令和2年第2回定例会で一般質問を行いました④
2.ワクチンで防げる感染症対策について
世界中で未知の感染症が大流行し、ワクチン開発が待たれるところです。一方で、ワクチンが存在しても、中々接種率があがらない等、公衆衛生の観点からも、改めてワクチンで防げる感染症対策にも力を入れなければいけないと感じています。
(1)麻しん対策について
新型コロナウィルスの世界的流行は他の感染症予防にまで影響をおよぼしています。4月14日にユニセフは、37か国で約1億1700万人の子どもたちがはしかの予防接種を予定通り受けられないおそれがあり、麻疹のアウトブレイクが起きる恐れがあると発表しました。麻疹の感染力は非常に強く、脳炎や髄膜炎、熱性けいれん、肺炎、肝炎といった深刻な症状に発展することもあり、命を落とすケースもあります。NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」の調査で、肺炎球菌ワクチンやMRワクチンの接種率が、新型コロナが流行し始めた昨年12月以降に20%近く低下をしていることがわかりました。これは、中野区も例外ではないと考えます。怖い感染症は新型コロナウィルスだけはなく、ワクチンで防げる感染症をしっかりと予防する必要性についてしっかりと区民にお伝えする事が必要だと考えます。病院によっては、予防接種の時間帯を通常の診療とわけて行っているところもありますが、わかれていない病院だと安心して予防接種を受けにいけないご家庭もあるとの声があります。小さい子どもを抱えるご家庭が安心して予防接種を受けられる環境整備も必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。
麻しん風疹のMRワクチンは、接種率が低い年代もありこれまで中野区でも風疹に主眼を置いて対策が進められてきました。昨年より、国で風疹の抗体検査および予防接種が男性41歳~58歳に対して定期接種化され、抗体がない方々はMRワクチンを打っています。区では、定期接種化された年代以外にも補助金を出し風疹予防にはつとめています。MRワクチンにより、麻しんも同時に予防が図れます。区では、子どもへのMRワクチンも接種漏れの方に対し、2歳から19歳へ任意助成を実施しています。乳幼児予防接種では、第1期の接種率に関しては92%、第2期の接種率は90%で残念ながらともに麻疹を制圧できる95%を下回っています。接種控えにより、更に接種率が下がる事も予想されます。更なる啓発が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。
千葉市では、抗体のない方などを対象に麻疹ワクチンの助成を昨年12月から行っています。麻疹対策で、犠牲になりやすいのは、定期予防接種対象前の1歳未満の子どもたちです。幼い子どもたちが犠牲にならないために、対策が必要です。子どもたちを守るために、区内在勤の保育士さんで抗体がない方に対しワクチン助成をすべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。
麻疹に限らず、ワクチンで予防できる感染症は、重大な病気を引き起こす可能性があり、ワクチンスケジュールを確実に進めていく事が非常に大切です。また、中にはワクチンを打っても抗体が定着しない体質の方、病気により免疫を失ってしまった方などもいらっしゃり、すべての子どもたちを守る公衆衛生の観点からも、区としてしっかりと対策を進めるべきです。万が一、第2波が来た時に、別の感染症も同時にパンデミックになるというリスクもある事を念頭に置く必要もあります。区の見解をお聞かせください。
(2)HPVワクチンについて
今年大きな動きが出ているのがヒトパピロマーウィルス感染症ワクチンです。いわゆる子宮頸がんワクチンで、2013年4月から定期接種化されたものの、「副反応事例」とみられる報告が複数あり、同年6月から定期接種のまま、積極的勧奨が停止をされているという不思議な状態がこの7年間続いています。当時、メディアでも大きく取り上げられ、HPVワクチンに対する恐怖心が植えつけられる事になりました。また、積極的勧奨がストップし、正しく判断する情報すら家庭に届いていないという現状もあります。その影響もあり、HPVワクチンは無料で受けられるものの、接種率は非常に低く、中野区では、2019年決算値で、1回目1.7%、2回目1.2%、3回目0.9%にとどまっています。
この間、名古屋スタディなどの報告もあり、副反応事例と言われる症例とワクチンの因果関係は認められていません。またワクチンを接種していない群でも同じ症状がみられるなどの報告があがっています。一方で、毎年1万人が子宮頸がんにり患し、3000人が命を落としている現状が続いています。早期発見での治癒率は高いものの、子宮を失い長期間の転移の不安と戦ったり、子宮摘出を免れても不妊になってしまうなど、死亡に至らなくても大きな苦しみを伴います。日本で積極的勧奨が止まっている中、諸外国では子宮頸がんの制圧も見えてきている国もあります。HPVは子宮頸がんの原因だけにとどまらず、陰茎ガンや肛門がん、中咽頭がんなどの原因にもなり、男性にも定期接種が行われている国もあります。
