民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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名義:中村延子後援会
2015.09.29

第3回定例会・決算特別委員会にて総括質疑を行いました。

9月24日(木)決算特別委員会にて総括質疑を行いました。
取り急ぎ、質問の原稿をペーストします。



1.行政評価について
2.国際交流について
(1)友好都市・姉妹都市交流について
(2)多文化共生について
3.平和を継承する取り組みについて
4.動物愛護について
5.その他

 

平成27年第3回定例会決算特別委員会において民主党議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告の通りです。その他はございません。

1.行政評価について

まず、行政評価についてうかがいます。
平成26年度中野区一般会計の歳入歳出決算額は、前年度と比較すると歳入で7.8%の増、歳出で6.2%の増となりました。歳出決算総額を性質別にみると、義務的経費は前年度と比較して1.2%の増となり、今後も社会保障費の伸びは続く事が予想されることから、PDCAサイクルによる歳出削減や事業見直しを不断に行って来ている現状ですが、区も「一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況」と分析をされています。そんな状況下、実効性ある行政評価制度は必要不可欠です。

中野区の行政評価は、平成25年度に大きく変更がありました。外部評価に先立ち、内部評価が行われています。内部評価においては、まず主管部が自己評価を行い、その評価に基づき、他部による部間相互評価を実施。さらに、各部長で構成する内部評価委員会による評価を行うことで、評価結果の制度向上に努めている、とのことです。また、外部評価では、それまでは、すべての分野に対して行っていた外部評価を3年ですべてを見ていくという形に変更。そして、また、決算値を含めたものにするため、以前は6~7月に行われていた外部評価委員会を決算認定後に行っています。

平成26年度外部評価は、平成2610月から平成271月まで約4か月をかけ、518分野を対象に行われました。内部評価結果に基づき事前に作成した質問票に対する文書回答をもとに、担当係長による事業説明会が行われ、その後部長よび副参事による公開ヒアリングを実施するなど、4回にわたる聞き取りが行われたとの事です。その上で、外部評価委員会で評価を確定されたという手順で行われました。

 毎回、「外部評価結果の講評」や「今後の課題」として外部評価委員会からのコメントがあるのですが、何点か気になる点がありましたので、質問をさせていただきます。「今後の課題」のところで、目標の適正化が指摘をされています。これまでも、ほぼ毎年のように指摘をされてきているところかと思います。目標や目標値の設定方法やレベルにばらつきがないよう、政策部門が全体を統括する必要がある、とコメントをされていますが、各分野の目標の適正化はどのように行っていくのか。目標設定は各分野ごとに行ってきていますが、その目標設定が適正かどうかはどのように判断しているのでしょうか。

今回、内部評価では、指標の妥当性を含む指標の目標達成度からア.指標の目標達成度、イ. 目標値の妥当性、ウ. 指標の妥当性と三つにわけ、よりわかりやすく変更されています。これにより、指標や目標値の妥当性がより見やすくなりました。が、見やすくなったからこそ、妥当性がゼロなのに、達成度が6というような、目標達成値の矛盾点もわかりやすくなりました。長年行ってきている行政評価ですが、こうも毎年目標設定を指摘されている、という事はあらためて考えていかなければいけない課題だと認識しなければいけません。9月号の月刊ガバナンス「実効性の伴う自治体計画にするためのヒント」という記事の中で一般社団法人地域開発研究所上席主任研究員の牧瀬稔氏は、設定した指標こそ外部有識者を活用していく意義があるとおっしゃっています。中野区でも、その妥当性を外部有識者や公募区民などに見ていただいていますが、指摘をされても改善されないのでは意味がないと思います。現在は、指標や目標設定は各分野で行われていますが、設定段階から外部評価委員や他部署の方など、外部の目を入れると言う方法もあるとおもいますが、いかがでしょうか。

指標の目標値の中には、行政組織の目線で設定されており、区民目線ではないものも含まれている、との指摘もうけています。組織内部の論理ではなく、区民の目線で目標値を設定するよう、私からも要望を致します。

