平成31年第一回定例会で一般質問を行いました
昨日、一般質問を行いました。
原稿を載せます。答弁等については、後日アップされる予定の議事録をご参照ください。
平成31年第一回定例会にあたり立憲民主議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告の通りです。その他はございません。
まず、児童虐待防止対策について伺います。昨年3月に発生した目黒女児虐待死事件は、日本中に大きな衝撃を与えました。ところが児童虐待防止に向け、国や東京都でも取り組んでいる最中にまたも悲しい事件が千葉県野田市で起きてしまいました。再来年の児童相談所設置に向けて、中野区も児童虐待防止施策に更に取り組んでいかなければと改めて強く感じています。
国では、これまでの専門職に加えて、2022年からすべての児童相談所に弁護士、医師、保健師を配置する方向で検討を進めています。自民党内には「常勤弁護士の配置を義務化すべきだ」との声も根強くあるとの報道もありました。しかしながら、児童虐待に精通する弁護士は全国でも人数が限られており、国が常勤弁護士を義務化した場合、児童相談所設置の自治体で人材の奪い合いになる事が考えられます。常勤の弁護士配置は児童相談所職員との連携が密になるというメリットがありますが、弁護士が一人で抱えるリスクや案件が少ない時の効率、人材の確保などの課題があります。愛知県では、児童相談所の外にいる専門家として弁護団への委託としているため、弁護士同士の連携につながり、個々の弁護士の負担軽減にもなっているそうです。非常勤でも交代の当番制などでいつでも電話で相談ができる体制を整えておく事が事案の早期解決に繋がると考えます。
まず、児童相談所への弁護士配置についてどのように考えているのか区の見解を伺います。今後の配置計画、確保策についても併せてお答えください。
野田市の事件では、「親支援」のあり方が問われたと感じています。栗原心愛さんの母親も父親からDVを受けていたと報道されています。母子は2009年9月に糸満市に転入し、2011年10月に父親と離婚したものの、父親は心愛さんとの面会交流を求め、そのうちに第二子を妊娠。2017年2月に再婚し同居、次女を出産したと伝えられています。実際、2017年7月には市の窓口に母親の親族からDV相談が寄せられています。この事件で浮き彫りになったのは母親支援の重要性だと感じます。現在中野区では、ドメスティックバイオレンスについては婦人相談で受け付けています。DVの被害者に子どもがいる際の児童相談所や子ども家庭支援センターとの連携はどのように対応しているのでしょうか、伺います。目黒区の事件も野田市の事件も他自治体との連携や関係各所との連携ができていなかった事により被害の深刻化に至りました。区が児童相談所を設置することにより、これまでよりもDV案件での連携は取りやすくなると感じます。しかし、引っ越しの多い東京都内での連携は極めて重要にもなります。改めて、こういった事案を絶対に出してはいけないという区の決意を伺います。
児童虐待防止対策を考える際に忘れてはいけないのが性教育です。虐待予防の一番の上流、川上の部分は予期せぬ妊娠を避けることです。虐待で死亡率が一番高いのは0歳0日、つまり生まれたてです。どうやったら子どもができるのか?正しい知識をみんなが知る必要がありますが、自然に学ぶわけではありません。今はタブレットやインターネットの普及により、幼児の段階から不適切な動画などにさらされる機会がある現代は昔と違って正確な知識を早い時期から教える必要があります。寝た子を起こすなという考え方もありますが、正確な知識を教えられた子どものほうが性行動の開始時期が遅くなるという調査結果もあります。
保護者が子どもに対して正確に教えられるように保護者が学べる場を作るべきだと考えますが、見解を伺います。
さらに、どのようなライフプランをつくっていくか、子どもを持つのか、持たないのか、いつ、何人持つのかなど、自分自身で選択をする、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)を啓発していくことはとても重要です。そのため、保護者だけでなく一般区民への一層の啓発事業に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。
学校での性教育に関しては、現在東京都が手引きの改訂作業を行っています。先日、都立中高一貫共学校の南多摩中等教育学校で3年生に向けて外部講師による性教育のモデル授業が行われました。現在の中学生向けの学習指導要領では中学校で妊娠や出産について触れるものの、性交については説明しないことになっています。一方で、厚労省の2017年調査で同年度に人工妊娠中絶をした15歳以下の女性は全国で736人いることがわかっており、現実と教育内容に乖離が如実に表れています。現状を見直す事は非常に重要だと考えており、東京都のモデル授業の内容や示された改訂方針は歓迎すべきものです。秋田県では、専門家による性教育を行った10年間で人工妊娠中絶が大幅に減ったという成功例もあります。今後の性教育の意義について、区の見解を伺います。
正しい性教育は、児童虐待や予期せぬ妊娠を防ぐだけにとどまらず、人間の尊厳や相手の尊重についての理解、DV防止や貧困対策にもつながります。しっかりと取り組んでいただくことをお願いし次の質問に移ります。
