平成30年度予算案に反対の討論を行いました
3月12日に行われた本会議において、反対討論を行いました。
予算案は、自民党、公明党、都民ファーストの会、石坂議員の賛成多数で可決されました。共産党、立憲民主、むとう議員、近藤議員、小宮山議員、細野議員は反対されました。
「第6号議案 平成30年度中野区一般会計予算について立憲民主議員団の立場から反対討論を行います。
人口の増加などにより特別区税は増えている一方で、地方消費税交付金の清算基準の見直しによる減収や、ふるさと納税などは今後も影響が続きます。
10か年計画では義務教育施設整備基金に毎年10億円の積み立てを行う計画を、今回の予算編成では基準となる一般財源規模を超過した分の歳入など総額56億円を義務教育基金に積むという判断をされました。施設改修は学校施設だけにとどまらず、また今後少子高齢化に伴い増大する社会保障費への備えも必要です。計画そのものの信頼性を損ねるような場当たり的な対応は避けるべきです。
個別の事業では、就学援助入学準備金の前倒し支給、保育士確保策、国保特定健診の受診率向上施策、児童相談所の設置準備、介護従事者の定着支援事業、総合的な住まい対策推進体制の整備などについては評価をしますが、平成30年度予算案には、将来にわたり大きな懸念となる可能性のある中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の1万人規模のアリーナ計画も含まれております。仮にアリーナの所有に中野区がかかわるということになると長期にわたって不安定要因を抱え込むことになります。「所有」と「運営」のあり方をどうするのか、施設の経年劣化による潜在的なリスクを誰が担うのか、資金をどうするのか、そうした根本的な問題に対する見通しが立たないまま、アリーナ建設ありきで事業が進んでいくことは拙速と言わざるを得ません。何より、このアリーナ計画そのものが区民にとってどのようなメリットがあるのか、住民の福祉の増進に資するものなのか、いまだ区の説明では理解出来ません。
PDCAサイクルは本当に機能しているのでしょうか。中部地域スポーツクラブ、産業振興拠点、地球温暖化対策推進オフィス、そして旧桃丘小学校跡施設は、同じ問題の構図を抱えています。いずれも区が当初想定していたスキームをもとに民間事業者を公募したものの、当初描いていた絵とは大きく異なるものとなってしまいました。同じ失敗を幾度と繰り返している中、区が取り組もうとしているグローバル戦略推進も同じ過ちを繰り返す懸念があります。平成27年のグローバル事業開始時には予算は1350万円弱でしたが、来年度の関連予算は1億円を超えることとなりました。法人の活動財源の構成も当初の予定から変わってきています。シティマネジメント推進法人の設立も予定より1年半遅れており、当初区が進めようとしていた方向性からも変わっています。民間活力を活用すると言いながら、区が人もお金もかけなければ継続できない事業になってしまうのではないか疑念をぬぐえません。本来、区が限られた人材や予算をかけて進めるべきグローバル対策とは、外国人住民の増加に伴う多文化共生のための施策や、未来を創る子どもたちへのグローバル教育や外国語教育です。
また、哲学堂公園及びみずのとう公園を核とした都市観光拠点の推進については、11億7400万円という多額の予算が計上されています。文化財の保全に関しては理解するところではありますが、観光拠点としての可能性がどれくらいあるのか、雑誌でのPR事業の効果も把握しておらず、区が調査しているようにも見えません。これだけの予算をかける価値があると判断をする根拠が見えません。
区長は、施政方針説明で子育て第一へ転換していくとおっしゃいました。一方で、我が会派がこれまで求めてきた、就学援助支援基準の見直しや子どもの貧困の実態調査、SNSを活用したいじめ相談、区立幼稚園の存続、区立保育園の民営化方針の変更、児童館の全館廃止の方針変更など予算への反映が見られませんでした。これでは、「地域社会や行政のあり方を子育て第一に変える根本的な発想の転換」とは言えません。