また、「外部評価結果の活用と検証」のところでは、『外部評価結果には内部評価を含めて多大な時間とエネルギーが費やされている。単なる形式にとどめず、実効性のある評価にするには、評価結果を実際の事業の見直しや改善につなげていくことが重要である。外部評価委員会の意見が事業の改善にどうつながったのか、また、意見が反映されなかった場合その理由はなにかなど、各年度の外部評価の結果を長いスパンで追跡して、検証していくしくみや区民に説明しつづけるためのしくみが必要ではないか』とのコメントがあります。

平成25年度の外部評価委員会にも「一方的な業務説明ないしは業務正当化を図るばかりではなく」と指摘をされたと思いますが、「単なる形式にとどめず」と言われてしまうという事は、外部評価を行っている意味が区政に反映されていないと外部評価委員会が感じてしまっている、形式ばかりで実効性がともなっていないと指摘されているも同然です。

単なる形式であれば、時間とエネルギー、そして経費のムダです。指摘をされているように、実効性のあるものにしていっていただきたいと思いますが、ご担当はこの指摘についてどのように考えていらっしゃいますか。

最後のところで、「また分野や職員によっては良く準備し積極的に取り組む姿勢も見られたが、外部評価全体を通じて、職員のプレゼン力と外部評価委員の意見を積極的に取り入れる姿勢に物足りなさを感じる事があった。職員の外部評価への意欲を高めるとともに、プレゼン力を向上するために、一層の工夫を求めるものである。」とコメントされています。

こういった行政評価の大きな目的のひとつとして、職員の意識改革があると思います。中野区でも、5つの目的のひとつとして掲げています。

外部評価はもう既にスタートしてから12年が経過していますが、それでもなお、外部評価に対する職員の意識が向上しないのは、形式的になってしまっているからではないでしょうか。ただ意識を改革しろ、と言われても改善はされないものです。

また、外部評価は外部の目を入れるという重要な役割を持っており、公開でヒアリングも行われていますが、傍聴者はほとんどおらず、その目的がきちんと果たされているのかは疑問に思う部分もあります。やはり、多くの人たちに見られて評価されることで、改善をしていく気概も生まれると感じます。土日開催は時間的に、と以前答弁されていた経緯もありますが、平成25年度から大きく施策転換されたわけですので、6~7月の限られた日程で行わなければならなかった以前と比べ、時間的制約はなくなったように感じます。土日、もしくは平日の夜のような、もっと多くの区民が傍聴に訪れる事が出来る日程も含めて外部評価委員会を開催してみるべきだと思いますが、ご見解をお聞かせください。 

昨年の決算特別委員会の総括質疑で外部評価について質疑をさせていただいた際、平成25年度は外部評価委員会の開催が1月であったのに対し、平成26年度は10月から開催が出来るため、外部評価を参考にし、次々年度ではなく、次年度予算への反映が出来るとの答弁をされていらっしゃいましたが、実際に外部評価委員会の結果を踏まえ、平成27年度予算もしくは施策に反映をする事ができたのでしょうか伺います。 

行政評価とのかかわりの中で、関連して質問を致します。中野区では、職員が主体となって業務の改善を行っていく、「おもてなし運動」があります。業務の改善を行っていくのであれば、行政評価の中で言えば「自己評価」を踏まえ、事業効率など改善を行っていくものと同等に感じられますが、「おもてなし運動」は政策室の業務改善分野、行政評価は経営室の行政監理分野に含まれています。業務を改善していく、という意味では業務改善分野も行政監理分野と隣り合った関係であると感じます。ここの部分での組織の在り方についても、是非、今後の検討課題としていただきたいと思います。

また、「おもてなし運動」という業務改善を職員主導で行い、「おもてなし運動発表会」も行われ、また優勝者は全国のカイゼンサミットにも出場するなど、大きな位置づけになっているように感じます。それであれば、どの分野もおもてなし運動で行った改善を行政評価の中に含めるべきだと感じますが、いかがでしょうか。