積極的勧奨の差し控えから7年が経過しますが、この間、97の自治体が独自で個別通知を送っていました。今年1月31日、厚労省の検討会が開かれ、わかりやすくリニューアルするHPVワクチンのリーフレットとともに、接種できる日時や場所など具体的な接種方法について対象者に個別に送る方針が示され、了承されました。これを受けて、中野区としてはどのように対応をしていくのかお示しください。5月22日、厚労省は審査が行われていた9価ワクチンを承認することとなりました。日本ではこれまで2価ワクチンと4価ワクチンのみが承認されていましたが、世界では90%以上の子宮頸がんを防ぐとされている9価ワクチンが現在主流になっています。定期接種化に向けては、まだ少し時間がかかりそうではありますが、HPVワクチンにおける大きな動きです。今回、ワクチン行政に対する機運は高まるとも予想されます。また、様々な動きがあるHPVワクチンに関しては、接種者の増加も見込まれます。医師会とも連携しながら、体制を整えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。先に述べたように、これまで言われてきた「副反応」事例とHPVワクチンの因果関係については証明されていませんが、しかしながら疼痛などに苦しむ方々がいらっしゃる事は事実です。ワクチン接種が増加すれば、副反応事例と関連付けて疑われるケースが増える事も予想が出来ます。こうした方々へのケアもしっかりと取り組む必要があります。区の見解をお聞かせください。
これまで7年間、公費で受けられるのにも関わらず、そのこと自体を知らずに接種機会を逃してしまった方々も多くいらっしゃいます。国が積極的勧奨を再開すれば、さかのぼって補償をしていく等の対応が考えられますが、それまでにもまだ時間がかかりそうです。昨年度末まで定期接種が対象だったものの、今回新型コロナウィルスの流行により接種機会を逃してしまった方々に対し、ワクチン接種の機会を設けるべきと考えます。いかがでしょうが、伺います。
(3)BCGワクチンについて
今回の新型コロナウィルス感染症の流行においては、さまざまな科学的根拠がない話が蔓延した事もありました。その一例が、BCGがコロナウィルスに効くというものです。これは、BCGワクチンを定期接種化している国での症例数と死亡者数が比較的少ない事が起因しています。一方で、イスラエルの研究グループが、予防効果は認められなかったと発表しました。こうした科学的根拠が乏しい事例が出てきた事により、本来の接種対象ではない方々がワクチン接種を希望される事例が出現しました。その影響もあり、BCGワクチンの出荷数は例年の3倍にも上るとの報道もありました。日本においてBCGワクチンの年間生産数は、出生数でコントロールされており、こうした動きは本来ワクチンを受けるべき子どもたちがワクチン不足により受けられなくなってしまうというリスクが生じてしまいます。こうした事が中野区内で起きてしまわぬよう、本来受けるべき子どもたちが受けられるよう、医師会へ協力要請をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
こうした未知のウィルスが大流行すると、藁をもすがる思いで非科学的なことにも頼ってしまいたくなる感情は理解しますが、行政としては科学的根拠に基づいた政策を進めていかなくてはいけません。こうした観点を忘れずにこの未曾有の状況を乗り越えるために今後も取り組んでいっていただく事をお願いし、質問を終わります。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました③
(5)虐待・DV対応について
在宅勤務が増え、また学校や保育園の休校が長く続く中、虐待やDV増加の懸念が高まっています。厚生労働省が発表した1~3月に訪問や一時保護などの対応をした児童虐待件数(速報値)は、いずれも前年に比べて1~2割強の増加となったとの報道がありました。3月までの数のため、直接コロナウィルスによる影響かは不確かですが、4月8日にはユニセフが虐待、DV、性暴力に対する懸念を発表しています。厚生労働省からは、4月27日に「子どもの見守り強化アクションプラン」の実施についてという文章が出されており、虐待予防のための細かな内容が記載されています。区としても支援対象児童の見守りについては子ども家庭支援センターが行って来ていると伺っています。平時の取り組みが出来ないからこそ、特に子どもに関係する所管課は「自分たちの部署で出来る虐待予防」という観点を持つことが重要だと考えます。各課のこれまでの経験をいかして、コロナ渦においても安心できるつながりの構築、ICT活用はもちろんのこと、感染予防をしながらの場の提供など、出来る事は多くあると考えます。すべての子どもを守っていくという意識が区全体として必要です。見解をお聞かせください。
