民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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2018.06.29

平成30年第2回定例会にて一般質問を行いました!

本日、平成30年第2回定例会本会議にて一般質問を行いました。





 1.施政方針説明について

(1)これからの区政運営について

酒井直人区長におかれましては、610日に行われた区長選挙で36758票を獲得し、初当選を果たされた事、心からお祝い申し上げます。投票率も前回に比べ4.96%あがり、34.45%、得票率は39.5%となりました。まだまだ高い投票率とは言えませんが、過去20年間で一番高い投票率になりました。酒井区長への期待感と区政への関心が高まったことへの表れでもあると感じています。
区長はこれまで22年間、区の職員として中野区政にご尽力されてきました。その中で、区長選挙に立ち上がろうという決意をされるまでには、大きなエネルギーが必要だったことは容易に想像ができます。区政の何を変えるべきと感じ、立ち上がったのか。酒井区長自身が立ち上がらなければいけないと思い至った改善すべきところはどこだとお考えなのか、伺います。しかしながら、選挙戦を通じても、これまでの区政について評価をされている部分についてもご発言がありました。私たち会派も、これまでも議会の場やそれ以外でも、前区政のさまざまな功績については評価をしてきたところです。酒井区長は、財政運営の考え方など、これまでの区政をどこまで踏襲していくのか、伺います。施政方針説明の中で、政策決定過程での「区民参加のあり方」が問われた選挙だったとおっしゃっております。中野区では、自治基本条例を制定しており、その中で区民の区政への参加の権利を保障しています。参加の仕組み自体はありますが、説明会やパブリックコメントで区民から出された意見が反映される事はほとんどなく、これまでも度々形骸化をしていると申し上げてきました。酒井区長が考える「区民参加のあり方」はどうあるべきなのか、お答えください。また、選挙戦を通じては、対話を重視する区政への転換をお話されておりました。人々の暮らしや価値観が多様化する中で、多様な生き方や個性、価値観を受け入れることのできる地域社会を築いていくためには、様々なバックグラウンドの方々との対話は重要になると考えます。多様な区民との対話をどのように行っていくのでしょうか、伺います。
区議会との関係についても伺います。現在区議会議員は41名おりますが、私たち議会も中野区民から選ばれた区民の代表です。議員はそれぞれ直接区民の身近な存在として、その生活の実態に触れ、その多様な声を聴き、それらを会派を通じて議会全体の政策として反映していくことが私たち議会の基本的な仕事です。住民参加のあり方を構築していく際には、議会との関係についてもしっかりと考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。所信表明の中では、基本構想と基本計画についても触れられています。基本構想の制定にあたっては、区民ワークショップや基本構想審議会をはじめ、多くの区民と意見交換を重ねて策定をしていくとおっしゃいました。その方向性については支持をするところですが、区政が変わった事をスピード感をもって区民に示していく事も大切だと考えます。いかがでしょうか伺います。この項の最後に、区長の任期について伺います。今回の選挙戦では、多選に対する批判を繰り返しうったえられていました。ご自身の多選に対する見解とご自身の在任期間についてどのようにお考えか、伺いこの項の質問を終わります。

 
(2)「区民と向き合う区役所への転換」について

 次に区民と向き合う区役所への転換について伺います。酒井区長は、615日の区長就任あいさつの中で、「これからの中野区政を作っていくうえで、最も重要な役割を果たすのが区政の最前線で常に区民と接している職員の皆さんです。臆せず地域に飛び出し、区民と交流する機会を増やしてください。区民の皆さんともフラットな関係、すなわちまちづくりのパートナーとして関係をぜひ築いてください。また、組織の中でも自由闊達に議論する環境を整えていきます。職層を超えて、フラットな場をつくり、私をはじめ、誰もが遠慮することなく議論する組織風土を作っていきましょう」とお話されました。また施政方針説明の中でも職員提案制度の改善や地域に飛び出し活躍する職員の育成などによってボトムアップ型区政への転換を図り、区民と向き合う区役所づくりを推進しますと述べられました。

まず職員提案制度の改善について伺います。この制度は平成14年から始まりましたが、平成22年以降ひとつも提案があがっていない事はこれまでも指摘をしてきました。また、区長のアイデアボックスも制度としてはあるものの、同じく平成22年度以降ひとつも提案がありません。