様々な見直しを行ってきている行政評価ですが、是非、実効性のあるものにしていっていただくようお願いしこの項の質問を終わります。

2.国際交流について

次に国際交流について伺います。
まずは国際交流についてのうち、友好都市・姉妹都市交流について伺います。すべての区の事業を実施する意義は、その事業がきちんと区民に還元をされていることだと思います。これまでの一般質問や総括質疑で度々申し上げてきましたが、国際交流を実施する意義のひとつにグローバル人材を育てる教育に役立てるという観点があります。文部科学省でも平成24年からグローバル人材育成事業を始めております。これは、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国のきずなの強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進するものです。もちろん高等教育でこのように推進することもとても大切だと思いますけれども、その基盤をつくるのはもっと小さいころの環境ですし、実際に平成23年度からは小学校での外国語活動も必修化されました。区長も、ここ最近はグローバル人材を育てるための教育について様々な機会に重要性をご発言されているかと思います。人口減少社会の中、また、国際競争力が激しくなるグローバル化社会の中、グローバル人材を育てるという観点は、国力のためには非常に重要だと考えています。また、グローバルな人材を育てる上で大切なことは言語だけではありません。日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、またそれを尊重できるということも大切ではないかと考えます。その意味でも、違う文化を持つ国の方々と交流できる機会をとらえ、推進していく事が、これから世界へ羽ばたいていく子どもたちの力を育てると思っています。

現在、中野区は、中国北京市西城区と友好都市を、韓国ソウル特別市陽川(ヤンチョン)区と姉妹都市を締結しております。西城区とは国際交流協会の事業で少年野球チームの交流が夏に行われておりました。一昨年、昨年と2年連続で、国家間の情勢不安やPM2.5の影響などにより中止になってしまいました。これまでは、中野区の少年野球チームが西城区へ出向き、野球交流をしていましたが、今年は西城区の子どもたちが中野区へ来ての交流という形で、再開をされました。これは大変喜ばしい事ですし、子どもたちにはとても良い経験になったのではないかと思います。もちろん、中野区国際交流協会や軟式少年野球連盟とも協議の必要があるかと思いますが、今後の西城区との少年野球交流は、今年度と同等な形で継続していくのでしょうか。お聞きします。

もうひとつの都市である、陽川区とは2010年11月に姉妹都市を締結してからいまだ交流の事業が決まっておりません。協議を続けてきていると毎回ご答弁されているのですが、その後、何か進展はあるのでしょうか。お聞きします。

 一方、友好都市、姉妹都市ではありませんけれども、ニュージーランドのウェリントンとは、区内中学校に通う子どもたちとウェリントンの中学生が毎年行き来をする交流事業が長年にわたり続けられております。私自身も中野区国際交流協会の評議員として、中野区の子どもたちがウェリントンに行く際は送迎会と帰国報告会、ウェリントンの子どもたちが中野区に来られるときはお別れ会に出席をさせていただいております。交流を通して多くのことを経験してくる子どもたちの姿を見ることができ、本当に充実したプログラムとなっていることを実感しています。本来は、このようなプログラムが増えていく事が大変望ましいのですが、ウェリントンとの交流は長い経緯の中で続いてきた事もあり、新たに同じような交流事業を始める事は中々難しい現状も理解はしています。区は友好都市・姉妹都市交流の中には子ども交流という観点も含まれる、と以前ご答弁されていますが、ヤンチョン区と具体的に交流事業を煮詰めていく上で、是非子どもの交流という観点を念頭に置いていただきたいと思いますが、いかがですか。

いずれにしても、自治体間の国際交流は、一昔前の議員や行政の特権と言われるような区民に歓迎されない交流になっては絶対にいけないと思っています。そう言われないためにも、戦略を持って行わなければいけません。周年行事での区の職員や議会、関係団体などの行き来も、関係を築いていく上で必要だと思っておりますけれども、それだけではなく、きちんと区民へ還元されるよう今後の御努力に期待をしていますが、区のお考えはいかがですか。

友好都市・姉妹都市の締結をしても、具体的な事業が決まらなければ、締結をした意味もなくなってしまいます。ましてや、周年行事だけ行っているのは、まったく区民へ還元されずムダと言われかねません。ヤンチョン区側の事情などがあった事も理解はしていますが、それを踏まえても、そろそろ具体的に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