学校は徐々に再開されました。一方で、保育園は6月末までは登園自粛となりました。これだけ長期間休園や自粛が続いている中でも、園からの連絡がほとんどないところもあると聞いています。本来は5月頭に緊急事態宣言が延長された際に、各園からの確認連絡が必要でした。保育園再開に向けて、各園の裁量にとどまらず、子どもたちや保護者の様子の把握につとめていただくよう要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
子どもの見守り強化アクションプランの中には、SNSによる相談窓口の設置も記載があります。在宅勤務が増え、虐待やDVの加害者が在宅している中で、電話での相談は非常にハードルが高く、SOSを出したくても出せない状況だという理解のもと、SNSでの相談事業に関しても進めていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
ひとり親家庭は、コロナ渦における在宅勤務や、保育園・学童等の利用自粛、学校等休校による家庭での子育ての負担が増えています。育児不安やストレス軽減のため、アウトリーチも含めた相談体制の強化が必要だと考えます。区では今年度の新規事業として、ひとり親家庭交流会・子育て相談会の実施も予定しています。開催にあたって感染予防の観点は重要ですが、早期の開催を実施すべきです。また、オンラインも含めあらゆる手段で相談体制を考えていくべきです。区の見解をお聞かせください。
働けないことで生活困窮に陥りやすく1人で子育てをしなくてはいけないひとり親家庭、ハイリスクがゆえに命を守るため家庭での自粛を選ばざるを得なかった障害児のご家庭など、弱い立場の家庭を支えていく仕組みは大切です。多くの方が子育てに一生懸命だからこそ、この状況下ではリスクになってしまいます。虐待に至る前の取り組みが重要です。区の見解をお聞かせください。
関連して、様々な相談事業に関して質問をしてきましたが、区で行っている講座や相談事業はこれだけにとどまりません。この先、いつ第2波が来るかわからない中で、コロナウィルスと共生していくためには、区が主催しているあらゆる講座や相談事業のオンライン化を進めていくためのインフラ整備の必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
(6)テレワークについて
第2次補正予算でテレワークの環境整備についても財源がつきました。区の仕事にはテレワークに馴染むものと馴染みにくいものがあると思います。まずは業務の整理をしていく必要があると考えますがいかがでしょうか。
感染症対策で守るべき対象に妊婦がいます。影響は未知数なものの、病気にかかっても薬が飲めず、また重症化しやすいこともある中で最大限のケアが必要です。妊娠している職員については、満員電車のリスク等もある中で、テレワークを最優先で導入すべきです。他にも子育てや介護など家庭に事情がある方が働きやすくなる側面もあると思います。今後、テレワークを推進していくにあたっては、優先的に対象とすべき職員について、区の考え方に入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
民間でもハンコひとつの為だけに出社を余儀なくされる事例もありました。中野区では、電子決裁の推進をしてきており、76%が電子決裁可能です。更に電子決済率をあげていく取り組みが必要です。また、今後テレワークを活用した職員の働き方改革を、計画的かつ着実に進めていく必要があると考えていますが、どのような状態を到達目標と考え、進めていくつもりなのか、区の考え方をお示しください。
テレワーク導入後には、その効果を図る必要があります。テレワークが進んだことにより区民サービスが低下してしまうことは本末転倒です。さらにテレワーク導入以前よりも業務の効率化が求められます。テレワークの実施により、充分な成果や業務の効率化があったのか、確認し、検証できる仕組みが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。
(7)その他
この項のその他で一点、特別定額給付金について伺います。今回の特別定額給付金に関しては、業務委託をする事務作業分については、国からの予算に含まれています。中野区では、今回9名の常勤職員が特別定額給付金担当課に集められ、作業をしていますが、その人件費については国の予算では見られていません。これまでも国の事業で見えないコストがかけられて来ましたが、今後もこうした自治体への負担が増える事を危惧しています。
