民主党 中野区議会議員 中村延子 なかむらのぶこ

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名義:中村延子後援会
2015.06.25

第2回定例会で一般質問を行いました

本日、中野区議会本会議において、一般質問を行いました。
原稿を以下に転載します。


1.避難所運営について
(1)災害時の妊産婦支援について
(2)ペットの同行避難について
2.災害時の情報受発信について
(1)情報発信について
(2)安否確認メールについて
3.がん対策について
(1)検診受診率向上施策について
(2)受動喫煙防止について

平成27年第2回定例会にあたり、民主党議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告の通りです。その他はございません。

まず避難所運営について伺います。昨年の御嶽山の噴火や、5月に入ってからは箱根山などの火山活動が活発化し、噴火警戒レベルが引上げられています。616日と19日には、浅間山が小規模な噴火。529日に爆発的な噴火がおきた鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)では618日・19日に再び噴火がおき、島民全員が避難生活を強いられています。また、524日には埼玉県北部を震源とするマグニチュード5.6、最大震度5弱の地震や、530日には小笠原諸島沖を震源とするマグニチュード8.1、最大震度5強の地震が起きました。中野区でも震度4および震度3を観測しました。30年以内に首都直下型地震が起きると言われておりますが、最近の火山活動の活発化や大きな地震の頻度を見ても、いつ起こるかわからない地震や災害への対策は急務です。

その中で、まずは災害時の妊産婦支援についてお聞きを致します。
災害時要援護者として高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦が上げられていますが、妊婦や乳幼児を抱えるお母さんへの対策が十分に検討され、対策がとられているとは言い難い状況です。中野区でも地域防災計画の災害時要援護者として妊産婦の記載はあるものの、具体的な対策はとられていません。平成27年第一回定例会予算総括質疑で我が会派の森議員からの質問に、避難所の対応での男女別々のスペースの確保、乳児の粉乳やおむつの備蓄、二次避難所での対応などがあり、個々の要望については十分な配慮がなされるように取り組みたいとのご答弁がありました。
災害時の妊産婦に対し、具体的に支援体制を整える必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。

過去のデータによれば、被災した母子に適切な処置をしないと乳児の死亡率が高まることが報告されています。妊婦は、けがや病気がなくても妊娠しているというだけでリスクがあり、東日本大震災の際には、特に目立った外傷がなかった妊婦が数日後に流産してしまったケースもあったそうです。また、東北大学の調査によると、被災地で、産後うつ病の女性が増え、専門家によるケアが必要な「産後うつ」が強く疑われる母親は21.5%、「津波被害を受けた」と答えた母親に限ると28.7%、実家も含めて避難が必要だった母親も23.9%にのぼり、「津波被害がなかった」と答えた方々でも、18.1%の疑いがあり、通常よりも高い割合であったことが明らかになりました。妊産婦は、災害弱者の中でも特に災害による影響を受けやすくリスクも高い、そして医療との連携が早期に必要になる存在であるという認識に立った対応が必要であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 

文京区では、平成24年9月に、区内の跡見学園女子大学と「災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互協力」の協定を締結されました。内容としては、学校施設の一部を母子専用の救護所として提供するというもので、スペースとしては、キャンパス内のワンフロア約1400平米で、150名程度の受け入れが可能、医療スペース、相談スペース、子どもの遊び場スペース、感染症などの隔離スペースなども想定し、平成25年から文京区と大学共同での訓練も実施されています。中野区にも薬学部がある帝京平成大学をはじめ、子どもを専門とする学校など、同様の協定を締結しうる学校が存在します。災害時の妊産婦支援に向け、また2次避難所設置なども含め、中野区でもこのような協定を検討していくべきと考えますが、いかがですか。ご見解をお聞かせください。

 

次にペットの同行避難について伺います。
中野区地域防災計画第39次修正の中で、ペットの同行避難が明記され、また平成256月には環境省が「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成し、全国の自治体に配布をしました。中野区内には指定避難所が49か所ありますが、その中でペット同行避難を受け入れている避難所は何か所あるのでしょうか。お答えください。

 

ここで言われるペットとは、屋外スペースにいても支障がないペットを指し、地域防災計画の中にも「犬や猫、鳥など」と明記をされています。地域によっては多くの方がペットを飼っていらっしゃるところもあります。避難所へのペットの同行避難は、原則、自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られるとはいえ、木密地域などでは避難所で受け入れる事が出来るペットよりも多くの同行避難も考えられます。各避難所での受け入れ可能数は把握しているのでしょうか。また、実際のペット数や避難所へ同行避難が必要になりうるペット数はそれぞれの避難所で把握しているのでしょうか。併せてお答えください。
区の総合防災訓練でもペットの同行避難訓練も行われているところです。情報をきちんと把握しなければ、災害時に混乱をきたす可能性が大きいと考えられます。動物愛護や被災者である飼い主のメンタル面でのサポートなど、ペットの果たす役割も大きい中、情報の把握、区民への啓発を徹底していただくことを要望し次の質問に移ります。 

 