次に、国際交流の中で中野区内での多文化共生について伺います。その中でまずは外国人支援について伺います。中野四季の都市のオープンに伴い、明治大学や早稲田大学の留学生など、昼夜問わず中野区の外国人人口は増加傾向にあります。2020年の東京オリンピックパラリンピックに向け、東京都内の外国人人口は増加する事が見込まれ、中野区も例外ではないと思います。平成27年度からは窓口での多言語対応が可能になるなど、中野区においても外国人住民の方々への対応も一定程度されてきた事は確かだと思います。

これからの5年間は多くの来街者が予想されますが、多言語化というものが遅れている事は否めません。主要駅や施設の表示、またそこへの案内表示など、日本語を読み書きする事ができない外国人にとっては非常に不都合な現状かと思います。東京都では、オリンピックパラリンピックに向け、多言語対応協議会を立ち上げ、官民一体となり交通機関や道路等における案内表示の標準化に取り組むとしており、平成27219日東京都産業労働局は、「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」を改定しました。これは、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」等を踏まえ、内容をより充実させた東京都版ガイドラインとして指針を改定したものです。これにより、中野区にはどのような影響があるのか教えてください。

2020年に向けて、来街者・観光客への対応というのはとても重要になってくるひとつですが、留学や海外からの赴任により中野区で暮らす外国人の方々の支援も、多文化共生という観点からは重要なところだと思います。以前、住み続ける基盤として「外国人の方々も同じ区民として連携協力をしながら中野という地域社会の中で安心して暮らし続けていけるということが必要であるというふうに考えてございます。基盤と申しましても、具体的に申しますと、例えば日本語の習得や情報リテラシーの向上であるとか、交流の機会の提供であるというふうに考えてございます。」とご答弁されています。

日本語習得に関しては、中野区国際交流協会での多くの日本語ボランティアさんたちがいらっしゃいます。一方で、中野区国際交流協会の知名度がまだまだ足りないという部分もあります。ANICも日本語ボランティアだけにとどまらず、夕涼み会やお料理教室など文化的な交流事業も行っていますが、参加されるのが一定の方々で13000人を超す中野区に住まわれている外国人にこういった情報が届いているとは思えません。総合防災訓練もいつも参加者が少人数にとどまります。せっかくやっている事業ですし、ANICの方々も一生懸命取り組んでいただいています。是非、区としても中野区国際交流協会に関しての広報を徹底していただきたいと思いますが、いかがですか。

最近、よく耳にする事が、オリンピックパラリンピックに向け、様々な中小企業やレストランなどの飲食店が多言語化するために外国人留学生などを雇いたいというニーズがあるのにも関わらず、どこで見つけてきたらいいのかわからない、というような相談を受ける事があります。一方で、以前参加をさせていただいた明治大学国際日本学部の多文化共生フォーラムでは、外国人留学生は仕事をする場所を見つける事が難しいとの提言もありました。需要と供給が存在するはずなのに、マッチングが上手く出来ていない現状があるように思えます。八王子市では、「東京都外国人雇用サービスセンター」や「NPO法人留学協会」、また市内企業の協力を得て、留学生向けに就職支援セミナーを実施しています。日本で就職活動するにあたっての基本的な知識や日本の企業で働く先輩外国人留学生のアドバイスの他、個別相談にも対応しているそうです。818日の都政新報に、東京都産業労働局が外国人留学生を中小企業への就職につなげる採用支援に着手すると報じられました。中小企業でも外国人留学生の採用意欲が高まっているものの、卒業後に国内で就職する留学生は25%程度にとどまっており、採用の促進が課題となっている現状から、国内での就職を望む留学生と都内中小企業双方に採用に向けたノウハウを提供することで、お互いの理解を深める事が狙いとのことです。一般社団法人学生支援機構の調査によれば、日本で学ぶ外国人留学生の65%が賃金の高い日本国内での就職を希望しているものの、結果として25%にとどまっているのが現状です。四季の都市のオープンにより、中野区には多くの留学生がいます。また、来街者が増える事を見越し、外国人留学生を採用したい企業も存在します。是非、こういったところに情報提供を行うとともに、中野区が運営する「ぐっJOBなかの」にも「東京外国人雇用サービスセンター」のリンクを貼るなど、対応をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。

