民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

個人献金のお願い みずほ銀行
中野支店(351)
普通 1164639
名義:中村延子後援会
2018.09.25

決算特別委員会で総括質疑を行いました

第3階定例会決算特別委員会で総括質疑を行いました。
原稿を掲載します。答弁については区議会の議事録がアップされるまで、少々お待ちください。

1.平成29年度決算について
(1)歳入について(特別区税・特別区交付金)
(2)歳出について(人件費・物件費・グローバル・不妊相談支援事業)
(3)その他(行政評価)
2.予算編成方針について
3.妊娠出産子育てトータルケア事業について
4.その他

平成30年第三回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通りですが、1.H29年度決算のその他で行政評価について伺います。
はじめに、平成29年度決算についてのうち、歳入について伺います。歳入決算額は1252億円となり前年度比1279082千円の減でした。一般財源は781億円で、前年度比2億円の減となっています。その内訳をみると、特別区税は338億円で6億円の増ですが、特別区交付金は355億円、前年度比15億円の減となっています。特別区税についてです。ふるさと納税の影響は年々大きくなって来ていますが、平成29年度は6億4315万1千円でした。まず、過去5年間のふるさと納税の影響額を教えてください。

減収分については、財調の算定にも含まれていますので、すべてが出て行っているわけではないですが、影響額は大きいです。一方で、中野区では平成28年10月から中野区にふるさと納税をされる方に対し、里まち連携自治体の特産品や中野サンプラザのお食事券など、返礼品を提供しています。平成29年度決算でふるさと納税事業に対する委託料は1182万円となっています。郵便料や手数料含めると、計1196万円かかっています。ここで確認ですが、平成29年度の中野区へのふるさと納税の寄付金額をおしえてください。

執行率は51.9%となっていますが、ちなみに予算段階での寄付金の見込みはどれくらいだったのでしょうか。

2333万の寄付がありました。でも、返礼品競争の中、対抗していくために1200万円の事業費がかかっています。差し引き、1100万ちょっとです。という状況では、やっている意味があるのかな?中途半端なのではないかな、と感じてしまいます。

ふるさとチョイスの中野区のページを拝見しました。その中で、寄付者は寄付金の使い道を選べるような仕組みをとっており、東北復興大祭典や動物愛護、特別区全国連携プロジェクトに関すること、哲学堂および哲学堂公園の観光拠点としての事業に関する事、教育に関すること、社会福祉や住宅に関すること、まちづくりや道路・公園に関すること、区民公益活動に関すること、環境保全に関すること、平和事業に関すること、その他区政全般に関することの項目があります。この項目はどのように決定されたのでしょうか。

昨年の決算や一般質問でもガバメントクラウドファンディングについての提案が様々な同僚議員からもありました。これは、特定の目的に対して寄付を募るという方法です。23区でも取り組んでいる自治体はあり、代表的なところで例示をすると、文京区の「子ども宅食」や墨田区が以前取り組んだ「すみだ北斎美術館開館1周年記念イベント」最近では目黒区が園庭のない保育園に通う子どもたちのために大規模公園まで子どもたちを送り届ける「ヒーローバスの運行」など、流行を見せているようにも感じます。これまで区は税の減収分が地方交付税で補填される事もなく、また住民税によって行政サービスを支えるという受益と負担に着目した地方税の原則から見ても、大きな問題があると考えている、とも答弁をされています。一方で、何もしないでただ見ているだけには行かないからこそ、そして毎年影響額は増加傾向にあるからこそ、中野区でもふるさと納税事業を実施きていると思います。取り組む決意なのであれば、全国から注目をされるような返礼品やクラウドファンディングなど、中途半端に実施するのではなく、真剣に取り組んでいくべきだと考えます。目黒区では、先ほど例示したヒーローバスのほかに、この春から事務所が区内にあるエグザイルのグッズなどを返礼品として提供することになりました。高価なお肉とか果物とか、特産品がある自治体の返礼品競争には中々入り込めません。また、総務省が寄付金額の3割以上の値段の返礼品を出さないことなど自治体へ通知を出しています。通知を受け入れない自治体に対しては、ふるさと納税制度からの対象外にできるよう見直しを検討すると発表されました。こういった動きは、今後も出てきそうです。中野区だからこそ提供できる、金額ではない付加価値のある返礼品を検討する事や、クラウドファンディングを利用した具体的な施策の推進など、ただただ返礼品を並べるだけのふるさと納税施策ではないやり方を考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