区民の不安や懸念に寄り添う姿勢、そして対話による信頼関係の構築は非常に重要です。中野区では、自治基本条例の下、意見交換会やパブリックコメント手続きは進められているものの、中身については形骸化しており区民とのコミュニケーションが取れているようには感じません。区側の姿勢により、違う運動体にまで発展をしてしまうケースも増えています。対話によるまちづくりを進めていかなければ、自治体運営は立ち行かなくなります。
平成23年に発した財政非常事態宣言については、いまだ解除宣言をされていません。
改めて、非常事態宣言の解除が必要です。それができないというのであれば、非常事態宣言は区長と区民の間の相互不信の象徴として残ってしまうものと考えます。
権力が長期集中化することにより腐敗が生じます。独善的な傾向が生まれ、職員の士気の低下や政策の偏りやゆがみなど、区役所内やまちが閉塞感に包まれているように思います。当初2期8年を公約にしていた区長は、この2期8年の公約をまず破られ、3期目の立候補をし、そして自らが作った多選自粛条例を改正し4期目に出馬され、さらに5期目に出馬される意向を表明されました。このような姿勢は、ご自身が考えていた多選による弊害の象徴であると考えます。
これら区長の政治姿勢に対しても賛同することができず、以上のことから本議案に反対の討論といたします。」
総括質疑を行いました③(受動喫煙防止について)
3.受動喫煙防止対策について
東京都が第一回定例会に提出予定だった受動喫煙防止条例の提出を先送りしました。厚生労働省は、1月に「望まない受動喫煙」対策の基本的な考え方を発表しました。この中では、2020年オリンピックパラリンピックに向けて段階的に対応をしていくとありました。2月19日、2020年4月1日までに望まない受動喫煙対策を全面実施する方針を決定したとの報道がありました。これまでの案と比べ、規制対象となる施設区分を3区分から2区分とすることなど、根幹となる部分が大きく変更されており、詳細な内容は法案に盛り込むこととされています。このため、法律との整合性をはかるために、東京都は条例提出をいったん保留したとしています。厚生労働省の考え方は大きく後退しており、非常に遺憾ですが、今後の議論を見守らなければいけないと思います。一方で、法施行までに2年しかない中で、中身は不明なところが多いものの、準備を進めていかなければ間に合わなくなってしまうという懸念もあります。
今回、法整備の骨格となるところで、1つめの区分である医療施設、小中高、大学等や行政機関は敷地内禁煙とするとなっています。ただし、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することは可能としています。行政機関がここに含まれるという事は、区役所を含め、すべての区有施設で同じ対応をしていかなければいけない方向性なのでしょうか。国から何か通達は来ている状態でしょうか。
現在、多くの区有施設で喫煙所が入口付近に設置をされています。法律の趣旨は、屋内での受動喫煙を防止する観点が強いですが、屋外でも喫煙所の設置においては充分配慮をしなければいけないと感じています。例えば、現在の中野体育館の出入り口に喫煙所があります。区民活動センターの喫煙所も入口付近にあります。これらのように多くの方が必ず通る導線上に喫煙所を設置することは、受動喫煙防止の観点から逆行していると考えますが、いかがでしょうか。
こういった喫煙所の設置場所を変更するなどの対策がとられるべきと考えますが、いかがですか。
中野駅周辺に設置されている喫煙所でも、多くの方が行き来する導線上の喫煙所があります。特に、中野サンプラザ前の交差点に設置されている喫煙所は、しっかりとした囲いもなく、イベント後などには囲い代わりのプランターよりも外にあふれた喫煙者がいらっしゃる事もあります。その際に、信号待ちの方々はどうしてもその真横で受動喫煙をしながら滞留してしまう状況になっています。受動喫煙から逃れられないような状況であり、改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