学校教育の中でのグローバル人材を育てるための教育について伺います。中野区の小中学校では、四季の都市に来た大学と連携をし、外国人留学生との交流授業を行っている学校があります。平成26年度および27年度、塔の山小学校の5年生で年3回、緑野小学校の6年生が年1回それぞれ明治大学の留学生と交流授業を行っています。小学校での授業は、児童が留学生の出身国について調べ、プレゼンテーションを行い、そのプレゼンテーションについて意見交換を行う事で相互理解につなげるという授業内容と伺っています。また、中野中学校では中学3年生の1コマ、早稲田の留学生と交流授業を行っており、世界情勢全般についての意見交換を行っていると伺っています。

移民が多いわけではなく、またこの島国の日本で、以前よりはグローバル化が進み外国人人口も増えてきているとはいえ、中々このように外国人の方々と交流する機会が乏しい中、非常に有効かつ推進すべき交流授業なのではないかと考えています。協力をしていただける留学生も限られている中、すべての学校でこういった授業を行う事は難しいかと考えます。一方で、現在は大学の教授と学校長のやり取りでこのように連携をして授業が行えていると伺っていますが、学校長はずっと一緒ではなく、別の、それも中野区外の学校への転勤もありえるわけで、継続性を非常に懸念しています。広げていくのは難しいにしても、特色ある学校づくりの一環として、今現在行っている学校では、継続していけるよう区としても取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

多文化共生の観点の中に、諸外国で育ち中野へ帰国した帰国子女の子どもたちへの対応も含まれていると考えます。いでい議員の一般質問でも取り上げられており、重なる部分もありますが、私の観点からも質問をさせていただきます。第三中学校は現在、中野区の帰国生徒重点受け入れ校として平成13年から指定をされています。歴史をたどれば、昭和49年に文部省が指定をした帰国子女教育研究協力校となり、平成12年にその指定から外れてからもそれまでのノウハウから中野区で重点校として指定をされているという経緯があります。日本語の補充教室を行っており、日本語支援として2名の人的配置が行われています。現在、18名の帰国子女生徒が第三中学校に通っているとのことです。帰国子女に特化している学校として、中野区だけにとどまらず、全国でも有名だと伺っています。こういう学校教育施設は、中野区にとっても財産です。一方で、第三中学校は学校再編の対象校であり、第十中学校との統合が決まっています。統合校が出来た際には、今の第三中学校の帰国生徒受け入れ重点校としてのノウハウを引き継ぎ、その機能を備えていくべきだと考えますが、いかがですか。

外国から帰国した生徒がきちんとした支援を受け日本語を学び、日本社会に順応するという事自体がグローバル人材の育成だと考えます。多文化を知っている貴重な人材となりえます。中野区の未来のためにも、こういった学校機能を失うべきではないと改めて申し上げこの項の質問を終わります。

3.平和を継承する取り組みについて

次に平和を継承する取組について伺います。
戦後70年を迎えたこの8月、私は長崎県長崎市と広島県広島市、ともに70年前アメリカにより原子力爆弾が落とされた両市に訪れる機会をいただきました。長崎市、広島市ともに原爆資料館や平和祈念館を視察させていただき、改めて原爆の恐ろしさを学び感じ、また改めて核廃絶を目指していかなければいけないと感じました。原爆が落とされた事に対する検証もいまだすべてが解明されたわけではありませんが、先の戦争を忘れる事なく、次の世代へと継承していくことがとても大切です。一方で、戦争を経験した世代の高齢化が進んでいる事も事実です。私たちの世代では、祖父母が戦争を経験している世代ですが、今の子どもたちはおじいちゃんおばあちゃんでも戦後生まれという家庭が多く、戦争を自分事としてとらえる機会は中々ないのも事実です。NHKの20代への調査では、86日や9日がどういう日か答えられた方が30%にとどまっているという結果が出ています。平和を継承していくためには、教育の場ももちろんですが、それだけでなく取り組んでいかなければいけないと感じます。

