありません。2013年4月に男女共同参画センターが庁内に引っ越したという形ですが、実際のところは機能しているようには見えません。改めて女性施策を進めていく部署を明確にすべきと考えますがいかがでしょうか。その部署に本来は相談窓口が必要だと考えます。今回、生理用品を配布する際に一緒に配るための「女性のための相談のご案内」のチラシを作成しました。こうした相談機能の一元管理も同じ部署で行う必要があると考えます。区の考えをお示しください。

豊島区では、消滅可能性都市に選ばれてからは、「女性と子どもにやさしいまちづくり」を掲げ、取り組んできました。また、1月29日には、コロナ禍で困窮する女性支援のために、部署横断的な連携を目指し、「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げました。ここには、10名の理事者が委員として参加しており、生きづらさを抱える若年女性支援策を検討しています。また、その分野で活躍するNPOとの連携もしており、実情の聞き取り等も行っています。中野区でも、女性施策に関するこうした部署横断的な連携が必要だと考えます。区としての考えをお聞かせください。女性施策は直接的に子育て先進区につながり、子どもと女性が住みやすいまちは誰もが住みやすいまちにつながります。区としてしっかりと取り組むべき課題です。見解をお聞かせください。

次に「生理の貧困」への対策について伺います。

中野区は3月29日から防災備蓄用品を活用した生理用品の配布を開始しました。早急に対応したことは高く評価しています。区役所3階の子ども総合窓口と、4つのすこやか福祉センターの計5か所で配布していますが、現時点での配布状況をお聞かせください。

4月28日の区長記者会見で、民間事業者との連携による区役所における生理用品の無料配布について公表されました。継続的に無料配布できることが望ましいと考え、8月からの開始を目指しているとしています。区として継続支援についてはどのように考えているのか、また、生理用品へのアクセスだけではなく、先に設置を求めた相談窓口への誘導が重要になると考えます。区の見解をお聞かせください。

小中学校での生理用品提供も必要だと考えます。現在、区立学校では保健室にて貸し出しを原則にしています。品川区では、女性トイレの個室に生理用品を配置しています。誰にも言えない子どもたちが容易に生理用品にアクセス出来ることは理想です。保健室では、養護教員と1対1になれるとは限らず、トイレへの配置はプライバシーの保護もできます。一方で、保健室での受け渡しは相談につながる面では効果的です。いずれにしても、学校でも、生理用品によりアクセスしやすくする必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。

女性の健康施策として、最後にHPVワクチンについて伺います。

子宮頸がんの95%以上は、HPVが原因であり、女性の約80%が一度はHPVに感染します。主に性交渉で感染しますが、1度でも性交経験があれば、HPV感染のリスクがあります。HPVワクチンは積極的勧奨の中止により、中野区でも一時期0.2%まで接種率が下がりました。1994年から2007年生まれの女性は、HPVワクチン接種率が現状維持のままだと5000人以上が死亡するというシミュレーションもあります。この年代の接種率が75%まで回復した場合、2600人以上が助かるとされていますが、そこまで回復するのには途方もない時間がかかります。接種率の高い国、例えばオーストラリアでは、2028年には子宮頸がんの撲滅が予測されています。スウェーデンの全国民レジストリを用いた疫学研究では、4価HPVワクチンは実際に浸潤がんを予防し、かつ若年のうちに接種することが効果的という結論が出ています。諸外国では、HPVワクチンの有効性が証明されています。一方で、日本ではルナルナが行った10~50代の女性4194名を対象としたアンケートで、約半数が子宮頸がんを予防するワクチンがあること自体を知らなかったという結果がでました。積極的勧奨が中止されたことにより、HPVワクチンの存在すら知られていない現状があります。つまり、「知らないこと」が原因で、死ぬ人がいる、ということです。

厚労省は、10月9日および1月26日に自治体向けに個別通知に関する通知を出しました。これを受けて、中野区では、12月5日号の区報にHPVワクチンの情報を掲載しました。

昨年度はDT2期の予防接種票を送る際にお知らせのチラシを同封。また、中学3年生の3月に案内を送付しました。これまでまったく情報が届かなった家庭への個別通知は、おのずとHPVワクチンの接種率をおしあげることと高く評価しています。特に、対象になる直前の子たちへの通知をDT2期の予防票に同封した取り組みは、多くの医師からも大変評価されています。

現段階では、中野区内の医療機関でHPVワクチンを受けられる場所の充実が必要です。特に小児科かかりつけ医との連携が非常に重要だと考えます。区としてどのように取り組んでいくつもりか、見解をお聞かせください。

また、接種後に生じた副反応疑いに対して医療機関が責任をもって対応できる体制の構築は非常に重要です。富山県では、接種医療機関の医師にガイドライン「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」を周知するため、説明会を開催するなどしています。こうした取り組みも重要です。いずれも医師会との連携が不可欠だと考えます。区として積極的に取り組んでいく必要があると考えます、見解をお示しください。