中野駅周辺は大規模な集客施設や数多くの店舗が集中しているため、比較的多くの通行量があることから、路上における喫煙は区民等の身体及び財産の安全に危害が及ぶ危険性が高いという理由から、現在中野駅周辺地区は路上喫煙禁止地区に指定をされています。一方で、この地区がどこなのか、あまり知られていないのも現状です。なかのZEROホールに向かう道には「路上喫煙禁止地区」という表示が道路上にペイントされていますが、ほとんどはげていて見えない状態です。これらのメンテナンスはどうなっているのでしょうか。一回総点検すべきではないでしょうか。
「中野区吸い殻、空き缶等の散乱防止に関する条例」が路上喫煙禁止地区を定めていますが、この条例には受動喫煙の観点が含まれていません。おそらく、だからこそ路上喫煙禁止地区を広げる事も進まないのではないかと考えます。受動喫煙防止という観点になると、「健康推進担当」になり、路上喫煙禁止の観点になると「地域美化担当」になる。同じタバコを扱っているのにも関わらず、部も違います。施設になるとそれぞれの施設の担当になります。これで本当に連携がとれるのでしょうか。責任をもって対応をする担当をおくべきではないでしょうか。
毎年5月31日は世界禁煙デーですが、中野区では、「未成年の喫煙を防止しましょう」という横断幕を出していますが、世界禁煙デーは未成年に限った話をしているわけではない中、なぜわざわざ「未成年」と限った形をとっているのでしょうか。
2月18日に、小池百合子東京都知事は、4月1日から都庁と出先機関の事業所を全面禁煙にすると表明されました。中野区内にある該当施設はいくつありますか。どれだけの影響があるのか教えてください。
厚生労働省の研究チームが、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群など、日本での受動喫煙が原因による死亡者数は年間約1万5千人と推計されると発表しています。たばこ税の税収がある事も承知をしていますが、たばこによる医療費や社会的損失はそれを上回るとの試算もあります。健康都市中野を目指すのであれば、区民の命を守るという観点をしっかりと持たなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
豊島区では、第一回定例会にすべての公園を禁煙にする改正条例を提出します。これは、子育て世帯に配慮したまちづくりの一環だそうです。現行では灰皿がある公園では喫煙できますが、今年10月以降は全面禁煙となり、池袋公園や池袋西口公園では壁で仕切られた喫煙ブースも撤去するそうです。地域社会や行政のあり方を子育て第一の形に変えていく根本的な発想の転換が必要だと思います、と所信表明で強く語られていました。しかしながら、受動喫煙対策をとっても、子ども第一の形にしていくようには感じられません。以前も子どもの利用が多い公園は禁煙にすべきだとの質問をしましたが、前向きなご答弁はいただけませんでした。受動喫煙の影響が大きい子どもたちに配慮したルールづくりは急務ではないでしょうか、伺います。
調布市では、受動喫煙対策を行っている市内飲食店に「禁煙ステッカー」の無料配布を始められました。対象は、屋内禁煙か駐車場なども含めた敷地内禁煙を実施しているレストランなどの飲食店で、屋内喫煙室による分煙は認めていないそうです。日本語、英語、中国語、韓国語で「禁煙」と表記されるそうです。登録店は市のホームページにも掲載されるそうです。豊島区も同様ですが、このようにそれぞれの自治体で先行的に受動喫煙防止の施策を進める動きがスタートしています。オリンピックパラリンピックに向け、受動喫煙対策は世界的に約束をしている中、国の対策が不十分なのであれば、東京都内の自治体として考えていくべきではないでしょうか。国や都の動向を見守るだけでなく、中野区も独自で取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。
国の健康増進法が施行された際、行政指導を行うのは保健所となると聞いています。これからスタートする民泊の行政指導も含め、今後保健所の負担が大きくなっていきます。人員配置など含め考えていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