私もふるさと納税に関しては、大前提として現実に高所得者の優遇制度となっていることや、本来は地方の自主財源を増やす方向で税制改正が必要なのにそうなっていない事からも制度自体には反対です。一方で、歯止めをかけるために、対抗をしていかなければいけない事も理解しています。この制度の本来の趣旨ではない23区が本気になりこの制度自体が破たんしている事を示すことも、ひとつのやり方だと考えます。それであれば、寄付を集める仕組みをもっと真剣に考えなければいけないと感じています。

東京都議会の第2回定例会で、ふるさと納税を活用した取り組みについて質問が出ました。ふるさと納税を活用して五輪施設への寄付を募り、ネームプレートに刻むという報道が出た事に対する質問です。これに対し、小池都知事は様々な課題があることから課題を整理しつつ関係者の理解を得ながらふるさと納税制度の本来の趣旨を生かして、受け皿となる仕組みが検討できるのか関係局にも指示したところだ、と答弁されています。もし、東京都がふるさと納税制度を活用し寄付をつのった場合、区への影響についてどのように考えているのか伺います。

次に使用料について伺います。使用料をとっている施設の中で、気になるものがいくつかありましたので、伺っていきたいと思います。
まず、なかのゼロホールのレストランについて伺います。決算説明書を確認したところ、12カ月で1269864円の使用料からの歳入がありました。事業者募集はどのような形で行われ、いつから継続しているのかまずお伺い致します。

使用料は90%減免されているとのことですが、どのような理由からでしょうか。

当初11:3018:30で営業していましたが、H2771日からは11:0015:30と営業時間が短くなっています。どのような理由からでしょうか。

あまりニーズがないのが現実なのかな、と感じます。施設にも限りがある中で、もう少し有効活用する方法を考えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

次に哲学堂公園の売店について伺います。決算説明書には、12カ月で232596円の使用料歳入がありますが、この事業者募集がどのような形で行われ、いつから継続しているのかお伺い致します。

次に産業振興センター喫茶コーナーについて伺います。決算説明書には、12カ月で949224円の使用料からの歳入がありました。事業者募集はどのような形で行われ、いつから継続していたのかお伺い致します。

広さにしては使用料が安く感じるのですが、ここは減免されていたのでしょうか?

減免はされていないとのことですが、キッチンのみの使用料というのは、現実の使用状況を見ても、そのようには受け取れませんでした。今年は4月~6月の3カ月のみで終了しており、今後は契約のあり方などについても考えていかなければいけないと感じます。

いずれにしても、これまで多くの事業で見直しが行われてきていますが、これらの施設に関しては、少なからず透明性や公平性を高めるなど、見直しができたのではないかと感じます。今回は使用料について取り上げさせていただきましたが、他にも見えていないところで、まだこういったものがあるのかもしれません。区政全体を通して、精査をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

次に平成29年度決算のうち、歳出について伺います。まず初めに、人件費について伺います。財政白書11ページの人件費の推移をみると、平成28年度が200億円から平成29年度202億円と2億円増えています。職員数も平成2841日時点で1889名から平成2941日時点で1945名と56名増えております。中野区は、過去10年間でみると、様々な分野で民営化や委託を増やし、人件費を削減してきました。それに伴い、物件費は年々増えています。一方で、平成29年度は物件費も人件費も増えています。まず、職員数が56名増えた要因を教えてください。 