特別定額給付金は、5月1日に中野区議会臨時会にて補正予算が成立してから、5月8日にオンライン申請がスタート。5月15日から19日に郵送での申請用紙を全世帯に発送することが出来ました。23区の中で比べても非常に早く、5月22日に最初の振り込みを実施、28日には7千世帯への振り込みができました。他区では混乱しているところも多い中で、区長のリーダーシップと職員の皆さんのご努力でスピード感をもって取り組むことが出来た事は非常に高く評価しています。様々な工夫により達成できたと思いますが、ここまでスピード感をもって取り組めたことの検証が必要です。課題や評価を洗い出し、ぜひ今後にも生かしていくべきです。区の見解をお聞かせください。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました②
(3)財政について
今回の世界的な規模での流行は、経済的影響は甚大なものとなることが予想されています。2008年のリーマンショックでは、中野区の税収は50億の減収となりました。今回の経済的影響はその3倍とも4倍ともいわれており、財政的な緊急事態ともなりえる事は覚悟をしていかなければいけません。一方で、民需が縮小する場面で公までが支出を抑制すれば、経済状況はさらに悪化し不況の長期化を招きます。中野区ではすでに生活保護申請は3割程度増えているとの事ですが、さらに社会保障費へ跳ね返って来てしまう可能性も否めません。板橋区や大田区では、失業者に対する緊急雇用対策を打ち出しました。中野区でも取り組むべきと考えます。区の見解をお示しください。
国は、感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を進めるための一環として、「新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金」の交付を決めました。この配分は大都市ほど不利な算定になっており、特に23区は「すべての特別区の存する区域を一の市町村とみなして算出した交付限度額以内となることを勘案して、すべての特別区分を合算した額として定める」と合理的な説明もなく23区を1つの自治体として算定されています。その結果、各特別区に交付される金額は、大幅に押し下げられています。そもそも新型コロナウィルス感染症への影響が大きい自治体ほど手厚く支援する仕組みでなければなりません。更に、23区を1つの自治体として算定するという算定方法は特別区それぞれの自治を軽視するものであり、到底承服しかねます。23区区長会として国に要望を出していますが、金額についてのみに留まり残念です。感染症対応を進める為には、財政力指数よりもその影響の大小による算定方法とし、また特別区それぞれを1つの自治体として算定しなおすよう国に改めて強く要請するべきです。区長のリーダーシップが求められます。見解をお聞かせください。
東京都の財政調整基金の残高が平成30年度決算値で8428億円でしたが、4月と5月にコロナ対策の補正予算で計7916億円使っており、現在の残高が500億円を切る状況です。この財政状況で来年度予算がこれまでのように組めるのか、大変危惧しています。東京都の独自補助事業については、来年度について補助割合が減らされる事や、事業見直しされる可能性も想定しなければいけません。都補助のあり方が変わっても、各担当課がそれぞれの事業をどのような形で実施していくのか、または事業を中止するのか、今から精査をしていく必要があると考えます。区の見解をお示しください。
(4)産前産後ケア
私自身、今年1月に出産をしました。特に初産婦はすべてが初めての経験で出産直後から不安と寝不足との闘いが待っていました。わからない事だらけで、病院での2週間健診や1か月健診、そして区のこんにちは赤ちゃん訪問が待ち遠しく、その間隔で専門家とお話できる機会があったからこそ、持ちこたえたと言っても過言ではありませんでした。コロナ渦においては、緊急事態宣言に伴い中止が余儀なくされた事業もあります。特定妊婦へのアプローチは続けているそうですが、産後は誰もが産後鬱を発症してもおかしくなく、それは虐待へとつながってしまう危険性もあります。お母さんの命も、赤ちゃんの命も守っていく必要があります。その意味では、これまで中野区が進めてきた産前産後事業は非常に有意義なものと思います。だからこそ、コロナ渦において、ほとんどの事業が中止になってしまった事は非常に残念であり、早急に代替えの手段を講じていくべきだったとも思います。緊急事態宣言は解除されたものの、今後はこれまでと同じように事業を進めていくのが難しい場面もあることは理解をしています。現在は、東京都助産師会が行っている無料相談をホームページで紹介していますが、区としても相談事業や講座などオンラインにより実施をしていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