今年度は「平和の語り部派遣事業」として、中野区内の全中学校にて戦争経験や広島での被爆体験などについての講演が行われました。子どもたちにとっては、非常に貴重な体験となったと考えます。一方で高齢化が進む中、「語り部」を担ってくださる方々を探すのにも中々ご苦労されているとの事でした。88日、長妻昭衆議院議員が中野サンプラザにて、「戦争体験を聴く会」という会を開き、6名の区内にお住いの戦争体験者からお話を伺いました。戦地だけでなく、様々なお立場で経験された戦争体験をお話くださり、非常に貴重な時間となりました。また、会場にいらした方々の中にも多くの方が戦争を体験されており、焼夷弾を実際に持って来られた方もいらっしゃいました。

中野区内でも東京大空襲など、当時壮絶な体験をされた方が多くいらっしゃいます。こういった語り部事業に貢献していただける人材はまだまだいらっしゃると思いますが、掘り起こしをしていき、是非ご協力をいただけるよう区としても働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

先の戦争は70年前に終戦を迎え、戦争を知っている世代はどんどん少なくなっている事も現状です。長崎市では被爆体験の次世代への継承が急務となっている中、被爆2世・3世などの家族が被ばく継承に重要な役割を果たしていくと考え、家族証言者として活動していく方々を募集し必要な支援を行っていく「語り継ぐ家族の被ばく体験推進事業」を平成26年度から開始しました。広島市では、被爆体験証言者の被爆体験を受け継ぎ伝える伝承者を育成する事業を平成24年度から始めており、3年間の研修を受け、今年度4月から1期生50名が実際に活動を開始されています。広島市では、実際に伝承者のお話を聞く機会もいただきました。長崎市や広島市などの被爆地では、こういった伝承事業がすすめられることにより、平和を次の世代にも伝えていくという強い姿勢で取り組まれています。

先々週末、912日土曜日の学校公開授業では、第3中学校で「道徳授業地区公開講座」が開催され、授業公開では生命尊重や国際理解についての公開授業を、講演会ではゲスト講師にシンガーソングライターの佐々木祐滋さんを招き「子どもたちが未来に向かって安心して生きていけるように、生の希望にあふれ、いのちの大切さを実感できる社会の実現をめざしたお話」をしていただいたとのことです。佐々木さんは、広島平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった少女「佐々木禎子」さんの甥っ子にあたる被ばく2世で、現在は中野区に住まわれています。公開講座は地域でも非常に評判が良かったと漏れ聞いていますが、ご担当は公開授業の成果、例えば子どもたちの反応をどのように把握されているでしょうか。

佐々木さんは日本各地でご講演されているだけでなく、最近ではハワイやブラジルなど、諸外国でもご講演をされています。今回、佐々木祐滋さんご本人のつながりで、第三中学校、また実践中野中学でもご講演される事になったそうです。こういった人材が中野区にいらしたということを区は把握されていたのでしょうか。

今回、第3中学校では道徳の時間を使い、この平和に関する公開講座を行ったという事ですが、区内の他の学校で戦後70年という節目に同じように平和継承の授業を行った学校はあったのでしょうか。

平和を継承していく大きな要は教育現場だと思います。先ほども申し上げましたが、今の子どもたちはおじいちゃんおばあちゃん世代も戦後生まれがほとんどの中、先の戦争を自分事としてとらえる機会がほとんどありません。他の学校でも、様々な機会をとらえて、こういった講演会をしてみてはと考えますが、いかがでしょうか。