スタートした初期の頃には毎年数件の提案がありましたが、だんだんと減ってしまった事には、求められていた質が高すぎてしまう為ではないかと推測します。区長が話されたようにフラットな感覚で、出来上がった政策だけでなく小さな改善点も提案できるよう、間口を広げる必要があると考えますが、いかがでしょうか。提案された改善策が適当でなかったとしても、職員が抱えている問題の根底を理解する事も必要と考えます。問題意識を無下にしない区役所文化を作っていく事がよりよい提案につながっていくと考えますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞きします。

現在、採用23年目の職員の研修には、政策立案の研修も含まれています。この中には、新任管理職と一緒に具体的な政策立案について学ぶものもあると聞いています。この研修の成果物は、区長や副区長に報告されていると伺っています。こう言った、研修を通じた政策立案も提案制度の対象としてみるなど検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

酒井区長は、おもてなし運動推進委員として初期のころから区役所内の改善活動に力を注いでこられました。全国でのネットワークづくりにもご尽力され、K-netの立ち上げにも関わられ、事務局長もつとめておられました。カイゼン活動には一層思い入れが強いのではないかと思います。一方で、おもてなし運動への取り組みは、分野で温度差があるようにも感じています。現在のおもてなし運動は、自発的な取り組みであり仕事の範疇外という認識ですが、それでも全ての分野が取り組んでいます。また、職員提案制度やおもてなし運動は、それぞれが独立した取り組みであり、組織的に評価をしていくような仕組みにはなっていません。しかしながら、職員にとって自分の提案で区政が改善されていることは、モチベーションにもつながると考えます。評価をしていく仕組みについても今後検討をしていくべきと考えますがいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。

区長就任あいさつの中では、中野区職員は全国一の政策集団になって欲しいともご発言されました。この10年で大幅に職員が入れ替わる事を考えれば、一人一人の能力を最大限に引き出していく事は組織としてとても重要です。研修や人材交流などあらゆる手段で人材を育成していく事が必要だと考えます。中野区は昨年度から人材育成担当を設け、取り組んで来ました。今年3月には人事構想もまとめられ、今後人材育成ビジョンを改訂する予定です。これまでも、人事交流や職員派遣など人材交流はしてきているところですが、さらに活性化をしていく必要性があると考えます。他自治体との交流や、民間も含めてさらに検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

若手職員の中には、自主研究グループで時間外に活動されている方々もいらっしゃいます。酒井区長をはじめとする中野区職員が2010年に始められた自主勉強会NASNakano After Six)は現在も毎月1回行われています。毎回様々なバックグラウンドの講師をお呼びし、今では中野区職員だけにとどまらず、区民や他自治体の職員なども多く参加をしています。私を含め、区議会の皆さんでも参加をされた事がある方は多くいらっしゃるかと思います。現在は他にも区役所内で勉強会が立ち上がっているとの事です。こういった自主研究グループや勉強会に対しては、人材育成担当で補助制度を設けており、講師の謝礼、会議室の利用、機材の貸し出しなどに対し支援し区としてもバックアップをしている状況です。しかし、あまり利用がないとも伺っています。このように自主的に政策を勉強する職員へのサポートは非常に意義深いと思います。周知につとめていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

研修や勉強会だけではなく、区長が若手の職員と対話をしていく事、今仕事や職場で抱えている課題を直接聞く機会も重要だと考えます。区長自らがフラットな職場づくりをしていく必要があると考えます。庁内での対話集会も考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 区長が掲げる地域に飛び出し活躍する職員の育成には環境整備が必要だと考えます。奈良県生駒市では、地域貢献活動促進のため、職員が報酬付きの副業に従事することを認め、「ワークライフコミュニティバランス宣言」を行っています。地方公務員法第381項で、職員が報酬を得て事業・事務に従事する時は任命権者の許可が必要と規定されており、昨年81日付で「地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事制限の運用について」を施行し、許可基準や手続きなどを明確化しています。

中野区でも「職員の兼業許可等に関する事務取扱規程」に基準を定め、本来の職務に支障が出ない範囲に限るなどのルールの下、兼業を認めています。報酬を得ずに公益的な活動をしている職員もたくさんいるものの、消防団活動など、中には報酬を受け取れない事が地域活動への参加を妨げる一因となることもあるため、この規程により許可をする事は、地域で活躍する職員の育成につながると考えます。区では、これまでに利用実績もあると聞いていますが、中々多くない事も事実です。地域で活躍する職員の育成に寄与するため、周知等につとめるべきと考えますが、いかがでしょうか。