次に、物件費が増えた要因を教えてください。

行政需要の拡大、区民ニーズの多様化によるものと考えますが、一方で、本当に委託化や民営化がすべて経費抑制や区民サービスに寄与しているのかも含め、効果をはかっていかなければいけないと感じます。今年度から指定管理者の労働環境モニタリング事業が開始しています。指定管理者制度も民間活力の活用として区は導入をしています。今年度は初年度という事で試験的に5事業所に労働環境モニタリングを入れていると聞いていますが、今後、どのような計画で続けていく予定なのかお伺い致します。

委託された事業も指定管理を入れている事業も、区民から見れば区の事業に変わりはありません。民間の活力を活用する事に異論はありませんが、クオリティー確保は必要不可欠だと感じています。今後、公契約条例についても検討を進めると区長からご答弁されていますが、質の確保について区はどのように考えているのか伺います。

平成29年度には人事構想が策定されました。人事構想の中には、今後の人員体制についても記載がありました。全体の職員数に関して、平成29年では1985名のところ、平成38年には1850名にとあります。これまでの計画では、児童相談所設置による専門職の増、行政ニーズの多様化による事務系職員の増は見込まれるものの、保育園の民営化や児童館の廃止、技能系職員の退職不補充により、2000人体制は維持ができるとしてきました。一方で、新たに酒井区長が就任をされ、方針転換がされています。それらの施策の方向性に関連することなので、今後の職員定数に関しては、基本構想・基本計画の策定までは見えないところもあります。人事構想のステップには、福祉系H29年度458名のところをH38年度242名とありますが、これは児童館廃止や保育園民営化について前区政の方針のもとに反映されているのでしょうか。

一方で、毎年100名近く(平成29年度は133名)の採用を行っており、今後の職員の年齢構成はこの10年の間には2030代の職員が半分となります。これからの10年間で人件費の推移をどのように予測していたのでしょうか。

もちろん、人件費が緩やかに減ったとしても、ベテランが減り、若手職員が増えるという事は、人材育成が急務ですし、組織としてそこに力を入れていかなければいけません。平成29年度、副参事心得は何名いらっしゃいましたか。

総括係長になると副参事心得となれるのかと思いますが、総括係長の役割を教えてください。

副参事の横で経験をして、管理職になった時に備えていくのが総括係長だと思います。その経験を積まずに管理職となる職員がここ数年とても増えているように感じます。その方々へのケアは重要だと感じますが、区としてどのように考えていますか?

職員の皆さんの財政的なコストカットについては意識されていると感じますが、これからは限られた職員数の中で、お金だけでなく人の部分も見ていかなければいけないと感じています。年末には自己評価に4種類のシート記入を管理職以外の職員さん全員が行っていたり、行政評価のシート記入も多くの時間が費やされていると聞いています。このような内部管理事務に関しても精査をしていかなければいけないと思います。第2回定例会の一般質問で、RPAについて質問をさせていただきました。こういった新しいシステムなどを入れて業務の効率化を図る事も重要ですが、これまで当たり前にやってきた事務の見直しもやっていかなければいけないと感じていますが、いかがですか。

次に歳出の中で、執行率が低かったものについて伺います。まず、グローバルビジネス推進についてです。当初予算では、平成29年度予算で6027万円計上されていました。平成29年度最終の補正予算で、この地域観光情報プラットフォーム整備事業補助5000万円は減額補正されていたかと思いますが、決算を確認すると執行率0.4%となっています。当初予算から補正予算、補正予算後の流れを伺います。

予算の流れは理解できました。それにしても、年度末の最終補正予算の段階では、中野区グローバル都市戦略調査委託として5222千円、中野区グローバル戦略推進協議会負担金500万円の2事業を残したという事は、実施できると考えていたのでしょうか?結果的には大部分が執行できていません。この2事業は、当初からどのような事業の実施をもくろんで、どのような経緯を経てこのような結果、執行になったのか詳しく伺います。