次に、災害時の情報受発信について伺います。
まず災害時の情報発信について伺います。東日本大震災以降、多くの同僚議員から、災害時の情報発信としてSNSを利用すべきとの質問が出ており、中野区はTwitterの利用を平成2310月末から開始しました。区長は度々答弁で、Twitterからの発信は原則防災や災害に関する情報のみに限るとおっしゃっています。先般、埼玉県北部を震源とした地震では中野区で震度4を観測しました。その際、中野区の公式Twitterでは、何の情報発信もされていません。一方で、地震について一切の発信をしなかったのにも関わらず、527日に発令された光化学スモッグ注意報に関しては発信をされています。これまでに中野区公式Twitterで発信された内容を見てみると、光化学スモッグ、台風、大雪などになっています。2012年には、選挙の情報や振り込め詐欺の情報、事業内容の見直しなども発信をされています。最近では、527日の前の発信は昨年10月の台風情報となっていますが、512日に日本に上陸した台風6号については注意喚起などの発信はされていません。中野区が公式に発信をしているTwitterの発信基準はどうなっているのでしょうか、お答えください。

 

現在、中野区公式Twitterのプロフィールには、「広報担当」の公式Twitterであり、政策室広報担当が運用をしていると明記をされています。一方で、中野区はTwitter利用を災害時のみとしてきました。これまでのご答弁のように、災害時のみに情報発信するのであれば、防災担当が運用をし、Twitterのアカウント名も「防災担当」にし、プロフィールにもそのように明記するべきではないかと考えますが、ご見解をお聞かせください。

 

他の近隣自治体は広報担当が運用をしているところが多く、また防災情報以外にも多くの発信をされています。防災情報のみを発信しているにも関わらず、広報担当が運用しているというわかりにくさは、フォロワー離れになりかねないと考えます。本来は、Twitterの性質上、平時から発信をしていない事には、フォロワー数も増えず、必要な時に必要なところに情報が届かない恐れがあります。災害時に備えるため、平時から発信しフォロワー数を増やす対策が必要だと申し添え、次の質問に移ります。

 

次に安否確認メールについて伺います。
530日小笠原諸島沖の地震発生時、災害対応する区職員の一部や区議会議員、一部の医療関係者を対象とした安否確認メールが送信されました。私もメールを受け取った一人です。今回、受け取ったメールは開けたものの、メールに貼られていたリンクを開き、安否確認および参集の可否を登録するページが開けず、登録することが出来ませんでした。実際に大きな地震が起きていたら、必要な機能が果たせず、大きな問題になっていた事が予想されます。今回、安否確認メールが機能しなかった原因はどのように分析されているのでしょうか。また、今後はどのように改善をしていく予定なのか、お答えください。

 

この安否確認メールは東京都内で震度5強以上の地震が起きた際に発信され、初動体制に必要な職員などを参集する目的で利用されています。今回は、東京都でも小笠原諸島で最大震度5強が観測され、中野区では震度3でした。しかしながら、今後いつ起こるかわからない首都直下地震で、確実にこの機能が果たされるために原因の究明と改善が必要不可欠であり、早急な対応が求められます。

 

次にがん対策について伺います。
その中で、まず検診受診率向上施策についてお聞きを致します。昭和56年から日本人の死因のトップはがんであり、生涯2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんでお亡くなりになります。最近も多くの芸能人ががんにより亡くなられ話題となりました。我が国では、平成18年にがん対策基本法が成立し施行されてから来年で10年を迎えます。その中で、がんの早期発見のために、がん検診の受診率目標を50%と定めてきましたが、実際はその数字には程遠いのが現状です。早期発見、早期治療のためには、受診率向上が非常に重要です。中野区では、平成26年度から20歳~40歳までの子宮頸がん検診の未受診者に対する受診勧奨を始めました。帝京平成大学の学生と連携し作成した勧奨ハガキを送付したところ、大きな反響があったとのことでした。おそらく受診率向上にも大きな貢献をしたと考えられます。今年度は加えて40歳~60歳を対象とした乳がん検診未受診者に対する受診勧奨を実施する予定となっています。これまでも、度々受診勧奨の効果を訴えてまいりましたが、非常に効果のある施策だと考えます。平成26年度から開始した、この未受診者に対する受診勧奨施策について区の評価を教えてください。

 

子宮頸がんや乳がんの女性特有のがんのように、個別の受診勧奨は受診率向上には効果が高く、これからも続けていくべき施策だと強く考えています。受診率向上により、がんを早期発見する事は、医療費の抑制にもつながります。一方で、日本人男性のがん罹患が一番多いのは胃がんで、続いて肺がんとなっています。昨年の決算特別委員会総括質疑で質問をした際、検診率向上のために現在受診勧奨を行っているがん検診以外にも広げていくべきと申し上げました。胃がん検診では、ハイリスク検診の導入を、大腸がん検診では、特定健診の際に申し込みを一括して受ける事による簡易化をはかっているところです。引き続き精度の高いがん検診を行っていくべきと考えます。また、受診勧奨施策を広げていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
検診受診率を少しでもあげていく為には、様々なハードルを下げていく事がとても重要です。例えば、検診申し込みの簡略化や、女性特有のがん検診においては、女性医師のいる病院の公表、働く世代が受けやすい土日休日や夜間などの時間帯に受診できる医療施設など、これからも取り組んで行っていただきたいと申し添え、次の質問に移ります。