総括質疑を行いました②(公衆衛生施策について)
2.公衆衛生施策について
(1)感染症対策について
2020年オリンピックパラリンピックが2年後に迫り、観光客など多くの外国人が日本に出入りをしています。外国人の来街者はこの先も増えていく事が予想されます。インバウンドが期待をされますが、一方でテロや感染症に関しては充分に対策を講じる必要があります。現在、予防接種には定期接種と任意接種があります。ワクチン接種は、自分を守るためにも地域社会を守るためにも、非常に重要です。予防接種の接種率は高いほどその感染症を制圧できていると言われています。
接種率が95%に満ちていない定期接種は平成28年度決算の実績ですと、B型肝炎49.7%、MR2期92.7%、水痘93.9%になります。HPVワクチンも定期接種ですが、これに関しては次の項で触れます。接種率は目標値を定めて目指していく必要があると考えますがいかがですか。
今年度から予防接種履歴管理システムが導入されています。これにより、今までより受診勧奨に取り組みやすくなります。転出入が多い中で、他自治体との連携も今後の視野に入っているかとは思いますが、現段階ではどこまで管理ができているのでしょうか。
受診率が目標に達していない予防接種については、この管理システムを利用し積極的に受診勧奨を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
乳幼児の予防接種は、お子さんが一度風邪を引いてしまったりすると、すでに隙間のない予防接種スケジュールがずれてしまい、タイミングを逃してしまったりすることもあると聞いています。もちろん、かかりつけ医の推進などで、そこはカバーできている部分も大きいとは思いますが、今後の受診勧奨のあり方なども含めて考えていくべきと考えますがいかがでしょうか。
定期接種は、接種率が目標に達していない予防接種でも、ある程度の接種率があり、平時であれば社会的には制圧できていると言える状況にあると考えます。一方で、多くの外国からの来街者により、日本で制圧できていても入ってきてしまう感染症もあります。一昨年は麻疹が流行しましたが、これもそのパターンでした。こういったケースが発生すると、定期接種がスタートした後の年代は予防接種を受けているので安全ですが、抗体がない世代もあり、その年代への対策が必要になってきます。国立感染症研究所では、どの年代に各感染症の抗体がないか等の調査「感染症流行予測調査」を実施しています。感染症対策に非常に有効なデータが蓄積されていますが、この調査を区の感染症予防の施策を推進する際に活用すべきではないでしょうか。
数年前には、デング熱が流行って騒動になった事もありました。今後、グローバル化が進む中で、日本には媒介していなかった感染症が入ってくることもあります。結核なども定期的に流行が発生しています。ワクチンで完全に防げる感染症を予防できない国で、ワクチンすらない感染症を本当に水際で防げるのか。それが一番懸念すべき点だと思います。公衆衛生という観点からも、しっかりと予防医療を推進していっていただくようお願いをします。
今年はインフルエンザが大流行しました。これは季節的なものですが、高齢者や小さいお子さんが罹患すると死に至るケースもあります。インフルエンザワクチンは、重症化を防ぐことが目的とされています。中野区では今年度から、小児インフルエンザ任意予防接種事業が始まりました。生後6か月~就学前までの子どもに1回につき1000円、2回まで助成をしています。また、平成13年からインフルエンザは定期接種として65歳以上の方と60歳から64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫機能のいずれかに障害があって身体障害者手帳1級相当の方に対し、助成をしており、自己負担額2500円で受けられます。小児インフルエンザに関しては、今年度からの事業ですが、2つのインフルエンザ事業の現時点での接種率はどうなっているでしょうか。