また、長崎市は被爆伝承の取組の1つとして、「青少年ピースフォーラム」という事業を行っています。これは、平和祈念式典にあわせ、全国の自治体が派遣する平和使節団の青少年と長崎の青少年とが一緒に被爆の実相や平和の尊さを学習し、交流を深める事で平和意識の高揚を図ることを目的として実施しています。ピースフォーラムには各自治体の手あげで参加をされているとのお話でした。東京都内からも港区、新宿区、品川区、板橋区の子どもたちが参加をされています。広島市でも同様の事業が行われており、こちらにも東京都内から新宿区や多摩市などが参加されているそうです。参加費用は各自治体負担とのことではありますが、子どもたちが主体的に学ぶ機会を得られる非常に有効な機会かと思います。派遣する子どもの選考基準を設ける際に、例えば学校で作文発表をして全員が選考過程に参加をするなど、また、学んだ子どもたちが帰京後に他の子どもたちに発信していくなど、アクティブラーニングにもつながると思います。このような事からも、平和尊さを自分事としてとらえる、学べる非常に貴重な体験となりえると思います。是非、中野区も参加を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

繰り返しになりますが、戦後70年が経過し、中野区としても平和を継承していく取り組みをきちんと進めていく事を期待し次の質問に移ります。

4.動物愛護について

次に動物愛護について質問を致します。
平成259月に改正された動物愛護管理法が施行されました。その内容は3つの柱からなります。一つ目は『終生飼養』について、明文化されました。まず、法の前提として、動物愛護管理法は動物を取り扱う業態側と飼育する飼い主側の両方を対象にしています。ペットの飼い主に対して『終生飼養するという』責任が明文化されました。また、動物取扱業者の責務にも販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されています。そして、自治体(保護センター等)に持ち込まれた犬猫が終生飼養の原則に反する場合『引き取りを拒否できる』旨が明記されました。また、自治体が保護したり引き取った犬猫は飼い主に返還、あるいは新しい飼い主に譲渡する努力が義務付けられました。

ふたつ目は『動物取扱業』のさらなる適正化です。犬猫を取り扱う業の方々は、『犬猫等健康安全計画の提出』をしなければならないと義務付けられました。また、ペットを販売するにあたり、『現物確認及び対面説明を義務付け』となりました。これまでは、インターネット販売でペットを販売し空輸されるという例がありましたが、動物を販売する場合には、一度は必ず対面をしてきちんとペットについて説明する事が法律に明記されました。

3つ目は災害時における動物の適正な飼養及び保管に関する施策を、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に定める事項に追加されました。

また、幼齢動物の引き渡し日齢に関して、法改正前までは、特に動物が販売される具体的な日齢は規定されていませんでした。今回の法改正では、経過措置として、法施行後3年間は生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡し等が禁止されます。その後、生後49日以内に変更になり、次に法で定める日から生後56日以内は禁止となります。

このように、法改正により、生後間もない犬猫の販売禁止や殺処分がなくなることを目指すなどの内容が新たに加えられ、動物を扱う業者であっても飼い主であっても、ペットを一生大切に飼育するという理念が加わりました。ペットを愛する方であれば当たり前のことだと思われがちですが、法改正により、その『理念が法により守られる』ようになりました。

今週、920日から26日は動物愛護週間です。中野区では、この動物愛護週間にペット相談会を開催したり、中野駅ガード下ギャラリーでの展示をされたりしていると伺っています。まず、動物の保護に関して、殺処分ゼロを明確に目指していこうと宣言をしている自治体が増えてきている中、中野区でも明確に「殺処分ゼロ」を目指していくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

動物の殺処分ゼロを目指していく目標の中で、基礎自治体が取り組める施策も中には存在します。さきほど例としてあげた、地域猫への対応、具体的に申し上げると去勢手術助成の制度などになりますが、犬に対しても出来る事があるかと思います。殺処分ゼロを目指していくためには、保護犬の譲渡に対する普及啓発があります。東京都動物愛護管理センターでは、平成24年度で計3604頭の動物が引き取られ2404頭の動物が殺処分されています。平成25年度は計2346頭の動物が引き取られ1312頭の動物が処分されています。一方、犬は殺処分数も平成24年度の200頭弱から平成25年度76頭とここ数年で減ってきています。これは、多くのボランティア団体へ譲渡が殺処分を減らす効果が出て来ています。こうした登録団体が引き取った保護動物はボランティア団体を通じ、最終的な譲渡先へと引き渡されています。