また、産後サポート事業の中には、赤ちゃんの月齢が近い人たちで集まる事業も多くあり、地域でのママ友づくりに大きく寄与していました。今回、そのほとんどが中止になっている事で、その機会が奪われてしまっています。地域でのこうしたつながりは、地域に根差したネットワークにもなります。中止になったBP1プログラムや4月から中止になっている3~4カ月健診の対象者は同じ月齢の方々です。この月齢の親子は、新型コロナウィルスが蔓延をし始めた時期に更なる不安を抱え、子育てをスタートした方々であり、より支援が必要だと考えます。予備費で個別健診を行う事が決まった事は評価していますが、集団検診での同じ月齢の方々と出会う場が奪われてしまいました。こうしたことからも、事業をただ中止や変更にするのではなく、まずはこの月齢の親子が繋がれる仕組みが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。
産前産後ケアの対象後も児童館やすこやか福祉センターが連携し、近い地域で継続的に近い月齢・年齢の子どもたちがつながれる仕組みを積極的に進めていくべきと考えます。乳幼児期は子育ての不安も多く、重層的な繋がりが孤立化防止や虐待予防につながります。区の見解を伺います。
令和2年第2回定例会で一般質問を行いました①
6月2日から中野区議会令和2年第2回定例会が始まりました。会期は16日までです。
私は初日、立憲民主党・無所属議員団を代表して一般質問を行いました。質問内容は以下になります。答弁については、議事録アップまで少々お待ちください。
1.新型コロナウィルスと共生する区政運営について
(1)保健所機能について
(2)危機管理について
(3)財政について
(4)産前産後ケアについて
(5)虐待・DVへの対応について
(6)テレワークについて
(7)その他
2.ワクチンで防げる感染症対策について
(1)麻疹について
(2)HPVについて
(3)BCGについて
(4)その他
3.その他
1.新型コロナウィルスと共生する区政運営について
はじめに新型コロナウィルスによりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、罹患され闘病をされている皆さんに心からお見舞いを申し上げます。緊急事態宣言はすべての地域で5月25日に解除されましたが、解除されたとはいえ、元の生活に完全に戻る事は難しく「新しい生活様式」が政府から示されました。今後の区政運営においても新型コロナウィルスと共生をしていくという観点が必要であり重要だと考えます。区の見解を伺います。
(1)保健所機能について
今回の新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、保健所に関わる業務が増大となり、関係職員の皆さんには長期間の激務に心から感謝を申し上げます。保健所の業務が増大することが想定されていたところ、3月中旬から感染症対策業務が急増し、保健所兼務保健師の輪番電話対応の応援はありましたが、もともとの保健所の保健師4名、医師2名という職員数では業務量に体制が追い付かなかったと聞いています。4月に入り、保健師を全庁体制で保健所に派遣したことと、コールセンターの設置、東京都からの職員派遣により、やっとこの状況を乗り切ることができたと伺っていますが、今回はこうした対応が現状ではやむを得なかったと言えます。一方で、保健所の業務は3月中旬~5月に急増となり、時間外労働が過労死ラインを超えている100時間を超過する職員もいたと伺っています。今後、第2波が来ることを想定し、一部の職員に業務が集中してしまう仕組みを変えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、この間、緊急事態宣言や国の通知を受け、本来の保健所業務、例えば区民健診等の実施が先延ばしにされています。こうした業務についても、これから取り組んでいく必要がある中、激務に当たられた職員に休息を確保しなければ、今後心身に深刻な影響を与える恐れもあります。当面の間は、引き続き職員の配置など考慮すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