次に子育て先進区について、主に子育てしやすい環境整備について伺います。まず、災害対策としての母乳育児支援、授乳室の整備について伺います。母乳育児のメリットはいざというときに道具なしでも子どもに食料をあげられることです。災害時にすべての母子にミルクと水とガスボンベと消毒用の道具を届けられなくても、子どもが生き延びることが可能となります。これは、母乳育児を推奨するもので、ミルクでの育児を否定するものではありません。母乳で育てている人に授乳についての悩みを複数回答で聞いたところ、約6人に1人が、「母乳を出すためには赤ちゃんが飲みたいときに飲める環境が大事なのにもかかわらず外出の際に授乳できる場所がないこと」が悩みであると回答しています。
母乳育児が軌道に乗るまでには様々なハードルがありますが、そうしたハードルを乗り越えても、さて外出しようとすると、授乳できる場所は限られています。中野区では、例えば15の区民活動センターでは専用の授乳室があるのは南中野の1箇所のみです。また、専用の授乳室がある施設でも授乳室の中は狭くて荷物をかけたり置く場所がなかったり、椅子が一つとマットレスがないベビーベッドが一つしかないといった所もあります。母乳をあげる期間はそんなに長くないため母親からの要望は中々区に伝わりづらいかもしれませんが、授乳室のニーズは決して低くはないはずです。無償でボックス型の授乳室を自治体に提供してくれるサービスもありますし、これから建て替えや改修をする施設にはもちろんのこと、他の施設についても母乳育児サポートとして授乳室の整備を進めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
共働き家庭が増えている中では、男性が育児しやすい環境を整えることも公共の責務だと考えますが、区役所の男性トイレでおむつ替えのシートが設置されているのは、子ども家庭支援センターがある3階のトイレのみで、1階の誰でもトイレとあわせると2か所のみです。区の施設の中には男性がおむつ替えをできる場所がないところも存在します。建て替えがない施設も含め、今後計画的に整備をしていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。
現在、施設整備の際にユニバーサルデザインの視点でのチェックリストはあるそうですが、子育て先進区を目指す我が区だからこそ、子育てしやすい設備の観点も含めて施設整備や改修を進めるべきと考えますがいかがでしょうか。伺いまして、この項の質問を終わります。
次に多文化共生施策について伺います。中野区では、10年前の平成21年では外国人人口が12034人だったのに対し、平成30年では18697人となるなど、55%も増加をしています。今後は、外国人来街者もそれ以上に増えていく事が予想されています。昨年12月8日、参議院本会議で出入国管理法の改正案が可決されました。現在、技能実習生制度により日本で働く外国人労働者は26万人程度と推定されていますが、今回新設される特定技能制度を通じて、2019年から5年間にわたり外国人労働者を最大で累計35万人を追加で受け入れる計画です。この法案は、業種どころか受け入れの規模・人数についても何も決まっておらず、「法案が通過してから省令で決める」という事実上白紙委任であることや、技能実習生として入国した外国人労働者の低賃金と長時間労働問題を解決しないまま、追加で外国人労働者の流入を拡大するという、問題点があります。一方で、4月から改正入管法が施行されることを受け、自治体も対策を取らなければいけない状況に変わりはありません。また、その影響は都市部に集中する可能性も大きいと感じています。
まず、中野区では改正入管法により、外国人の流入人口にどれくらいの影響が出ると見込んでいるのか、見解をお示しください。
区長は施政方針説明の中で、多文化共生についても触れられています。多文化共生を推進する意義をどうとらえているのか、お伺いいたします。
中野区では、日本語が話せない児童・生徒が学校に入ってきた際に、現在は中野区国際交流協会から通訳者を派遣し対応をしているところです。また、国際交流協会での日本語クラスも実施しています。少ない人数であれば対応ができているかもしれませんが、今後コミュニケーションに支障のある子どもが増えると授業として成り立たなくなってしまう可能性があります。名古屋市では、日本語指導が必要な児童生徒が多数在籍する小中学校へは、教員や非常勤講師を派遣し子どもたちの早期学校への適応を図っています。外国人人口が増えれば、おのずと学校の中にも外国人児童生徒が増えることが予想されます。実際に、一部の学校では外国人児童生徒の数が増えている事も聞いています。早期に対策をとる必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
外国籍の方々、日本語を母国語としない方々との共生で一番不安に感じられるところは生活面や災害時や緊急時の対応です。地域防災計画では、中野区国際交流協会により、区およびボランティア本部と協力し、外国人被災者に対する情報提供、語学ボランティアの募集、派遣に係る調整を行うこととなっています。一方で、総合防災訓練には中野区国際交流協会の方々は参加をされているものの、外国人住民の参加はほとんどありません。地域によっては外国人人口の伸び率が他の地域よりも多いところがあります。こういった地域を中心に、モデル事業としてお住いの外国人を対象とした防災訓練を実施するなど、今後増大する外国人人口に対する備えをしていくべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