次にモバイルワークについて伺います。モバイルワークもまた、地域に職員が飛び出していける環境整備に寄与すると考えます。中野区でも、職員が出張先などから庁内の情報システムにアクセスできるようなモバイルワーク環境の整備について、新庁舎への移転予定の平成35年頃を目指し導入を検討されています。今回の施政方針説明の中でも、地域に飛び出す職員について触れられており、環境整備さえ進める事ができれば、新庁舎移転を待たずとも導入ができると考えますが、いかがでしょうか伺います。モバイルワークを含むテレワークを実現するためには、業務の見直し、システムの検討、制度・社内ルールの作成があげられます。4月に豊島区のモバイルワーク導入当時の高橋邦夫元情報管理課長からお話を伺いました。モバイルワークを推進するため、豊島区では電子決済率を100%にし、また、すべての管理職にタブレットと携帯電話を配布し、出先でも決裁できる環境を作り出しました。中野区の電子決済率は平成29年度実績で77%※ですが、今後の庁内情報システムの構築により電子決済率もあがり、また、その後に仕組みの構築を進める事ができれば、庁内移転よりも早く導入をすることができると考えます。昨年から議会対応で全理事者がタブレットをお持ちです。こうした資源も有効活用ができるようになると考えます。ご見解をお聞かせください。

次にRPAについて伺います。人口減少社会の一方で、行政需要は多様化しており、業務の効率化は避けて通れない課題だと考えます。RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人がシステム上で、いわばパソコンで行ってきたマウスやキーボードの操作を、ソフトウェア型のロボットに任せ、作業を自動化する手法のことです。世界的に導入が進んでおり、日本でも一昨年の2016年がRPA元年と呼ばれて以降、昨年、今年と急速に普及しつつあります。

RPAはデジタルレイバーとも呼ばれ、教えられた定型業務であれば、24時間365日迅速に正確に働いてくれるというのが最大のメリットです。導入にあたっては、既存のシステムを改修する必要がなく、従来の業務プロセスのまま、人が担っていた部分をソフトウェアに置き換えることが可能です。また、動作の設定や運用にプログラミング等の専門知識が必要なく、商品によってはマウス操作だけでシナリオが作成できるようになっています。さらに、導入コストも数十万円からと、従来のシステム開発を考えると極めて安価であり、費用対効果が非常に高いと言えます。

行政でのRPA導入事例は、まだ多くないのが現状ですが、最も先行している自治体の一つが茨城県つくば市です。同市は、本年1月から4月にかけて、RPAの活用について民間事業者との共同研究を行い、年度内の本格導入を目指しています。市民税課の新規事業者登録業務や電子申告に関する業務、通知書等の印刷業務などの5業務にRPAを導入した結果、作業時間が79.2%、年間換算で336時間の削減が見込まれるという結果となりました。また、市民窓口課の異動届受理通知業務においては、削減率が83.3%、年間換算にすると71時間が削減できるという結果が出ています。市民税課の業務全体の5%RPAが適用できた場合、年間で1400時間以上の作業時間が削減できると見込まれており、今後は他の部署にも順次導入される予定となっています。この他にも先進的に導入された自治体では、業務の効率化について大きな成果をあげています。RPA導入は、単に人を機械に置き換えて人員を削減するということではなく、ロボットが対応可能なものはロボットに任せて、そのぶん人でなければ出来ない、区民の心に寄り添った相談業務であるとか、創造的な仕事に限られた人材を投入し、行政サービスの向上を図ることができるということです。中野区でも早急にRPAの導入を検討していくべきと考えます。試行的に一部の分野からスタートし成果を見て出来るだけ多くの分野に広げていくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

(3)中野駅新北口駅前再開発について

 次に、中野駅新北口駅前再開発について伺います。今回の区長選挙を通じ、中野駅前とりわけサンプラザをどうしていくかは大きな争点として、公開討論会での議論や新聞などの報道でも取り上げられてきました。中野サンプラザに愛着を持っている多くの区民やアーティストからも様々な媒体で発信がありました。酒井区長は、ご自身の公約には、「新サンプラザを新たな中野のランドマークへ」というタイトルで、有識者を交えた、一万人アリーナ計画検証委員会を立ち上げます。スポーツ用途ではなく、私は、現在と同様に文化発信の拠点として区役所・サンプラザ地区を活かしたいと考えています。と記載しています。就任直後の区長記者会見では、中野サンプラザを残すのか残さないのかという点についても、検証をしていきたいとご発言されていました。一部の方々にとって中野サンプラザは中野のアイデンティティになっており、結果的に残すことができないにしても、コスト面などその理由等、区民に公開をした上で議論を進める必要があると考えます。
まず、区長が公約に掲げた検証委員会については、どのような会議体になるのかお示しください。また、どのようなプロセスで中野サンプラザのあり方について検証していくのか、お考えをお示しください。検証委員会開催のスケジュールについても併せてお聞かせください。