一般質問で私たち会派の森たかゆき議員からも質問への答弁でもグローバル戦略展開については見直すとありました。建設委員会でも法人の立ち上げ断念とのご報告があったかと思いますが、そもそも区がやるべき事業なのか、この間ずっと疑問に思ってきました。30年度予算の反対討論でも年々膨れ上がるグローバルビジネス予算への懸念を申し上げました。法人立ち上げの他にも今年度もグローバル戦略の施策に予算がついていたかと思いますが、今年度の事業に関してはどのように進めていく予定か教えてください。

グローバル戦略推進は、身の丈にあわない大きすぎる目標を掲げた計画だったと思いますが、やはり地に足がついた計画ではなかったように思っています。何より、区民を置き去りにした戦略だったがゆえに、関係者との調整がうまくいかずにつまずいてしまったのではないでしょうか。今後は方針を転換し、区民を主役においたシビックプライドの醸成を目的にした事業に再構築していくという事です。このような考え方の転換は歓迎するところですが、これからの区政は区民を中心に考えて施策展開をしていっていただきたいと思っています。

次に不妊相談支援事業について伺います。平成29年度から新たに始まった事業のひとつに、不妊相談支援事業があります。この間、多くの議員から望んでいても子どもを授かる事が難しい方々に対する支援が必要ではないかとの声、また少子高齢化対策調査特別委員会の中で、不妊治療に関する勉強会を経て様々な要望があったことから、まずは相談支援という事でスタートした経緯があるかと思います。まずは、この事業の概要をおしえてください。

平成29年度決算を拝見すると、予算現額が793000円なのに対し、支出済額が330763円、執行率が41.7%となっています。それぞれ当初予算の見込みの人数と実績をおしえてください。

実績を見ると、専門相談は3枠×6回の18枠ですべて埋まっているわけですね。しかし、ピアカウンセラー相談会や妊娠を望む方への保健指導事業は中々利用率があがらないとなると、少しスキームを考えないといけないと思います。専門相談だけが執行率が高い理由をご担当さんはどのようにとらえていますか?

今年度もこの不妊相談支援事業に793000円の当初予算が計上されていましたが、平成29年度と同じスキームになっているのでしょうか。伺います。

今年度の現時点での事業実績をおしえてください。

区長は選挙の公約に不妊治療助成も掲げられていました。もちろん、不妊治療は身体的にも精神的にも金銭的にも大きな負担があるので、相談支援が必要ではないと言っているわけではないのですが、やはり、ニーズは相談支援ではなくて、治療につながるところなのではないかと思います。東京都の特定不妊治療助成に上乗せをしている自治体は23区でいくつありますか?

その他に不妊治療助成を出している区はありますか?

特定不妊治療助成に所得制限を設けていない自治体はありますか?

先日の来住議員の一般質問への答弁「特定不妊治療の財政負担への助成など検討していく」とありました。この東京都の特定不妊治療ですが、体外受精と顕微授精のみが対象となっています。また、特定不妊治療に至る過程の一環として行われる男性不妊治療にも一定の助成制度が設けられています。昨年度から東京都では、不妊検査にも助成を始めましたが、年齢制限が35歳未満と東京都にお住いの方々が不妊治療を始める年齢に即していないと感じます。さらに、35歳未満という制限は妻のみにあり、夫の年齢には制限がありません。男性不妊も35歳を超えると妊娠率が下がる事は様々な研究で明らかになってきているのにも関わらず、です。不妊治療は特定不妊治療に至るまでも大きな時間とコストがかかります。不妊治療の流れは、まず初期の様々な検査から始まり、血液検査によるホルモン値により排卵日を予測するタイミング法、人工授精、それでも妊娠に至らなかった時に初めて体外受精や顕微授精にステップアップすることとなります。