保護犬の譲渡制度を少しでも広めていくという観点から、譲渡犬の登録手数料を免除していくもしくは減免するという政策を打ち出してみたらいかがでしょうか。見解をお聞かせください。

捨て犬や捨て猫の保護および管理等、他の道府県では基礎自治体が保健所にて対応しているところですが、東京都では東京都動物愛護センターにて行われています。東京都では、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指して平成264月に動物愛護管理推進計画を策定しました。この計画の中では、区市町村の役割が明記されています。都と連携した動物愛護管理の普及啓発や地域住民に対する直接的な指導等の役割などが期待されており、狂犬病対策、飼い主のいない猫対策、災害時のペット同行避難などについて触れられています。また、動物愛護管理法の中でも、地方公共団体の事務として、動物の愛護と適正な飼養に関し、法の基本原則に則り、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭における教育活動や広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならないとしています。小中学校等、教育現場での動物愛護に関する普及啓発を、中野区ではどのように取り組んでいるのか教えてください。

東京都の動物愛護相談センターでは小学校における動物教室を実施しているそうです。中野区内の小学校で実施しているところはあるのでしょうか。

この東京都の動物教室は、動物愛護推進員さんのご協力の下、連携をしてすすめていると伺っています。現在、中野区には何名の動物愛護推進員さんがいらっしゃるのでしょうか? 

14名動物愛護推進員さんがいらっしゃるとのことですが、中野区では動物愛護推進委員さんと何か連携して行っている事業はあるのでしょうか。

中野区では、愛犬手帳や愛猫手帳など、独自に作成し配布をしています。東京都で作成したものを保健所に置くだけにとどまる自治体が多い中、独自で作成している事は動物愛護に対する意識が高いと感じます。この愛犬・愛猫手帳ですが、平成21年に初めて作成されました。どのようなところで配布をされているのか、また、中身に関しての改訂はどのようなタイミングで行われているのか教えてください。

改定は2年に1回とのことでしたが、平成26年度は発行部数と配布部数は愛犬・愛猫手帳それぞれいくつになっているのか教えてください。

2回定例会の一般質問の際に、現在中野区では9759頭の犬が登録されているとの答弁がありました。是非、すべての飼い主に愛犬・愛猫手帳が行きわたるように広報をしていただければと思います。

愛犬・愛猫手帳には災害時の備えについての記述もあります。備えるべき防災用品などが記載されており、とてもわかりやすい作りになっています。一方で、中野区地域防災計画第39次修正の中で、ペットの同行避難が明記されました。この愛犬・愛猫手帳には同行避難に関しての記述がありません。前回の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、避難所へのペットの同行避難は、原則、自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られることや、もし自宅が倒壊・焼失してしまった場合は避難所にて受け入れが出来ることなど、ペットの同行避難については防災の分野になるかとは思いますが、防災分野とも連携をして愛犬・愛猫手帳にも記載すべきだと考えますが、いかがですか。

 愛犬の登録に関する記述についてお聞きをいたします。改正された動物愛護管理法では、法施行後3年間は生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡し等が禁止されます。その後、生後49日以内に変更になり、次に法で定める日から生後56日以内は禁止となります。一方で、狂犬病予防法により、犬を飼い始めたら30日以内(生後91日以上)に登録しなければなりません。との記載があります。現在は生後45日以降で犬の販売が出来るわけですが、例えば生後50日の犬を飼った方がいるとします。犬を飼い始めた30日以内に登録をしようとしますが、その子犬は生後80日になるわけですが、狂犬病予防法だと生後91日以上に登録をしなければいけないとなっているので、登録をすべきなのかどうか戸惑いが生じます。これは、国の法律の記述をそのまま愛犬手帳に記載しているのかと思いますが、区が作成したものに書いてある以上、きちんと説明ができるようにしなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。

適正に混乱なく登録をしていただけるよう、これからもご努力いただけるようお願いをして私のすべての総括質疑を終了します。