 

次にがん対策の中で、受動喫煙防止について伺います。
本年61日に厚生労働省主催で「がんサミット」が行われました。その中で塩崎恭久厚生労働大臣は、「がん対策加速化プラン」を年内に策定すると発表をされました。そのがん対策加速化プランの柱のひとつには受動喫煙防止が含まれています。発癌のリスクとして、遺伝や加齢などは制御不可能ですが、制御可能な発癌リスクとしては、喫煙があげられる事は、周知の事実です。非喫煙者と比べると、喫煙者のがん死亡率は、喉頭がんで5.5倍、肺がんで4.8倍、食道がんで3.4倍、となっています。また、非喫煙者でも夫が喫煙している妻の肺がんの危険性は、夫が吸わない場合と比べると、「以前吸っていた」で1.5倍、「1日に20本未満」で1.7倍、夫が一日に20本以上たばこを吸う場合は2.2倍になるなど受動喫煙の場合もデータでも表れているところです。
中野区では、531日の世界禁煙デーにあわせ、本庁舎の外壁に「未成年者の喫煙を防止しましょう」という横断幕を提出している他、中野駅前での街頭キャンペーンで関係団体の方々と一緒に啓発用のティッシュを配っていると昨年決算総括質疑でご答弁されていました。中野区においては、たばこ税は貴重な財源であり、税収は平成25年度決算で227千万円ありましたが、一方で目に見えない支出も増えていると思われます。国民健康保険におけるたばこが一要因である病気の保険料から、たばこが原因の火事による損失。そして、本人だけではなく周りの人への健康被害まで、多岐に渡ります。国立ガン研究センターによりますと、たばこによる医療費は1.8兆円、社会定期損失は4.3兆円と試算され、一方で、たばこによる税収は2.1兆円となっています。現在のところ、中野区では路上喫煙に関して千代田区のように過料を徴収する条例にはなってはおらず、分煙のあり方や、たばこ税と禁煙推進の相反する事業の同時進行など、今後検討を進めていかなくてはならない課題が山積みであります。しかし、自分で判断をして避けることが可能でも、子どもはそうはいきません。その中でも、少なくとも子どもについては、何らかの対処をしなくてはいけないのではないでしょうか。例えば、子どもたちが日ごろから利用している公園にも、大人たちの喫煙所と化している場所もあります。公園は憩いの場であるという観点からは喫煙できる場所にするべきだという意見もありますが、年齢が低いほど血清ニコチン濃度は高くなる傾向があり、子供は成人よりも高度に環境たばこの煙に曝されていることが示されています。血液以外でも、尿・唾液・毛髪にも、発癌物質を含むたばこ特異的な成分が、非喫煙者からも検出されている、この状況を把握しながら自治体として放置するべきではないと考えます。子どもたちが利用する公園などに関しては、禁煙にするべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 

また、喫煙後に子どもを抱っこしたり、会話をする喫煙者の息からも有毒物質が出続けるとも言われています。喫煙した親の服に着いた煙が影響を与える場合もある。このようなことから、喫煙者の親から子への影響があることもわかっています。子どもに対するたばこの害は年々明らかになってきています。中野区では、すこやか福祉センターにて行われている乳幼児健診の際、問診票の中で「家族の中にたばこを吸う人はいるか」という質問があり、はい、との回答があった方に対しては分煙・禁煙指導をしているとのことですが、出産前から保護者への啓発をするべきと考えます。今年から、産前・産後サポート事業が始まっていますが、その中でも子どもの保護者や妊婦に対する禁煙指導にも力を入れていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 

受動喫煙防止を進めるにあたっては、子どもの頃からの予防教育も重要と考えます。現在、中野区の小中学校では、小学校で1~2時間、中学校でも1時間~2時間程度、受動喫煙や喫煙の健康への影響などを学んでいます。諸外国では、教育の中でたばこやアルコールは麻薬と同列に扱われ、中毒性の有無や健康被害などを教育しています。たしかに、アルコールもたばこも合法であり、日本ではいわゆる「麻薬」と呼ばれる薬物とは別物であることは事実ですが、たばこ・アルコールと「麻薬」をわけて教える事により、安易に喫煙を始めてしまう事も事実だと思います。5年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック開催も禁煙を考えるべき契機です。IOC1988年以来、オリンピック大会における禁煙方針を採択し、また2010年にはWHOと「たばこのないオリンピックをめざす協定」にも調印しています。東京都でも2020年オリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙防止条例を施行する必要性があるとも言われています。こういった状況も踏まえ、小中学校でもこれまで以上に徹底した教育を進めていく必要があると考えますが、ご見解をおきかせください。

 

以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。