文京区では、男性不妊の検査(精液検査および内分泌検査)に対して、1回に限り最大1万円の助成をしています。女性は不妊治療に入る前に、感染症検査やホルモン値などの血液検査に加え、甲状腺の検査、卵巣年齢を見るAMHテスト、卵管造影や通水検査、ヒューナーテストなど、多くの基本検査が必要です。すべて保険適用されず、総額で大体7~8万円という安くないものになっています。中野区でもぜひ不妊治療の助成制度は作るべきと考えます。ただ、特定不妊治療に至る前にこういった検査費用も負担になることから治療自体を諦めていらっしゃる方もいるのではないかと感じます。単に東京都の特定不妊治療に上乗せをするというスキームだけではなく、男性と女性ともに初期の検査費用に対しての助成制度など、年齢制限や所得制限の有無も含め、いろいろなスキームを検討し不妊治療への助成制度を創設・実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

今回、執行率が低かった2事業について取り上げましたが、これまで予算がついている事を理由に「執行しなければいけない」という意識で事業を行っているものもあると思います。手段が目的化している事業も散見されます。本当にPDCAのチェックの部分が働いていたかも疑問です。これは、行政評価の部分にかかわってきますが、全ての事務事業に関して、漫然と予算を執行するのではなく、本当に区民にとって必要な施策なのかの洗い出しが必要です。もちろん、最終補正で減額修正をしている施策も中にはありますが、必要がないと判断するのであれば、「やめる勇気」もしくは「方向を転換していく」という事も考えていかなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。

職員の皆さんの中では、しっかりと精査しているという意識をもって取り組んでいらっしゃるのかと思いますが、グローバルや例えば数年前にとん挫したスリーポイント制度など、トップダウンで決まった政策に関しては、職員の皆さんから中々必要ないと言えなかった事も理解をしています。しかしながら、酒井区長は「ボトムアップの区政」を目指して当選されてきましたので、職員の皆さんには現場の声をしっかりと届ける事をしていただきたいと思いますし、区長には聞く耳を持ち続けていただきたいなと思っています。

関連して、決算のその他で行政評価について伺います。主要施策の成果(別冊)行政評価結果が配られております。この中で、各部の評価基準のチェックシートを拝見させていただきました。この15項目のうち、6番に「事業や取り組みの実施において、区民の生命、身体及び財産に被害を生じさせることはなかった。また、区の行政運営、行政サービスに重大な支障を及ぼすことはなかった」という項目があります。この項目は当たり前に〇がついていなければいけない項目であると考えます。全体を通して確認したところ、1.経営室生活交通安全分野、2.都市政策推進室都市観光地域活性分野、3.環境部ごみゼロ推進分野の3つだけ、この6番の項目に〇がついていませんでした。それぞれ、どのような理由で〇をつけなかったのか教えてください。

行政評価の分野のところを見ても、3分野とも今ご答弁いただいた事が記載をされていません。ひとつの分野なら、その分野のご判断で記載がないのかな、と思いますが3つともない状況を見ると、今の行政評価制度にはこういう悪いことは書かない、というような基準があるのでしょうか。伺います。

行政評価の中に悪い評価を書かないという事は、間違った事や失敗してしまった事に蓋をしてしまっている、反省が出来ない行政評価であれば、やっている意味がありません。何人かの職員さんとお話をしていて気が付いたのですが、「行政評価」の「評価をする」という言葉の定義が、違うのかなと感じました。評価はいい評価も悪い評価もあるはずですが、中野区では評価というのはいい評価のみなのかな、と。PDCACCheckです。英語の意味は調べる、とか点検する、とか検査する、が直訳で「評価」ではないんですよね。(評価はValueEvaluateなど…)
さいたま市、川崎市、府中市などでは、行政評価制度を「事務事業点検」として行っています。もし「評価」という言葉が今の状況を生んでいるのであるとしたら、今後行政評価制度自体の名称から考え直していかなければいけないと感じますが、いかがですか。

予算編成方針について伺います。本年829日に行われた政策会議で決定した平成31年度予算編成方針の内容が区のホームページにアップされています。いうまでもなく、31年度予算は酒井区長が就任されて初めての予算編成になり、この予算編成方針が予算を編成する際においての区の一番基本的な考え方になるものと考えます。この予算編成方針の内容を拝見させていただくと、これまでと構成は同じですが、すべてを通して「エビデンスベース」という言葉が多く出てくるところに着目をしています。この「エビデンスベース」とは、どのような考えなのかまずご説明ください。