現在中野区では、区内在住の外国人対応は中野区国際交流協会に委託をされて実施しているものが多いですが、外国人人口が増大する中で、その体制にも限界があると感じます。これまで、区は明治大学国際日本学部と多文化共生フォーラムを共催するなどしてきています。留学生からの提言を受け取り施策への反映検討は行っているかと思いますが、具体的な内容にまでは至っていません。11月25日に明治大学国際日本学部10周年記念に行われたダイバーシティーフォーラムに参加をしました。区長も講演をされていましたが、行政、企業、大学からそれぞれの立場での講演がありました。その中でも具体的な産学公連携の提案もありました。多様な人々がお互いに理解し、認め、受け入れ、活かしあう「ダイバーシティーインクルージョン」の考え方を取り入れた多様な人材が活躍するための取り組みを具体的に産学公連携で進めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
今後、文化や宗教が違う多様な住民が増えていく中で、住んでいる誰しもの不安をひとつひとつ取り除いていく事が行政の役割だと感じます。また、そこが暮らしやすい街、来てよかったと思っていただける事で、将来的なリピーターにもつながります。逆に中野に来て嫌な経験をした場合は、その方々は戻ってくることはありません。誰もが安心して暮らせるダイバーシティーインクルージョンの街、中野を目指して取り組んでいっていただくことをお願いしこの項の質問を終わります。
つぎに行政評価について伺います。区長は施政方針説明の中で、行政評価の結果を踏まえて、事業のスクラップ・アンド・ビルドに取り組めるよう、行政評価制度を抜本的に見直してまいりますとおっしゃいました。平成13年からスタートしている今の行政評価制度は幾度と見直しを重ね、非常に複雑な制度になっています。私たち会派も抜本的な見直し時期に来ているのではないかと考えており、この方向性については歓迎するものです。これまでの行政評価は実際に事業の見直しには中々つながる事はありませんでした。個別の事務事業の点検をし、区の施策の方向性に沿ったものになっているのか、なっていないのであれば事業を見直しもしくは廃止していくような方法で行政評価を行っていくべきと考えますが、区の見解をお示しください。しかしながら、今の行政評価は目標と成果によるものになっており、転換が難しい部分もあると考えます。今後、新たな行政評価制度への移行をどのように進めていくのか、見解をお聞かせください。
行政評価制度の見直しで忘れていけないのは、職員の稼働の観点です。これまでの行政評価はそれぞれの職員に大きな負担となっていたと伺っています。その軽減を図り、その分の職員のみなさんの稼働を区民サービスに使うという考え方は不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。また、目標の設定時から外部の目を入れていくべきだと考えます。区の見解をお伺いします。
最後に、選挙について伺います。
今年は12年に1回、統一地方選挙と参議院選挙が重なる選挙イヤーとなります。衆参同時選挙も囁かれるなど、選挙管理委員会の皆さんにとっては大変な一年になることと思いますが、公正公平な選挙執行のためにご尽力をいただきたいと思います。
まず初めに、若年層の投票率向上について伺います。中野区でも、平成28年度から3年間ですべての中学校において主権者教育(模擬選挙)が実施されています。まず、その効果をどのように評価しているのか伺います。また、3年間が終わるところですが、来年度からはどのように行っていくのかお示しください。成人のつどいでも選挙に関するアンケートを行っていますが、選挙管理委員会としてどのように活用されているのか、伺います。
次に期日前投票所について伺います。中野区内では、区役所を含む6か所で期日前投票が行えます。最近の選挙の傾向では、期日前投票の割合が3割を超えるなど、多くの方が利用をされており、その半数近くは区役所を利用されています。特に平成29年10月執行の衆議院選挙最終日は翌日の投票日に台風が上陸する予報だったこともあり、多くの方々が区役所で期日前投票をされており、その列は途切れることがなかったことを記憶しています。また、その衆議院選挙から区割りが変更となり、中野区も7区と10区に分かれ、区役所での期日前投票所の設置もスペースの確保が難しい状況でした。今年行われる2つの選挙においても、期日前投票は多い傾向が続くことが予想されます。人員の配置や期日前投票所設置場所の工夫など、スムーズで公正公平な選挙執行のために、検討すべきと考えますが、ご見解をお伺いします。
以上で私のすべての質問を終わります。
アーカイブ
- 2024年4月
- 2024年2月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2022年12月
- 2022年6月
- 2022年2月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2020年6月
- 2019年9月
- 2019年7月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2017年12月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2014年11月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月