日本では、1962年から学校での集団接種を開始しており、1976年には義務化され、小学生から中学生まで広範囲に集団予防接種を行っていました。効果がないという学説やメディアの影響で綿密な検証もないまま、1994年に予防接種法が改正され、集団予防接種は中止されました。日本では、集団予防接種が中止になってからは、超過死亡者数が増加傾向にあります。今、アメリカなど先進国では、この日本で行われていた集団予防接種は高く評価されており、それらの国では日本の集団予防接種を公衆衛生の成功事例として若年層への集団予防接種を推奨しています。陰謀論やニセ化学に惑わされる事なく、公衆衛生の観点から、接種率をあげるなどの努力をしていってください。
(2)子宮頸がん対策について
周知のように日本では、子宮頸がんワクチンは、2013年4月に定期予防接種化されました。しかしながら、わずか2カ月後の6月に、ワクチンを打った子を持つ保護者たちから、神経の異常を思わせる症状が始まったという訴えを受け、国は子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を一時差し控えする事を決定しました。それから5年近くが経過しています。2017年11月30日、医師でジャーナリストの村中璃子さんが、科学誌「ネイチャー」などが主催するジョンマドックス賞を日本人で初めて受賞されました。その講評は、「子宮頸がんワクチンをめぐるパブリックな議論の中に、一般人でも理解可能な形でサイエンスを持ち込み、この問題が日本人女性の健康だけでなく、世界の公衆衛生にとって深刻な問題であることを明るみにしたことを評価する」とされました。村中璃子さんは、これは日本という国への警告でもある、と語られています。5年間もどっちつかずの状況にしてきた厚労省には、大きな失望を持ちますが、積極的勧奨が再開されていない以上、自治体で出来ることは限られていると思います。積極的勧奨が行われれば、個別通知が各ご家庭に郵送されますが、今は情報を各ご家庭で得て、判断をしている状況です。区は、区民が正しく情報を知ることができ、理解した上でワクチンを打つか打たないかの判断ができるように環境を整備していく事は重要だと考えています。
まず、昨年度の子宮頸がんワクチンの接種率をおしえてください。
この接種率は、受けるか受けないかの判断すらしていない、できていない数字に見えます。今回、厚生労働省が情報を更新しパンフレットを作成しました。中野区ホームページにはこのリンクは貼られています。このパンフレットに関しては、中野区ではHPにリンクを貼る以外なにか活用しているのでしょうか。
前回、ワクチンのメリットとデメリットを情報提供すべきという質問をし、区のホームページに載せていただきました。以前より情報量が増えたことは非常によかったのですが、「積極的勧奨の中止について」がトップに来ており、情報が公平に扱われているように見えません。品川区のホームページでは、シンプルに、積極的勧奨を差し控えていますという文章の下に、※なお、中止ではありませんので、接種を希望される方は定期予防接種(無料)として受けることができます。と記載されています。わかりやすい表記についても工夫をしていくべきだと考えますが、いかがですか。
また、子宮頸がんワクチンの効果については記載がありますが、子宮頸がんそのものについての説明が不十分に感じます。子宮頸がんはもちろんお亡くなりになる方もいらっしゃるのが現状ですが、年間10000人が罹患し、その多くが子宮を摘出している事実があります。記載内容をもう少し充実させるべきと考えますが、いかがですか。
副反応事例とみられた症状で苦しんでいる方々は中野区ではいらっしゃいますか?いまだに回復されていない方はいらっしゃるのでしょうか。伺います。
副反応疑いの事例に関して、HPVワクチンが原因と科学的な根拠がないと報道されましたが、その子たちが苦しんでいる事には変わりはありません。先日わたしも参加をさせていただいた日本産婦人科学会主催の公開講座では、子宮頸がんワクチンの有効性が立証されたという報告もありました。そのこととは別に支援をしていくべきだと思います。区のHPを見ると、2010(平成22)年11月26日から2013(平成25)年3月31日に、HPVワクチンの接種を受けた方は公益財団法人予防接種リサーチセンターから医療費・医療手当の支援が受けられる可能性がありますと記載があります。それ以降に接種をされた方への救済措置はどうなっているのでしょうか、伺います。