客観的な数字的根拠や業務データの分析、経費の試算などはとても重要なことです。一方で、データのとり方によっては区民ニーズを図り間違える事もありえます。声なき声にもしっかりと対応をしていかなければいけないと考えますが、いかがですか。

 「政策課題への的確な対応」の冒頭では「新しい基本構想・基本計画の策定に向けた議論を注視しながら、これまでの計画に沿って進めてきたまちづくりや施設の整備等についても、改めて将来に向けた十分な検証に立ち返り、必要に応じて区民との対話等を行いつつ、着実に推進することが必要である」となっています。必要に応じて区民との対話等を行いつつという部分はどのような想定が考えられるのでしょうか。

「新規・拡充事業」では、「エピソードベースではなく、エビデンスベースで事業計画作成を徹底すること。また、これを担う職員が知識、発想力を磨くよう、専門書の購読経費など、日常的に専門知識等を習得するための経費についても一定程度計上するものとする。」とあります。
酒井区長が職員時代から取り組んできたカイゼン運動や、また勉強会など、職員の育成にも力を入れてきたと思いますが、こういった文章が予算編成方針に含まれるという事は、とても大きなことだと思います。これは、人材育成のための経費ととらえてよろしいでしょうか。

新規事業による経費増加分については、関連する既存事業の統合再編、見直し等事業のスクラップにより実施経費を生み出していくことを基本とするとされています。これは、昨年度とほとんど変わらない考え方ですが、各部や各室の中で新規拡充の事業分については経費を生み出してくださいという考えでよろしいでしょうか。

これまでも、それでは中々財源を生み出せていなかった現状があるかと思いますが、ここの部分はなぜ継承したのでしょうか。

「事業の評価・改善」では、「PDCAの経営サイクル」が抜かれ、「十分に効果が得られているかどうかを評価し」と付け加えられました。我が会派の森議員の一般質問でも、「言葉」に関しても整理をしていくべきと質問をさせていただきました。さきほどの行政評価に対するところでもお聞きしましたが、文章の中には位置づけられているものの、「事業の評価・改善」だと「廃止」という選択肢が中々見えないのではないかと思います。制度そのもののあり方についても今後検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

これまで、PDCAサイクルの下、行政評価の結果をもとに施策展開、事業内容の見直し、改善を行ってきていました。予算編成方針過程で、これまでは12月頃に事業の見直しや新規拡充事業が議会へ報告されていました。第2回定例会の答弁で、予算編成過程の公開もできるところから行っていくとご答弁されていますが、スケジュールをおしえてください。

各部の当初要求額が見えた後に、見直しや新規拡充事業が示されるという理解でよろしいでしょうか。

平成3110月には消費税の10%への引き上げ、そして同時に幼児教育の無償化が行われる予定となっています。幼児教育無償化は、引き上げ分の財源を活用するとしていますが、無償化に要する経費の一部を自治体が負担することになった場合は、特別区全体で少なくとも300億円を超える規模になると見込まれています。一方で、法人住民税の一部国税化をはじめとした税制改正などによる大幅な減収の影響により、10%段階での特別区の増収は約76億円にとどまると試算されています。金額的な影響ももちろんですし、それらに向けた事務量の増大や待機児童対策などにも大きな影響を与える事が容易に想像できます。平成31年度予算はこうした状況下での予算編成となり、大変難しい作業になると想定されます。23区区長会で国へ要望書も出しているそうですが、ご担当として、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。

次に妊娠出産子育てトータルケア事業について伺います。中野区は平成2710月から妊娠出産子育てトータルケア事業を開始。全妊婦を対象に保健師さんや助産師さんが面談をし、各家庭のニーズに応じた支援プラン「かんがるープラン」を作成しています。面接を実施した妊婦さんに対しては、育児パッケージを配布しています。この妊娠出産子育てトータルケア事業は、今では全国から多くの視察が来るほど、先進的な取り組みを進めています。