保健所長を含む公衆衛生医師は東京都の採用です。保健所に配置される限られた公衆衛生医師に、業務が集中したことを懸念しています。今後、保健所機能が低下しないよう、医師を適正に配置することが重要だと考えます。東京都に対し、医師の配置に関して要望をしていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。次に検査体制について伺います。自宅療養中の方が救急搬送され、死亡後に新型コロナウィルスに感染していることがわかったケースは中野区でもありました。4月29日より、医師会との連携により中野区PCRセンターを開設しました。今回の感染拡大も落ち着きを見せる中、現在は検査数も多くないと伺っています。第2波に備えるためにも、今後の検査体制を構築する必要があります。検査キットなども用いながら、必要な人が確実に受けられる体制を確保していくべきです。区の見解を伺います。検査受診に関しては、まだ周知が足りないように感じます。5月25日に、検査受診の仕組みに関するわかりやすい図解が区HPにアップされました。これを利用するなどして、特に感染に不安を感じる事が大きい介護従事者や医療関係者等、積極的に周知すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。
(2)危機管理について
中野区政のBCPについて
今回の新型コロナウィルス感染症においては、国の緊急事態宣言により、中野区政のBCP新型インフルエンザ編が適用されています。BCPに記載がある、区民生活に直接影響を与えない通常業務の休止抑制は実際に行われたのでしょうか。伺います。
第4章にある部間の職員の応援、飛沫感染防止のシールドの整備も遅れがあったように感じます。中野区インフルエンザ等対策行動計画に基づく応急対策業務について、具体的に対応するため、中野区新型インフルエンザ等対応マニュアルを整備するとされていますが、作成されているのでしょうか。また、行動計画に基づく応急対策業務について、各部は非常時優先業務のマニュアルを作成するとされていますが、作成されているのでしょうか。併せて伺います。
第2波が来るとも言われる中、健康危機管理の観点からの危機管理体制の強化が必要だと考えます。総務省の「地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会」の報告書では、危機管理担当幹部には部門間の調整としての役割が求められるため、各部局に指示を出すことのできる権限が必要であるとされています。例えば、感染症が拡大し、BCPを発動した際には、各部から、速やかに一定割合の人員を拠出し、それによって生み出された人員の差配を危機管理の責任者ができるといった、迅速かつ実行力のある権限を持たせる仕組みの構築が必要ではないでしょうか。中野区には危機管理課が昨年度から組織され、元々は内部統制を行う行政監理と、防災、生活安全の担当部署が集まって一つの課となったものと認識しています。今回の感染症拡大予防対策を行う中で顕在化した課題を踏まえ、危機管理の役割、組織・人員体制について、しっかりと庁内で議論し、全庁的に部門間の横断的な調整が行える実行力のある危機管理体制を整備し、保健所が防疫活動に即座に専念できるよう、十分に支援できる体制を構築すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
部間の応援体制について伺います。保健所をはじめとして、特別定額給付金、学校教育、児童手当の担当など業務量が増大となった部署へ応援体制が組まれました。今回の経験を活かし、今後緊急事態に陥った際に、即座に部間応援体制が組めるよう、準備を進める必要があります。平成30年第3回定例会の山本議員の質問で、適材適所の職員配置や人材育成に活用できるデータベース化について取り組みを進めるとの答弁もありました。それがあれば、今回のケースにも活かせたと考えます。早急にこうした取り組みが必要と考えます。区の見解を求めます。
複合災害に対する区の体制について伺います。コロナ渦においても、全国で地震が頻発しています。また、昨年の夏は台風による水害もあり、感染症との複合災害に対する心配の声も多くあります。大田区では避難所運営においての指針を定め、梅雨を前に職員研修を実施したとの報道もありました。まずは、避難所においてソーシャルディスタンスが取れる一人当たりの面積スペースや発熱者の隔離スペースや導線の確保など、可能な限り多くのスペースを確保する必要があると考えます。今定めている避難所だけでは余裕がありません。区の考えをお示しください。また、人員体制も再整理する必要があります。人員配置についても早急に検討すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。避難所においての感染症対応マニュアルの作成や、職員研修も必要です。災害はいつ起こるかわかりません。早急に対応していくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、区民への周知も大切です。現在ある課題を整理したのち、避難行動などについて区民にもわかりやすくお知らせする必要があると考えます。区の見解を伺います。
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