中野駅新北口駅前エリア再整備については、都市計画変更の手続きとして、原案が7月に示される予定でしたが、その原案には中野サンプラザ跡地に道路を通す方向性が位置づけられています。中野サンプラザ継続の是非が含まれる以上、一旦見合わせるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。一方で、この都市計画変更の原案には、中野駅西口の整備に関わる部分も含まれています。今回出されない場合は、西口改札の着工にも影響が出てくるものと思われますが、それに関してはどのようにお考えか、お聞かせください。今回、中野サンプラザのあり方が大きな争点となったわけで、再整備をどうしていくかについては、広く区民に公開した上で議論をしていくべきと考えます。その上で、出来る限り西口の整備に関しては、完成スケジュールに遅れが出ないよう努力していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

いずれにしても、中野サンプラザと区役所エリアに関しては、これまでは新区役所の建設費用に充てるとしておりました。基金を使う事も区役所・サンプラザ跡地の活用も、区民の財産を使う事に変わりはないですが、中野サンプラザを残す検証結果になった場合には、これまでの考え方ではない方法で新区役所建設費用221億円の捻出をする必要が出てきます。こうした課題の洗い出しを早急に進めた上で、検証委員会での議論がされるべきと考えますが、いかがでしょうか。 

(4)公園再整備について

次に公園再整備について伺います。今回の選挙戦では公園再整備についても大きく議論されました。まず、平和の森公園再整備について伺います。酒井区長は、ご自身の公約に「平和の森公園の草地広場は残します。第二期工事で予定されている300メートルトラックは、不要です。草地広場を残します。」と記載をしています。所信表明の中でも、第2工区の工事内容について、もう一度区民の皆さんの意見をしっかりとお聞きした上で、300メートルトラック、バーベキューサイトなどの必要性についても判断いたします、と触れられました。区民の意見をどのように聞いていく予定なのか、伺います。その上で、第2期工事について、どのようなスケジュール感で判断をしていくおつもりなのか、お示しください。平和の森公園再整備については、1期工事と2期工事、一括契約をしています。2期工事の内容に変更が出る場合は、違約金などが発生する可能性もあります。選挙を通じて広場が自由利用できることを求める区民の声は多く、一定程度は必要な経費と考えてはいますが、区長はその点についてどのようにお考えか伺います。

次に哲学堂公園再整備について伺います。中野区はこれまで、哲学堂公園および水の塔公園を核とした都市観光拠点の推進について、井上円了氏の没後100年にあたる2019年に国の名勝指定を目指し再整備の設計を進めてきました。この事業に対し、今年度11億7,400万円という多額の予算が計上されています。314日の建設委員会には、「哲学堂公園再整備基本設計および学習展示施設基本設計について」が報告されました。元々の素案の段階からは設計変更されたものの、児童遊園の位置に学習展示施設を建設し、現在の1600㎡から1200㎡になってしまうものとなっており、これまで哲学堂公園の児童遊園を使われていた方々には少なからず影響が出てくると考えます。

これまで中野区は哲学堂公園一帯の観光拠点化を進めてきていますが、そもそもこのエリアが本当に観光拠点となると考えるのでしょうか、区長のお考えをお示しください。我が会派も、文化財の保全に関しては理解を示してきました。一方で、観光拠点としての可能性がどれくらいあるのか、以前に雑誌で哲学堂公園のPR事業を実施していながら、その効果も把握しておらず、観光拠点となりうるのか区が調査しているようにも見えません。地域に愛される特色ある公園づくりには反対をしませんが、国の名勝指定を受けるために、区民の皆さんの使い勝手が悪くなるのであれば、それは見直していく事も必要だと考えます。もし哲学堂公園にある特色ある文化財の空間をより深く理解してもらうために、学習展示施設が必要なのであれば、今ある管理棟の場所に建てるなど、配置についても再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。名勝指定に関しても、区長自身が文化庁などの関係機関と交渉をするなど、出来うることをやっていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。
公園としての価値をあげる事も重要ですが、区民の財産である公園が区民に愛されなければ元も子もないと考えます。地域の理解を得ながら、哲学堂公園再整備を進めていくべきと考えますが、ご見解をお聞きしこの項の質問を終わります。その他はございません。以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。