妊娠20週を目安に面談をされていたかと思いますが、現在面談をしている保健師さんや助産師さんは、区が委託をしている事業者の方々です。妊婦さんも様々な情報を一度に提供されてしまうと中々すべてを覚えているのも難しいと思いますが、せっかく区が行っている産前産後のサービスについて、適切に情報提供ができるよう、区としてもサポートをしていくべきと考えます。たとえば一覧で見やすくまとめるなど工夫をする必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。

厚生労働省の研究班が、2016年までの2年間で産後一年までに自殺した妊産婦は全国で少なくとも102人いたと95日に発表しました。うち、3名が妊娠中、99名が産後に自殺をされたという衝撃的な内容でした。産後のケアが非常に重要だという事がこの発表を見てもわかります。現在、区では「こんにちは赤ちゃん訪問事業」を実施していますが、大体産後どれくらいで各家庭を訪問できているのでしょうか。

産後うつを発症しやすいのが、出産施設から退院し少し経過した産後2週間~1カ月の時期とも言われています。(ハイリスク初産で25%が2週間、17%が1カ月)こういったタイミングで訪問をする事で、産後ケアなどにつなげる事が重要だと考えますが、いかがでしょうか。

特に初産では、すべてが初めてのことで、孤立した環境で経験したことのない不安を抱えて子育てしている方も多くいらっしゃると思います。産後うつもそうですが、虐待防止の観点からも産後ケアは非常に重要だと考えます。現在、中野区ではショートステイ、デイケア、ケア支援者派遣サービスと3種類の産後ケアサービスがあります。平成29年度、延べ667人が利用をされています。ショートステイは区内区外あわせ4か所、デイケアはすこやかなどの区の施設も含め7か所、ケア支援者派遣サービスは1社のみとなっています。3つとも公募をされ1年契約ですので、手を挙げてくれる事業者が出て条件を満たすことができれば契約になるのかと思います。利用される方々の選択肢を増やし誰にでも利用しやすい制度にするためにも、ぜひ委託事業者の充実も考えて行っていただきたいと考えますが、いかがですか。

この産後ケア事業ですが、現在東京都の特定財源が26年~31年までの5年間で行われており、来年度までとなっています。昨今の虐待に関するニュースなど、この産後ケアに対する財源を切るなんて事はないと信じていますが、今後の財源確保については、ぜひ動向を注視していただきたいと思います。

今年3月に都議会議員が足立区で行われた性教育の授業について問題視し都議会で取り上げた事を発端とし、第2回定例会でもほとんどの会派が代表質問で性教育について質問するなど、都議会でも動きが出ています。また、多くの専門家は必要性を訴えています。虐待防止を議論する際、0歳児の虐待死が一番多いことからも、予期せぬ妊娠への対策は避けて通れない課題だと感じています。まず、中野区での10代の中絶件数は把握されていますか。(区内医療機関で29年度15件)

妊娠・出産支援事業委託のライフプラン講座では、医師会の協力の下、妊娠出産に関わる講座を開催していますが、区立中学での開催もあるのでしょうか。伺います。

4つの中学校で活用されているという事です。乳児に関わる命の授業を行っている小学校3校や中学校4校もあります。秋田県では、医師と連携して中学3年生を対象に踏み込んだ授業を14年間続けた結果、10代の中絶件数は324件から71件に激減しています。ライフステージに応じて、子どもたちを守るという観点からもとても重要だと感じています。学校教育の中での性教育に関しては、現在東京都が「性教育の手引き」の今年度中の改訂に向けて調整をしているところかと思います。東京都の動向も見ながら、先進的な事例として以前とりあげた文京区が行っているハッピーベイビープロジェクトなど他自治体の取り組みを参考にするほか、こういった事業の活用なども考えていただければと思います。

 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。