今回の村中璃子さんのジョンマドックス賞受賞や、日本産婦人科学会の研究発表など、これまで動きが見えなかった厚労省が積極的勧奨を再開する可能性は少し高まってきたと考えます。国が積極的勧奨をストップしていた過去の事例では、日本脳炎がありますが、再開された際はどのような措置がとられたのでしょうか。
もし積極的勧奨が再開された際、積極的勧奨されていなかった間の接種していない対象者にも広げる可能性が高いと考えます。子宮頸がんワクチン接種に関しては、HPV感染がない事が前提なので、性交経験があるかないかで対応が少し変わってくる可能性はありますが、対象人数を把握しておくことは重要だと考えます。受けていない対象者の人数(今後、国が積極的勧奨を再開した際に、対象となりうる人数)は何人にのぼるでしょうか、伺います。
国の動向を見ながら、しっかりと対応をしていただきたいと思います。
今年度の子宮頸がん検診の未受診者対応に関しては、対象者が罹患者数の多い年代になっておらず、効果的な対策になっていないと感じていました。来年度の受診勧奨には予算が乳がん検診の受診勧奨と併せて936万9000円となっていますが、どのようになっているでしょうか。
子宮頸がんはマザーキラーとも呼ばれ、罹患率も死亡率も小さい子どもを持つ世代が非常に高いがんです。罹患率が高い年代にしっかりと検診を受けていただくという事が非常に重要だと考えていますので、今後ともその観点は忘れずに対応をしていただくようお願いをしこの項の質問を終わります。
予算特別委員会で総括質疑を行いました①(児童虐待防止について)
1.児童虐待防止について児童虐待の件数は全国的に年々増加傾向にあり、中野区では昨年度実績、通告件数で464件、虐待対応件数で123件ありました。子どもたちの健やかな育ちと学びのためには、虐待対応も早期発見による早期解決が求められます。虐待死の90%以上は0歳児と言われており、妊娠期からのサポートも重要です。中野区では、妊娠・出産・子育てトータルケア事業での妊婦面談を平成27年10月にスタートさせました。まず、平成28年度実績で、妊婦面談(カンガルー面談)の対象者数、面談実施数を教えてください。
妊婦面談の未受診者対策は何か行っているのでしょうか?
中野区では、妊娠出産子育てトータルケア事業など、他区に比べると妊娠期から出産期はほぼ網羅していますが、その後も切れ目のない支援が重要だと考えます。
中野区の虐待を受けている子どもから見た虐待者は母親が101人で71.1%、父親が37人で26.1%、合わせて97.2%となっています。虐待する親の傾向としては、体罰の肯定感、子育てに対する自信喪失、子育てに対する疲労・疲弊感、子育てに対する完璧志向性などがあげられるとのことです。子どもを虐待してしまう親でも、ほとんどの方が子どもに愛情を持って子育てをしています。山梨県立大学西澤哲教授は、「これらは、子育て中に誰でも一度は感じる思いであり、大切なのは育児不安・育児困難を抱えた時に周りがサポートできるかどうか。本人が弱いのではなく、支える周りの力が弱いのです」とおっしゃっています。貧困や発達の課題、孤立する育児など、困難が重なる事により、虐待を引き起こしてしまうケースが多い状況です。首都大学東京子ども若者貧困研究センターの阿部彩教授は、東京都の子どもの生活実態調査から、生活困難層の親は次の世代に暴力をふるうという事や、20歳までに親から暴力を受けた保護者は生活困難層に多い事。自分の親から暴力をふるわれた保護者は、自分の子どもに暴力をふるう割合が高い事。また、親から暴力を受けていない層も生活困難度が高いほど暴力をふるう事が判明したと発表しています。このような調査結果からも、暴力・虐待の連鎖はしやすく、連鎖をストップさせるには、親への支援が不可欠だと考えます。現在の親支援はどうなっているでしょうか?
就学前の子どもたちと比べると、学齢期の子どもたちは、網羅できているのでしょうか。スクールソーシャルワーカーが各家庭の状況を把握できるポジションにいらっしゃると考えます。そういった予兆のあるご家庭へのアプローチについては、スクールソーシャルワーカーの活用が有効であると考えます。まず、現在の活動の状況を教えてください。
今年度SSWを1人から3人に増やしています。その効果も見ながらではありますが、きめ細やかな対応のため、SSWの数を増やしていく事も含めて、虐待を早期に発見し早期支援につなげていく対策を考えていくべきだと思います。いかがでしょうか。
次に児童相談所の移管への準備状況について伺います。中野区は平成34年児童相談所開設に向け準備を進めています。今年度は心理職を4名配置していますが、来年度の専門職の配置はどうなるのでしょうか、伺います。
児童相談所の職員配置について、中野区は法定の人数は揃えていく予定ですが、きめ細やかな対応をしていくためには増員ということも考えるべきなのではないかと考えます。いかがですか。
家庭に戻る事ができない虐待被害にあってしまった子どもたちは、児童相談所の一時保護所、乳児院、児童養護施設と社会的養護につながっています。厚生労働省は昨年7月、親元で暮らせない子どものうち、未就学児の施設入所を原則停止する方針を示しました。また、施設以外の受け入れ先を増やすため、里親への委託率を現在の2割未満から7年以内に75%以上とするなどの目標を掲げました。2月26日に元宝塚女優の瀬奈じゅんさんが0歳児と特別養子縁組を行い、母親になったことを公表されました。特別養子縁組を含め、里親制度は子どもたちの健やかな育ちのためには、区としても推進をしていかなければいけないと考えます。来年度予算に新規でショートステイ協力家庭事業委託等 425000円が計上されていますが、この事業内容を教えてください。
里親の委託率は全国平均で18.3%ですが、自治体によって大きな差があります。さいたま市が平成18年度末6.3%から平成28年度末33.9%、静岡市が平成18年度末18.5%から平成28年度末45.5%、福岡市が平成18年度末12.6%から平成28年度末39.7%に増加させるなど、大幅に伸ばした自治体もあります。これらの自治体では、児童相談所への専任の里親担当職員の設置、里親支援機関の充実、体験発表会、市町村と連携した広報、NPOや市民活動を通じた口コミなど、さまざまな取組が行われています。ぜひ、先進的な取り組みも参考にしながら、進めていっていただければと思います。
資料の厚生30「人工妊娠中絶年齢別実施件数、妊娠届出数(前年までの5年間)」を出していただいています。妊娠届の数は平成28年度実績で3329件に対し、中絶件数は329件、10%近くになります。この数を見ても、若年層からの「予期せぬ妊娠」への対策は進めていかなければいけません。現在、中野区内では、「いのちの授業」として乳幼児ふれあい体験を4校の中学校で行われています。非常に有効な取り組みだと考えますが、体験をした子どもたちの感想などわかれば教えてください。
乳幼児ふれあい体験は、地域の団体などとの連携とご努力で実施されているとの事です。非常に良い取り組みだと思いますし、大きな効果があったと伺っています。ご協力いただける乳幼児親子や団体が限られていることや、ご負担もあると思いますので、中々対象校を増やすのは難しいとは思いますが、なるべく多くの子どもたちに体験してもらえるよう、区としてバックアップするなど、工夫をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
最近では、身体的虐待やネグレクトに比べ、心理的虐待の件数が伸びています。これは、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案(面前DV)について、警察からの通告が増加しているとのことです。自他尊重の教育としてデートDV教育を行っている自治体もあります。中野区での実施状況はどうなっているでしょうか。
例えば、いのちの授業と関連をさせるなど、よりよいパートナーシップ関係を築いていけるようデートDVについて認識を高める取り組みを推進していくべきと考えますが、いかがでしょう。
体罰について伺います。厚生働省は、昨年5月に体罰や暴言の悪影響などを説いたパンフレットを作成して、「愛の鞭(むち)ゼロ作戦」というキャンペーンを展開し、地方自治体などと共有をしました。中野区では、このパンフレットの活用は何かされているのでしょうか?
学校教育法では、体罰の罰則規定が含まれており、小中学校や幼稚園はここでカバーされています。一方で、児童福祉法では保育士の体罰に関しては、明確な罰則規定がありません。保育所保育指針の中で、人権尊重の観点から暴力的な言葉を使用しない、体罰を行わないなどの記載はあります。もちろん、今なにかが起きているわけでもないですし、体罰をしないことは当たり前の認識として保育士さんたちも持ってらっしゃいます。一方で、保育施設を急ピッチで増やしていく中で、質の担保というところでは、考えていかなければいけないのではないかと考えます。いかがでしょうか。
今回触れたところ以外にも、子どもの貧困対策、母子支援、発達児童支援など、複合的に絡みあっている問題です。子育て第一へとの転換となるよう、今後もきめ細やかな対応をお願いし、次の質問に移ります。
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